シャノン・マッケナの新刊。「McCloud Brothers Series」の四作目にして、ショーンのお話ですね〜(^^)
15年振りに故郷に戻ったリヴはオープンしたばかりの書店を何者かによって放火されてしまった。そんな
リヴの元にかつての恋人ショーンが現れ、ショーンの双子の弟ケヴィンが絡んだ、15年前の一方的な別れ
の真相を知らされる中、リヴを付け狙うストーカーから逃れるべく、二人は行動を共にする事になって・・・。
シリーズの新たな方向性を感じつつ、巧みに練られたストーリーは、マッケナらしいカラーや質感が色濃く
出た内容で読ませましたね〜。そして私的にはショーンの物語として印象に残る部分が大きい作品でした。
一応お知らせを。以下
ネタばれアリですので、未読の方はスルーかバックされる事をお薦め致します。
ヒロインのリヴは地元の名家の一人娘。故郷に戻って書店を開いた所、何者かによって放火されてしまい、
かつての恋人のショーンと再会します。このリヴですが、いかにもお嬢様的な良い子ちゃんというわけでも
無く、性格的にしっかりとしていて逞しいヒロインと言えるかな〜。異常なまでに支配的な家族と対等にあろ
うと踏ん張るし、緊迫した状況下において、肝っ玉の据わった動きを見せる事が出来るのもまさにあっぱれ。
でもその一方で、ただ強いばかりでは無く、危険の迫る現状やショーンとの再会で揺れ動くリヴの心模様が、
感情が表に出た言動や胸中での葛藤を絡めつつ確かに描かれていて、とりわけ過去ショーンとの別れで、
リヴがいかに深く傷ついたかという部分にはやるせないものを感じましたね。またショーンに対して向き合っ
ていく中、ショーンを信じて理解しようとする気持ちが、リヴの真っ直ぐさと共に着実に窺えたのも良かったか
な〜とも。私的にはマーゴットが一番好きなのですが(笑)、内面の強さがよく出たヒロインだったと思います。
ヒーローのショーンはキックボクシングのインストラクターで、15年前に別れた恋人のリヴの事をずっと密か
に見守っていましたが、リヴの帰郷と事件の件を聞き付け、会いに行きます。いや〜、私的に今作はショーン
中心に読み込んだ感じと言うか。過去作品においても、節操の無い女好きで(笑)、お手軽なイメージが強か
ったショーンがどういう表情を見せてくれるのか興味深々だったんですよね〜。口が軽くて後先考えずに行動
を起こしては面倒に巻き込まれるトラブルメーカーで感情が表に出やすい性質だけに、ある意味わかりやす
いと言えるかな。そんな中、リヴとの別れやケヴィンの死によって、ショーンが自分自身や人生に価値を見い
だせずにいる虚しさや心の闇の部分が、切なさや痛みを滲ませながら深く描き出されていると同時に軽くて
調子の良いうわべの態度との鮮明な対比にはグッとくるものがありましたね。またケヴィンという片割れを失
った事による喪失感やその一方でどこかケヴィンの死を完全に受け入れきれないショーンの複雑な心模様が
とりわけ印象的で、リヴの事がずっと好きで、近況を追い続けていた事や見え見えのパスワードのエピソード
とかもショーンの一途さが見て取れて良かったのですが、私的にはリヴとのロマンスや関係性よりも兄弟の
中での位置やショーンの生き方に起因しているもの、そして普段表には出ない閉ざされた部分に強く惹き込
まれた感じでした。それでも私はデイビー兄さんスキーなんだけれど(笑)、ストレートなようでいて、様々な
感情を内包しているショーンの姿に強さと弱さを交錯させつつ、人間味溢れる様を力強く読ませましたね〜。
そして脇役の面々ですが、マクラウド兄弟を筆頭にお馴染みのメンバーが勢揃いでしたね。まずサイドスト
ーリーで描かれていたマイルズとシンディですが、男らしいや逞しさの中にもどこか少年っぽさが残っている
マイルズの魅力が光るのに対してはた迷惑で浅はかなシンディには正直ウンザリしたと言うか(呆)コナー
がブチ切れるのも大いに納得でしたわ。マイルズの想いが成就したのは何よりだけれど、シンディの魅力は
最後まで解せないままでしたね(^^;)マイルズが良いだけに、もうちょっと何とかならなかったのかな〜と。
続いてセスとコナーも相変わらずだし、マーゴットやレイン、エリンの登場もナイスでしたが、私的にはデイビ
ー兄さんの露出が多めで嬉しかったな〜(^^)マーゴットの妊娠にうろたえる兄さんとショーンのやり取りも
良かったし、自分とは真逆なショーンの無軌道な生き方に厳しい態度を見せつつも、兄として心配する不器
用な愛情が窺えるんですよね。兄さんはいつまでたっても兄さんだなあ〜と改めて実感したりも(^^)あと忘
れてはならないのがタマラ姐さんでしょう(笑)要塞でせっせとお手製ジュエリーに武器を仕込んでいられま
したが、毒舌振りも健在。更に兄さんが姐さんに朝食を食べさそうとするシーンや最後にはしっかりとブライ
ズメイド志願しているのにはニンマリでした(^^)悪役に関してもマッケナならではと言える、不気味なねちっ
こさがよく出たキャラ形成が見られて、キャラそれぞれが様々な個性をくっきりと立たせた絡み方も○でした。
ストーカーに捕らわれたリヴは危ない所をショーンに助け出され、15年前にケヴィンが関わっていた「ミッド
ナイト・プロジェクト」という実験を巡る陰謀が事件の背景にある事が明らかになり、二人はその真相を追う
と同時にケヴィンが遺した暗号を解こうとします。まずリヴとショーンのロマンスは展開が早く、のっけから
かっ飛ばしていたな〜(笑)ホット度マックスなシーンの数々に激しさと切なさ、そしてショーンらしい温度感
が混在した内容でしたね。ただ二人の感情面のやり取りとなると、前作や前々作の方がより深みがあった
ように思えたりも。それでも手ごたえはありましたが(笑)私的にはリヴよりもショーンの心情の方に傾倒し
た感じかな(^^)またショーンとケヴィンの対話(?)やデイビー兄さん&コナー、ショーンの三兄弟のやり取
りを通して、マクラウド家の辛く哀しい過去や兄弟達が背負っているものが改めて見える事、ショーンとケヴ
ィンの間にある特別な愛情と強い結びつきの切なさや深さは印象強かったです。あと事件面は脳科学者が
行う人体実験をメインに薄気味悪さを顕著に出しながら、ケヴィンの死の真相を絡めた筋立ても上手かった
と思います。シリーズの続きを楽しみにしつつ、マイベストはやっぱり三作目で動かずですが(ロマンス面
とヒロインに対する吸引力の差、サイドストーリーの微妙さによる所でしょうか)、内容的にはボリューム感
に対して最後まで勢いが衰える事無く、パワフルかつ細やかな筆致で描かれている充実の一冊でした(^^)
次回作は「Extream Danger」。コナーの元同僚のニックのお話になりますね。単発作品の「Return to
Me」と揃って翻訳が決定しているそうで何より(^^)更にこの秋に刊行される新作の「Ultimate Weapon」
では、遂にタマラ姐さんがヒロインになるみたいです。そしていつかケヴィンが登場する事を期待だな〜(^^)
- 2008/09/21(日) 23:59:29|
- シャノン・マッケナ|
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