HQでお馴染みアン・グレイシーの新刊。四部作「The Merridew Sisters Series」の一作目ですね。
祖父に虐待されながら暮らしているプルーデンスは祖父が怪我をした隙に妹達を連れて、ロンドンに住む
大叔父の元へと逃げ出した。早速妹達を社交界に出そうとする中、プルーデンスはある事情からディンス
タンブル公爵と結婚していると嘘をついてしまい、公爵邸を訪ねるが、公爵のいとこのギデオンと会って・・・。
私的にHSの「氷の伯爵」がお気に入りなのですが、シングルタイトルも良かったですね〜。個性のあるキャ
ラとしっかりとしたストーリーで難なく一気読みでした。中でもギデオンの存在はピカいちと言えるかな(^^)
一応お知らせを出しておきますね。以下
ネタばれアリになりますので、未読の方はご注意下さいませ〜。
ヒロインのプルーデンスは五人姉妹の長女。ある日虐待を繰り返す祖父の隙をつき、妹達を連れてロン
ドンの大叔父の元へ逃げ出します。まずプルーデンスが序盤でその場しのぎの嘘を何度かつくのですが、
巻き込まれたギデオンが楽しんでいる事や祖父にまつわる状況、更にプルーデンスそのものは根が正直
なのがわかるし、素直に謝るので私的にはOKでした。責任感が強くて約束を守ろうとする忠実さや自分
自身が誰にも言えないような辛い経験をしながらも、何をおいても妹達を守ろうとする頑張りはまさにあっ
ぱれだな〜と。ギデオンと一緒にいる事でプルーデンスの心持ちが明るく朗らかになっていく感じも良かった
し、その一方でギデオンが放蕩者である事や自分に対する自信の無さからギデオンの愛情を信じきれな
い姿が葛藤する心情と重なりつつ、切なく痛々しくもありましたね。特別キャラが立つようなタイプでは無い
けれど、実直で気持ちが優しくて、どこか心に響くものがあると言うか。そんな感じのヒロインでしたね〜。
ヒーローのギデオンは公爵のいとこで、放蕩者として名が知れ渡っていますが、自分を公爵だと勘違いし
たプルーデンスに一目惚れしてしまいます。この茶目っ気たっぷりなギデオンは間違い無くこの作品の特筆
ポイントでしょう(^^)いかにも軽薄でお調子者な態度が憎めないと同時に物事をきちんと考えて、状況
判断が出来る賢さや行動力があるし、思いやりや温かさで包み込む様も◎。悪戯っ子的な魅力とユー
モラスな物言いが何ともチャーミングで自然と笑いを引き出してくれるんですよね〜(^^)またプルーデンス
に惚れ込むあまり、皆がプルーデンスに恋すると思い込むおとぼけ加減やプルーデンスの本質面をちゃんと
見ているのも高ポイントだったり(^^)そんな中プルーデンスと共に過ごす事で、ギデオンのキャラに深みが
増していくと言うか、人間的な幅が広がっていく様がとりわけ印象深くて、ギデオンが見せる優しさや強さ、
懐の深さにはグッと感動させられました。何を言われても諦めない粘り強さもナイス。とっても素敵です(^^)
脇役陣ですが、プルーデンスの姉妹達の中ではグレースが一番目立っていたかな〜。フィリップに対する
態度も○。チャリティーと公爵のロマンスが色添え程度に盛り込まれていましたが、私的に公爵のキャラ
がツボだったので、具体的に読みたかった気持ちもあるような。あと大叔父のオズワルドとギデオンの叔母
のオーガスタのコンビが魅力的で、プルーデンスの悲惨な過去やとことん邪悪な祖父とろくでなしのフィリッ
プに対して二人の善良さが際立っていましたね。オズワルドの健康オタク振りにはニンマリとしたりも(笑)
プルーデンスと妹達が大叔父の元で暮らし始める中、事情を知ったギデオンがプルーデンスの偽の婚約者
の役を買って出たのも束の間、祖父に居所がばれてしまい、ギデオンと公爵の手を借りてロンドンから逃げ
出す事になります。ストーリーは、さくさくと取っ付きやすくて、展開的にも無理が無かったですね〜。祖父の
虐待や流産の一件等の重い要素もありますが、雰囲気が暗くなるわけでも無く、一定のペースを保ちつつ、
温かな脇役達やギデオンのお茶目な魅力で着実に盛り上げながら読ませるなあ〜と。ロマンス面はホット
さよりも各々の持ち味を出したプルーデンスとギデオンのやり取りがメインとなっていて、それがまた良かった
と思います(^^)笑いあり切なさありの充実した一冊。面白かったです。シリーズの今後も楽しみだな〜。
シリーズは「The Perfect Waltz」、「The Perfect Stranger」、「The Perfect Kiss」と全部で四作
です。双子とグレースがちゃんとヒロインになっている事を思うと、チャリティーがちょっと寂しいかな〜?(笑)
- 2008/07/24(木) 23:04:50|
- フローラブックス|
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