「クレオ・ノース・トリロジー」第二弾。散々サイト内で不満を垂れ流してきましたが、2作目以降の
刊行がこんなに遅くなった理由は一体・・・?人気作家や売れ筋のヒストリカル作品なんかに比べる
と地味めだからとか?如何せん謎ですが、2ヶ月連続刊行はありがたいなあ〜と思います(^^)

前回の事件の際に知り合った船会社の社長のマークから、行方不明になった従業員の捜索を依頼
されたクレオは、早速現地へ向かうが、マークのオフィスで、4ヶ月前に再会して以降会っていなかっ
た空軍捜査官のジャックと鉢合わせた。そして各々の事件に、軍が絡んだ繋がりが出てきて・・・。

約1年半待っての刊行となりましたが、前作同様にスピード感溢れる面白さだけで無く、完結編への
期待を十分に高める充実振りでした。面白かったです(^^)さて、レビューを開始しますが、以下
ネタばれアリな内容になりますので、未読の方はスルーかバックされる事をお薦め致します。

このシリーズの特筆ポイントでもあるヒロインのクレオですが、今回もアニキな魅力が冴えまくりで、
かっこよかったですね〜(^^)美人で頭が切れるだけで無く、独立心旺盛でデキル女そのものと
言ったクレオの姿が清々しく描かれていましたが、有能だけれど、肩に力が入り過ぎちゃっている
強情タイプとは明らかに一線を画した、スマートだけれど、ざっくばらんとした温度感を感じさせる
のが◎。規則や命令に縛られるのが耐えられない事や野菜嫌いで、計算や書類仕事は大の苦手と
いった幾つかのエピソードが、クレオの個性に良い具合に砕けた妙味を与えているのもナイスだし、
自然と笑いを誘われる微笑ましさがあるんですよね(^^)サバサバとした物言いをする一方で他人の
心情を敏感に察したり出来る面がちゃんと見られるあたりも良かった。敏捷なフットワークやクール
で男前な性格は申し分が無いけれど、気取らない、自然体な感じが、クレオというキャラの根底に
あるからこそ、こういった資質が真っ直ぐに輝くんだろうなあ〜。好感度抜群のヒロインですね(^^)

ヒーローのジャックは空軍捜査官で、クレオとはかつての同僚&恋人でもあり、前回の事件の際に
再会に至りましたが、愛国心を持って職務に就く、真面目な捜査官としての姿の中にさらっとした
セクシーさがあって、前作よりも存在感がグッと前面に出てきたような気がしたかな〜(笑)クレオ
の添え物的なヒーローで終わらずに、しっかりと仕事をやっつけるのも気持ちが良いし、特別癖の
無い、オール・アメリカン的な雰囲気は好印象。マークへの嫉妬にはニンマリしたりも(笑)そして
アルコール依存症の前妻に対する悔いや罪悪感から立ち直れずにいる一面は、ジャックという
キャラに陰影を与えていていると同時にホロっとさせられて、クレオと元妻のキャラの違いを理解
していながらも、相手が自分を必要とする時に傍にいてあげる事が出来るのかと苦悩する心情や
ジャックの心の傷の裏にある優しさが切なかった。今回は前回よりもそのあたりに着目したかな〜。

クレオとジャックのロマンスは、あくまでも仕事優先の状況下で思い切りぶつかり合う感じですが、
クレオをおとなしくさせる為に、ジャックが動物にしか使った事の無い鎮静剤スプレーに足枷を
持ち出したのは笑えましたね〜(笑)お互いむかっ腹を立てつつ、性的緊張感は高まるばかりで、
息の合った闊達なやり取りが、いかにもこの二人らしくて良いんだなあ〜(^^)ジャックがクレオ
のシルクのボクサーショーツに萌えるのも可愛かったし(爆)そんなやり取りの一方で元妻の話を
避けるジャックの気持ちを察して、深く立ち入ろうとしないクレオのスタンスもまた何とも大人で◎。
終盤でジャックがクレオを一人で実家に戻らせなかった事は何より良かったなあ〜と思いました。
二人の関係がどういう形に落ち着くのか、最終話が楽しみ。ジャックには幸せになって欲しいわ(笑)

サイド・ストーリーとして、マークと特別秘書のダイアンのロマンスが描かれていましたが、これがHQ
によくあるボス物系の内容だったのが意外と言えたかな(笑)でも前回の哀しいロマンスを思うと、
秘書にこれまでの女遊びを罵られた挙句、ようやく自分の気持ちに気がついた、46歳・マークの
アホさ加減を良い感じで楽しめたので何よりかな(^^)今後も尻に敷かれるだろうな、マークは(爆)

クレオが行方を捜す、マークの会社の従業員が遺体となって発見され、その容疑者と思わしき人物
とジャックが捜査している政府の機密情報の不正アクセスの一件に繋がりが見え始め、軍需品を
積んだ船がターゲットになっている事を突き止めたクレオは、船が停泊中のマルタ島へ飛びます。
マルタ島に舞台を移して以降の展開は、クレオとジャックを中心にMI6の諜報員で、実はマークの
三つ子の姉のジョハンナが登場したり、マークとダイアンが現地で合流したりしつつ、パワフルかつ
軽快なペースで進んでいきますが、ジョハンナのキャラの光り具合も良かったし、軍絡みのネタを
難しくない程度に噛み砕いて、サスペンスのネタとして作り上げる手際の良さはさすがラブレースと
いった感じ。クレオ達が船に乗り込んでからの下りは、クレオやジャックの動きも良くて、一気に
盛り上がって読ませるだけのスピード感とパワーがあり、面白さがギュッと締まっていましたね。
そしてあくまでも事件面メインに展開していくので、作品の明確性が揺るがないのも快かったです。

膨大な軍需品を積んだ船を爆発した事よりも、方々の役人達への今後の対処にビビるクレオに
笑いつつ、バーンズ准将とのやり取りにもニンマリなラストでしたが、ストーリーは軽やかで歯切れ
が良く、痛快そのもの。期待通りの良作でした。来月に出る「甘い銃弾は最後に」も楽しみです(^^)

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皆川 孝子

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