大好きなクルージーの新刊。やっぱり期待を裏切らない内容でしたね〜。とーっても幸せです(^^)
以下毎度お馴染みのウザったい長文レビューにつき、苦手な方はスルーかバックして下さいませ。

妹の結婚式の為にダイエットをしているミンは、突然恋人に振られてしまい、その直後に恋人が
プレイボーイと評判のキャルに、一ヶ月以内にミンをベッドに誘えるか否かという賭けを持ちかけて
いるのを偶然耳にしてしまった。怒りながらもキャルの誘いに乗ったミンは食事だけ共にし、以後
付き合う意志は無かったが、何度も再会する内に二人は徐々に惹かれ合っていって・・・。

まず登場人物のページを見た瞬間にニヤリ( ̄ー ̄)これだけの人数がストーリーにどう絡んで
来るのかと、ワクワクしながら取っ掛かりましたが、生き生きとしたストーリー、独立した個性が輝く
キャラ達、そして抜群に冴えるウィットとユーモアが一体となって魅せまくる、愛すべき作品でした♪

ヒロインのミンは33歳で、3週間後に控えた妹の結婚式に向けてダイエット中の保険数理士。賭けは
しない慎重な性格だけれど、靴だけは奇抜なデザインの物を好み、大のプレスリー好き。特別美人
で無くとも頭が良くて、堅実派な一方で恋愛に対して素直に向き合えず、どこかデリケートな
ものを感じさせるミンのキャラは、まさしくクルージーのヒロインだなあ〜と。賢くて思いやりがあり、
正しいと信じる事を堂々と主張出来る反面、娘を痩せさせるべく、あれこれと干渉する母親の良い
ようにさせていたり、殊恋愛となると理屈をこねて及び腰になってしまうミンの内にある強さと弱さが
細やかに描き込まれる中、33歳という年齢や要ダイエットな体型だけで無く、傷つく事や失敗を
恐れて、賭けに踏み切れないミンの安定志向や自信の無さ(母親に体型の事を言われ続けてきた
せいもあるかな〜)には親近感を覚えたし、あれこれと思い迷う姿も等身大そのもので、普段は
理知的ないい大人の不器用振りが何とも微笑ましいんだ〜(^^)パンやドーナツの誘惑に負ける
だけで無く、おいしそうに物を食べるのも好感度が高くて、飾り気の無い温度感が◎でした(^^)

家業の弁護士事務所を継がずに、友人二人とセミナー会社を経営しているヒーローのキャルは、
女性と付き合っては「ポイ捨て」(笑)を繰り返すプレイボーイで、クライアントに持ちかけられた
賭けのせいで、渋々ミンに声を掛ける事になります。さらっとしたセクシーさと気の良さが良い感じ
に光るキャルのキャラですが、情の薄い両親に育てられた事による心の傷が癒えずにいて、だから
こそ他人の痛みを敏感に察する事が出来る思いやり深さや優しさもあるし、ミンにはもう会わないと
か思いつつも、しっかりと恋しちゃっているのがこれまた可愛かったり(^^)クルージーのヒーローは
ルックス的にも良い男なんだけれど、マッチョ度はさほど高くなくて、よりスマートさが勝るタイプが
多いなあ〜といった感じですが、スマートなくせにやられキャラ(笑)なのが私的に激ツボで、リザに
バッグで殴られるわ、野球のボールが後頭部を直撃するわのキャルは、そういった意味でも期待に
答えてくれたとでも言うべきかも〜(爆)思い切り笑わせて貰いました(鬼発言)ミンと同様に自分の
気持ちに素直になり切れない一方でフットワークが軽くて、料理上手でマメ。そして何だかんだ言い
つつも、ミンにメロメロに甘いキャルのキャラのバランス感が凄く良いんだなあ〜(^^)クルージー
作品のヒーローズはどのキャラもお気に入りですが、今回のキャルも大当たりでホクホクです(^^)

そして脇役達ですが、これが愉快な面々で、気が置けないやり取りが歯切れ良く、巧みに描かれて
いましたが、毒気があって勝気なリザとおとぎ話信奉者なくせに、三人の中では一番しっかりして
いるボニーに、一見ちゃらんぽらんなようで、結構真面目で思いやりがある、カオス理論(これが
またツボ)の持ち主トニーと人が良くてほのぼのとしたロジャーの各々の立ち位置も絶妙。ミン
とキャルのロマンスに口を挟む様や肩の力を抜いて付き合える親友関係は、ストーリーの重要な
一角をなしていて、その明るさや気取らなさ、厚い友情が楽しいし、また六人が揃ってカップルとして
納まらないのも自然な感じで、特にリザとトニーのからっとした関係は凄くらしいなあ〜とも(^^)

ミンとキャルの家族関係では、キャルの甥っ子のハリーの愛らしさにニンマリ。あと元恋人を奪還
すべく奮闘(?)するデヴィッドとシンシーの迷コンビ振りもどこかズレていて笑えたなあ〜(笑)
キャルの友人のレストラン「エミリオズ」のウエイターのブライアンは、あの愛想の無いキャラと
キャルの頭をメニューで叩くという行為に一票投じたいですね(やっぱりそこかい・爆)キャルの
隣人で惚れっぽいレズビアンのシャナやエミリオも味があって○。でも私的に一番のお気に入りは、
やっぱり猫のエルヴィスかな〜(^^)キャルの後についてきちゃっただけで無く、ステレオの操作を
こなす利口さやスノーグローブ破壊にミンの失敗作チキンの平らげ振り等あっぱれでした(笑)

あと小道具の使い方が抜群。ミンの奇抜な靴やスノーグローブにドーナツやチキンマルサラ等が、
個々のシーンに色を添えて盛り立てる役割を担っていましたね〜。キャルがドーナツをミンの口に
放り込むシーンなんて、お決まりのラブシーンよりもよっぽど甘くて、ドキドキ感が募るし、その後の
オチは最高でした(爆)ミンの靴にはキャルだけで無く、ハリーも魅せられちゃうし、私的にはこうした
小道具から、日頃忘れがちな日常生活の温かみや豊かさを感じる事が出来るのがまた魅力的
で、ほっこりと幸せな気持ちになったりも(^^)こういう感覚ってクルージーの作品ならではだな〜。

何度も顔を合わせる内に惹かれ合いながらも、相手に対して素直に気持ちを表せない二人は、
憎まれ口や皮肉を交わしつつ、ミンはキャルに賭けの話を切り出せないまま、気持ちが深まって
いきます。ストーリーは流れこそ一定な感じですが、ミンとキャルのロマンスを中心に、二人の心情
の揺れや丁々発止の会話、友人達との賑やかなやり取り、家族関係等を盛り込みながら、甘くて
可愛いと思えば、時にはもどかしくあったりと、始終明るく軽やかなトーンで読ませるし、程よく
手綱を締めつつも、主役の二人を始めとしたキャラ達が伸び伸びと個性を発揮しているのが痛快。

またミンとキャルが相手の家族の前でバシッと言うシーンは気持ちが良いと同時に相手への思い
やりや理解が感じられて良かったし、軽妙なシーンやセリフが多くある中、ミンがボニーに自分の
おとぎ話を涙ながらに語るシーンやおとぎ話は子供のためのものじゃないっていうセリフはとりわけ
印象的で、切り口こそ軽めだけれど、語る事は深く妙味あるんですよね〜。最後の「その後」も
さっくりとしたまとめ方で、しっかりと楽しませるあたりが上手いなあ〜と感服する事しかり(トニーと
ダイアナのオチは予想通りでニンマリ)。キュートで楽しくて、ご機嫌そのもの。クルージーならでは
の魅力が溢れ出る極上の一冊でした。とりあえず例のドーナツは是が非でも入手せねばね(笑)

クルージー作品が今後もライムさんから翻訳される事を願うばかりですね〜(^∧^)ライムさんだと
刊行のペースも良いし、当てに出来ると信じたい(笑)そして長々とお目汚し失礼致しました(爆)

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ジェニファー・クルージー 平林 祥

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2007.06.16 


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