Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

黒き戦士の恋人

J.R.ウォードの新刊。「The Black Dagger Brotherhood Series」の一作目ですね。待っていました(^^)

新聞記者のベスは、仕事を終えて帰宅する途中で暴漢に襲われそうになり、何とか自力で逃げ出した。
そんな中自宅に見知らぬ男が現れ、激しく惹かれるものを感じたベスは、ラスと名乗るその男と関係を
持つが、実はヴァンパイアの王であるラスから、ヴァンパイアと人間の間に生まれた事を知らされて・・・。

序盤からガツンときましたね〜。捻りのあるユニークな設定とパワフルなストーリー展開、そしてパンチの
きいた個性様々なキャラ達に魅了される事しかりで完全に嵌りました。抜群に面白くてかっこいい作品です。

ヒロインのベスは新聞社に勤務する記者。ラスとの出会いにより、自分がヴァンパイアと人間の間に生まれ、
更に遷移の時が迫っている事を知ります。このベスですが、性格的に優しいながらも気丈でタフな面もあり、
自分の出自を知らされて以降の肝っ玉の据わり方も良い感じでしたね。穏やかさの中にもしっかりとした
芯があると言うか。ラスとの関係においても臆さずに向き合うし、ラスの態度に翻弄されながらも、高圧的な
構えの下にあるものをちゃんと感じ取っているあたりも○。また自分の境遇を理解して以降のベスのキャラ
の立ち具合が印象強くて、ラスに見せる優しさや理解だけで無く、揺ぎ無い強さや逞しさが、ベスの個性
に堂々としたものを加えているように感じられたかな〜。終盤でのあっぱれな行動は勿論の事、フリッツに
見せる思いやりなんかも好ましかったり(^^)美人で中身もヨシと言うと王道的な感じもしますが、癖の無い
魅力が取っ付きやすくて、ラスともぴったりとお似合い。どこを取っても申し分の無いヒロインだと思います。

ヒーローのラスはヴァンパイアの王であり、この世で唯一の純血ヴァンパイア。殺害された仲間のダライアス
の娘であるベスの遷移を助ける決心をします。黒のレザーとサングラスを着用した大男という風体のラスで
すが、カリスマ的な存在感が際立つ事この上無し(^^)尊大で傲慢に振る舞うワイルドな男っぽさに満ちて
いる一方で心には大きな傷を抱えていて、周囲と距離を置いているスタンスに孤高さを感じつつ、ラスの
真っ直ぐで不器用な愛し方が何とも愛おしくもあり、またとっても微笑ましいんですよね。人との付き合いが
下手で、きつい事を言う割に相手の気持ちに敏感だったりするし、ベスに対しても突き放すようでいてふいに
本当の気持ちを見せたりする様にラスの葛藤や抗えない程の想いの強さが見て取れるのが良いなあ〜とも。
そしてラスがベスに心を開き、自己憎悪や悔恨の念を乗り越えていく感情の流れも、自然かつセンシティヴ
な部分を出しながら明確に読ませましたね。精神的に満たされて幸せそのものな表情が印象的。更に自分
の気持ちを認めた後の保護欲全開な過保護振りや率直な愛情表現も◎。ラスの内で息づく激しさと優しさ
の混在感が絶妙で、インパクトの強い、鮮烈な個性で魅せてくれました(^^)終盤の涙にグッときたりも(笑)
耽美的な魅力を持つヴァンパイアよりも、ラスみたいな野獣系の方が私的にツボにきますね。ヴァンパイア
ならラス(Zがどうかな〜)、ウェアウルフならクレイトン(「わたしを愛した狼」)といった感じです(何の話だ・爆)

さて脇役陣ですが、「BDB」のメンバー達に尽きましたね〜(笑)各々の立ち位置も良く、しっかりと盛り上げ
てくれましたが、ハリウッドスターのようなルックスを持つレイジやお茶目で大らかなトールメント等それぞれ
が多様な個性を強烈に放つ中、私的には傷だらけで粗暴なうわべの裏にあるものがちらっと垣間見れた
ザディストが一番気になるかな。美声の持ち主っていうのもまたツボだったり(^^)そしてブッチも味がありま
したね。ヴィシャスとのレッドソックス同盟(?)にはニンマリだったし、マリッサとの今後が気になる所だな〜。
あと敵役のレスニング・ソサエティが持つ独特な感じや不気味な雰囲気も巧みに描出されていたと思います。

遷移を迎えたベスはラスに助けられて無事に乗り越え、二人は結婚する事になりますが、マリッサとの誓約
を解いたラスに恨みを抱くハヴァーズがレッサーにラスの居所を話してしまい、侵入したレッサーにベスが
連れ去られてしまいます。まずベスとラスのロマンスはスピーディーな展開で、性的な吸引力に引かれつつ、
二人の心の触れ合いが着実に描かれていましたね。まさに出会うべくして出会った二人なんだな〜と実感
すると同時にホットに甘やかに、そして優しく印象付けて読ませました(^^)背景設定も趣向が凝らされて
いて、ストーリーそのものはぐいぐいと引き込む力があり、レッサー達との戦いだけで無く、個性派揃いの
キャラ達を絡ませた「BDB」メンバーズの関係性や兄弟団の在り方が盛り込まれていた事も◎。終始一体
感のある内容で楽しませてくれましたね〜。勢いのある筆致と独創的なアイデア、そしてギラギラと尖った
色彩の中に深い傷や痛みを内包した、暗く痛切な世界観が圧倒的。トータルで出色の一冊です(^^)

後書きでは次回の翻訳について触れられていませんでしたが、こんなにメジャーなシリーズを放置するとは
思えないので、是非出して頂きたいな〜。↓の一覧通り、シリーズは現在六冊が発表されていて、二作目は
「Lover Eternal」でレイジのお話。Zは三作目の「Lover Awakened」でヒーローを張るとの事。二見さん
だと、年一ペースの刊行が予測されますが(笑)、無事翻訳される事を願うばかりです。何卒〜(^人^)

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  1. 2008/07/29(火) 22:16:28|
  2. Black Dagger Brotherhood|
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The Black Dagger Brotherhood Series

ただいま「BDB」のシリーズ続きをポチりたい衝動に襲われています(笑)続きが順調に翻訳される事を願い
つつ、シリーズを一覧にしてみたり(^^)とりあえず↓のガイドブックはポチろうかな〜と思っています(笑)

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  1. 2008/07/29(火) 22:15:20|
  2. Black Dagger Brotherhood|
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PCリニュ

金曜日のとんでもない雷のせいでPCとモデムが昇天してしまいました(泣)週末に新しいマシンを購入
したものの、慣れるまでまだまだ時間がかかりそう(^^;)SEPやウォードなどレビューを溜め込んでいる
状態ですが、何とかUPしたいと思います。しっかし・・・このペースで長文レビューを書けるのだろうか・・・(疑)

以下私信です〜。

メールをありがとうございます(^^)無事到着との事で安心致しました♪お返事は後ほど〜(^^)

  1. 2008/07/27(日) 16:25:35|
  2. お知らせ&ご挨拶|
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偽りの婚約者とくちづけを

HQでお馴染みアン・グレイシーの新刊。四部作「The Merridew Sisters Series」の一作目ですね。

祖父に虐待されながら暮らしているプルーデンスは祖父が怪我をした隙に妹達を連れて、ロンドンに住む
大叔父の元へと逃げ出した。早速妹達を社交界に出そうとする中、プルーデンスはある事情からディンス
タンブル公爵と結婚していると嘘をついてしまい、公爵邸を訪ねるが、公爵のいとこのギデオンと会って・・・。

私的にHSの「氷の伯爵」がお気に入りなのですが、シングルタイトルも良かったですね〜。個性のあるキャ
ラとしっかりとしたストーリーで難なく一気読みでした。中でもギデオンの存在はピカいちと言えるかな(^^)
一応お知らせを出しておきますね。以下ネタばれアリになりますので、未読の方はご注意下さいませ〜。

ヒロインのプルーデンスは五人姉妹の長女。ある日虐待を繰り返す祖父の隙をつき、妹達を連れてロン
ドンの大叔父の元へ逃げ出します。まずプルーデンスが序盤でその場しのぎの嘘を何度かつくのですが、
巻き込まれたギデオンが楽しんでいる事や祖父にまつわる状況、更にプルーデンスそのものは根が正直
なのがわかるし、素直に謝るので私的にはOKでした。責任感が強くて約束を守ろうとする忠実さや自分
自身が誰にも言えないような辛い経験をしながらも、何をおいても妹達を守ろうとする頑張りはまさにあっ
ぱれだな〜と。ギデオンと一緒にいる事でプルーデンスの心持ちが明るく朗らかになっていく感じも良かった
し、その一方でギデオンが放蕩者である事や自分に対する自信の無さからギデオンの愛情を信じきれな
い姿が葛藤する心情と重なりつつ、切なく痛々しくもありましたね。特別キャラが立つようなタイプでは無い
けれど、実直で気持ちが優しくて、どこか心に響くものがあると言うか。そんな感じのヒロインでしたね〜。

ヒーローのギデオンは公爵のいとこで、放蕩者として名が知れ渡っていますが、自分を公爵だと勘違いし
たプルーデンスに一目惚れしてしまいます。この茶目っ気たっぷりなギデオンは間違い無くこの作品の特筆
ポイントでしょう(^^)いかにも軽薄でお調子者な態度が憎めないと同時に物事をきちんと考えて、状況
判断が出来る賢さや行動力があるし、思いやりや温かさで包み込む様も◎。悪戯っ子的な魅力とユー
モラスな物言いが何ともチャーミングで自然と笑いを引き出してくれるんですよね〜(^^)またプルーデンス
に惚れ込むあまり、皆がプルーデンスに恋すると思い込むおとぼけ加減やプルーデンスの本質面をちゃんと
見ているのも高ポイントだったり(^^)そんな中プルーデンスと共に過ごす事で、ギデオンのキャラに深みが
増していくと言うか、人間的な幅が広がっていく様がとりわけ印象深くて、ギデオンが見せる優しさや強さ、
懐の深さにはグッと感動させられました。何を言われても諦めない粘り強さもナイス。とっても素敵です(^^)

脇役陣ですが、プルーデンスの姉妹達の中ではグレースが一番目立っていたかな〜。フィリップに対する
態度も○。チャリティーと公爵のロマンスが色添え程度に盛り込まれていましたが、私的に公爵のキャラ
がツボだったので、具体的に読みたかった気持ちもあるような。あと大叔父のオズワルドとギデオンの叔母
のオーガスタのコンビが魅力的で、プルーデンスの悲惨な過去やとことん邪悪な祖父とろくでなしのフィリッ
プに対して二人の善良さが際立っていましたね。オズワルドの健康オタク振りにはニンマリとしたりも(笑)

プルーデンスと妹達が大叔父の元で暮らし始める中、事情を知ったギデオンがプルーデンスの偽の婚約者
の役を買って出たのも束の間、祖父に居所がばれてしまい、ギデオンと公爵の手を借りてロンドンから逃げ
出す事になります。ストーリーは、さくさくと取っ付きやすくて、展開的にも無理が無かったですね〜。祖父の
虐待や流産の一件等の重い要素もありますが、雰囲気が暗くなるわけでも無く、一定のペースを保ちつつ、
温かな脇役達やギデオンのお茶目な魅力で着実に盛り上げながら読ませるなあ〜と。ロマンス面はホット
さよりも各々の持ち味を出したプルーデンスとギデオンのやり取りがメインとなっていて、それがまた良かった
と思います(^^)笑いあり切なさありの充実した一冊。面白かったです。シリーズの今後も楽しみだな〜。

シリーズは「The Perfect Waltz」、「The Perfect Stranger」、「The Perfect Kiss」と全部で四作
です。双子とグレースがちゃんとヒロインになっている事を思うと、チャリティーがちょっと寂しいかな〜?(笑)

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  1. 2008/07/24(木) 23:04:50|
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The Black Dagger Brotherhood

この秋に刊行される「The Black Dagger Brotherhood Series」のガイドブック。何でも短編も入って
いるそうでして、「Dark-Hunter」に続いてこちらも押さえておくべきかしら〜と考え中だったりします(笑)
ちなみに現在「黒き戦士の恋人」を読書中ですが、序盤で既にガツンと大きくくらっている次第です(^^)

The Black Dagger BrotherhoodThe Black Dagger Brotherhood
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  1. 2008/07/24(木) 23:03:42|
  2. Black Dagger Brotherhood|
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不機嫌な子爵のみる夢は

ジュリア・クインの「Bridgerton Series」二作目。シリーズの中でも評価の高い作品みたいですね(^^)

放蕩者として有名なブリジャートン子爵のアンソニーは長男としての義務を果たすべく結婚する決意を
固めた。今シーズンで一番の美人で理想的な妻になりそうなエドウィーナに目をつけ、アプローチをしようと
するが、アンソニーの噂を知るエドウィーナの姉のケイトがアンソニーをエドウィーナに近づけまいとして・・・。

二作目なのに翻訳としては三冊目(笑)の今作ですが、私的にはヒットでしたね〜。魅力のあるキャラ、
確かな作りでテンポ良く読ませるストーリー揃って○。本国での高い評価も大いに納得の一冊でした(^^)

ヒロインのケイトは花婿を見つける為に社交界デビューしたものの、美人の異母妹エドウィーナの求婚者
の良し悪しを判断する役割に回っていましたが、放蕩者のアンソニーを妹から遠ざけるべく、対峙する事
になります。このケイトがナイスだったな〜。妹思いの良き姉ちゃんなだけなく、性格的にしっかりとしていて
頼れるし、歯切れの良い言動を通して何事にも真摯に向き合う真っ直ぐさや賢さが感じられたりと好感
度大でした。淑女らしく優雅にじっとしていられずに、せかせかと動き回ってしまうあたりやダンスがあまり
上手くないと言うのも微笑ましかったり(^^)美人な妹に対して自分の事を理解していながらも、寂しく思っ
ている胸中やアンソニーの花束に喜ぶ姿にキュンとさせられて、ケイトの内側にある、普通の女の子らしい
生身の部分を上手く見え隠れさせつつ読ませましたね〜(^^)また幼少時のトラウマやアンソニーへの想い
に対するケイトの心情やスタンスが、ケイトらしい率直さを前面に出しながら描かれている中、ケイトがアン
ソニーを妹の求婚者として認めるという事を本人にちゃんと告げるのが気持ち良いと言うか。自分も惹か
れているにも関わらず、公平さや正直さを大事にする様が○。内面から光って魅せるヒロインでした(^^)

ヒーローのアンソニーは放蕩者として有名な子爵。長男の務めを果たすべく結婚する事に決め、シーズン
で一番の美女と謳われるエドウィーナに接近しますが、妹を守ろうとする姉のケイトに惹かれていきます。
ダフネの結婚の際にはバカ兄貴振りを発揮していた(笑)アンソニーですが、責任や義務を果たす為に
結婚を決意する放蕩者というパターンとはまたひと味違うキャラが良かったですね。尊大で自信たっぷりな
態度はいかにも貴族らしいけれど、自分が悪い事に関しては素直に謝るし、ケイトとやり合う事によって、
アンソニーの表情が精彩に富むように映るのも良い感じだったかな〜。そして亡くなった父親への愛情や
尊敬の念には心が温まる一方で想いが強い故にアンソニーの死や愛情というものに対する考え方に大き
な影響を与えている様が、繊細さと共にしっかりと描き出されていて○。ちょっぴり切なさを誘われたりも。
うわべの傲慢さと心の奥底にある哀しみや繊細さの按配が巧みで、キャラに深いものがありましたね。

脇役陣は相変わらずブリジャートン家のご一行様が中心といった感じでしたね〜。ペル・メルのシーンで
はダフネとサイモンの幸せカップルの姿や明るいやり取りが見られましたが、やっぱり兄弟の中ではお茶目
なコリンの存在感が一番かな〜と。あと将来有望そうなのがヒヤシンス。そのあたりも前作の時の印象と
変わらずと言えるかな。更にエドウィーナも良い子だったし、メアリーとケイトの関係も○。私的にはコーギー
犬のニュートンがお気に入りで、太目のボディと短い足で駆け回る姿を想像するだけでニンマリですわ(笑)

ブリジャートン家の田舎の本邸に招かれたケイトは、アンソニーの人柄を認めた上でエドウィーナの求婚者
として受け入れる事をアンソニーに言いますが、そんな中蜂に刺されたケイトを介抱しようと胸元にアンソニ
ーが触れている所を目撃されてしまい、二人は結婚せざるをえない状況に追い込まれます。まずさくさくと
軽快に進んでいくのでとても読みやすいし、ケイトとアンソニーが交わす掛け合いもウィットやユーモアが光
って良かったです。死に対する恐怖心からケイトへの愛情を抑えようとするアンソニーの心情やそんなアンソ
ニーに対してケイトが語る、ポジティヴに本質を捉えた言葉も印象的でした。あと前作もそうですが、キャラ
が心の傷を直視して、乗り越える様の持っていき方が上手いんですよね〜。(以前から言っていますが)
ジュリア・クインの作風は私のツボを刺激する程では無いのですが、今作はくっきりと立つキャラ、はきはき
とした会話、ぶれない話運び等全体的に申し分の無い内容で純粋に楽しめました。素敵な作品です(^^)

次回作は「Romancing Mister Bridgerton」ですね。ヒーローがコリンだし、期待出来そうかな?(^^)

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  1. 2008/07/20(日) 23:55:26|
  2. ラズベリーブックス|
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連れ戻された婚約者

ジェイン・アン・クレンツのHA。ステファニー・ジェイムズ名義ですが、良さげだったので読んで見ました(^^)

両親の亡き後、弟たちを育て上げたデボンは牧場主のガースからのプロポーズを受け入れるが、ガースが
求めるタイプの妻になれるとは思えず、ガースの気持ちが冷める事を期待しつつ、一年の猶予期間を貰っ
て都会で生活をしていた。だがガースは一年後にデボンを迎えに現れ、二人は一緒に故郷に戻るが・・・。

最近のHQ萎えについて、このブログでも何度か言及していますが、この作品は○でしたね〜。ステファニー
・ジェイムズ名義という事で警戒心はあったものの、読まれた方の感想を拝見しつつ、良さそうだったので
着手した次第です。聡明でファニーなしっかり者のヒロインと断固として結婚を主張するメロメロヒーローの
どちらもクレンツらしいキャラだし、相手に対する向き合い方や二人が関係を確かなものにしていくやり取り
の一つ一つがクレンツならではカラーで色づけされていて、その微笑ましくも間の抜けた、温かな温度感が
良いんだなあ〜。ジェイムズ名義ですが、限りなくクレンツ名義の作品に近いものを感じましたね。こってり
と重そうな料理に対するヒロインの反応やお洒落な家具を置く置かないの下りもナイスで、頭が固い一方
で思いやりあるヒーローがヒロインに懐柔されていく様の楽しい事!クレンツ節に満足した作品です(^^)

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  1. 2008/07/20(日) 23:54:47|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
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カスに向かって撃て!

ジャネット・イヴァノヴィッチの2月刊。今月に「11」が出るので、お取り置きしていた「10」に着手です♪

バウンティー・ハンターのステファニーは、連続強盗犯に偶然遭遇してしまい、そのせいで犯人が所属する
少年ギャング団に命を狙われる羽目になった。モレリの家を出たステフは、偶然見つけたレンジャーの留守
宅に忍び込んで身を隠すが、そんな中自分を殺害するべくギャング団が殺し屋を雇った事を知らされ・・・。

遂に「10」にまで追いつきましたよ、ええ(^^)毎度お馴染みのドタバタ劇に大笑いする事しかりでしたが、
ステフとモレリのロマンスが安定している方がより私的テンションが上がるという事を再認識したりも(笑)

さてステフですが、ストーリー開始直後に愛車が吹っ飛んだのを始めとして(前作のベラばあちゃんの予言
が見事的中・爆)、相変わらず厄災人生まっしぐらといった感じでしたが、一番笑ったのは七匹の犬に追
われる下りかな〜(^^)ルーラ並みのドカ食いにもニンマリしたりも。そしてモレリとの喧嘩やバーグで育った
女の子らしく結婚を望む気持ちもあるものの、自分の力で人生を切り開きたい気持ちや落ち着く事への
不安が強くて、まだまだそこまでに至らないのもまた相変わらずですね(^^)主人公の人生や取り巻く環境
に変化がシリーズものの楽しみの一つだけれど、結婚や出産といったイベントがステフの身に降りかかるの
は正直想像出来ないので(笑)、ステフはステフらしく、今のまま変わらないでいて欲しい気持ちが強いよう
な(^^)今回もレンジャーとの危うい接近戦(笑)がアリでしたが、レンジャーのゴージャスな住処での浮きっ
ぷりが顕著と言うか。ステフは雑然とした生活感のある場所でこそしっくり馴染むのをつくづく感じたかな。
あとモレリへの不器用な告白も何だかしょうがないな〜という感じで微笑ましい気持ちにさせられました(笑)

続いてお馴染みのメンバーズですが、まずモレリの苦労や心配は尽きないな〜(苦笑)二人の間にある
歴史や腐れ縁が特別だからこそ、喧嘩しても離れられないのはわかるけれど、私的にはもっとモレリの存在
をプッシュして頂きたいものだわ。あとモレリとボブとテレビという画がちらっと描かれたのは嬉しかったり(^^)
何て事無いけれど、かなり好きなんですよね〜。対するレンジャーの立ち位置も変わらず。登場人物の中
で唯一の高級&健康志向キャラである事を改めて目の当たりにしました(笑)冒頭でいきなり銃をぶっ放
したルーラは書類整理をサボりまくりで、食い気の方も絶好調、更に捕り物作戦においては「ルーラ式ブー
ティ・ボム」(爆)を持ち出してと弾けまくりですが、今回はやっぱりサリーかな〜と(^^)久し振りの登場だし、
ゴムばっちんに始まり、なんちゃってウエディング・プランナー振り(爆)や最後のスクール・バスでの乗り入れ
&立ち回りまで笑わせつつ、大活躍でしたね(笑)あと何気にフリトス中毒のキャロルもナイスだったり(^^)

活躍と言うとサリーが一番でしたが、毎回恒例のプラム家の食事風景もまた濃ゆかったし、笑いの面では
クラウンが抜けていましたね〜。ヴァレリーによるクラウンへの赤ちゃん言葉攻め(?)やそれに対するメイザ
ばあちゃんの反応もかなりおかしかったけれど、「イカしたポンチちゃん」(爆)なクラウンが、赤ん坊が出来ち
ゃった時のあれこれの喋り倒しにはとにかく大爆笑(⌒▽⌒)ノ_彡☆いや〜、笑撃でしたわ(爆)最近おと
なしめだったメイザばあちゃんは葬儀会館へも足繁く通っているみたいだし、ダイエットに関するぶっ飛んだ
発言がおかしいの何のって(^^)ただ母さんがアルコール依存症になりそうなのが微妙に心配かも?(^^;)
でもこの食卓のシーンだけでも十分に元を取ったといえるアホ全開な有様に爆笑する事しかりでしたね。

夜はレンジャーの留守宅に身を隠す事にしたステフは、自分を殺害する為に少年ギャング団が殺し屋を
雇った事を知らされますが、連続強盗犯が保釈逃亡者のウォードである事が判明し、拘置所から出て
きたウォードをルーラとコニーと一緒に連れ去る計画を実行するものの、殺し屋がステフに迫ってきます。
今回ミステリー自体は特に凝ったり捻ったりも無く、とてもシンプルでしたね〜。前作に比べると、内容的
にはそこそこな感じだったかな。展開としては小さなエピソードを用いながら細やかに繋いでいくような印象
で、ヴァレリーの結婚ネタや捕物劇を中心に明るくぶっ飛んだ笑いを全体的に散りばめながら、堅実に楽
しませる内容でした。このシリーズに必須のアイテムの一つとして母さんの手作りの料理が挙がりますが、
私的に今回はステフが食べまくるドーナツやテイスティケーキ、フリトス等のアメリカンなおやつの数々に魅
了されましたね〜(^^)緑茶と一緒に試してみたかったりも(やっぱり日本人だな・笑)作品的には前作の
方が上だと思いますが、安定した面白みが光る一冊でした。勿論愛すべき馬鹿馬鹿しさも健在です(^^)

ちょうど「11」改め、「バスルームから気合を込めて」が発売になる頃ですね〜。このくらいのペースで読める
のは嬉しい限りだわ♪そして後回しにしてしまった「あたしはメトロガール」の救済に向かわなきゃね(^^;)

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  1. 2008/07/17(木) 23:59:03|
  2. ジャネット・イヴァノヴィッチ|
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失われた遺跡

アイリス・ジョハンセンの新刊。前作が出たのが確か・・・一昨年の夏だっけ?間開けすぎでしょう〜(^^;)

考古学者のエルスペスは、かつてメキシコに存在した古代都市カンタランに行くべく、カンタランの場所を
知っているというドミニクの元を訪れて案内を頼んだ。お尋ね者のドミニクは断るが、ある事情からエルス
ペスを連れて故郷のキララに戻る事になり、やがて二人は結ばれるが、ドミニクの身に危険が迫って・・・。

昨年出た単発作品が不発だったせいか、やや低めのテンションで読み始めたのですが(笑)、新鮮味を
感じつつ、ジョハンセンならではのカラーが出ていて、このシリーズは外さないな〜と実感。面白かったです。

ヒロインのエルスペスは身寄りの無い考古学者。伝説の古代都市カンタランの場所を知っているパトリック
の元を訪ね、カンタランへの案内を頼みます。このエルスペスですが、ジョハンセンのヒロインにしては珍しい
と言えるかな〜。性格的には穏やかで控えめな感じだけれど、他人の痛みに敏感で繊細な一面に対して
自分が正しいと信じる事を主張出来る頑固さがあるのが良いし、ドミニクの気持ちに気がつかない鈍感
振りが可愛かったりも。内心では自信が無くて不安を抱えながらも、そんな自分を何とか奮い立たせて強
く出ようとする姿に(過去のジョハンセン作品のヒロインズに見られる)他人を拒むようなそっけなさでは無く、
純粋に自力で頑張ろうとするひたむきさが感じられるのも○。またシルヴァーに見せる優しさやドミニクに対
する率直でどっしりとした愛情を交えつつ、エルスペスが精神的に逞しくなっていく様も手堅く描かれていた
と思います。最後の肝っ玉の据わった行動も好感触で、終始無理が無く、素直に描かれたヒロインでした。

ヒーローのドミニクは赦免されたお訊ね者ですが、未だに殺し屋に狙われている為、故郷を離れてギャンブ
ラーとして生活しています。冷笑的で粗野に振舞う一方で心の中では孤独感やキララへの思いを秘めて
いて、ジョハンセンのヒーローらしい傲慢さもアリだったな〜。大切な人達を傷つけないようにとあえて距離
を置こうとするスタンス自体は切ないのですが、自分から遠ざけようとする一方でどんな時でもエルスペス
を守ろうとする強い意志や思いやりがあるんですよね。でも悶々とするドミニクの胸の内には思わずニンマリ
とさせられたり(笑)故郷へ戻って以降はドミニクのキャラがこう・・・生きてくると言うか、存在感が増してくる
感じで、葛藤を乗り越えた後のエルスペスへのメロメロな愛情や崇拝の注ぎっぷりはとりわけ好印象かな。
既刊に多い、押せ押せ一辺倒のヒーローとはまた違う、ドミニクにはドミニクの良さがちゃんとありましたね。

そして脇役陣ですが、シルヴァーは勝気なキャラで目立っていましたが、生い立ち故にディレイニィ家から
受け入れてもらえず、わざと突っ張った態度を取る姿は痛々しくもあり、正反対なエルスペスのキャラとの
対照も○。続いてパトリックは若くてお茶目なキャラや悪戯っ子的な言動からは窺えない部分があったり
で、ライジング・スターとの関係を通して、中々興味深く映りました。あと白人の世界で生きようとしても
結局は受け入れて貰えず、最終的には自分の存在意義を失ってしまったライジング・スターにはとっても
やるせなくなったな〜。中盤過ぎあたりからメインのロマンスと並行しながら、苦く切なく読ませましたね。

キララに滞在する事になったエルスペスとドミニクは、ある晩ドミニクを狙う殺し屋の策略によって関係を
持ってしまった結果結婚する事になり、式の最中にドミニクが襲われながらも二人はカンタランへ向けて
旅に出ます。前半はどちらかと言うとスローに流れていく感じでしょうか。大きなエピソードを挟みつつも、
ヒーローがガンガンと攻めるタイプでは無いせいか(笑)、展開的にはゆったりとしているように思えたかな。
アドベンチャー要素は後半過ぎになって一気に盛り上がってきますが、ページ的に不足する事も無く、
キャラ達の配置も確か。しっかりと中身が詰まった内容にまとまっていましたね。(私的には)キャラが強
烈に立つとか強い魅力で引っ張る程では無いけれど、細やかに行き届いた筆致とエルスペスやドミニク、
そして脇役達も含めた各々の心模様の明確な描出は特筆ものだなあ〜とも。良く出来た一冊でした。

今後の翻訳の予定は不明ですが、また忘れた頃にやってくるのかな〜(笑)ジョハンセン名義の作品が
あと2作あって、ケイ・フーパーとフェイリン・プレストンの作品が合計8作。完訳するのはいつでしょう(^^;)

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  1. 2008/07/15(火) 23:43:02|
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Patience

このブログでも何度か出る出ないとネタにしたリサ・ヴァルデスの「Patience」。どうやら来年の1月に発表
されるみたいですが、どうなんだろう(笑)変更が出たらまたUPしますが、とりあえずお知らせまで〜(^^)

PatiencePatience
Lisa Valdez

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  1. 2008/07/15(火) 23:34:02|
  2. 原書新刊|
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夜明けが来るまで見られてる

今年の初めや春に出た新刊を救済中という事で、スーザン・ブロックマンの3月刊に着手しました〜(^^)

かつてハリウッドで大成功を納めたものの、アルコールとドラッグに溺れて地位を失った俳優のジェリコは、
望んでいた新作映画の主役を得て、復活の足がかりにしようとしていた。だがその映画のプロデューサー
のケイトは、更生したジェリコの事を信用せず、24時間体制で監視をつける事を決めて実行するが・・・。

ブロックマンはやっぱり上手いですね〜。TSシリーズのような派手さは無くても、じわじわと深みを増しな
がら読ませていくし、骨格がしっかりとしたキャラ達、そしてサイドストーリーの優秀さ。充実した一冊でした。

ヒロインのケイトは映画プロデューサー。密かに脚本も手がけた作品の主役にジェリコが起用される事に
なり、実力は認めるものの信用出来ずに反対します。映画に対して情熱を持っているやり手で、ジェリコ
に対する態度もケイトの立場からすれば仕方が無いとは思うものの、時折見られる上からの目線は正直
ちょっと気になったりもしたかな〜。まあ、ケイトに徹底したプロ意識を持たせているあたりもまたブロックマン
らしい流儀と言えるような(笑)辛い過去を抱えつつも、しっかりと前向きに生きていて、地に足が着いてい
る様もよく表現されていましたが、ジェリコに惹かれながらもジェリコの本当の姿が掴めないケイトの心情
にはグッと手ごたえがありましたね〜。相手に対して真っ直ぐに目線を据えているのに見通せない事への
葛藤や苦悩の描出が巧みだし、自分自身の過去を晒してまでしっかりと向き合おうとするスタンスからは
ケイトの真摯な愛情や強さが感じられて○。段々とキャラに魅力や味が出てくる感じのヒロインだったかな。

ヒーローのジェリコはアルコールとドラッグに依存してキャリアを失墜させた俳優で、主役を得る為にケイトが
出した24時間体制の監視を受け入れる羽目になります。このジェリコのキャラが◎でした。基本的に気さく
で仕事に対してはとても真面目だし、自分の間違いを認められる率直な姿勢も気持ちが良かったかな〜。
ケイトに仕返しをしようと考えたりするけれど、そういった部分からジェリコの傷ついた表情が窺えつつ、実際
は故意に人を傷つけたり出来ないのもよく分かると言うか。とても優しくて繊細なのが見て取れるな〜と。
またジェリコの感受性が丹念に描き出される中、演じる事で生身の自分自身を隠し、傷つかないように
無感覚でいようとする姿に切なさが募りつつ、ジェリコがケイトに心を開く下りで見せる、痛々しいまでの
不器用さをエモーショナルに読ませるんですよね。そしてやっぱり感情の解放と共に流れる涙にはホロっと
させられたりも。痛みや苦悩を奥深く心に抱え込んだ、ブロックマンらしい人間臭いヒーローでしたね〜。

若手俳優のジャマールとスージーのロマンスがサイドストーリーとして描かれていましたが、二人の人種の
違いやスージーがまだ15歳である事実を絡めながら、大人と少女の中間点にいるようなスージーと賢くて
真っ直ぐで懐が深いジャマールのそれぞれのキャラ立ちもくっきりとして申し分無し。若さや優しさが光り
つつ、とってもピュアで素敵でしたね〜。ろくでなしかと思われたスージーの父親の真情の吐露や今後の
関係も含めて、丸く納まったのが何より。ブロックマンは本当にキャパが広いと言うか(笑)老若関係無く、
個性や人間味を与えながらキャラそのものを鮮やかに描き出しますよね〜。改めて感心した次第です(^^)

ケイト自身がジェリコの24時間体制の監視を行わなければいけなくなり、一緒に過ごす時間が増えた
二人は惹かれ合い、関係を持ちますが、常に演技をして自分の本心を見せないジェリコにケイトは翻弄
され、思い悩みます。ストーリーは切り口がさくさくとしていて、TSシリーズのようなテンションの高さは無い
けれど、導入から割と入りやすい感じかな〜。ケイトとジェリコのロマンスは、男女間の恋愛であると同時
に二人の関係性において、人間らしさが顕著に出た深みのある内容でした。ジェリコのアルコール依存
症や同性愛、家庭内暴力を背景に盛り込んだストーリーは筆致も安定していて、キャラ達もナイス(^^)
トータルで過不足無くよく出来ていたと思います。ただ最後の、ドラッグがジェリコの部屋に置かれていたと
いうエピソードは突発的で、二人の心が完全に通い合った後だけに蛇足な感じは否めずでしたが、シン
プルながらも一歩一歩の大切さを物語るようなエピローグは印象的で○。しっかりとした良質作品です。

さてTSシリーズですが、13作目の「Into the Fire」がこの7月に刊行されて、更に14作目の「Dark
of Night」が来年の2月に発表予定との事です。翻訳の方も早く続きが読める事を願うばかりだわ(^^)

夜明けが来るまで見られてる (ヴィレッジブックス F フ 5-8)夜明けが来るまで見られてる (ヴィレッジブックス F フ 5-8)
北沢 あかね

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  1. 2008/07/12(土) 23:59:26|
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ほほえみを戦士の指輪に

ジュリー・ガーウッドの新刊。AARのTOP100の28位にランクインされている、1992年の作品ですね(^^)

ジュディスは、ハイランドに嫁いだ親友フランシス・キャサリンの出産が迫り、子供が産まれる時には側に
いてほしいという約束を果たす為、迎えにやってきた親友の義兄イアンと共に旅に出た。二人は互いに
惹かれ合うが、イアンと敵対するクランの氏族長が父親であるという事をジュディスは秘密にしていて・・・。

どこを取ってもガーウッドらしさが全開の内容でしたね〜。ストーリーの中で気になる箇所はあるものの、
キャラの魅力とカラッとした風通しの良い明るさに引っ張られつつ、危なげ無く楽しめました。良かったです♪

ヒロインのジュディスは母親に顧みられず、酷い飲酒癖を持つおじの元で暮らしていますが、幼い頃からの
親友フランシス・キャサリンの出産に付き添うため、ハイランドに旅立つ決意をします。美人で天真爛漫な
性格で周囲を魅了するジュディスは、まさにガーウッドお得意のヒロインだなあ〜。何でも素直に受け止め
る純真さやちょっとおとぼけが入った、ひたむきでマイペースな言動が微笑ましくて、度胸があって頑固な一
面も何ともキュート(笑)外見だけで無く中身も良いと言う、ある意味出来すぎなタイプではあるのですが、
大らかな温度感や表情の多様さが(パターン化しているとはいえ・笑)、ジュディスのキャラをチャーミングに
彩っているので、自然と惹き込まれてしまうんですよね(^^)しっかりしているかと思えば不安や怯えを思い
切り吐き出すし、喜んだり傷ついたりするジュディスの素直な感情表現が伸びやかに描き出されていて、
イアンに対する想いもジュディスらしい真っ直ぐさに尽きたと言えるかな〜。クランの人々に受け入れられて
いく様も優しくユーモラスに見せてくれて○。既刊のヒロインズと比べてキャラに大して差は無いけれど、
愛すべき明朗な個性や雰囲気にほんわかと和まされるようで、好感を抱かずにはいられないですね(笑)

ヒーローのイアンはメイトランドの氏族長でもあるハイランダー。もうじき子供が産まれる弟夫妻の頼みを
聞き入れ、ジュディスを迎えにイングランドへ向かいます。ジュディスに続いてイアンも良かったですね〜。
若い頃から責任や義務を背負ってきた長男という背景だけでもしっかりオイシイのですが、無骨なハイラ
ンダーらしく、厳しくてぶっきらぼうな物腰も好きだな(^^)勿論ジュディスにメロメロで、でも内心では恋に
夢中になる事に対して微妙に構えているあたりが、いかにもらしくてニンマリしたりも。そして閉鎖的なクラン
の現状に対するジュディスの意見に耳を傾けるだけで無く、変革を促すイアンのスタンスは新鮮であると同
時に興味深く思えましたね。頑固ではあるけれど、進歩的とでも言うか(笑)ジュディスの素性を知っても
何も言わずに受け入れる度量の広さや決断力も気持ちが良くて、言葉は少なくともジュディスへの愛情
が十分伝わってくるのも良い感じだし、安心出来る信頼感や強さがあって○。素敵なヒーローでした(^^)

脇役キャラ達はフランシス・キャサリンとパトリック夫妻を筆頭にメイトランドのクランの人々が中心でしたが、
まずジュディスとフランシス・キャサリンの友情も優しくてほっこりと楽しませてくれたし、クランの人々とジュデ
ィスの関係も温かったですね。ブロディックやアレックスといったハイランダーズの面々も個性が立っていまし
たが、やっぱりブロディックのキャラが一番印象深かったな〜。スピンがあるのは嬉しいですね(^^)ただジュ
ディスの母親やおじ、おば夫妻の存在が作中で生かされていない事が残念かな〜と。脇役の立ち位置
や背景的な部分が曖昧なまま、さらっと流されてしまう事が既刊の作品でもあったので(笑)、まあガーウ
ッドらしいとは言えるのですが(^^;)でもトータルで見て、善良なキャラ達ばかりだったのが何よりでしたね。

フランシス・キャサリンと再会を果たしたジュディスは、助産婦として村の女性達から頼られるようになります
が、一方ジュディスの父親の正体を知ったイアンはクラン同士の争いからジュディスを守ろうと考え、二人
は結婚します。ジュディスとイアンのロマンスは、お互いに一目惚れみたいなものなので、ユーモアを交えた
やり取りを絡めつつ、駆け引きとかは一切無しの直球な内容らしく、終始甘いムードで読ませましたね〜。
自分の気持ちを率直に出すジュディスに対して口ではそっけない事を言っても、心中ではしっかりと思い
やっているベタ惚れなイアンが良いんだなあ〜(^^)ジュディスとフランシス・キャサリンやクランの女性陣、
そしてイアンとブロディック達との関係性も味わいを出しながら描かれていたし、長老たちの存在もナイス。
終盤のジュディスの父親との再会やクラン同士もさくさくとまとめた感じで、ストーリー展開の妙とかよりは
キャラの魅力が勝るように思えますが、細かい事や小難しい事は抜きにして(笑)、ガーウッドらしい快活さ
や温良さが楽しい良質の一冊です。さて、お次はブロディックのお話ですね〜。これまた楽しみだわ(^^)

スピンは「Ransom」。あまり待たずに読める事を期待かな。ちなみに新刊は「Fire and Ice」だそうです。

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ジュリー・ガーウッド

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  1. 2008/07/09(水) 23:59:56|
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Edge of Midnight

7月の濃ゆいラインナップに対して微妙におとなしいような(?)8月の新刊の本命本。↓でネタにしたショ
ーンのお話ですが、あの遊び人(笑)がヒーローとしてどんな顔を見せてくれるのか楽しみにしています(^^)

Edge of MidnightEdge of Midnight
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  1. 2008/07/09(水) 23:59:37|
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めぐりあう恋

クリスティーナ・ドットの「「Lost Texas Hearts Series」完結編。末っ子ケイトリンのお話ですね(^^)

新人ニュースレポーターのケイトは、ハリケーンの取材を機にオースティンの州議会議事堂の担当に大抜
擢された。同僚達からやっかみを受けながらも、仕事に取り組む中、身の回りで連続して不審な出来事
が起こり、身の危険を感じたケイトを議事堂の警備を担当しているティーグが警護に当たる事になり・・・。

二作目でややトーンダウンした感がありましたが、完結編となる今作で難なくリカバリーしてくれましたね(笑)
ロマサス王道の展開に事件解決と家族の再会を巧みに絡めた筋立てが○。さくさくと楽しめた一冊です。

ヒロインのケイトは新米レポーター。ハリケーンの取材がきっかけとなり、州議会記事堂の担当者に大抜擢
される事になりますが、周辺で不可解な出来事が続いた為、ティーグの警護を受ける事になります。気立
ての良いお嬢さんといった印象で、勝気さや賢明さが程良く納まっている感じかな。ホープやペッパーと違っ
て特に目立つような部分や癖は無いけれど、身近にいるような可愛さや普通っぽさが好ましかったですね。
積極的な頑張り屋さんで、野心はあってもきつさは無くて、何事に対しても素のままに振る舞うように思え
たりも。またティーグとの関係においても、ティーグの中の暗さや難しさに目を向けつつ、前向きな構え方に
は根の素直さが感じられると同時にティーグに惹かれていく心情も無理の無い温度感で描かれていたな〜
と。ロマサスのヒロインと言うと、危機感が欠けていたり、無駄に意地を張ったりするタイプが少なからずいま
すが、ケイトの場合は従順なだけで無い逞しさがあるので、バランスが取れているように映りましたね(^^)

ヒーローのティーグは州議会議事堂の警備を請け負っている警備会社の社長で、何者かに狙われている
ケイトの身を守る為、表向きは取材と称して行動を共にする事になります。男臭くてセクシーな雰囲気に
傲慢さやシニカルな一面が窺えるのは、ドットのヒーローらしいと言えるのかな〜。悲惨な生い立ちや従妹
を巡る一件といった過去に縛られている部分を始めとして、ティーグが内面で根深く抱えているものにケイト
への想いを絡ませながら過不足無く描出されていて、自分は人を愛せないと思い込むあまり、ケイトへの愛
情に中々気がつかないあたりもよくあるパターンとは言え、ティーグの個性を着実に出しながら読ませたと
思います。ケイトと従妹を引き合わせる下りで見せる弱さや脆さがむき出しになった表情にはやっぱり切なく
もなったし、それなりに過保護なのも良かったかな(^^)既刊レビューでも触れていますが、私的にはドットの
「天然入りお間抜けガキ大将ヒーロー」がツボ直撃なので、ティーグのようなどちらかと言うとオーソドックス
(?)なタイプに萌える程では無いのですが、ロマサスのヒーローらしく総じて良い感じではありました(^^)

期待の脇役陣ですが(笑)、ホープとザックを筆頭にペッパー&ダン、そしてガブリエルの家族一致団結
が痛快そのもので、このチームワークの良さは特筆したいポイントですね〜(^^)ザックの愛妻家振りも
相変わらずだし、ちょこっと盛り込まれていたガブリエルのエピソードも○。スピンらしい楽しい賑わいだけで
無く、事件解決に向かって、ホープ達が策を張り巡らせながら動きを見せている事に興が感じられて良か
ったかな。あと忘れてはならないのが御年90オーバーになるグリズワルドのスパイ大作戦でしょう〜(爆)
真面目に心配しているホープをよそに(気にしているのはホープだけなのがまたらしいと言うか・笑)、本人
は任務をエンジョイしまくっているようでしたが(爆)、ジェイソンと揃ってお疲れ様と言いたかったりも(笑)

ケイトに付きまとっていたストーカーの犯人が上院議員夫人と判明した直後に夫人が不審な死を遂げ、
ケイトとティーグは上院議員に疑いの目を向けますが、一方両親を殺害して一家を離散させた上院議員
に罠を仕掛けたホープ達はテキサスに飛びます。ストーリーはすらすらと流れが良くて、ロマンス面と事件面
の配分もちょうど良かったかな〜。二人のロマンスはケイトの率直さとティーグの不器用さが各々際立つ感
じで、感情のやり取りも相応でした。サスペンスの方は、上院議員のキャラが徐々に自滅(?)していく様
や事件に関する背景もしっかりとしていて、策を弄したホープ達の存在がストーリーに面白みを加えて盛
り上げつつ、事件の解決と家族の再会までを手際良くまとめ上げた内容だったと思います。ホープ達の
立ち位置は、どことなく非現実感があるかも知れないけれど、それがまたスパイスとなっているかな〜とも。
当時赤ちゃんだったケイトとホープ達の再会も自然体に落ち着いていたし、温かで気持ちの良い大団円を
迎えて何よりで、シリーズの完結編として満足の良作です(^^)そしてガブリエルはどうなるのかな〜?(笑)

後書きでも触れられていた、ガブリエルが登場する「The Fortune Hunter Series」は、「Trouble in
High Heels」、「Tongue In Chic」、「Thigh High」と三作刊行済みです。ガブリエルが主役になる
作品をいつか読めると良いけれど、とりあえずこのシリーズを次回の翻訳にして貰えると嬉しいのですが(笑)

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  1. 2008/07/06(日) 23:59:59|
  2. ライムブックス|
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「Night Fall」、「Night Secrets」&「Night Shadow」

この秋に発表予定の「T-FLAC」の新作×3冊。タイトルから見てトリロジーものだと思うのですが、詳細
は不明。それにしても「T-FLAC」もお楽しみが尽きませんね〜。順調に翻訳される事を願うばかりです(^^)

Night FallNight Fall
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  1. 2008/07/06(日) 23:59:26|
  2. T−FLAC|
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この身を悪魔に捧げて

ステファニー・ローレンスの「The Cynster Series」一作目。遂に長いシリーズが始まりましたね〜(笑)

名家の令嬢でありながら、自立して家庭教師として働いているホノーリアは、帰宅途中に銃で撃たれて
倒れている若者を発見した。程無くして若者の従兄だと言うセント・アイヴス公爵、通称デヴィルが現れ、
二人は若者を連れて近くの小屋へ移動するが、嵐が襲ってきた為に一晩足止めをくらう事になって・・・。

いや〜、前評判にたがわずと言うか。力強さの中にも細やかさがしっかりと活きている、安定した調子を
刻むストーリーに対して主役二人の存在感ががっつりと抜けていましたね〜。難なく一気読みでした(^^)

ヒロインのホノーリアは名家出身の令嬢ですが、あえて自立する道を選び、家庭教師として働きながら、
いつかはアフリカへ旅に出ようと考えています。私は元々独立心旺盛なヒロインが好きなのですが、この
ホノーリアのキャラの何ともあっぱれな事!上流階級のお嬢様らしい品の良い印象に頭の良さや旺盛
な独立心、責任感の強さ、そして肝っ玉のすわり具合等がくっきりとした彩りを加えつつ、どこを取って見
ても良く出来ている万能型のヒロインと言えるかな(^^)その一方で家族を亡くした過去と向き合い切れ
ていない部分にセンシティヴな一面が見て取れたりや自分の意見をきっぱりと主張しながらもデヴィルのペ
ースに乗せられちゃうのも好ましくて、何かわかるなあ〜と(笑)またデヴィルやシンスター家の人々との触れ
合いによってホノーリアの気持ちが変わっていく様を堅実に読ませていくし、ホノーリアが持つ特質の一つ一
つの立ち方も◎。あと命を狙われているデヴィルを守ろうとするホノーリアのスタンスが印象的であると同時
にリンダの作品のヒロインズに通じるような、断固としたものが感じられたりもしました。しっかりと一本芯が
通っていて、とにかく気持ちが良いんですよね〜。パンチのあるキャラで終始魅せてくれて何よりでした(^^)

ヒーローのシルヴェスターはデヴィルと呼ばれる公爵。何者かに従弟を殺害されてしまいますが、その従弟
を発見して手当てをしたホノーリアに惹かれ、自分の妻にしようと決心します。ホノーリア同様にデヴィルも
またインパクト大でしたね〜(笑)尊大で堂々とした物腰は、いかにも上に立つ者としてのカリスマ性が感
じられますが、切れる頭脳と優れた洞察力の持ち主でありながらも、トリィ殺害犯にちっとも気がつかない
あたりはご愛嬌と言うべきかな(^^;)そして自分の感情を完全に把握しておらず、ホノーリアを知っていく事
によって愛情や尊敬が深まっていく過程で見せるデヴィルの表情や心情が機微に富んでいるのがとても良
かった。似た者同士なホノーリアとやり取りをする事でデヴィルのパワフルな個性に茶目っ気や微笑ましさ
が窺えるんですよね(^^)また出会った直後に結婚を決めた事やホノーリアに対する想いも圧倒的で、意志
や信念、そしてデヴィル自身に迷いが無く、揺ぎの無い強さがキャラを強烈に印象付けていたと思います。

脇役メンバーズはバー・シンスターの面子がメインでしたが、これが曲者揃いでございました(^^)私的には
ヴェーンとスキャンダルが気になる所かな。まさにこの母にしてこの息子ありなデヴィル母はスキャンダルに
まつわるエピソードも含めて興味深い人物だったし、更に召使い達がしっかりと仕込まれているのもさすが
だわ(笑)ホノーリアとデヴィルを中心に各々が脇役らしい配置で個性様々に振る舞いつつ、シンスター家
の結束力の固さが光っていたのが○。バー・シンスターの面々がすっかりとホノーリアの言いなり状態なの
にもニンマリでした(^^)何でも一族の全員の作品があるみたいなので(凄っ)、今後が楽しみですね〜。

デヴィルの家で過ごす内に段々とデヴィルに惹かれていったホノーリアは、デヴィルのプロポーズを受ける
事に決め、程無くして二人は結婚しますが、一方トリィを殺害した犯人を探すデヴィルの身に危険が迫り
ます。ストーリーは展開的にはさほど大きく動いたり変化したりせず、一定感があって割とスローでしたね。
ホノーリアとデヴィルの関係は、キスシーンの多さとラブシーンを長くじっくりと描き込む事で官能性を高め
る感じで、その合間に交わされるスマートで歯切れの良いやり取りの数々が、ロマンスを引き締めている
ように思えたかな。自分の主張を下げずにぶつかり合って理解を通わせながら、何事にも率直に向き合う
姿勢がナイスだし、丁々発止とした掛け合いを通して、ホノーリアとデヴィルのキャラが生き生きと輝くのも
○。事件面はストーリーに色を添える程度でしたが、強健なキャラ達や細やかに盛り込まれた心理描写、
ぶれない話運び等申し分が無くて、全体を通して水準の高い内容で楽しませてくれる優秀作品でした。

シリーズの続きの翻訳が確定しているとの事ですが、二作目は「A Rake's Vow」でヴェーンのお話です。
現在計14冊が刊行されていまして、もしシリーズが完訳されるとなると・・・一体いつになるんでしょう(笑)

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  1. 2008/07/04(金) 22:54:48|
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It Had to Be You

「It Had to Be You」のPB別ヴァージョン。プーの愛らしさが良い感じだなあ〜(^^)ついついポチり
たがる自分がいたりします(笑)そして「Glitter Baby」が来年の1月に改訂出版されるとの事ですが、
やっぱり気になって仕方が無いのは、2月に発表予定の新作「What I Did For Love」ですとも(笑)
一体どんなお話なんでしょうね〜。一日も早く読める事を願うばかりだわ。でもその前に「NBC」ですね♪

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  1. 2008/07/01(火) 21:41:14|
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