Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

二人だけのレシピ

ご新規ラインのフローラブックスの新刊その2。原書は「Aphrodisia」から出ているという事でちょっと
調べたのですが、「Kensington」のラインなんですね。フローラさんは今後この路線を攻めるとか?(笑)

料理研究家のレジーは、ストーカーと思わしきファンから奇妙な手紙を受け取った為、元特殊部隊員
で、現在はボディーガードをしているという妹の友人の兄を雇う事にした。だがレジーの前に現れたのは、
かつてハワイで一夜を過ごしたゲイブだった。思わぬ再会に驚く中、二人は行動を共にする事になり・・・。

軽く楽しめる所かシンドかったです・・・(疲労)キャラ、ストーリー揃ってどうにも救いがたくて、読み進め
るのに苦労した↓のエロイザ・ジェームズ作品以上の難儀本でした(^^;)ほとんど苦行と言えるかも(爆)
以下ネガティヴな内容になります。未読の方やこの作品をお好きな方はスルーかバックして下さいね。

ヒロインのレジーは料理研究家。TV番組の撮影や本の出版で忙しい日々を送っていますが、ある日
男性の下半身をコピーしたものが同封されたファンレターを受け取り、妹の手配でボディーガードを雇う
事になります。このレジーですが、性格的にきつかったり、強情だったりするわけでは無いのですが、何か
こう・・・現実感が薄いような感じだし、職業倫理に関しても何だかなあ〜と(苦笑)まともに仕事をしな
くて関係者に迷惑をかけている妹に対する生ぬるい態度や恋愛にのぼせた挙句、現場では失敗を繰り
返したりや原稿の締め切りが迫っているのに空いた時間をゲイブとのいちゃつきに使ったり等言動に好感
や共感を全く持てずだし、料理研究家の割には料理をしている印象が大して残っていないと言うか(^^;)
ファンを大事にしている姿勢は何となくわかったけれど、ストーカーの一件が周囲に被害を及ぼすかも
知れない事に気がつきもしないっていうのも・・・(呆)あまりの現状把握のしなさ振りにはほとほとウンザリ
しました。良い面もあるのかも知れませんが、私的には頂けない部分だけが目につきましたね〜(苦笑)

ヒーローのゲイブはセキュリティ・コンサルタントで、クライアントと関係を持った為に一騒動起こし、知人
が経営している会社を解雇された過去があります。レジーも耐えがたかったけれど、このゲイブのバカさ
加減には呆れ果てて物が言えず(爆)まず到底ボディーガードとは思えない動きや思考がへっぽこさを
極めていて、過去多くのボディーガード職のヒーローを見てきましたが、間違い無く最低レベルに属する
と言えるお粗末振りでしたね(苦笑)そして終盤の一方的な思い込みに関しては、つける薬の無い愚鈍
さに辟易するだけで無く、騙された〜と泣くゲイブの姿は底無しに馬鹿馬鹿しくて、まさに失笑もの(爆)
レジーに対して欲望を抑え込もうとするあたりは、普段ならニンマリと楽しめる要素なのですが、キャラが
あまりに底が浅すぎて、レジー同様に好感や共感といった気持ちが動かされないんですよね。要は
下半身だけで、知性や思慮など美点が何一つ無く、箸にも棒にも掛からないヒーローでした┐(-"-)┌

レジーの撮影にゲイブが警護として付いて回る中、ストーカーからの接触が何度か続いたものの、その
内音沙汰が無くなりますが、ある時ストーカーからレジーに送られたメールの送信元がレジーのPCだった
事が発覚し、話題作りの為にレジーがストーカー事件をでっち上げたと勘違いしたゲイブはレジーの元
を去ります。ストーリーには、レジーの妹のナタリーとレジーの広報マネージャーのタイラーのサイドロマンス
も挿入されていますが、このサイドのお話も特に良くも悪くも無い感じだったし、とにかくキャラ、ストーリー
共に魅力が乏しくて、とりわけゲイブの短絡極まりない思考回路は致命的(爆)Hなお話は勿論大好物
ですが(笑)、キャラ形成や感情描写、話運びの上手さといった妙があってこそ楽しいものなんですよね。
あとサスペンスは添え物程度とは言え、ゲイブの全く役立たずなボディーガード振りはいくら何でも酷すぎ
で、いささか疲れを覚えたりも(萎)何も特筆すべき点が無い、ただHなだけの薄っぺらな作品でした(^^;)

フローラさんの3月の新刊は大丈夫かな〜(苦笑)とりあえず評判の良い作品を読んで口直し中です(^^)
そして最後に。好き勝手にこき下ろしましたが、あくまでも一意見に過ぎないので、ご理解下さいm(_ _)m

二人だけのレシピ (フローラブックス ア 1-1)二人だけのレシピ (フローラブックス ア 1-1)
山岡とも子

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  1. 2008/02/28(木) 23:56:24|
  2. フローラブックス|
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Baddest Bad Boys

「キス×3」でマッケナの短編がコンスタントに翻訳されていますが、新作が5月に本国で刊行される
模様です(^^)更にこの中に収録されている「Anytime,Anywhere」は、「キスよりせつない朝」の
ヒーロー、マックの妹のロビンのお話なので、いつか翻訳されると良いな〜。残るはダニーですね(^^)

Baddest Bad BoysBaddest Bad Boys
Shannon McKenna E. C. Sheedy Cate Noble

Brava 2008-05
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  1. 2008/02/26(火) 21:18:07|
  2. シャノン・マッケナ|
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Into the Fire

今年の夏に発表される「Troubleshooter Series」の13作目。ペースが上がったおかげで、翻訳
の方も追いついてきたような感じでしたが、実際はまだ半分の所なんだよな〜と再認識したりも(笑)
そんな中とっても気になっているのが、サムリス短編の翻訳。一つにまとめて出して頂ければ幸いだ
けれど、形はどうあれとりあえず読めればOKなので、何卒お願い致します〜(^∧^)>villageさん

Into the Fire (Troubleshooters)Into the Fire (Troubleshooters)
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Ballantine Books (T) 2008-07-29
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  1. 2008/02/25(月) 22:58:48|
  2. TDD&Troubleshooter|
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レビューはぼちぼちと・・・

ネット落ちはしていなかったのですが、先週はオフの方がバタバタとしておりまして、コメントのレス
やメールのお返事がままならない状況でした(^^;)そんな中でも時間を見つけて、新刊入手は
しているのですが(爆)また今週からマイペースに読んではレビューをしていこうと思っております(^^)

メールのお返事ですが、今日明日の内には送らせて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します(^^)

  1. 2008/02/24(日) 21:39:42|
  2. お知らせ&ご挨拶|
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57777HITS御礼

サイトのカウンターが57777に到達しました。いつもありがとうございます(^^)キリ番を踏まれた方、
是非お知らせ頂ければ幸いです〜。申告締め切りは2月27日(水)23時までとさせて頂きますね。
どうぞよろしくお願い致します♪次回のキリ番は60000を予定しております(^^)



  1. 2008/02/21(木) 10:14:08|
  2. お知らせ&ご挨拶|
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57777HITSキリ番のお知らせ

ちょっと早めですが、サイトのキリ番のお知らせをさせて頂きますね〜。

サイトのカウンターが、キリ番の57777に近づいてきましたので、入室される際にはカウンターを
気にして頂ければ幸いです。57777を踏まれた方は、「Kiri Plan」のページからご連絡下さい。
ささやかですが、記念本を進呈させて頂きたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します(^^)

  1. 2008/02/18(月) 01:13:25|
  2. お知らせ&ご挨拶|
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瞳をとじれば

エロイザ・ジェームズの「The Essex Sisters Series」の一作目。こちらも出戻りスタートですね〜(笑)

父親の死後、無一文状態で三人の妹達と一緒に後見人の元に身を寄せたテスは、早速後見人の
友人の伯爵との婚約にこぎつけたが、実業家のルーシャスにも心を惹かれていた。そんな中結婚式
当日に花婿が逃げ出してしまい、テスは醜聞を避ける為にルーシャスのプロポーズを承諾するが・・・。

二作目は割と楽しめたのですが、今作はキャラ、ストーリー揃ってどうにもこうにものれずでしたね〜(^^;)
このシリーズが、順番通りに翻訳されていたとしたら、正直二作目の新刊買いは無かったですね(苦笑)
以下スピン関連のネタにも触れていますので、気にされる方はスルーかバックされる事をお薦め致します。

ヒロインのテスは四姉妹の長女。スコットランドの子爵家に生まれたものの、競馬狂の父親が遺した
のは、持参金代わりの競走馬だけという状態で、妹達を連れて後見人で公爵のレイフの元に身を寄
せる事になります。長女らしく真面目で、落ち着いて物事を観察するタイプという事ですが、このテスの
存在感がとにかく薄かった〜(^^;)良くも悪くも個性がはっきりと出た妹達や脇役達の中に置かれる
と、テスのように感情が安定したキャラがおとなしく見えてしまうのは仕方が無いと言えるのかも知れない
けれど、かといって思慮深いなりの魅力があるわけでも無いんですよね(苦笑)心情面の描写も含めて
キャラそのものが淡白な印象なので、ルーシャスに惹かれる気持ちとかも全然伝わってこなかったしな〜。
とにかくヒロインにしては味気無いと言うか。二作目の時はそんな風でも無かったように記憶しているの
ですが(この記憶がかなり怪しかったり・爆)、ここまでメリハリの無いキャラはちょっと意外でもありました。

ヒーローのルーシャスは実業家。レイフの友人でもあり、式当日に花婿に逃げられたテスに結婚を申し
込みます。テス同様にルーシャスのキャラも何とも平坦でしたね〜(^^;)テスにメロメロなのですが、
感情的にのめり込まないように抑制しているというスタンスはまあわかるけれど、感情の動きとか機微
が見えてこないし、両親との不仲といった背景が特別キャラに活かされているとも思えなかったです。
そんな中実はテスと結婚したいが為に花婿を追い払ったというエピソードにはニンマリとさせられましたが、
ほとんど印象に残らないヒーローでした(^^;)でもテスとは似たり寄ったりでお似合いと言えるかも?(笑)

脇役達は姉妹を始めとして多数登場しましたが、玉の輿を目指してしゃかりきになっている次女のアナ
ベルはさておき(笑)、三女のイモジェンはやっぱりダメでした・・・(^^;)感情に走るタイプらしい、周囲を
巻き込んでの自分勝手な行動は、恋心故とは言ってもはた迷惑にしか映らないし、幸せなテスを妬む
ような発言にも正直ウンザリ(苦笑)夫との死別に関しては可哀想だと思うし、まだ若い上に感情が表
に出やすい性格だから・・・とは言う事なんだろうけれど、私的には頂けずでしたね〜(苦笑)更に後見人
で公爵のレイフやその友人のメイン伯爵と妹、競馬狂のドレイブンとその婚約者、ドレイブンの母親等
のキャラが揃い踏み状態でストーリーに絡んできますが、キャラ各々が個性的に描かれてはいるものの、
メインキャラの立ち具合のせいもあってか、賑やかというよりはむしろ、外野の騒音としか思えず(^^;)
姉妹のやり取りもさほど楽しめずで、普通なら楽しめるポイントもことごとく外してしまった感じでした。

ルーシャスと結婚したテスは新婚生活をスタートさせますが、駆け落ち結婚したイモジェンと競馬場で
再会し、あまり幸せそうでは無いイモジェンの事をテスは心配しますが、そんな中競走馬に乗ったイモ
ジェンの夫のドレイブンが落馬して死亡する事故が起こります。ストーリーには姉妹や脇役達のやり
取りが多く盛り込まれていますが、↑でも触れているようにそういった部分に面白みを感じられなかった
し、メインのロマンスの希薄さを見ちゃうと、イモジェンのエピソードを始めとして、余計な要素が多い
ような気がしたりも〜。始終脇道にそれているような感じなんですよね。キャラ、ストーリーのどちらも
特筆するような点が無く、脇役達がやけに出張っているだけと言えるかな。冴えない作品でした(^^;)

シリーズの三作目は「The Taming of the Duke」でイモジェンと後見人のレイフのお話ですね。
四作目の「Pleasure for Pleasure」は末っ子のジョージーがヒロインで、一作目でテスと結婚する
はずだったメイン伯爵がヒーローになるとの事ですが、とりあえず三作目の新刊買いは無しだな〜(笑)

瞳をとじれば(ライムブックス ジ1-2) (ライムブックス ジ 1-2) (ライムブックス ジ 1-2)瞳をとじれば(ライムブックス ジ1-2) (ライムブックス ジ 1-2) (ライムブックス ジ 1-2)
木村みずほ

原書房 2008-02-10
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  1. 2008/02/18(月) 01:12:20|
  2. ライムブックス|
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夢を見ること

リサ・クレイパスの新刊。初のコンテンポラリー作品という事で、楽しみにしていた一冊です〜(^^)

テキサスの田舎町の貧しいトレーラーパークで育ったリバティは母親を事故で亡くし、幼い妹を育てる
為に美容師になってヒューストンの一流店に勤め始めた。そんなある日大富豪のチャーチルから住み
込みの秘書にならないかと申し出られて承諾するが、チャーチルの息子のゲイジが敵意を露にして・・・。

一人称を始めとして、既刊のヒストリカル作品とは違うスタイル&趣向で描かれていますが、その違い
と魅力的なキャラやぶれないストーリー展開、巧みな描写力等クレイパス従来の特色が相まっていて、
とっても素敵な物語に仕上がっていましたね(^^)以下ネタばれアリですので、未読の方はご注意を〜。

ヒロインのリバティは、テキサスのトレイラーパークで母親と異父妹のキャリントンと暮らしていましたが、
ある日母親が事故死し、幼いキャリントンと二人で生きていかざるを得なくなります。どちらかと言うと
内気な面もある、ひたむきで愛情深い頑張り屋さんなリバティが凄く良いんだなあ〜。言動のどれを
取っても無理が無いし、雰囲気にも素朴な親しみやすさがあって、辛い事があっても地に足を着けて
一歩一歩人生を押し進めていくマイペースなスタンスに程良い温度感が感じられるんですよね(^^)
日々の生活の何気ない一齣やキャリントンの誕生、初恋の相手ハーディへの想い等数々のエピソード
は、語り口こそ淡々として穏やかですが、リバティの心情がグッと深みを増す要所要所の描出が秀抜で、
キャリントンへ絶対的な愛情に優しさを感じつつ、ハーディに似た別の相手と付き合う胸中、そして二人
の(最初の)別れが何とも苦しかったり切なかったりで印象深かった。そんな中出会いや別れを経験し、
キャリントンを育てながら成長していくリバティはまさに等身大そのもの。ガッツがあり、目標だけで無く、
やらなければいけない事や自分に出来る事を地道に、一生懸命取り組む姿は好感度大でしたね(^^)

続いてヒーローのゲイジは、リバティが勤める美容院のお客で後に雇い主となる大富豪のチャーチル
の長男坊で、父親の事業を手伝う一方で自分の会社も経営している実業家です。場合によっては、
厳しさすら感じさせる真面目さと落ち着いた物腰の中に激しさがたぎっているゲイジのキャラはもろ好み
ですわ〜(笑)お見舞いにやって来たリバティが帰る姿をじっと見つめているシーンなんてツボ直撃(^^)
人間的に成熟しているので頼れる信頼感や安心感があるし、ゲイジがリバティの事を心から大切に
想っているのが、優しさや思いやりといったシンプルな感情表現からしっかりと伝わってくるんですよね。
この揺ぎ無さはクレイパスのキャラらしい資質と言えて、期待通りの満点ヒーローにホクホクしたりも(笑)

そしてリバティの初恋の相手のハーディのキャラもまた魅力がありましたね〜。十代の頃は実年齢より
も大人びた印象で、町を離れたい焦燥感やリバティへの想いは勿論の事、再会後の野心むき出しな、
それでいて危うさを漂わせた感じが存在感と共によく出ている中、私的にハーディは、成功する為なら
手段を選ばない非情さや価値観、愛し方、生き方等あらゆる面で切ないキャラだったな〜と。最後
の決着のシーンにおいて、人となりと言うか、ハーディという人間が厳しいまでに映し出されていました
が、類を見ない立ち位置で味わい深く魅せてくれましたね。ヒーローになる次回作がとても楽しみです。

脇役陣については、チャーチルの存在がやっぱり抜群だったなあ〜(^^)リバティを見守る眼差しや
ゆっくりと関係を築いていくスタンスが○だし、手のかかる病人振りにもニンマリ。特にキャリントンとの
やり取りの微笑ましさは素敵でしたね。キャリントンと言えば、リバティと幼いキャリントンが彼氏や脱
毛の話をする下りの可愛さは印象的(^^)他グレッチェンやミス・マーヴァ、リバティの友人の質屋一
家等各々がリバティを励ましたり、支えたりのやり取りから温かい人情が滲んで、良い感じでした(^^)

キャリントンを連れてチャーチルの家に引っ越したリバティは、ゲイジにチャーチルの愛人だと誤解され、
冷たくされる中、体調を崩したゲイジをリバティが見舞った事を機に急接近した二人はやがて付き合う
ようになりますが、ある日ハーディがリバティの前に姿を現します。まずリバティの一人称がとても滑らか
で癖も無いので入りやすかったですね〜。リバティの日々の生活振りや周囲の人々との関係性、そして
個々のエピソードを通して、日常感や現実味がストーリー上で浮き彫りになりますが、そういった要素
がリバティというキャラを、リアルかつ魅力的に色付けていたと思うし、リバティが最終的に手にする幸せ
もまた過去の経験や様々な想いの上に成り立っているという事に重みを加えつつ、感慨を一層募らせ
るんですよね。ストーリーの流れ方や心理描写も申し分無しで、作品全体を通して感じられる、自然
体で前向きな雰囲気が◎。これまでのヒストリカル作品のようなタイプを期待すると外すかも・・・ですが、
その違いが大当たりなだけで無く、クレイパスの筆力の高さを再認識させる、秀逸の一冊です(^^)

ハーディがヒーローになる「Blue-Eyed Devil」は本国で春に発表予定ですが、翻訳はいつになるん
でしょうね〜。その前にキャムやデレクを拝めると良いなあ〜と思いつつ(笑)楽しみに待っています(^^)

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  1. 2008/02/17(日) 23:04:25|
  2. リサ・クレイパス|
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あなたの心につづく道

ジュディス・マクノートの新刊。やっぱりマクノート作品は気力、体力をもっていかれますね〜(笑)

女伯爵のエリザベスは、財政難の伯爵家を一人で切り盛りしていたが、後見人の叔父によって三人
の花婿候補を決められてしまった。その中に二年前に巻き込まれた醜聞の元凶となったイアン・
ソーントンの名前を見つけたエリザベスは怒りを覚えるが、やむを得ずイアンの元を訪れる事になり・・・。

鮮やかな個性で魅了するキャラ達と様々な感情が深く息づいたストーリー。時代背景がヒストリカルに
なっても、率直に心を打ってくる内容は相変わらずでしたね〜。マクノート節全開の秀逸作品でした(^^)

ヒロインのエリザベスは幼い頃に両親を亡くし、現在は女伯爵として財政難の家計をやりくりしながら
生活していますが、後見人の叔父によって、三人の花婿候補の内の誰かに嫁がなくてはならない状況
に陥ります。絶世の美女で性格も良くて・・・と美点だらけのエリザベスですが、決して嫌味にはならず、
その純粋さが愛らしかったり眩しかったりで、時には痛々しく感じられたりもしたかな〜。素直で優しくて
物の見方が真っ直ぐな一方で領地を切り盛りする才覚があり、交渉上手な倹約家(笑)という実際
的な一面にはくすっと笑いを誘われる微笑ましさがありましたね(^^)また苦労をしながらも、茶目っ気や
明朗さを失わないエリザベスの姿が生き生きと映し出される中、豊かな表情の一つ一つが感情の動き
と共に細やかな筆致で丹念に描き込まれているので、直に心に響いてくるんですよね。花に話しかける
癖もキュート(^^)自分の事だけで無く相手の立場に立って考える事が出来るし、健気な強さとその裏
に見える傷つきやすさのバランス感が絶妙で、守ってあげたいような気持ちになったりも(笑)外見の美しさ
よりもはるかに内面の魅力が前面で輝く様は、まさにマクノート流正統派のヒロインと言えるのでは(^^)

ヒーローのイアンは貴族の生まれですが平民として育ち、貿易商であると同時にギャンブラーとして名を
馳せています。マクノートのヒーローと言うと、「マイ・ベスト・ヒーロー」の双璧の一角でもあるマットを比較
の対象として出してしまうのですが(笑)、イアンはマットに通じるものがあると同時に影が差すような鋭敏
さや複雑さを持ち合わせていて、そういった面はザックを思わせる感じかな〜とも。 シニカルな構えや他人
にどう思われようと気にせず、打ち解けようともしないスタンスには頑としたものだけで無く、どことなく寂しさ
が漂うような印象もアリかな。とりわけエリザベスと再会して以降、イアンの中で様々な感情が揺れ動く
様相や爵位を継いだ事を始めとして、エリザベスの為に起こした行動や言葉の数々から溢れる想いに
胸を打たれる中、愛する者を遠ざけて、傷つかないように自分を守ろうとするイアンの心の閉ざし方や
冷淡で頑なな態度の内にある深い傷が痛切で、愛するにしろ、傷ついて背を向けるにしろ、感情を
揺さぶる事しかりでしたね。何でも後書きによると、ヒーロー人気投票ではマットに次いでの二位という
事ですが、これは興味深いかも〜(笑)私だったら勿論マットに一票を投じますよ(^^)>しつこい(爆)

エリザベスとイアンのロマンスは、マクノートらしく二年前の出会いと別れのエピソードに始まり、時間が
ゆったりと流れていく感じでしたね〜。ユーモアやウィットが散りばめられた会話や印象深いエピソード
の数々、そしてじっくりと織り成される二人の心模様の描出のどれを取っても秀逸。エリザベスがロバ
ートの言い分を鵜呑みにして逃げ出した事に関しては、基本的にトンズラをするヒロインがダメな私に
とっては、致命的と言えるのですが(笑)、エリザベスの場合は愚かさでは無くて、純真さ、優しさ故の
間違いなのがわかるだけに切なかった。イアンが可哀想で仕方が無かったけれど、その後の裁判での
立ち回りや二人の関係を終わらせまいと踏ん張る強さには、エリザベスの成長振りも含めて感じ入ら
せるものがあったし、まじりっけの無い、深い感情に満ちたやり取りは極上そのもの。感動しました(^^)

脇役陣ですが、まずエリザベスとイアンの友人夫妻のアレックスとジョーダン。この二人も紆余曲折を
経たという事なので、是非「Something Wonderful」は翻訳して頂きたいわ(^^)私的にはイアン
の祖父&伯父コンビがナイス。年寄りらしい味のあるキャラとサポート振りが良かったし、祖父ちゃんが
イアンの成長振りをことごとく追わせていたエピソードは特に印象的で好きだなあ〜。そしてエピローグ
のチェスのシーンにはニンマリでした♪あと気に入らない人間には一服盛る癖がある(笑)エリザベスの
執事や中々の策士でもあるルシンダの存在も忘れがたいかな。キャラ各々の持ち味がしっかりと発揮
されているだけで無く、すれ違う二人を見守ったり、助けたりのスタンスが○。温かくて素敵でしたね。

エリザベスは、義父兄のロバートの行方の調査を依頼した探偵から聞いた話に不安を抱えながらも、
イアンと結婚しますが、ある日ロバートが姿を現し、二年前にエリザベスを置いて姿を消す事になった
要因を知らされ、ショックを受けたエリザベスは、ロバートの言うがままにイアンの元から逃げ出します。
ペースとしては緩やかで、内容的にはマクノートの定番と言えますが、丁寧に作り上げた個々のエピ
ソードや行き届いた描写の素晴らしさは勿論の事、笑いや優しさ、切なさといったあらゆる感情を
繊細かつ豊かに織り混ぜながら紡がれていくストーリーは、魅了しつつ心に深く訴えて読ませますね。
言葉やシーンの数々も印象的で、温かな幸福感に満たされる余韻も申し分無し。大満足です(^^)

次回の翻訳作品は「Whitney,My Love」。作中で名前だけ登場したクレイトン・ウェストモアランドが
ヒーローになるみたいですね。そして↑で触れたアレックス&ジョーダンの「Something Wonderful」
の翻訳が気になる所かな。「Whitney〜」の後で構わないので(笑)、刊行して頂きたいなあ〜(^∧^)

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  1. 2008/02/14(木) 23:30:12|
  2. ジュディス・マクノート|
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めぐりくる運命

ナンシー・ウォレンのHA。今月も作品が刊行されているみたいですが、まずは1月刊のこちらから〜。

エステサロンを経営するメルセデスは、毎週月曜日に恋人募集中の女性達が集まる会合に参加し、
男性陣の名刺を集めたくじで、二ヶ月前に別れたデニスの物を引いてしまった。メルセデスは連絡を
するつもりは無かったが、サロンを新たに出店する計画の為に弁護士でもあるデニスに会う事になり・・・。

どの作品も良い感じに楽しませてくれるナンシー・ウォレンですが、今回はイマイチだったかな〜。
ヒーローが自分との付き合いを恥じているから〜と怒って別れたヒロインは感情が出やすい分だけ
歯切れも良いのですが、可愛げが無かったりでいま一つピンと来なかったし、ヒーローは二人の仲
を深めようと頑張ったりして中々なんだけれど、肝心な所でヒロインの話を聞かなかったりするし(苦笑)
作品自体は悪くは無いと思うのですが、どうも乗り切れずでしたね(^^;)本国ではBZから刊行され
ているとの事で、セクシャルな雰囲気は上手く出ていたと思うし、地味だったヒーローの部下の変身
&プチ・サイドロマンスなんかも可愛らしくて良かったです(^^)でも一読のみといった所ですね(笑)

めぐりくる運命 (ハーレクイン・アフロディーテ 40)めぐりくる運命 (ハーレクイン・アフロディーテ 40)
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  1. 2008/02/14(木) 23:29:23|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
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抑えきれぬ情熱を騎士に

ご新規ラインのフローラブックス。初っ端から「Ellora's Cave」の作品を刊行とは勇敢と言うべきか(笑)
今後どういった作品をピックしていくのかが気になる所ですね。この路線を突っ走ってくれるのかしら(^^:)

家族を惨殺されて地下牢に閉じ込められていたロザリンドは、突然現れた騎士のジェフリー卿に1000
クラウンを支払うという約束をして救い出された。だが無一文のロザリンドは礼金を払えず、代わりに
ジェフリー卿と一夜を共にし、更に嘘をついた為鞭打ちの罰を受ける事を提案され、受け入れるが・・・。

ネット上の評判をちらほらと見つつ、「Ellora's Cave」の作品という事でどんなものか(爆)と取っ掛かり
ましたが、物語性の有無やSMチックという部分はさておき(笑)、お話自体はとても素直でしたね〜。

ヒロインのロザリンドは伯爵の娘ですが、家族を殺害されて地下牢に閉じ込められていた所に現れた
ジェフリー卿に対して礼金を支払うからと咄嗟に嘘をつき、救出されます。ロザリンドのキャラですが、
基本的にひたむきで従順といった所でしょうか。「金が無いなら体で支払え〜」な状況にあらがう事も
せずに受け入れるのはある意味新鮮だったかな〜。でも決して流され体質というわけでは無くて、
立場をわきまえつつ、ジェフリーの事を第一に考えるスタンスや真面目な働き振りは○。とりわけフィリ
ップの求婚への返答には、相手への思いやりや誠実さが感じられて、好感度が更にアップしたりも(^^)
何事にも素直に向き合うロザリンドの考えや気持ちがそれなりにちゃんと描かれているし、機微や深み、
そしてMっ気は別にしても(爆)、優しくてしっかり者な様が気持ち良く映ったのは確かでしたね〜。

続いてヒーローのジェフリー卿は領地の財政を増やすべく持参金の多い花嫁との結婚を考えている
領主ですが、上に立つ者としての義務や責任を重んじていて、徹底した厳しさの中にもちゃんと優しさ
が見えるあたりは良かったかな〜と。ただロザリンドの事を考えてあげるのなら、せめて妊娠しないように
気を配ってやれよ・・・という突っ込みを入れたくなったのは否めず(^^;)でもメロメロ君で人間的な弱み
を見せたりと自分の感情に素直な所は微笑ましい感じだったし、私情を挟まずに領主としての立場を
優先させる姿勢も最後まで一貫していましたね。そして洗濯物の一件には笑わせて貰ったりも(爆)

どちらかの結婚が決まるまで、ジェフリー卿に個人的に仕える事になったロザリンドは、領地での生活を
スタートさせますが、他の領主達を集めて、ロザリンドの両親を惨殺したサー・ウィリアムに対する連合軍
を設立すべく、ジェフリー卿の領地で話し合いが行われる事になり、ロザリンドも準備に追われる日々を
送ります。まず二人がしょっちゅう事に及んでいる(爆)のは確かだし、展開的にも物語性は言うまでも
無く、小難しい事も一切無し(笑)なので、そういった要素やヒストリカルらしい読み応えを求める人には
お薦め出来ないですね(^^;)でもロザリンド、ジェフリー揃ってキャラに一貫性が見られる事や性的な
部分以外の二人のやり取りもまあまあな感じで、話の早い単純明快さや約300ページという軽量感が
中々良かったかな。心に残るような深い作品では無いけれど(笑)、気張らずに読めたのは何よりでした。

スピンはフィリップがヒーローになる「Binding Passion」。やっぱりソフトSM(爆)な内容だそうです(^^;)

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恋の罠は夜にまぎれて

エリザベス・ソーントンの「トラップ・シリーズ」の完結編。パラノーマル風味の作品でした〜(^^)

侯爵の跡取りのアッシュは、新聞に掲載された小説が、実在の事件を元にして描かれた内容だと
いう話をかつての上官から聞かされ、作家の正体を突き止めて欲しいと依頼された。そんな中作家
の集まりに顔を出したアッシュは、イヴという女流作家に惹かれ、やがて夢にイヴが現れるようになり・・・。

新刊買いを見合わせたこの作品ですが、パラノーマル系という事で、平均レベルだった前作、前々作
とは違う面白みがあるかな〜と期待したものの、全体的に物足りないという印象は変わらずでした(笑)

ヒロインのイヴはマダム・バリモアというペンネームを持つ作家。母親の家系から受け継いだ超能力の
持ち主でもあり、作家の交流談話会への参加と社交界を舞台にした次回作のリサーチの為にロンドン
へ出かけます。気が強くて独立心旺盛なタイプといった風のイヴですが、困っている人を助けようと
する優しさや母親の死で受けた傷、自分の能力を抑え込み、他人と距離を置くスタンスといったイヴに
関する諸々が心情面の動きと共に確かに描かれていますが、印象としては平淡な感じが否めないん
ですよね(苦笑)父親や継母との不仲の要因になっている超能力という要素も特別なスパイスになって
いるとまでは言えずで、アッシュとの関係については思い切りの良さが見られたりしつつも、普通レベル
から抜けていかない。勿論良い面もあるのですが、その割りにキャラがいま一つ輝いてこないと言うか。
苦も無く読めてしまうのは何よりだけれど、魅力を語るとなるとちょっと困ってしまうヒロインでしたね(笑)

社交界の人気者で侯爵家の跡取りでもあるヒーローのアッシュは、楽しくも無為な日々を送っていま
したが、実在の出来事をネタに小説を発表している「アンジェロ」という作家の正体を突き止めようとし、
女流作家のイヴに出会います。この作品の一番の着眼点は、脇役時の陽気な伊達男キャラがチャー
ミングだったアッシュのヒーロー振りかな〜と私的に思っていましたが、これが期待した程キャラが弾けず
でしたね(^^;)一見した所ではお気楽な遊び人そのものなアッシュが、胸の内では弟の死によって受け
た傷や情の薄い父親に対する侮蔑の気持ちといった苦いものを抱えているという事なのですが、そうい
った要素がキャラの中で大して実を結んでいない感じで、読ませていくという程の掴みも無く、ヒーロー
にしては微妙に平凡な印象すらあったような。 ロマンスもジタバタ無しにストンと落ち着くし。前二作
時の光り具合は、脇役という立ち位置故なのかも知れないですね(笑)にこやかで愛想の良い物腰は
相変わらずで○ですが、背景からキャラに深みが増すかな〜と思いきや、そうでも無く・・・でした(^^;)

イヴが滞在している友人の自宅で、「アンジェロ」である事をほのめかしていた作家仲間の一人が何者
かに襲われた為、アッシュが警護も兼ねて屋敷に滞在する事になり、二人は関係を持ちますが、調査
を続ける内に「アンジェロ」の小説の舞台となった幾つかの庭園から昔の造園家の名前が浮かび上が
ります。まずイヴの超能力に関しては、展開にしっかりと絡んできますが、相手の思念を読んだりや夢
の共有といった内容なので、パラノーマル系が苦手な人でも問題無しなのでは・・・と思います。そして
ストーリーは脇役を多数登場させつつ、どちらかと言うとロマンスよりも謎解きの方をメインに据えた感が
強いかな〜。薄味気味なロマンス面はさておき(笑)、謎解きの方はイヴの超能力や過去の事件が
きちんと繋がっていくので、まとまりも良くてさくさくと読みやすいものの、面白さという点になると特筆する
程のものは無く、月並みなレベルで納まってしまうなあ〜と。脇役の面々についても個性様々に描か
れてはいましたが、特に印象には残らないんですよね(^^;)作風自体には安定感や堅実さは見受け
られるし、決して悪くは無いのですが、作品に強く惹き込むだけのパンチや魅力は私的に感じられず。
アッシュのキャラが思った程冴えなかったのも残念だったし、感想としては一読のみといった所かな〜。

今後もラズベリーブックスからエリザベス・ソーントンの作品が刊行されていくそうですが、巷の評判が
すこぶる上々で・・・という事でもない限り、新刊買い作家のリストからは除外となりそうですね(^^;)

恋の罠は夜にまぎれて (ラズベリーブックス ソ 1-3)恋の罠は夜にまぎれて (ラズベリーブックス ソ 1-3)
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  1. 2008/02/10(日) 21:34:57|
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「Beast」&「Fantasy Lover」

盛りだくさんな3月の新刊の中の私的大本命本その1&2(笑)ジュディス・アイボリーのこの作品は
翻訳を熱望していました(^^)シェリリン・ケニヨンの「Dark Hunter」も期待大。一作目からの翻訳は
ありがたい限りですが、シリーズの短編が気になりますね〜。上手くピックしてまとめて頂けたら嬉しい
けれど、実際は難しいんだろうな〜(^^;)とりあえずはシリーズが順を追って読んでいけますように・・・。

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  1. 2008/02/09(土) 17:16:28|
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ザ・キル

コンテンポラリーを読みたくて、昨年の新刊を救済(笑)アリスン・ブレナンの三部作の完結編です。

5歳の時に目の前で姉がさらわれ、殺害された過去を持つオリヴィアは、FBIの研究員として働いて
いたが、ある日姉殺しの犯人として服役中していた男の冤罪が確定した。真犯人が現在でも犯行
を繰り返している事を知ったオリヴィアは、身分を偽ってシアトル警察のザックと捜査に当たるが・・・。

一作目はまずまず、二作目はイマイチといった感じだったので、三作目は正直期待せずに読んだの
ですが(^^;)、これが思いがけず面白くてちょっと驚いたりも(笑)シンプルに良いサスペンスでしたね。

ヒロインのオリヴィアはFBI研究所の研究員。34年前に目の前で姉が誘拐、殺害された過去があり
ますが、ある日姉殺しの犯人がDNA鑑定の結果無罪になった為、野放しになっている真犯人を捕
まえようと行動を起こします。重い過去を持ち、他人と心から解けられないというキャラはこのシリーズ
のヒロインに共通している要素ですが、今作のオリヴィアが一番取っ付きやすかったと言うか、受け入
れやすい感じだったかな(笑)研究員なのに、捜査官と偽って捜査に参加するという無謀な行動も
状況を考えれば納得がいくし、犯人逮捕に真摯に取り組む姿勢も印象が良かったです。頑固だけ
れど行き過ぎず、また姉の一件とその後の家庭崩壊がオリヴィアに与えた影響の重さや根深さが、
被害者家族とのエピソードや堅実な人物描写からしっかりと伝わってきましたね。無駄に感情的に
なったりせずに、自分自身や内で抱えているものに対して客観的な目を持っているあたりやどことなく
脆さが漂うのも○。過去との折り合い方も自然でしたね。過去のヒロインズ同様に華があったり、強烈
な個性が立つ程では無いけれど、さらっとした女性らしさもあり、バランスが取れたヒロインでした。

ヒーローのザックはシアトル市警の刑事で、連続している少女誘拐殺人事件の犯人に繋がる情報を
持つオリヴィアと共に捜査に乗り出します。真面目な正義漢といった感じで、刑事らしい熱心さが感じ
られたりも。FBIには良い感情を抱いていないも関わらず、オリヴィアにはフェアな態度でちゃんと接するし、
信頼出来そうな印象がありましたね。亡くなった妹やその恋人だった記者との関係から読み取れるもの
はそれなりといった所でしたが、オリヴィアが捜査員と偽っていた件に対する反応やクールダウンした後
の率直さを通してザックのキャラに色が増したように思えたかな〜。中々の存在感だったと思います。

FBI捜査官として身分を偽ったオリヴィアは、シアトル近郊で連続している少女の誘拐殺人事件が、
姉を殺害した犯人と同一犯である事を確信し、ザックと共に地道に捜査に当たりますが、無罪放免
となって釈放された男の証言によって犯人とおぼしき人物が浮かび上がるものの、新たな少女が連れ
さられてしまいます。ストーリーは警察側と真犯人、冤罪が立証された男など視点を入れ替えながら
描かれていきますが、まずオリヴィアとザックが性的な引き合いに走らずに、捜査メインのスタンスをキープ
したまま相手を知っていく事で惹かれていく流れや証拠や状況を判断しながら地道に突き詰めていく
警察側の動きと過去に苦しみつつも真犯人逮捕を目指すオリヴィアの心情が相まってよく描かれて
いました。あと一作目、二作目同様に現在の事件がヒロインの過去に関係していますが、事件面
に対するヒロインの立ち位置が一番しっくりきたと言うか。オリヴィアの個性による所なのか、キャラと
ストーリーの絡みが良い感触だったし、展開にも適度な勢いと安定感があり、描写も厚めでしたね。

ただ一つ残念なのは、冤罪で刑務所に入っていたキャラの扱いかな〜。34年間という歳月を不当
に奪われた挙句、無罪放免になっても家族に冷たくされ、怒りの余り自分を刑務所に送った当時の
関係者を殺害して回るのですが、この男とオリヴィアの最後のやり取りがどこか軽々しい感じがした
んですよね。この作品は冤罪が主旨では無いので、その部分を掘り下げるとまではいかなくても、
塀の外の世界に失望した男の心情がちゃんと挿入されているだけに、もう少し重みのあるオチがつい
ても良かったのでは・・・と私的に思いました。でもトータルでは○。地味めですが、良作でした(^^)

今後の翻訳についての詳細は不明ですが、「Speak No Evil」、「See No Evil」、「Fear No Evil」
のトリロジー作品に続いて、「Killing Fear」が刊行予定との事です。いつか翻訳されるのでしょうか。

ザ・キル (集英社文庫 フ 26-3)ザ・キル (集英社文庫 フ 26-3)
安藤 由紀子

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  1. 2008/02/07(木) 22:36:36|
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Heartthrob

villageさんの3月の新刊はブロックマンの単発作品ですね〜。TDDとTSの図抜けた面白さを思うと、
どうなのかな〜といった感もありますが、読めるのは何より。来月の楽しみな一冊が更に増えました(^^)

HeartthrobHeartthrob
Suzanne Brockmann

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  1. 2008/02/06(水) 23:45:07|
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ウエディング・ストーリー 2007

最近は季刊本の購入もほとんど無いのですが、作家陣が良さげだったので(再録された某作家は
さておき・爆)チェックしてみた昨年のウエディング・ストーリー。あらすじはスルーさせて頂きますね(^^)

「魅惑の花嫁」 スーザン・マレリー

伯父が遺した遺言のせいで、伯父の死後から三ヶ月以内に結婚しないと財産を相続出来ない羽目
に陥ったマッキンタイヤ兄弟の弟ルーカスと教職を失い、ホテルを開業して学校建設の資金を貯めよう
とするエミリーのお話。酒場の二階部分をホテル用に貸して欲しいというエミリーにルーカスが便宜結婚
を持ちかけ、夫婦になった二人が惹かれ合っていくという内容ですが、容姿に自信が無いエミリーが、
ルーカスを振り向かせようと変身する前向きさや堅苦しい言葉使いが微笑ましく、また人の良いキャラ
も好ましかったですね。ちょっとおバカだけれど(笑)、甘くて優しいルーカスも中々。南北戦争で負った
ルーカスの心の傷は浅めの描写でしたが、短編だし、小難しくない程度でOKだろうな〜と。とても
雰囲気の良い、素直な作品でしたね。↓に比べると軽めですが、私的にはこちらの方が好きです(^^)

「誇り高き花嫁」 モーリーン・チャイルド

マッキンタイヤ兄弟の兄ジャクソンと花嫁募集広告に応募してきたモリーのお話。二度と結婚はしない
というジャクソンに内緒でルーカスが広告を出してしまった為、二人は結婚生活を送る事になりますが、
まずこのモリーのキャラがかなり強烈でした(笑)気が強くて頑固。言いたい事をはっきりと言うので、嫁
は欲しくなかったジャクソンとの掛け合いもポンポンと交わされたりで楽しめました。明るくはっきりとした
カラーで展開していく内容ですが、終盤に明らかになるジャクソンの過去が重めなので、ちょっと読後に
苦みが残ってしまったと言うか、引っ掛かったかな〜。結局ジャクソンの口から語られたわけではないん
だし、明らかになるタイミングがもっと早ければ読後感も違ったかも。↑みたいにさくっと楽しんで、読後
もすっきりの方が良かったな〜と私的には感じましたが、作品的にはしっかりとしていたと思います。

ウエディング・ストーリー 2007―愛は永遠に (2007)ウエディング・ストーリー 2007―愛は永遠に (2007)
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  1. 2008/02/04(月) 23:59:09|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
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愛は魔法でなく

スーザン・マレリーの初期のLS。お友達のお薦めもあり、以前から探求していた作品です(^^)

諜報員のジェイミーは、新人時の教官で、かつて短期間関係を持った後に別れたザックが中東で
ゲリラの人質になっている事を知り、救出作戦を立てた。ザックを助け出した直後に諜報機関の
仕事を辞めたジェイミーは、ザックと共に過ごしたキャビンへ向かうが、退院したザックも姿を現して・・・。

うわ〜、久し振りに良作のLSを読みましたよ(笑)裏のあらすじを読んだ限りでは、諜報員のサバイ
バル物かな〜とか思っていたのですが、違いましたね(^^;)しっとりとした真面目さが良いんだなあ〜。

家庭や友人に恵まれず、諜報員として一般社会から孤立して生きてきたジェイミーとザックが人生の
岐路に立ち、自分の過去や内面を顧みつつ、相手に向き合いながら気持ちを通い合わせていく過程
や各々の心の機微が、丁寧かつ真っ直ぐに描かれていて、これが切なかったり優しかったりしながら
読ませましたね〜。不安を抱えていても、将来に目を見据えてザックに心を差し出す真摯で勇敢な
ジェイミーと一つの生き方しか知らない、不器用で孤独なザックが揃って◎。ストーリーの流れにも無理
が無くて、手際良くまとめながらもギュッと感情が込められた作品でした。初期のLSなので入手の問題
がありますが、未読の方には是非読んで頂きたいな〜と思います(今更読んだ私が言うのも難ですが・笑)。

愛は魔法でなく愛は魔法でなく
スーザン マレリー Susan Mallery 三好 陽子

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  1. 2008/02/04(月) 23:59:00|
  2. LS&LS読破強化中|
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不具合のお詫び

やっとこさ自分のBlogに入れました(-_-;)ここ数日サーバーの方で障害が出ている状況でして、
レビューを書いても保存がきかないのでは・・・とヒヤヒヤしております(^^;)せっかく来て下さるゲスト
の皆様にもご不便をおかけしてしまい、申し訳ありません。レビューの方も何冊か溜め込んでいます
ので、サーバーの様子を見ながらUPしていきたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します(^^)

  1. 2008/02/03(日) 22:16:59|
  2. お知らせ&ご挨拶|
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Every Breath You Take

3月にMIRAから刊行される「君に鼓動をかさねて」。・・・それにしても出版社が割れますね〜(笑)
コンテンポラリーで、マクノートらしいストーリーみたいですが、内容はさておき(笑)、マットの再登場こそ
この作品の最重要ポイントと思っているのは私だけでしょうか(爆)素敵なヒーローは数多くいますが、
マットに肩を並べるだけのヒーローはまずお目にかかれないんですよね。拝める事を願うばかりです(笑)

Every Breath You TakeEvery Breath You Take
Judith McNaught

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  1. 2008/02/01(金) 23:01:43|
  2. ジュディス・マクノート|
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Hot Ice

ランダムさんの3月の新刊。「T-FLAC」シリーズでハントのお話ですね〜。もっと待たされるかな〜と
思っていたので嬉しい限りですが、「SDF」の続きは一体・・・・(^^;)年一ペースなのかしらん(呆)

Hot Ice: A NovelHot Ice: A Novel
Cherry Adair

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  1. 2008/02/01(金) 23:00:03|
  2. T−FLAC|
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