期待薄の新刊(爆)を読了後に、早速お取り置きしておいたC・ブロックウェイに着手。期待通りでした(^^)
劇場歌手のレッティは、詐欺の片棒を担いでいた相手から逃げ出す為に向かった駅で拾った切符を使い、
とある田舎町の駅に降り立った。町の人々から歓迎を受けたレッティは、彼らが招いたウエディング・プランナー
と勘違いされている事を利用しつつ、隙を見て逃げ出そうとするが、判事のエリオットに惹かれてしまい・・・。
ヒロインが周囲を騙しているという苦手設定も何のそのですね〜。魅力たっぷりのキャラ達と温かかったり、
切なかったりの情感に彩られた巧妙なストーリーに強く惹き込まれて一気読み。とっても素敵な作品でした♪
ヒロインのレッティは、女優兼劇場歌手。詐欺の片棒を担いでいたニックから逃げ出そうとして向かった駅で、
恋人と駆け落ちする事を決めた女性が落とした切符を拾い、その切符を使って辿り着いた小さな田舎町で、
ウエディング・プランナーのレディ・アガサと勘違いされて歓迎を受ける事になりますが、まずレッティが良いん
だなあ〜。いかにも女優らしく、場をさらってしまうような明るさと颯爽とした身のこなしで魅せつつ、洞察力や
機知を働かせながら立ち回る抜け目の無さも嫌味が無く、軽やかなユーモアと共に、チャーミングに輝く事
しかり(^^)クロッケーの試合で見せる負けん気の強さや「世慣れした女」としての振る舞いも微笑ましいし、
明朗で溌剌とした様は、その場の空気を晴れやかにすると同時に自然と人を惹き付けるようで◎。また階級
が絶対な時代を何の後ろ盾も無く自力で生きているレッティの価値観や流儀を細々と映し出すと同時に町の
人々との触れ合いによって、罪悪感を抱いたり、情に流されたりといった心の揺れ動きやこれまでの生き方を
顧みる姿が明確に、生き生きと描き出されていて、レッティの変化や成長振りには爽快な気持ちを覚える一方
でエリオットの求婚を断ろうとする女心や深い愛情には切なくなったりもしたな〜。基本的に自分自身をちゃんと
持っているのが好ましいし、そんな中迷ったり思い悩んだりするレッティの姿が鮮明かつ印象的でしたね(^^)
元軍人で現在は治安判事を務めているヒーローのエリオットですが、これまたツボなキャラでございまして(笑)
レッティの明るさに対して誠実で真面目な人格者的な性格とそれでいて良い感じに砕けた温度感がとっても
素敵でしたね〜。これは私的な意見になりますが、どことなくSEPの「幻想を求めて」のコリンを思わせるような
趣もあったり(←実はかなりのコリン好き(笑))。戦争で傷を負ったものの、ただ過去に苦しんでいるわけでは
無く、世の中を良くすべく心を注いでいて、きっぱりとした意志や考えの持ち主である事もポイントが高いなあ〜
と。そういった目的意識がエリオットのキャラに厚みや深みを与えているし、懐の深さや真っ直ぐで温かな物の
見方が好感度大(^^)レッティの態度に傷ついちゃう姿は痛々しくもあるのですが、ストレートで飾らない愛情
表現は気持ちが良いし、激しさもあって◎。あとネクタイが曲がっているのが、可愛かったりもしました(笑)
レッティとエリオットのロマンスは、二人をくっつけようとする周囲に見守られつつ、生き生きとしたやり取りや
切ないすれ違いを通して、それぞれの内面が着実に描き込まれていましたが、とりわけプロポーズのシーン
はグッとくるものがあったなあ〜。エリオットの切実な想いが溢れると同時にエリオットの将来やすべき事を
思いやるレッティの愛情と強さが際立っていて、ひたむきに相手を想う様が優しく胸に染み入るんですよね。
笑いやほろりとするペーソスを織り交ぜながら、感情面から手厚く読ませていく素晴らしさでした(^^)
そして脇役陣ですが、まずはエリオットのお父さん。穏やかな眼差しや父と息子の関係が良かったですね。
元芸人で現在は執事のキャボットも良い味が出ていたし、レッティとエリオットをくっつけようとするエグラン
タインと使用人達のコミカルなやり取りも○。寝入るくせのある(笑)大佐やアントンもナイスでした(^^)嫌味
女のキャサリンですら、ストーリーを引っかき回す程では無く、小さな田舎町らしくちょっとお節介だったりし
ながらも、個性がしっかりと出たキャラ達の素朴な人情が優しかったり、微笑ましかったりで、ストーリーを
賑わしつつ、ほっこりと温かな色を放っていましたね。あと私的にはわんこのランビキンズもといファギンが
お気に入りです(^^)レッティとの同志のような関係や一人と一匹(笑)がよく似ているのには、思わずニンマリ。
レッティは、公爵家との結婚式を控えたビグルスワース家で身分を偽ったまま過ごしますが、ウエディング・
プランナーとして披露宴の企画を練ったり、公爵との結婚を控えたアンジェラの悩みの相談に乗ったりする
内に逃げ出せなくなり、またエリオットとの仲も深まっていく中、レッティの行方を追っていた詐欺師のニック
が姿を現します。ストーリーは、個々のエピソードを細やかに盛り込みながら、終始力強く、安定した調子
で描かれていきますが、レッティの素性が明かされるのが終盤近くにも関わらず、普通なら感じそうな居心地
の悪さも無いし、明朗に弾むような雰囲気の中で浮き彫りになる感情の機微も、明瞭で抜群。それから
レッティが自分の過ちに真っ向から向き合い、潔く罪を償おうとする姿勢は、筋を通す感じで気持ちが良いし、
身分を偽っていた事では無く、レッティの実際の行動や本質面に目を向けて支持する人々の思いには、
心が温まりましたね。ラストも爽快だし(^^)物語性も豊かな、笑いや切なさに優しく包まれた秀作でした(^^)
「The Bridal Stories」のもう一つの作品、「Bridal Favors」が楽しみですね(^^)あと私的に気になって
いるのが、コンテンポラリー作品の「Hot Dish」。来年早々には「Skinny Dipping」が刊行されるそうです。
C・ブロックウェイは、作品数が多くないので、この調子でいけば全タイトルの翻訳も叶うかもしれない?(笑)
- 2007/09/25(火) 20:08:48|
- コニー・ブロックウェイ|
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