Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

めぐり逢う絆

バーバラ・フリーシーの新刊。前作はパッとせずで残念でしたが、今回は当たりでしたね〜(^^)

病院で研修医として働くナタリーは、大学時代に起きた親友エミリーの転落事故を酷似した内容の
本が話題になっていると知り、愕然とした。しかも作中ではナタリーに当たる人物がエミリーを殺害し
たと書かれている。そんな中ナタリーは、昔の恋人で、エミリーの兄のコールと再会するが・・・。

導入からスムーズで、キャラ、ストーリー共に派手さは無いものの、ロマンスとサスペンスのバラ
ンス感もちょうど良く、実直な筆力に惹き込まれての一気読みでしたね。面白かったです(^^)

ヒロインのナタリーは、貧しい家庭で育ち、苦労して大学を卒業した現在はサンフランシスコの病院
で研修医として働いています。真面目な努力家で、特に癖の無いオーソドックスなタイプなのは、
フリーシーらしいヒロイン像と言えるのかな〜。過去の経験から、深い人間関係を築けずにいて、
誰にも頼らずに一人で生きているけれど、意固地だったりせずに普通に力が抜けているあたりに
現実味を感じさせたりも。コールとの係わり合いを避けたいと頭では思いつつも、気持ちの面では
そういかない部分や愛情を求めながらも、二人の関係に対してどこか諦観しているようなスタンス等
を丁寧な心理描写で読ませていくので、インパクトや強い個性には欠けるものの、キャラそのもの
はしっかりと立っていましたね(^^)臆病に構えたりもするけれど、基本的に率直だし、自分の人生
を掌中に納めて、誠実に生きている姿や飾らない、素のままの雰囲気が好印象なヒロインでした。

父親の跡を継いで家業の新聞社を経営しているヒーローのコールは、病院で亡くなった妹エミリー
の友人で、かつて恋人だったナタリーと再会しますが、本の事を知らされ、ナタリーと共に調査に
乗り出します。フリーシーのヒーローは(前作は私的に好かなかったけれど)、ロマンス的に萌え
ポイントをつくようなタイプでは無いのですが、今回のコールは、両親との関係や妹への愛情や責任
感、抱いていた夢といった背景や愛情というものに対する受け止め方が堅実に描出されていて、
不器用な性格ならではと言える、腹をくくれない歯切れの悪さも含めて、納得性がきちんと伝わって
くるキャラだったなあ〜と。それでいてラストのプロポーズが、思いがけず派手だったりで微笑まし
かったりも(笑)自分の気持ちにマイペースに向き合っていく様も自然な感じがして中々だったかな。

脇役陣は「ファビュラス・フォー」のメンバーのマディソンとローラに、ローラの学生時代からのBFで
夫のドルー、コールの親友でエミリーに片思いをしていたマジシャンのディランの四人がメインと
いった所で、各々の関係性に焦点が置かれていましたが、主婦以外の自分を見出したいローラと
ドルーの夫婦間のすれ違いにマディソンの遠慮の無い性格、ディランのつかみ所の無い雰囲気が
巧みに交錯していて、ストーリーに勢いを与えつつ、謎を絡ませた展開はページを追わせる興が
ありましたね。散漫にならない手際の良さが○。再会後のナタリーとローラ、マディソンのやり取りに
関しても、友情自体は残っているものの、エミリーの身に起こった出来事や10年という歳月の隔たり
によるぎこちなさや遠慮といった微妙な空気の流れ方にも細やかな巧妙さが見て取れて良かった
なあ〜。脇役の立ち位置や個性の色付けにも職人的な手並みが光っていて、好感触でした(^^)

ナタリーとコールが本の著者を追いかけるものの、土壇場で上手く逃げ出されてしまったりと思う
ように調査が進まない中、マディソンやローラと再会し、エミリーが当時誰かと付き合っていた事や
エミリーが綴っていた日記が紛失している事が明らかになります。誰からも愛された上に、死後は
すっかりと崇められているエミリーの知られざる表情が事件への核へと繋がっていく過程も程良い
スピード感と謎を引くようなもっていき方で、最後まで弛まずに読ませるし、温かで清涼感のあるエピ
ローグも素敵(^^)中でも唸ったのが、エミリーという存在がキャラ達に与える影響の大きさが描か
れると同時に各々の現在の在り方や関係性が克明に映し出されていく下りだなあ〜。事件面だけで
無く、話作りの上手さや機微を感じさせつつ、サスペンスとの兼ね合いも申し分無し。ピントのぼやけ
た前作の印象を見事に洗い流してくれる(笑)、正統派で確かな読み応えのある良作でした(^^)

ロマサスは苦手という人も多くいらっしゃると思いますが、フリーシーやラブレースのように、巷では
あまり評判になっていないものの、内容が詰まった作品を描く作家さんにスポットがもっと当たると
良いなあ〜というのが地味作品スキーの一意見です(笑)そして今後のフリーシー作品の翻訳に
ついては、後書きでは触れられていませんでしたが・・・もしかしてこれでお仕事完了とか?(苦笑)

めぐり逢う絆 (二見文庫 フ 12-3 ザ・ミステリ・コレクション)めぐり逢う絆 (二見文庫 フ 12-3 ザ・ミステリ・コレクション)
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  1. 2007/09/12(水) 23:07:50|
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秘密の初恋

まずは軽くヴィッキー・L・トンプソンのHAから。T関連の中でもお気に入りの作家さんです(^^)

職場の同僚とくじ引きをして、オフィスの外で働く男性に声をかける事になったケイシーは、その
男性が初恋の相手のサムである事を知り、早速アプローチをかけた。初デートの晩に関係を持ち、
まだ二十歳のケイシーは一晩の情事だと割り切ろうとするが、サムは将来を意識し始めて・・・。

地味系からイメチェンして、男性経験を積もうとするヒロインと三十代に入り、そろそろ家庭を持って
落ち着きたいと考えているヒーローのロマンスですが、過去に読んだV・L・トンプソン作品と比べる
と、ユーモアや遊び心も抑え目の作品とも言えるかな?でもそれなりにホットではありましたが(笑)
ヒロインの若さや一夜の情事と割り切ろうとしつつも、実際はそういかない心情や遊び相手で終わら
せまいとするヒーローの押し引きが軽やかに描かれていて、全体的にテンポが良く、さっくりとまとま
っていたと思います。V・L・トンプソンらしい、あっけらからんとした、抜けていくような陽気さで盛り
上げるとまではいかないけれど、ほっこりと楽しめる可愛らしい作品でした(^^)中々だったかな。

HAの今後のラインナップを見た限りでは、割と良さげかも〜とちょっぴり(笑)期待していたりも。
特に楽しみなのが、来月に出るC・アデアの作品。「T-FLAC」スキーとしては即買いせねばね(^^)

秘密の初恋 (ハーレクイン・アフロディーテ 22)秘密の初恋 (ハーレクイン・アフロディーテ 22)
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  1. 2007/09/12(水) 10:52:00|
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