ちょっとだけお取り置き〜と思いつつも、新刊に押され続けて、気が付いたら発売から半年近く経過
してしまったこの作品(苦笑)「Jane Rizzoli & Maura Isles Series」の二作目に当たります。
「外科医」と恐れられた連続殺人犯を逮捕した、ボストン市警の女刑事リゾーリは、仲間内からも
一目置かれるようになったが、当時の恐ろしい記憶から完全に立ち直れずにいた。そんなある日
裕福な医師夫妻が「外科医」を彷彿とさせる手口で殺害され、リゾーリは捜査に当たるが・・・。
サスペンス面は前作の方が勢いがあったと思いますが、今回はリゾーリを始めとしたキャラの個性
がしっかりと立った、より人間臭さを感じさせる内容と言えるかな。私的には今作の方が好きです。
今回からヒロインとなる女刑事のリゾーリですが、「外科医」の際には主人公達をくってしまうくらい
のパンチと癖のあるキャラがとても印象強く残っていたので、シリーズの続きでは彼女が主役を
張っていると知り、読むのを楽しみにしていました。キャラとしてはとにかく男勝りで強情。コンプレ
ックスもあるし、周囲には絶対に弱みを見せないようにと常に目一杯肩に力を入れて踏ん張って
いるタイプなのですが、気が強くて可愛げが無いのは確かだけれど、懸命に強く在ろうとする姿が
どこか物悲しいと同時に味わい深く感じられるだけで無く、自分の持てる全てを仕事に注ぎ込む事
によって、自己を確立しようとしているだけに、窮屈な生き方を選んでしまっている中、葛藤や苦悩、
突っ走りながらもふいに自らを顧みる心の動きが、リゾーリというキャラを綻ばせていると同時に
生身に映し出しているなあ〜とも。またリゾーリの強さはとても激しいものだけれど、決して完全では
無く、内には弱さをはらんでいるあたりにグッとくるものを感じるかな。イヴやマギー同様にリゾーリ
の今後の変化や成長が興味深いですね(^^)余談ですが、シリーズを通してどうにも好感を抱け
ずに、タイトルを全て処分するに至った、イ○・ダン○ンのようにはならないと信じています(苦笑)
ヒーロー(になるのかな?(笑))のディーンはFBI捜査官ですが、淡々とした寡黙なタイプで、捜査に
参加する理由を明らかにしない事もあり、捜査を仕切るリゾーリから反発を買います。感情を表に
出さないせいか、ミステリアスな雰囲気を漂わせていて、何となく翳を引きずっているような印象が
あり、落ち着きある、理知的な物腰には安心感を覚えたかな〜。今後リゾーリとの関係が深まって
いくみたいですが、自分とは正反対の個性を持つリゾーリに惹かれてはいるものの、その気持ちに
戸惑いを感じている中、不器用ながらも手を差し伸べようとする姿は素敵でしたね。あとリゾーリの
激しさにはディーンの静けさや奥深さが必要なのかも〜と感じたりも。静かな魅力が○でした(^^)
リゾーリと共にシリーズ名に名前を連ねているモーラですが、検死官という事もあって、解剖の際
にはスマートでクールな個性を見せてくれましたが、リゾーリとの絡みも大して無かったので、次回
に期待といった所でしょうか。脇役キャラでは、リゾーリの相棒のフロストのナイスガイ振りが中々
の好印象。捜査の途中で心臓発作を起こしてリタイアしてしまった、刑事のコーサックの存在も
虚無的で味があったなあ〜。地味ながらも、各々の持ち味が手堅く描出されていたと思います。
「外科医」が刑務所を脱走した後に第二の事件が起こり、第一の事件の犯人である「征服者」と
「外科医」が合流した事が判明しますが、「外科医」が脱走した刑務所を訪れたリゾーリは、所内に
残されていた手紙や写真から、自分が標的として狙われている事を知らされます。ストーリーは
ペースとしては一定した感じで、事件面は前作の延長戦といった印象が拭えずでしたが、鑑識や
解剖結果の描写は手厚くてリアルだし、「征服者」の背景なんかは意外性もあり、興味深く思えた
かな〜。ただ「征服者」と「外科医」のタッグから想像出来る恐怖感や緊迫感がストーリー上であまり
作用していないような印象で、「外科医」の脱走に関して等細かい部分における疑問点が幾つか
ありました。あと「犯人対警察」というより、「外科医対リゾーリ」という視点寄りで描かれているせい
なのか、警察の動きがもう一つな感じなんですよね。あっさりとしたオチも含めて、何となく物足り
ない感じも残っていますが、リゾーリというキャラで読ませる部分から得る満足が大きいのは期待
通りと言えるかな。ラストで事件現場には行かずに、ディーンの広げる腕の中へ向かうリゾーリの姿
が印象的でした。サスペンス面はちょっとケチがつきますが、作品的には○。続きが楽しみです。
9月に「聖なる罪びと」が刊行されますが(うわっ、発売4日になっているよ(^^;))、このシリーズの
続きは順次文春文庫から翻訳されるとの事です。しっかし文春さんと言えばI・ハウスは・・・(笑)
- 2007/08/31(金) 21:57:34|
- 文庫その他|
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カレン・ケリーの「サザン・エクスポージャー」がM・J・ローズの「ヴィーナスの償い」に変更になった
そうですね(^^)このお知らせを目にして、「ノアだわ〜( ̄ー ̄)」とニンマリしつつ、大喜びしたのは
私だけでしょうか(笑)「The Butterfield Institute Series」の完結編との事ですが、こんなに早く読め
るとは思っていなかったので、嬉しい限りです(^^)カレン・ケリーは持ち越しという事なのかな?
- 2007/08/29(水) 17:22:37|
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E・ローウェルの新刊。1990年に刊行された「ロッキングM牧場シリーズ」のヒストリカル作品です。
父親を亡くして以降、ユタの山奥で少年のような格好をして一人で自活しているジャナは、ある日
はぐれ者の先住民に捕って虐待されている白人男性のタイを見つけた。ジャナに手当てを施された
タイは日増しに元気を取り戻していくが、ジャナが本当は女性だと知り、二人は惹かれ合うが・・・。
とてもローウェルらしい作品と言えるかな〜。本国ではHQのヒストリカルから刊行されていますが、
翻訳されるHSと比べると全体的にボリューム感があるようにも思えたりも。さてレビューします♪
ヒロインのジャナは、父親を亡くした後はユタの山奥の中で一人で暮らしていますが、自然の中で
知恵を働かせながら、生き抜く勇敢さと逞しさを持つ一方で無垢で、とことん一途。これまでに
読んだローウェル作品のヒロインと同様のタイプと言えて、シルクの似合う淑女と結婚するという
タイの夢を叶えさせてあげたいと思うジャナの健気さが何ともいじらしかったなあ〜。キャラとして
純粋過ぎちゃうようにも思えなくも無いけれど、女性らしい振る舞いを知らず、自分の美しさに自信が
持てなくて、タイの無神経な発言に思い切り傷ついちゃったりする姿の中にジャナなりの強さや意志
が見て取れたのが良かったし、トータルでは無理が無く、バランスが取れたピュアなヒロインでした。
ヒーローのタイはマッケンジー兄妹の次男坊で、野生の種馬ルシファーを捕らえるべく山に入り、
反乱分子と見なされている先住民の元から逃げ出した所をジャナに救われます。このタイですが、
ジャナにメロメロなポエマー体質(ここ重要・笑)なくせに、無神経な言葉の数々を口にしては
ジャナを傷つけてしまうあたりはローウェルのヒーローならではと言えるのかな(苦笑)自己防衛の
気持ちが働いているとは言え、正直いい加減蹴りを入れたくなった事は否めず(爆)ヒーローが
ヒロインに酷い事を言って傷つけるパターンはロマンス小説にはよくありますが、でもタイは読むに
耐えない、救いがたいバカ男ヒーロー(爆)とはまた一線を画しているのが救いで(笑)、土の香りが
濃く立ち上るような力強い魅力が、ジャナのピュアな個性と程よく相乗していたように思えたかな。
ルシファーを捕まえたいというタイにジャナは協力する事にし、山中を移動しながら行動を共にする
中、二人は町から来たハンターに襲われているルシファーを助け出します。ストーリーは、野生馬
のエピソードや反乱分子の先住民達の存在を絡めながら、ローウェルらしいどっしりとした筆で
パワフルに展開していきますが、舞台となる手付かずの大自然の克明な描写が確かな臨場感を
打ち出しているし、全体を通して細かい部分まできっちりと描き込まれている、充実した内容だったと
思います(^^)タイの暴言はさておき(爆)、ホットで趣のあるラブシーンも素敵でした。あとHQから
出たヒストリカルにしては、内容がかなり厚いので驚いたりも(笑)一つ気になったのが、タイの兄妹
の存在かな〜。スピンがあってもおかしくない感じでしたが、実際は書かれていないので残念。
ヒストリカルと言うと、最近はリージェンシー物が圧倒的に多い中、北米を舞台にしたこの作品は、
過不足無く楽しめるだけで無く、新鮮味ある面白さで終始引っ張る内容が当たりでしたね。少しずつ
でいいので、北米を舞台にした良作の(笑)ヒストリカル作品が翻訳される事を願う今日この頃です。
- 2007/08/28(火) 23:59:56|
- MIRA|
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ついついポチってしまった(爆)原書二冊。どちらも↓と同じ表紙のものが早速到着しました(^^)
海外のサイトでマクノート作品の情報を拾って見たのですが、とりわけAARでの評価はどの作品も
高いですね〜。そして「Every Breath You Take」の前に発表された「Someone To Watch Over Me」
にもファレル夫妻&ジョーが顔を見せるみたいです。「Every〜」のような詳しい関連性は不明です
が、いつか読めると良いなあ〜と思います。villageさん、次の翻訳予定は無いのかな?(笑)
- 2007/08/27(月) 22:46:06|
- ジュディス・マクノート|
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J・マクノートの新刊。予想通り泣きまくりで、読了後は目が真っ赤(苦笑)凄く良かったです〜。
ザックは俳優兼監督として活躍していたが、監督作品の撮影中に実弾が発射され、主演女優である
妻が死亡する事件が起こり、殺人犯の濡れ衣を着せられて投獄されてしまった。五年後、助けを
借りて脱獄したザックは、偶然出会ったジュリーを人質にして、コロラドの山荘に潜伏するが・・・。
前作同様に上下巻で合計約1000Pの大作ですが、じっくりと紡がれていくストーリーは、あらゆる
感情が凝縮されていて、思い切り心を揺さ振られます。涙無しには読めない感動作品でした(泣)
以下
暑苦しい・しつこい・鬱陶しい長文になります。免疫のある方のみお進み下さいね(爆)
ヒロインのジュリーは小学校の教師。生後まもなく親に捨てられ、以後里親と養護施設を行ったり
来たりしていましたが、11歳の時に養父母の元に引き取られる事になります。読み書きが出来ず、
幼いなりに突っ張りながらも、11歳のジュリーの純真ないじらしさや優しくて勇敢な資質が窺える様
には早くも涙腺が緩み始めたり(苦笑)他者の痛みに敏感で、思いやりに満ちた姿も極々自然に
映るし、可愛くて茶目っ気たっぷりかと思えば、頑固に踏ん張って強さを見せたりといったジュリー
の表情の一つ一つが温かく輝いていて、とても・・・優しい気持ちにさせてくれるんですよね。素直で
真っ直ぐな分だけ傷つきやすかったりするあたりもグッときたなあ〜。落ち着かなかったり、気になる
事があると物を整理整頓する癖なんかも微笑ましかったり(^^)あと「満点(Perfect)」な良い子で
あろうと努力し続けてきたという、とてもジュリーらしいエピソードには思いがけずほろっとしました
が、理想や目標を叶えようと一生懸命に頑張る、生き生きとした朗らかな魅力が抜群でしたね(^^)
ヒーローのザックは両親を亡くして以降は兄妹達と共に祖父母の下で育てられましたが、18歳の
ある日を境に祖母に勘当され、無一文でハリウッドに渡って俳優兼監督として大成功を納めます。
「パラダイスを〜」のマットは、ある意味到達点にいるキャラと言えて、そんなマットの唯一の泣き所
がメレデスという部分に泣かされるわけなのですが、それはさておき(笑)、ザックはマットに比べると
より厳しく、また難しいタイプと言えるかな。確固とした意志と他者にセカンド・チャンスを一切与え
ずに切り捨てるだけの非情さを持つ一方で気持ちの優しさや高潔さを見せたり等の様々な要素が、
ザックというキャラを形成していて、その複雑さが何とも痛切(><)人に請う事が出来ないプライド
の高さや赦さずに背を向けてしまう頑なさが、ザックの奥深い部分にある孤独感を一層深めている
んですよね。苦悩を内に閉じ込めたまま、自分自身を確立してきたザックの強いながらも孤高な
生き方に寂しさを感じつつ、感情が揺れ動いていく過程や心がむき出しになる瞬間の描出が素晴ら
しくて、惹き付けられると同時に強く感じ入ったなあ〜。琴線に触れてくるヒーローでした。◎です。
何とか逃げ出そうと知恵を絞るジュリーと逃がすまいとするザックのやり取りを経て、山荘に辿り
着いた二人は潜伏生活を送る事になります。共に過ごす内に相手を知り、理解を深めていく中、
明るくも切ないエピソードや会話の一つ一つを通して、感情面の触れ合いや機微が微細に描き出さ
れていましたが、感情のやり取りが細やかなだけで無く、とても豊かなんですよね。ザックのシニカ
ルな構えが、ジュリーの明朗さや純粋さに触れていきながら段々と解けていって、無実を信じて
欲しいと思う無防備な胸の内には切なさで一杯になるし、ジュリーが好きな俳優に嫉妬する姿は
可愛かったりも(^^)追いやろうとして、わざとジュリーを傷つけたザックが引き止めるシーンで落涙
しつつ、ザックがジュリーへの想いを綴った手紙ではひたすら号泣しましたが(苦笑)、二人の間を
流れるものが透徹しているのが凄く印象深かったなあ〜と。あと逃亡しているという現状が影を落と
す一方で重い現実感の中でしっかりと光る笑いや温かみには和らいだり安らいだりの想いでした。
ジュリーの決断については、とても辛いし、痛ましくもあるけれど、例えザックが殺人犯でも、ジュリ
ーの愛情が揺らがないという部分に尽きるかな。家に戻って以降一人で世間に立ち向かった事は
まさにあっぱれだし、傷ついたり、傷つけたりに切なくなりながらも、ジュリーがザックの人生に差し
込んだ一条の光と言うか、希望であるという事に癒されつつ、深い感動と充足感を見出しましたね。
そして脇役陣ですが、まずマットですよ〜(^^)もう大好きです(笑)ザックの親友として、無実を
信じてサポートし続けますが、相変わらずどっしりとした男っぷりが良くて、かっこいいんだ〜(^^)
ザックとの男の友情は素晴らしいし、メレデスとの幸せ一杯の結婚生活も甘くて素敵。マリッサに
メロメロなパパ振りやパーカーを悪者(笑)にした御伽話にはニンマリでした。マットと共にメレデス
もまた大きな役割を果たしていましたが、同じ女性としてジュリーを信じてあげた事は嬉しかったし、
ザックにビデオを見させる為の手際良いやり取りもナイス。ジョーも元気そうで何よりですが(笑)、
マリッサをお昼寝に連れていくシーンにはほっこりとしましたね。とっても嬉しい再登場でした♪
他の脇役陣では、ジュリーの兄のテッドと元妻キャサリーンのお話がサイドロマンス的な内容で
盛り込まれていましたが、二人とも未練アリだったし、誤解が解けた後はすんなりとハッピーエンド
に納まりましたね。とりわけキャサリーンのはっきりとした個性が立っていて○。ジュリーに惚れて
しまうFBI捜査官のリチャードソンは中々魅せてくれて、片思いという立ち位置やジュリーの事を
思ってこその行動はちょっとツボにきたかな(^^)いつの間にかフェードアウトしちゃったのがちと
残念でしたが(笑)ジュリーの両親や町の人々各々の個性も気持ちが良かったし、人情や善意が
ストーリーをより温かく、味わい深いものにしていたと思います。あと周囲の人間を遠ざけてしまう
ザックの祖母には、メレデスの父親を思い出したりも。それからジュリーの生徒が書いた詩は、希望
や光明と共にジュリーが持つ優しさや良心を映し出していて、率直に心に響いて残ったなあ〜。
ジュリーを解放したザックは南米に出国しますが、一方ジュリーは世間から共犯者扱いされながら
も、記者会見を開いてザックを擁護します。ザックからの手紙を受け取ったジュリーは生活を捨てて
ザックと一緒に生きる決意を固めますが、ザックの祖母を訪ねた際に、ザックの兄の死にまつわる
事を聞かされ、更にザックの亡妻の浮気相手の俳優が殺害された為に気持ちに迷いが生じます。
キャラの過去のエピソードから始まるストーリーは、穏やかな筆致で丹念に描かれていきますが、
二人が出会って以降は程よい緊迫感を保ちつつ、個々の会話やエピソードを積み重ねる事によっ
て、じっくりと展開していく感じで、要所要所で情感を深く込めながら盛り上げる様はまさに秀逸。
事件の真相は簡単にオチがつきますが、二人が再会して以降のザックの求婚(禁欲)期間(笑)が
ゆったりと描かれていたのが良かったですね。凪いだような穏やかさを感じたりも。また識字活動
を通して温かな視点で描かれている、世界や可能性の広がりとその重要性も、とても印象深いもの
でした。優しさやユーモア、切なさ、癒し等様々なニュアンスが絶妙に織り成して魅せる秀作です。
新潮文庫から出た「夜は何をささやく」に続くのが、昨年に刊行された「Every Breath You Take」。
この作品のヒーローがマットやザックの友人との事ですが、翻訳される事を願うばかりだわ(^∧^)
- 2007/08/25(土) 23:42:24|
- ジュディス・マクノート|
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「Natural Born Charmer」のPBは来年の1月に発売になるみたいですね〜(^^)翻訳については、
出版社や時期が気になる所ですが(笑)とりあえずこの秋の「SEP祭り」がとても楽しみです(^^)
- 2007/08/23(木) 23:59:37|
- スーザン・E・フィリップス|
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ローリ・フォスターの新刊。「The Watson Brothers」の三編と「Star Quality」に収録されている一編
の計四本立ての内容ですが、一冊にまとまって読める事につくづくありがたみを感じますね〜(^^)
「あなたのとりこ」は仲良し三人組のお話でしたが、今回は三兄弟という事で、家族の存在が賑やか
な色を添えていましたね。男兄弟らしいやり取りはやっぱり楽しいし、母の存在もナイスでした。
ちなみに三兄弟のお話の中では、言うまでも無いと思いますが(笑)、サムのお話が一番好き(^^)
「青い月の下で」は今までのローリ作品には見られなかった風合いで、興味深く魅せてくれたなあ〜。
四作揃って短編らしいシンプルな面白みとキャラの魅力で楽しませてくれました。期待通りですね。
「あなたしか見えない」
ワトソン三兄弟の長男で警官のサムとサムの末弟ピートの元彼女アリエルのお話。サムが囮捜査
をしているバーにアリエルが居合わせるシーンからストーリーは始まりますが、「動物系長男」(笑)
のサムがツボ直撃(爆)短気でぶっきらぼうなアニキのメロメロ振りが微笑ましいの何のって(^^)
アリエルを試していく内に自分の方が夢中になっちゃう姿や14歳の年齢差を気にしたり、危険と隣り
合わせで生きる自分の心配をさせたくないとかいう想いがとにかく可愛くて良いんだなあ〜(^^)
アリエルの素直でキュートな魅力も○。押せ押せな姿勢が大いに気に入りました。ホットな一方で
ロマンスの可愛さがギュッと詰まった作品でしたね。長男スキーにはたまらない一品だわ(笑)
「あどけない天使が恋をつれて」
昔関係を持った女性との間に2歳なる娘がいる事を知らされた次男のギルとギルの娘の母親代わり
をしているアナベルのお話。娘のニコールに一目でメロメロになるギルが微笑ましかったかな〜。
見た目は奔放だけれど、実は優しくて母性的なアナベルも素敵。ニコールの母親や祖父母に関
するネタも適度にすっきりと納まっていましたね。どちらかと言うと、ロマンスよりもファミリー色の方
がより強いような、ほんわかとした温かなお話でした。すっかりと和んでホッと出来たりも(^^)
「近くて遠い関係」
前作から五年後の設定で、三男のピートとピートの同僚&隣人のキャシディのお話。兄達の恋路に
口を挟んでいた(笑)ピートの、いかにも末っ子らしい茶目っ気のあるキャラが光っていましたね。
嫉妬するわ悶々とするわの忙しさにはニンマリ(^^)コーラを飲む際にグラスを使う使わないの兄弟
のやり取りも何て事は無いんだけれど、笑いを誘われつつ印象に残るんですよね。きちんとした
人生計画と分別を持つキャシディの飾らない魅力も好印象だし、蝶ネクタイのオチも好きだなあ〜。
前二作もそうだけれど、小難しい事が一切無いのが何よりです。甘くて快いお話でした(^^)
「青い月の下で」
有名な造園家で、満月の日になると他人の心が見えてしまうスタンと二人の子供を抱える未亡人の
ジェナのお話。スタンが40歳でジェナが40歳間近という事で、年齢が高めですが、他人の心が見え
てしまう事で面倒に巻き込まれてきたスタンと夫の死後、女手で家庭を支えてきたジェナの心模様
が丁寧に綴られていて、熱をはらみながらも、静かに読ませる感じが凄く素敵だなあ〜と(^^)
スタンの真面目で一途な惚れっぷりが◎だし、ジェナの二人の子供達も魅力たっぷりでしたね。
ホットな高ぶりとしっとりとした情緒が混ざり合ったような空気感が絶妙。お気に入りです♪
今後も定期的にローリのアンソロジーを出して頂けるととってもありがたいのですが、中でも特に
気になっているのが、10月に本国で刊行されるアンソロジー「I'm Your Santa」に収録されている
「A Christmas Present」。「一夜だけの約束」に登場したケントの娘のべスのお話との事で、
ノアやベンも顔を見せるとなると、いつかピックして貰えたら嬉しいなあ〜と思います(^^)あとは
L.L. Foster名義のシングルタイトル。10月に発表されるそうです。こちらも読める事を期待だな〜。
- 2007/08/22(水) 03:03:23|
- ライムブックス|
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「シーサイド・トリロジー」の番外編。画家として成功したセスと花屋を経営するドルーのお話です。
ヨーロッパで画家として成功したセスは帰郷し、セントクリストファーの町に落ち着こうとしていた。
そんなある日町で花屋を営むドルーと知り合い、店舗の二階をアトリエとして借りる事になった。
ドルーに惹かれたセスは絵のモデルを依頼するが、生みの母親のグロリアが姿を現して・・・。
トリロジーから18年後の設定という事なので、間を開けようかとも思ったのですが、我慢出来ずに
着手してしまいました(笑)やっぱりクイン一家の家族愛に尽きるなあ〜とホクホク。大満足です(^^)
画家として成功したセスが、セントクリストファーに帰郷するシーンから物語は始まりますが、11歳
だったセスの立派な姿には思わず目を細めてしまいましたよ〜。雰囲気としては自由で気楽そうな
感じかな〜。内には情熱的とも激しさとも言える要素を秘めつつ、三人の兄達各々の資質が自然と
見て取れたり。でもセスにはセスの空気がちゃんとあるんですよね(^^)あとグロリアの件で悩んで
はいても、セス自身は自分の居場所をわかっているし、本質的に揺るがないと言うか、強いものを
持っているせいか、安心感みたいなものも感じたかな〜。少年時代の様々なエピソードを思い返し
つつ、セスの成長振りはひとえにクイン一家の大きな愛情による所なんだなあ〜と改めて感じ入っ
たりも(笑)故郷に戻って伸び伸びとした表情を見せるセスの姿から、心地良さや幸福感が伝わって
きて、高揚するようでもあり、また優しいような気持ちになりましたね。とっても嬉しい再会でした♪
ヒロインのドルーは、ワシントンDCの名家の出身で、婚約者の裏切りを機にセントクリストファーに
引越して花屋を営んでいます。しっかりとした自分を持ち、礼儀正しくてきちんとしたお嬢様タイプ
ですが、元婚約者の裏切りのせいで不信感を持っているせいで、オーブリーとセスの仲を邪推した
りするけれど、打ち解けて以降は良い感じだったかな〜。愛してはいても、理解が通わない両親に
対する微妙な気持ちなんかもドルーのキャラの側面の一つとなっていましたね。ノーラのヒロイン
らしく強さも見せますが、ちゃんと加減がきいていたのも○。私的にはオーブリーのパンチある
個性に関心が向いちゃいましたが(笑)、ヒロインとしてのキャラ立ちは申し分無かったですね。
とっても楽しみにしていた18年後のクイン一家ですが、子供達も増えて益々賑やかになっていま
したね〜(^^)ちょい悪オヤジなキャメロンやアンナの肝っ玉母ちゃん振りが痛快!あんなに可愛
かったオーブリーのアニキな態度には驚いたり笑ったり(笑)シリーズを通してお気に入りのシーン
や印象的なエピソードは尽きないけれど、帰ってきたセスを兄三人が抱え上げて海に放り込む
「お帰り」の儀式はやっぱり好きだなあ〜。怒ったキャメロンがセスを殴らずに海に突き落とすのも
ね(笑)アンナVS男連中のやり取りもお約束のお楽しみだし、家族の団欒や日常生活の音色が快活
に歯切れ良く描き出されている様は、ノーラならではの巧拙を改めて実感させてまさに格別(^^)
家族だけで無く、セスと幼友達の再会も甘酸っぱいような眩さや温かみを感じさせて良かったし、
ステラとセスの交流(笑)も素敵でしたね〜。オーブリーとのキスの下りは読んでいて、何ともまあ
微笑ましいけれど、居心地の悪さに苦笑したりも。スピンの醍醐味を存分に堪能出来て幸せでした。
ドルーにモデルの依頼をしてOKを貰ったセスは、早速絵に取り掛かりますが、共に過ごす内に相手
を知るようになった二人が惹かれ合っていく中、生みの母親のグロリアがセントクリストファーに
現れて、セスを脅迫します。セスは兄達には言わずに自分で解決しようとしますが、想いの流れが
自然なロマンスと家族愛でがっちりと組まれたストーリーは、内容の充実振りは勿論の事、大船に
乗ったような安泰感で読ませますね(笑)14歳の時から自分なりに家族を守ってきたセスの想いに
泣かされると同時に明るい団欒とはまた別の怒ったり、諭したりの家族会議の場でも瞭然となる
クイン一家の愛情の強さと献身の深さにはただただ感服。凝ったものは一切無く、率直な視点で
感情を浮き彫りにしながら、しっかりと物語るんですよね。とっても素敵な番外編でした(^^)
これは余談になりますが、ノーラの既読のシングルタイトルを思い返して見ると、「優しい絆をもう
一度」や「「スキャンダル」はお気に入り作品で、あと「十七年後の真実」も割と良かったので本棚に
残っています(^^)「少女トリーの記憶」は悪くは無いけれど、手元に残す程では無かったし、
「心ひらく故郷」は設定負けもあってか、大して楽しめなかったなあ〜。「ぶどう畑の秘密」は当時
土の香りがするヒーローのポイントが高かったけれど、今読み直すとどんな感じかな(笑)ノーラの
山からお宝を4冊ピック出来て何よりですが(お薦めありがとうございます♪)、次は何かな〜。
「失われた鍵トリロジー」が揃っているので、それでもいいかな〜とも。その内読みたいですね(^^)
- 2007/08/20(月) 22:36:14|
- 扶桑社|
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お初作家のクリスティーナ・ドット。アンテナ引っ掛かり作家(笑)だけに翻訳は嬉しいですね(^^)
友人二人と家庭教師斡旋所を営むシャーロットは、異国帰りのラスキン子爵の家での仕事を依頼
された。二人の子供達と早速打ち解ける中、父親のウィンターの無作法振りにシャーロットは驚く
が、先代の子爵夫人から、子供達だけで無く息子にも礼儀作法を仕込んで欲しいと頼まれて・・・。
お初作家という事で様子を見ながら読み始めましたが、ストーリーは手堅くまとまっているし、
キャラ立ちも○。特に癖も無いので、さくさくと一気読みしちゃいました。面白かったですね〜(^^)
ヒロインのシャーロットは伯爵令嬢ですが、両親の亡くし、17歳の時に故郷を出て以降は自活して
います。家庭教師らしく真面目でしっかり者な優等生タイプで、礼儀作法についてあれこれと口を
出すけれど、堅苦しすぎない感じでしたね〜。家庭教師という職業に対する姿勢や好き勝手に
振舞う(笑)ウィンターに自分の考えをはっきりと言える姿は気持ち良かったし、シャーロットがペー
スを乱されながら、段々とウィンターに惹かれていくあたりも楽しく読ませるなあ〜といった印象(^^)
オーソドックスと言えるキャラの内に、冒険心を窺わせたりと適度に隙が見られたのも良かった
かな。ただウィンターの言動により着目してしまったせいか(笑)、ウィンターに愛されていないと思う
シャーロットの胸の内の切なさとかは大して汲めなかったのですが、自己憐憫に浸ったりせずに、
言いたい事をきっぱりと言う様はあっぱれだし、しっかりと芯の通った素敵なヒロインでしたね(^^)
父親の死を機に15歳で家出して以降はべドウィン族と共に生活していたというヒーローのウィンター
ですが、片耳にイアリングを着けて、裸足で歩き回るという野人振りに始まり、やりたい放題の言動
がおかしいのなんのって(笑)シャーロットを一目見て気に入り、自分の妻にするんだ〜と一方的に
盛り上がって口説こうとしますが、「あなたは僕を愛している」とか「女は男を愛するが、男はそうは
ならない」などの発言も傲慢そのものなんだけれど、天然とも言える可愛さが見えて、憎めないん
ですよね(^^)また礼儀や世間体を重んじる時代において、目線が素直というか、物の見方が真っ
直ぐなのも新鮮と言えて良い感じだなあ〜とも。シャーロットが振り回されてしまうのがよくわかった
り(笑)部屋に鍵をかけて閉じこもったシャーロットを抱え上げて、馬でさらっていくという演出(笑)
による新婚旅行や自分の気持ちを自覚していないアホさ加減を、子供二人に諭されているシーンも
ニンマリ(爆)傲慢で謙虚さに欠ける一方で、茶目っ気や可愛さが勝る、一風変わったそのまんまの
魅力が微笑ましいと同時にストーリーを通して光りつつ、大きく物を言っているように映ったかな。
ウィンターの母親に頼まれたシャーロットは、ウィンターに礼儀作法を教え込む事になりますが、
シャーロットを妻にしようと決めているウィンターは、この機に生じてシャーロットに迫ろうと目論み
ます。そんな中シャーロットとウィンターがキスをしている所を目撃された為、二人は結婚せざるを
得ない状況に陥りますが、脇役陣は割とまともな良い人ばかりでしたね〜。やり手の実業家で
策士でもあるウィンターの母や利発で愛らしい二人の子供達の存在は朗らかで良かった。シャー
ロットの叔父や叔母が急に改心したのはちょっと上手くいきすぎのような気がしないでも無いけれ
ど、まあヨシかな(笑)一つ惜しいのが、シャーロットと家庭教師斡旋所を共に経営する友人二人の
関係がさほど描かれなかった事。無くてもOKなんだけれど、背景としてもう少し織り込んであっても
良かったかも〜と私的には感じたりも。あとウィンターの母の恋人の最後の行動は笑えました(爆)
ストーリーは王道的な内容ですが、切り口は軽めで、一定したペースで進んでいく感じ。ウィンター
の個性が放つスパイスが、ストーリーに張りを与えていたと思います。シャーロットとウィンターの
ロマンスを軸に、事件要素のように思えたラスキン家の会社の横領問題も大事にならずに決着が
つくし、展開として大きく盛り上がったり、動いたりはしないものの、明るめでコミカルな雰囲気が
一貫していて、トータルで手際良くまとまっていましたね。ウィンターの憎めない言動に笑いを誘わ
れながら(笑)、終始和やかに楽しめる作品でした。シリーズの続きも期待出来そうかな〜(^^)
本作を含めて7冊が刊行されている「The Governess Brides Series」ですが、とりあえず続きは
「Rules of Engagement」、「Rules of Attraction」。翻訳は安泰かな〜。MIRAだしね(^^;)
- 2007/08/19(日) 20:07:01|
- MIRA|
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1999年のSS。お目当ては勿論クルージー(^^)北米作家オンリーなのも私的に良かったですね。
「熱いふたり」 ジェニファー・クルージー
新商品の香水のマーケティングを担当するヒロインとマーケティングの財務面を監督するヒーロー
のお話。やっぱりクルージーは面白いですね〜。抜群(^^)人の話を聞かないヒーローに笑いを
誘われつつ、そんなヒーローに話を聞かせる事によって、対等のパートナーシップを築こうとする
ヒロインのスマートさが明快に描き出されていて○。秘書でもある親友との女同士の会話も小気味
良くて楽しいんだなあ〜(^^)ルックスが良くて、仕事も出来て・・・と典型的なタイプかと思いきや、
どこか決まりきらないような(笑)、間の抜けた雰囲気を感じさせるヒーローも可愛くて、クルージー
らしいキャラと言えるかな。ユーモアと機知が冴えを見せる作品。期待以上の面白さでした(^^)
「愛人と呼ばないで」 キャリー・アレクサンダー
銀行の副頭取を務めるヒーローとの結婚を夢見るヒロインとヒロインに愛人関係を持ちかけるヒーロ
ーのお話。本当の自分をさらしながら、ヒーローにぶつかっていくヒロインのポジティヴな姿が
微笑ましいし、過去の離婚経験も手伝って鈍感気味のヒーローも可愛げがありましたね(^^)
話の分かるヒロインの友人もナイスだし、コミカルなスパイスのきいた、キュートなお話でした♪
「夏色のトレイシー」 マリー・フェラレーラ
人は良いが、ときめかない恋人からのプロポーズに迷うヒロインとヒロインの幼なじみが昔共に
過ごしたサマーハウスで再会するお話。幼なじみの色が強くて、ロマンス的に盛り上がる程の
手ごたえは無かったけれど、遠慮の無い会話や子供の頃のエピソードが、ストーリーに程良く
弾みを与えていて、トータルで無理の無い内容にまとまっていましたね。まあまあだったかな〜。
- 2007/08/18(土) 11:52:54|
- ジェニファー・クルージー|
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「Trobleshooter Series」の11作目。サムも登場するみたいですが、今回はPB落ち待ち(笑)
ブロックマンのHPから「Force of Nature Extras for Readers and Writers」をDLしました(^^)
収録されているサムリスのショート・ストーリーPart4をさらっと(笑)読んでみたところ、前回が
「サムジュールズ」な内容だったのに対して、今回は「リスジュールズ」といった感じ・・・のような。
しっかしジュールズは格別に愛されてるなあ〜と改めて実感。そういう私も大好きですが(^^)
「The Funniest, Sweetest Guy in the World」だもんね(笑)まさにその通りだわ(笑)
- 2007/08/16(木) 23:59:56|
- TDD&Troubleshooter|
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「シーサイド・トリロジー」の三作目。フィリップとセスの叔母シビルのお話です(^^)このシリーズが
あまりに良すぎるので、ノーラの他作品は、また暫く寝かせたままになりそうな感じです(笑)
広告会社で働くフィリップは、週末になると実家へ帰省し、兄のキャメロンやイーサンと共に始めた
造船業に勤しんでいた。そんなある日心理学者のシビルと出会い、フィリップは惹かれるものを感じ
るが、シビルがセスの母親の妹で、姉に頼まれてセスの様子を探る為に近づいてきた事を知り・・・。
ハズレは無しと確信して取り掛かりましたが、今回もまたガツンと来ましたね〜。前ニ作とは違う
カラーや流れを楽しみつつ、しっかりと感動を貰える、トリロジーの最終話に相応しい作品でした♪
ヒーローのフィリップは、広告会社の重役で、ワインや美食を好む都会型人間。動と静をそのまま
体現しているようなキャメロンとイーサンに比べると、バランスが取れているとも言えるかな〜。洗練
された、如才無いの顔の裏に鋭さを秘めているあたりは、ノーラのヒーローらしさが窺えましたね。
イーサンみたいに過去を重く引きずっているわけでは無いけれど、レイとステラに引き取られて以降
懸命に努力を重ねて、現在のライフスタイルを築いたという経緯が、不良少年だった過去を乗り越え
ると同時にフィリップのキャラを安定させていったんだなあ〜と納得したりも。兄弟の輪を離れた
フィリップ個人と言うと、兄弟の中では最も現実的で実際家という程度の印象しか無かったのです
が、保険会社への対応や造船業の雑務処理担当、そしてセスの宿題係(笑)という役割を通して、
縁の下の力持ちとでも言うか、フィリップならではの資質がちゃんと見えてくるんですよね(^^)
そういえば買い物も担当していたな(爆)セスはレイの子供なのではないかという疑念を乗り越えて、
セスとの間に本物の愛情や理解が通じ合う様も温かくてじんわりとさせたし、特に印象深かったの
が、兄弟達の名前が入った看板のエピソード。これはフィリップ無くしてありえないと大いに感心
しつつ、フィリップの存在がクイン兄弟にバランス感を与えていているんだな〜と実感しました(^^)
ヒロインのシビルは著名な心理学者。息子を奪われたので助けて欲しいと姉のグロリアの頼まれた
為、まずはセスの様子を探ろうと、正体を隠したままクイン兄弟に近づきます。このシビルですが、
感情を抑制した、冷静沈着なタイプですが、人間を観察する事を仕事にしながらも、常に外側に
立っているせいか、人付き合いとなると上手くなさそうな、どこか不器用で寂しそうな印象があった
かな〜。グロリアにいいように利用されてしまう姿も、裏には罪悪感やセスへの愛情があるだけに
切なかったです。そんなシビルの内に秘めたものが徐々に浮き彫りになっていきますが、その過程
の細やかな描写やキャラ形成の奥深さが秀逸で、シビルの孤独やセスへの愛情には思いがけず
泣かされましたね。フィリップとのロマンスやセスとの交流の中で、シビルの心の動きや変化、
そして成長をがっつりと読ませつつ、シリーズを通して、一番興味深く感じたヒロインだったかな〜。
セスは益々兄達に似てきたというか(笑)野球を見ながら、キャメロンを真似て悪態をつく所や仕草
なんかもそっくり(^^)セスの中に三人の兄達の資質が見て取れるのも微笑ましかったなあ〜。
そしてレイが自分のお祖父ちゃんだという事を町の皆に知ってほしいという涙にはしっかりと貰い
泣き(><)兄達やアンナをからかったり、憎まれ口を叩きながらも、せっせとお使いに走る表情に
子供らしい丸さがあって、やっぱりセスの幸せそうな姿は格別に嬉しく感じますね(笑)
クイン兄弟(一家)の騒々しい(笑)やり取りは、シリーズを通してのお楽しみですが、喧嘩したと
思ったら、次の瞬間にはからかい合ったりという空気の変化が相変わらず自然で上手いなあ〜と
感服。「クイン・ブラザーズ・ボート」の最初の船の最後の仕上げのエピソードやセスのお誕生日
プレゼントに兄三人がヨットを作ってあげたりのシーンに感動し、パーティーの後片付けは男連中に
やらせると息巻くアンナに笑ったりと生き生きとした感情と共にその場の音や温度が伝わってくる
ような感じで、何気ないながらも率直に愛情や献身を物語るやり取りやシーンには事欠かないし、
またこうした個々のエピソードが、このシリーズの揺ぎ無い核となっているんだなあ〜とも。
セスを利用した姉のグロリアの脅迫の一件を知ったシビルが、セスの養育権がクイン一家に渡る
ようにする為に全面的な協力を約束する中、シビルの立場を理解したフィリップはキャメロンの反対
をよそにシビルとの関係を深めようとします。二人のロマンスは、駆け引き的なニュアンスを含んだ
スタートから、シビルの素性が明らかになったのを機に徐々に密度が高くなっていく感じでしたね。
フィリップとシビルの関係に口を出す、長男坊キャメロンのアニキ振りには思わずニンマリ(笑)
ストーリーの軸でもある、クイン一家の断固とした家族愛は言うまでも無く、何事にも距離を置いて
生きてきたシビルが、自分自身と向き合っていく姿が印象的。全体を通して、力強い筆で丹念に描き
込まれていて、最終話として申し分無いですね。優しくて温かな色彩に満ちている作品でした(^^)
大人になったセスのお話もとーっても楽しみです(^^)こちらも近々読みたいと思っています♪
- 2007/08/15(水) 23:59:07|
- 扶桑社|
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お気に入り作家ドナ・コーフマンのT。文庫と文庫の合い間の息抜きにはもってこいですね〜(^^)
夜勤を終えた看護婦のクリスティは、結婚式で付添い人を務める予定だった、友人のヴィヴィアンと
間違われ、ベッドで寝ている所を見知らぬ男性に起こされて強引に車に乗せられてしまった。人違
いだと説明しようとしても男性は話を聞かず、クリスティは教会へ連れて行かれてしまうが・・・。
↑のあらすじ通り、やや荒唐無稽なオープニングですが(笑)、当初は人の話を聞かなかったもの
の、やっぱりドナ・コーフマンのヒーローは誠実で気持ちが良いですね〜。誰にも頼らずに一人で
やっていこうとするヒロインを包み込む優しさが○。気持ち的にも安定しているし、ガツガツとせず
に、様子を見ながら足並みを合わせていこう〜という姿勢が安らぐんだなあ〜(^^)ストーリーは、
離婚しても、お互いに未練アリなヒロインの親友夫妻やヒロインの母親の存在を配置良く絡ませ
つつ、中盤あたりからグッと引き締まってきて、全体的に軽やかにまとまっている感じかな(^^)
過去に読んだ、厚みのあるBZ作品の方が好みですが、気張らずに楽しめたので何よりでした♪
- 2007/08/14(火) 23:59:53|
- HQ&SIL系他読書雑記|
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今月の新刊の中では、J・マクノート以外で最も期待していたのがスーザン・アンダーセンの作品。
以前からアンテナに引っ掛かっていた作家さんの翻訳は嬉しいですね。来月のMIRAも期待だな。
インテリア・コーディネーターのヴェロニカは、殺害された姉の娘のリジーの面倒を見る為に帰郷
し、嫌々ながらも姉が経営していたバーの手伝いをする事になった。バーは雇われバーテンダーの
クープが仕切っていて、反発しながらも二人は惹かれ合うが、クープには隠された目的があり・・・。
私的に物足りない作品が多かった(笑)ラズベリーさんですが、遂に当たりが出ましたね〜。雰囲気
としては軽めですが、随所にパンチのきいた、とっても活きの良い作品。楽しくて大満足です(^^)
ヒロインのヴェロニカは、インテリア・コーディネーターとして成功していますが、姉が殺害されたとの
知らせを受けて帰省し、姪っ子のリンジーの面倒を見ながら、姉が経営していたバー「ホンキー・
トンク」の手伝いをする事になります。気が強くてしっかりとしたタイプで、上昇志向がある分、物の
見方がちょっと偏っていたりもするけれど、自分のそういう思考を省みれると同時に父親にバーで
こき使われて育ったという背景がヴェロニカの生き方や価値観に影響を与えているという部分が、
過不足無く描き出されていたので、嫌味な印象にはならず、そのあたりの加減がちょうど良い感じ
でしたね〜(^^)これがお嬢様ヒロインだと悪い方にいっちゃったかも知れないけれど(笑)マリッサ
との開けっぴろげな会話も楽しいし、ウジウジとせずにクープを押し倒す(爆)だけの思い切りの良さ
が痛快な一方で、リジーの親代わりとして一生懸命頑張っては、失敗して凹んだりする姿が何とも
微笑ましくて良かったなあ〜。ピリっとしつつも、可愛さが自然と窺えるキャラがナイスでしたね(^^)
元海兵隊員で実は売れっ子作家でもあるヒーローのクーパーは、身分を隠したまま「トンク」のバー
テンダー業をしながら、子供の母親の殺害容疑をかけられて、行方をくらましてしまった異父弟の
エディの無罪を証明しようとしています。このクープですが、基本的には男臭くてシニカルだけれ
ど、これまた可愛い面が見えたりでニンマリでした(^^)プレゼント攻撃をしつつも、ヴェロニカの部屋
のドアを開けられなかったりや猫のブーにぼやく姿が良いんだなあ〜。また自分好みの息子に変え
ようとした母親のエピソードからは、ほろ苦いものを感じさせて、ちょっとキュンとさせたりも(^^)
でもクープ自身は優しくて率直だし、アニキ的な表情の中に微妙にガキ臭さを垣間見せたりする
キャラが魅力的。あと私的にはブロンドのツンツン頭っていうのにもツボが刺激されました(笑)
ヴェロニカとクープを囲む脇役達では、ヴェロニカの親友のマリッサが一番目立っていましたが、
マリッサとコディのロマンスは、サイドと言える程ページが割かれていたわけでは無いけれど、
子供達の賑やかなやり取りと共にストーリーに軽く色を添える感じで、主流からはみ出ない程度に
納まっているのも○でした。それから次回作でヒーローになるザックの顔見せは嬉しかったりも。
クープと関係を持ったヴェロニカは、リジーの面倒を見ながら「トンク」で働く日々を送りますが、
ひょんな事から、クープがエディの異父兄である事実が明らかになると同時にエディの無実を証明
しようとしている事を知らされます。ヴェロニカとクープのロマンスは、二人の間に通う性的な緊張感
を歯切れ良く出しながら、感情的な部分に踏み込んでいく流れの中で、育った環境が各々に与え
た影響の大きさを如実に物語るやり取りや想いを伝え合ってはいても、完全に真っ直ぐになり切れ
ない二人の心模様が軽妙に描出されていて、カラッとしながらも、甘くもあり、またちょっぴり切な
かったりのトーンで読ませましたね。その微妙な色合いがとても良い感じで、独自のカラーを感じ
させる作風だなあ〜とも(^^)姉殺害のエピソードは添え物程度でしたが、ストーリーは導入から
手ごたえもノリも良くてスムーズだし、ホットに面白く弾けつつ、甘さや優しさがしっかりと息づいて
いるのが何よりも印象的だったかな。キャラも鮮やかで○。楽しくてご機嫌な一冊でした(^^)
この作品は「The Marine Series」の一作目ですが、後書きによると二作目の「Getting Lucky」
の翻訳が決定しているそうです(^^)三作目の「Hot & Bothered」は、作中で言及されていた
「ロケット」(笑)がヒーローになる模様。四作目の「Coming Undone」は本国では来月に発表
されるみたいですね〜。今後も是非読んでいきたいので、シリーズの翻訳を願うばかりです(^∧^)
- 2007/08/13(月) 23:59:56|
- スーザン・アンダーセン|
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「T-FLAC」シリーズ第五弾。ライト兄弟のデレクと獣医のリリーのお話で、舞台はアラスカです(^^)
リリーは、アラスカで犬ぞりのレースに参加していたが、休憩中の所を危うく銃で撃たれそうになっ
た。一方リリーを狙撃した牧童の遺体を発見したデレクは、リリーの身を守ろうとするが、「T-FLAC」
から連絡が入り、アラスカにある施設がテロリスト達の標的になっている事を知らされて・・・。
大好きな「T-FLAC」シリーズも5作目となりましたが、やっぱり信頼度&満足度は高いなあ〜。
速いペースのストーリーを、バランスの取れたロマンスとサスペンスで巧妙に盛り上げながら、最後
まで勢いよく読ませるパワフルな作品。ラストには大団円もアリで、期待通りの充実振りでした(^^)
ヒロインのリリーは獣医で、浮気症で嘘つきだった夫を半年前に亡くし、現在は仕事に打ち込む日々
を送りながら、アラスカで行われる犬ぞりレースに参加する予定でいます。リリーのキャラは、タフ
で頼りになって、頑固。家庭環境や不幸な結婚から、他人を心から信じられなくなっていて、デレク
に対しても惹かれているからこそ自分を守ろうとして、キツイ言葉を放ったりするのですが、鋭い
舌鋒の裏にある臆病な一面がちゃんと見えるので、印象が悪くなるような事は無かったですね〜。
強気な言動とデレクを信じて、一歩を踏み出せない後ろ向きな部分がリリーの中で程良く混じている
ような感じで、そのあたりにリリーのキャラの機微が見て取れるなあ〜と。何だかんだと言いつつも、
世話焼き(笑)デレクの言う事をちゃんと聞いて、休んだり出来る賢明さには安心したりも(^^)どんな
状況下にあっても逞しく踏ん張れるし、リリーのキャラの強弱の加減がよく描き出されていたのが
良かったと思います。終盤の大活躍に至っては文句無く素晴らしくて、あっぱれでしたね〜(^^)
ライト兄弟の中では、長男スキー体質という事もあり(笑)、私はマイケル兄さん贔屓なのですが、
デレクには惚れちゃいましたね〜(^^)表向きの職業は牧場主で、実は「T-FLAC」工作員という
デレクですが、口数が少ないケインとは対照的とも言える、人当たりの良い、ゆったりとした物腰が
とってもチャーミングだし、リリーに一途でメロメロ。しかも6年も禁欲して、ずっと待っていたなんて、
いや〜、文句無くいい男だわ(爆)リリーが自分を信じてくれない事に傷ついたりもするけれど、常に
リリーの気持ちを大事にする愛情深さや優しさが揺るがないのがとにかく良いし、でも言うべき時は
バシっと言うのも○。表面上はスマートで朗らかな印象を与えつつ、内面は深くどっしりとしている
あたりも凄く好きだなあ〜(^^)マーニーとジェイクの娘二人がデレクにべったりなのも納得(笑)
リリーとデレクのロマンス面は、リリーが否定的な事を言い、デレクが大らかに受け止めるという
やり取りが交わされる中、デレクを目の当たりにするとつい意地を張ってしまうリリーが、ヘッドセット
越しには素直に話せたりするのは微笑ましかったかな。リリーの内にあるものに惹かれているという
事を語るデレクの目線や踏ん切りがつかないリリーの心情面も明瞭に描かれていましたが、デレク
の包容力はまさに出色で、私的には性的な引力よりも感情面の動きがより印象強い内容に思え
たり。また前作の二人同様に、リリーとデレクも反対の個性をぶつけるからこそカップルとして均衡
が取れていて、そのあたりをカラーがはっきりと出たキャラ描写が上手く高めていたと思います。
犬ぞりレースの最中にリリーが何者かに狙撃され、犯人の意図が掴めないまま、デレクは付かず
離れずの距離を保ってリリーを守ろうとします。サスペンス面は、デレクの牧場の雄牛の精子詐欺
疑惑に始まり、終盤はデレクと因縁深い関係にあるテロリスト絡みのネタへと流れていきますが、
ピッチの速さと鮮明な臨場感をもって展開していくストーリーはメリハリがあり、アラスカという舞台
を存分に生かしたエピソードの数々も抜群で、サスペンスとアクションの切れ味も良好。「T-FLAC」
シリーズの特筆要素の一つでもある、事件面の明確性は相変わらずの冴えでスカッとしますね。
「T-FLAC」ならではの面白さで魅せる作品でした。毎回期待を裏切らないなあ〜。凄いわ(^^)
そしてラストではライト一家集合となりましたが、大きなお腹でよたよたと歩くタリーはやっぱり可愛
かったなあ〜。マイケル兄さんはアイパッチを着用中(^^)血を見てふらつくマーニーをジェイク
が支えたり(笑)の中、結婚式という温かな締めが良かったですね。そしてハントが主人公になる
次回作「Hot Ice」も無事翻訳されるそうで何より(^^)来年の始めに刊行との事です。その後に続く
パラノーマル系のトリロジーも読める事を願いますが、ランダムさんなら大丈夫かな〜とも(笑)
- 2007/08/12(日) 01:23:26|
- T−FLAC|
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設置以来こまめに拍手を頂き、ありがとうございます〜(^^)また頂戴するコメントも嬉しく拝見
しております(時にはきわどーい内容のものもありますが・爆笑)レビューを新刊購入の参考にして
下さっているというお声もあり、最近は新刊レビューが遅れがちになっているので、申し訳無く感じて
いたりも(><)マイペースに読んでは書くといった感じですが、今後とも宜しくお願い致します(^^)
さて、お盆休みに突入ですね〜。お天気は晴天が続く模様。つまり暑いって事ね(^^;)
ご旅行や帰省される方も多いと思いますが、皆様お気をつけてお出かけ下さいませ(^^)
レビューは後でUPします。新刊の中で真っ先に着手しているのがS・アンダーセン。マクノート以外
では、今月一番の楽しみ本なので、早速がっついています(^^)来月のMIRAも期待だな♪
- 2007/08/11(土) 11:57:03|
- お知らせ&ご挨拶|
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先月の新刊はロマサスが多かった為、ちょっとだけお取り置きしておいたカレン・M・モニング。この
シリーズも年一冊の刊行ペースですが、もう少し早めてくれたらありがたいんだけれどな〜(^^)
病気の母親の世話をしながら、仕事をかけ持ちして働くリサは、勤務先の博物館にあった、まじない
のかかった遺物に触れてしまい、14世紀のスコットランドにタイムスリップしてしまった。領主のサー
シンは、リサから遺物を取り戻すが、遺物と共に来た人間を殺すと妖精のアダムに誓っていて・・・。
面白かったです〜(^^)歴史的背景を巧みに織り交ぜた力のあるストーリーにしっかりと立つ好印象
なキャラ達、そしてそこにアダムが加わるのだから、まさに申し分無し(笑)楽しくて一気読みでした。
以下
ネタばれアリですので、未読の方はスルーもしくはバックされる事をお薦め致します。
ヒロインのリサは、癌に侵された母親の面倒を見ながら、仕事を掛け持ちする生活を送っています
が、勤務先の博物館のオフィスにあったフラスクに触れた事で14世紀にタイムスリップしてしまい、
ハイランドの領主サーシンと知り合います。このリサですが、威勢が良くて逞しいし、頭の良さや
分別も感じられて好感度大でした(^^)タイムスリップして以降の行動も、母親の事を思いつつ、
前向きかつ好奇心旺盛な面を窺わせるあたりには感心するやら微笑ましいやらだし(笑)未来へは
戻れないと理解して以降のリサが、内に秘めていた怒りや憤りに目を向けて認め、感情的に解けて
いくというか、変化していく流れも丹念な筆で描かれていて、リサのキャラに一段と厚みを与えて
いると同時に心情面からも堅実に読ませるし、サーシンの秘密部屋(笑)の事を知った際の態度も
思慮を感じさせて○。歯切れの良い物言いや快活で素直な魅力が可愛くて良かったですね〜(^^)
ブロディ家の領主であるヒーローのサーシンですが、これが何ともおいしいヒーローでしたね(笑)
自制心が強く、規律に沿って生きる模範的な人間で、そのストイックな生き方には、複雑(苦笑)と
言える生まれや背景が大いに影響しているのですが、サーシンの真面目さや優しさが凄く良い感じ
なんですよね〜。リサに対する愛情は真っ直ぐで可愛いし、相手の気持ちを気に掛けて大事にしよ
うとする姿勢には思いやりの深さが見て取れたりと◎。父親のアダムによって不老不死の身体に
されてしまった為、孤独や苦悩を抱えて生き続けてきた中、リサとの出会いでサーシンの気持ちが
上向きに変化していくのも、解放感を感じさせて印象的だったな〜。自分の中の妖精の部分を認め
て、幸せを掴もうとする確固とした姿勢もナイスだし、礼拝堂の下りではじーんとさせ、掃除用綿で
は笑わせてくれたりと、魅力たっぷり(^^)またアダムとは対極を成しているのがおかしいんだ(笑)
そしてアダムに関しては、いや〜驚きました(^^;)サーシンに聖遺物の番人をさせるだけでは無い、
別の意図があるのはわかっていたけれど、まさか親子だったとは(笑)一作目の時とはキャラが
微妙に違っているように感じられたのは、サーシンの父親という立ち位置のせいもあるのかな〜。
それでもアダムならではのブラックな茶目っ気振りは健在だし、今回は父親という役割に置かれて
いましたが、サーシンとのやり取りに見えるアダムなりの(笑)父親振りにはニンマリ。アダムが
登場すると、空気が動くような感じがしますね(^^)相変わらずの存在感で魅せてくれました♪
フラスクに触れても、未来へは戻れないと知ったリサは、サーシンの元で生きていく事を決意し、
やがて二人は結ばれますが、イングランド軍との戦いの直前に、アダムから送られた未来の物
を隠しておいた部屋をリサが発見してしまい、サーシンは自分が不老不死の身体である事だけを
伝え、戦いに向かいます。サーシンとリサのロマンスは、二人の感情の機微を積み重ねた末に
結ばれるという展開で描かれているのが好感触で、また二人の間に通うテレパシーが感情面の
やり取りにおけるプラス要素として働いていたなあ〜とも。ストーリーは終盤近くまで大きな動きも
無く、じっくりと進んでいく感じですが、当時の歴史的な背景やエピソードを絡ませつつの内容は、
このシリーズならではの面白みがちゃんと活きているし、終盤の意外な展開も絶妙。皆がハッピー
エンドになれるオチも、妖精ならではと言えて、その楽観性が良いなあ〜とほっこりしました(^^)
しっかりとした物語性と面白さがギュッと締まった素敵な作品でしたね。次回作は来年かな(^^;)
その次回作ですが、「Kiss of the Highlander」ですね。それから「The Dark Highlander」、
「The Immortal Highlander」と続く模様(^^)そして「The Fever Series」もかなり気になります(笑)
- 2007/08/10(金) 00:49:21|
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文庫が続いたので、ブレイクも兼ねたクレンツのHA。過去にNから出た作品の再販ですね〜。
デザイン会社に勤めるエリッサは、新社長のウェイドに直属の上司と不倫していると言いがかりを
つけられた。誤解だと訴えるものの、ウェイドは聞く耳を持たず、自分と付き合うようにと強引に
誘いをかけてきた。ウェイドのせいで昇進出来なかったエリッサは復讐する事を決意するが・・・。
人が良くて優しいヒロインと思い込みが激しくて孤独なヒーローのロマンスですが、キャラはクレンツ
らしいカラーを感じさせるものの、何か物足りない印象だし、ストーリーもイマイチだなあ〜と。
ヒロインは横暴なヒーローへの復讐目的で付き合いを始めますが、クレンツらしい小気味良さや
軽妙さが見当たらず、二人のやり取りなんかもどうも冴えないんですよね(^^;)クレンツならでは
の妙味が活きてなくて、メロメロなヒーローのストーカーじみた行動やセクハラ丸出しな発言が
笑えたりもしたのですが、求めていた楽しさは味わえずでした。クレンツ名義のT作品は過不足無く
楽しめるものが多いのですが、S・ジェイムズ名義となると大味な作品に遭遇する事がしばしば
あるので、今回の作品もS・ジェイムズ名義だからかな〜なんて思ったりも(苦笑)一読のみですね。
- 2007/08/08(水) 23:59:03|
- HQ&SIL系他読書雑記|
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キャサリン・コールターの1992年の作品。王道的なロマンティック・サスペンスでしたね〜(^^)
リンジーは18歳の時に義兄にレイプされ、以後異性に近づけなくなってしまい、現在はエデンという
名前でモデルとして活躍していた。そんなある日所属している事務所の経営者が借金問題で脅迫
された為、リンジーにボディーガードをつける事になり、私立探偵のテイラーが雇われるが・・・。
魅力的な主人公達と根性悪のヒロインの家族を中心に据えたストーリーは、ロマンス色の強い
サスペンスで、コールターらしさがよく出ている作品と言えるかな〜。面白かったです(^^)
ヒロインのリンジーは、18歳の時に異母姉の夫にレイプされ、以後異性とは付き合わずに生きて
きて、現在ではエデンという名前でモデルをしています。このリンジーですが、コールター作品の
ヒロインらしく、気持ちの優しい面やガッツのあるキャラが素直に立っていましたね〜(^^)ろくでなし
揃いの家族に対しても感情に走らずに、毅然とした態度で向きあう姿は立派だし、傷つけられっぱ
なしで受け身だったリンジーが、テイラーとの出会いを機に段々と強さを得て、変わっていく様も、
快い温度感を感じさせつつ、着実に描き出されていたなあ〜と。テイラーに自分の本名や過去の事
を中々打ち明けられなかったり、満身創痍な状態(汗)にも関わらず、リンジーのポジティヴさが
陰る事無く、しっかりと前面に出て光っているのが良かったです。あとサンフランシスコの判事の娘
という背景に、ついシャーロックを思い出したりも(笑)バランス感のあるヒロインで何よりでした。
リンジーのボディーガードを依頼されたヒーローのテイラーは元警官の私立探偵。リンジーだけで
無く、テイラーもまたコールターのヒーローそのもの(笑)サビッチほどのインパクトは無いものの、
(基準はやっぱりサビッチなんです・笑)ユーモラスな物腰の中にリンジーの気持ちを敏感に感じ
取って思いやる優しさや安心感があるし、懐が深いんですよね。信頼を勝ち取ろうと辛抱強く接する
態度や何の気無い、さくっとした雰囲気から感じられる真摯さや温かさが◎。まさにイイとこ取りな
ヒーローなのですが、自然体に納まっているのがまた良いんだなあ〜。ポイント高いですね(^^)
ストーリーはリンジーが16歳の時から始まりますが、現在に追いつくまでが結構長く、しかもイタイ
場面が盛り込まれている事もあって、何となく乗り切れない時もありましたが、展開自体には力が
あるし、また土台としてもしっかりとしていると思います。また脇役については、リンジーの異母姉
や父親の不愉快極まりない性悪振りやリンジーに執着する大学教授の異常さ等キャラ描写がそれ
ぞれに行き届いているあたりはさすが。パリの刑事や弁護士の善良さにホッとする思いでした(笑)
テイラーと婚約したリンジーの元に祖母と母親が事故死した知らせが入り、財産の大半をリンジー
に遺すという祖母の遺言が公開されますが、葬儀を終えてNYに戻った仕事中のリンジーを狙い、
何者かが爆弾を仕掛けます。ストーリーが現在になって、リンジーとテイラーが出会って以降の
展開はピッチも良くて、二人の関係が築かれていく過程もユーモアある会話を交えつつ、感情面の
描写を確かな手ごたえで読ませていくし、中でも二人が関係を結ぶ前に手をつないだまま眠る
シーンが印象的でした(^^)リンジーを狙ったサスペンス面は、まあまあかな〜。登場人物達を
絡ませて盛り上げながら、安定した勢いで最後まで引っ張っていく感じでしたね。面白さや切れは
(FBIシリーズは別にして)、「カリブより愛をこめて」の方が上かな〜とも思いますが、キャラ立ちは
勿論の事、ロマンスとサスペンスのバランスも程良くて○。トータルで厚みのある内容でした(^^)
次回の翻訳は「FBIシリーズ」の一作目に当たる「The Cove」。サビッチの親友のクインランと
サリーのお話がようやく(笑)登場との事で嬉しい限りです(^^)・・・来年には読めるんだよね?(爆)
- 2007/08/07(火) 23:59:39|
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イヴァノヴィッチとシャーロット・ヒューズによる共作「Full」シリーズの続編。「気分はフルハウス」
から二十年後の設定で、主役は天才にして大富豪のマックス・ホルト(^^)嬉しい再会ですね♪
父親から継いだ新聞社を経営するジェイミーは、社を訪ねてきた社の共同経営者が、前の晩の
パーティーで知り合ったマックスだと知り、驚いた。市長選に立候補中の義兄を助ける為に町に
滞在する事にしたマックスは、財政難の新聞社の手伝いを始めるが、何者かに命を狙われて・・・。
かつては16歳の爆弾魔(笑)だったマックスが、36歳になって再登場となりましたが、歳を取ろうと、
億万長者のプレイボーイになろうと、マックスはマックスだなあ〜というのがまず感想です(^^)勿論
大人なんだけれど(笑)、16歳の時のマックスがそのまま成長したといった感じが見受けられると
いうか、少年っぽさが残っているような印象で、それが凄く嬉しいなあ〜と(^^)ジェイミーとの仲は
まだこれからだけれど、今回はマックスモービルに搭載されている人工知能のマフィンとマックスの
会話が痛快で、大いに笑わせて貰いました(^^)相手の事を知り尽くしている、息の合った愉快な
やり取りが最高!傍から見ると妙ちきりんそのものなんだけれど、当人達は極々自然で、それが
またマックスらしいんですよね(笑)巨大化しているエゴも微笑ましいし(爆)、慣れた手つきで爆弾
を解体する姿にはニンマリ。マックスならではのとんでもないIQとキテレツさによるマックスモービル
と言い、類を見ない、茶目っ気ある変人振りが良いんだなあ〜。「スウィフティー」もツボでした(^^)
対するヒロインのジェイミーは、代々受け継がれてきた家業の新聞社を切り盛りしています。地元の
名家出身のフィリップと婚約中で、安定した家庭を持つ事を夢見ていますが、脇役が強烈な面子
ばかりだったせいか、ジェイミーの印象はまあ普通と言えるかな〜。でも父親がプレゼントしてくれ
た愛車への思いや家庭への憧れに、ジェイミーの心模様が垣間見れましたね。あと初めてマックス
モービルに乗った時の妄想気味の思考やヴェラに教え込まれたTVネタを鵜呑みにしていたりする
あたりは可愛かったなあ〜(^^)今後マックスとのロマンスがどうなっていくのか楽しみですね♪
そして期待していた脇役達ですが(笑)、いや〜。ディーディー姉ちゃんの可愛いこと!(爆)更年期
障害のネタやドレスに宝石を縫いつけろ発言とかおかしいのなんのって。相変わらず天然の魅力
が光っていたし、市長選に立候補中のフランキーとの夫婦仲もよろしくて何よりです(^^)フランキー
の元レスラー仲間達(スネークマン!)の再登場や銃を持ち歩いているジェイミーの秘書のヴェラ
も笑えましたが、やっぱり大ヒットはマフィンとビーニーだよなあ〜。特にビーニーの記憶喪失(アイ
デンティティー喪失(爆))の下りは大爆笑(≧∇≦)ポルノ雑誌を持ってトイレに閉じこもったり、
ジョン・ウェインちっくになったりとおかしかった〜(爆笑)こういうへんてこキャラに弱い私のツボを
直撃。既に何度か読み直しては笑っています(危険)キャラ各々の絡ませ方も上手いし、ちょっとし
た事で笑えたりも。イヴァノヴィッチの変人キャラは最高だなあ〜とホクホクしちゃいました(^^)
新聞社で何者かに銃撃を受けたマックスとジェイミーはその後も何度か襲われますが、警備員に
扮してフォンタナ邸に潜入していた殺し屋の件が片付いた一方でディーディーの犬と行方不明に
なっている市の納税金の行方を探すマックスの調査に協力していた、市の会計監査役補佐官の
息子が誘拐されてしまいます。キャラこそ変人多しですが(笑)、ストーリーは切り口が軽くて、
テンポも軽快で良い感じ。ミステリーとしてはシンプルな内容で、おかしなやり取りに笑いながら、
終始気張らない面白さが○(^^)そんな中特筆したいのは、やっぱり登場キャラ達のカラフルな
個性だなあ〜。変人本スキーにはたまらないですね(笑)気持ち良く笑って楽しんだ一冊でした。
「Full」シリーズの今後の翻訳はアリと見なしていいのかなあ〜と思いつつ、果たして?2、3年も
待たせるなんて事が無いように願うばかり(^^;)またこの妙な面々と再会出来る事を期待します♪
- 2007/08/06(月) 21:45:40|
- ジャネット・イヴァノヴィッチ|
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何と(笑)MIRAからSEP作品が翻訳刊行されるとの事です。まず第一弾は10月でヒストリカル作品。
邦題は「愛はジャスミンの香り」だそうです。ヒストリカルという事で、「Just Imagine」ではないかと。
続いて12月にはコンテンポラリーで「Fancy Pants」。こちらは「レディ・エマの微笑み」の関連作。
いや〜、驚きました(^^;)SEPも遂に3つの出版社に割れての刊行となりましたね〜。本棚に並べた
時の見映えはあえて考えないようにしたり(笑)しかも秋には二見さんから「Match〜」も出るという
し、まさにSEP祭り状態ですね(嬉)これで原書は残り3冊。嬉しいようで、ちょっと寂しかったりも〜。
このニュースを教えて下さった方からOKを頂いたので、Blogに掲載させて頂きました〜(^^)素敵な
ニュースをありがとうございます♪SEPスキーには最高の吉報ですね。しっかし・・・この秋はSEPを
筆頭にTSの刊行も可能性としてあるし、マッケナも出るよなあ。こりゃ毎月凄い事になるわ〜(^^;)
- 2007/08/05(日) 19:34:48|
- スーザン・E・フィリップス|
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「シーサイド・トリロジー」第二弾に着手しました。クイン兄弟の二番目、イーサンのお話です(^^)
漁師のイーサンは、パブでウェイトレスとして働くシングルマザーのグレースに長い間ずっと惹かれ
ていたが、自分の気持ちを伝えず、友人としての付き合いに留めていた。そんなある晩、パブの客
に襲われそうになったグレースをイーサンが助け出した事を機に二人の関係が変わり始めて・・・。
前作同様に良かった〜。今回のストーリーは、終始しっとりとした趣を漂わせていましたが、ロマン
ス、家族愛共に調和の取れた内容は期待通りの充実振り。涙腺が緩みっぱなしでした(><)
ヒーローのイーサンは漁師で、クイン兄弟の二番目。兄弟の中でも一番口数が少なく、熟考を
重ねるタイプで、普段も質素で静かな生活を送っています。兄弟の中で私的に一番興味を引かれ
たのが、寡黙で堅実なイーサンなのですが、雰囲気としては凪いでいるような静けさを感じさせる
と言えるかな。時間をかけて、物事をじっくりと考え抜く辛抱強さや落ち着きといったイーサンの資質
が、ストーリーの流れに沿うように緩やかに際立っていって、ゆったりとした構えの中に見て取れる
力強さや奥深さには惹き付けられたました。キャメロンのキャラは動そのものといった感じで、ある
程度予測がついたけれど、イーサンはそういうタイプでは無いんですよね。イーサンの内に残る、
少年時代に受けた性的虐待による傷や強すぎるくらい強い抑制力が痛々しいと同時に抑えていた
激しさが浮き彫りになるにつれて、ホロホロと落涙しつつ、グレースへの想いも誠実で確固としている
だけに、前に進めないイーサンが何とも切なかった。地元を離れず、安定しながらも孤独な生活を
送る事で、内にこもって生きているイーサンが、一皮向けていく過程も、いかにもイーサンらしい
足取りというか、思慮深さが滲んでいましたね。思いがけず、泣かされちゃいましたよ〜(><)
ヒロインのグレースは、二歳の娘を抱えるシングルマザー。かつてはバレリーナになる夢を持って
いたものの、現在では昼間は家政婦、夜はパブでウェイトレスとして働いています。二十代前半に
しては、子供が居て苦労をしているせいか、凄く大人で、しっかり者の頑張り屋さんといった感じ。
日々の生活に追われていても、きつい面が無いし、まだ夢を見れる部分が、グレースの中に垣間
見れるあたりも良かったですね。アンナの後押しを受けて、イーサンにぶつかっていく勇敢さも○。
傷つきながらも、自分の胸の内を整理して、イーサンと父親に思い切り吐き出す姿はあっぱれだし、
自分に出来る事を一生懸命こなして、地道に生きている様は応援したくなりましたね〜(^^)そんな
グレースが前向きに向かっていく姿勢が気持ち良かった。アンナに続いて、素敵なヒロインでした♪
そしてセスは前作時に比べると、リラックスしてきたなあ〜といった印象でしたね(^^)仕草まで兄達
に似てきたし、やんちゃな言動から、楽しげに伸び伸びとした面持ちが感じられるのが、何とも嬉し
かったり。船造りを手伝ったり、キャメロンとアンナがハネムーンから帰ってくるのを外で待っている
姿も可愛かったなあ〜(^^)セスがイーサンから学び取る姿やイーサンがセスと同じ目線に立って
物事を見ながら、正しい事を説くやり取りも、二人が共有しているものがあるからこそ、印象深い
重みをたたえているなあ〜と。クイン兄弟のやり取りは、お客から注文を取ろうとする下りの、フィリ
ップを中心とした兄弟のチームワークやセスの利口振りが楽しく光っていましたが、花壇荒らしの
一件やパーティーの準備で、アンナに容赦無くこき使われて、不満たらたらなキャメロンとイーサン
の姿は特におかしかった。アンナは男連中はどうしようもないと怒り、言いたい邦題に言われている
男連中は、女の頭の中は理解出来ないとお手上げ状態(笑)こういった何気ないやり取りが本当に
上手いんだなあ〜(^^)愛情と心で結ばれた家族ならでは明るいエピソードは前作同様に爽やか
で心が温まりますね。イーサンとオーブリーのキスのやり取りもあまりに可愛くてほんわかとした
し、神出鬼没な(笑)レイ父さんとの会話には和みつつ、ジーンとしたりも。次はフィリップだな(^^)
一夜を共にしたイーサンとグレースは、自分の想いを相手に伝え、関係が徐々に深まっていきます
が、結婚を望むグレースに対して自分の生まれを気に病むイーサンはその意志が無い事を伝え
ます。セスの母親から脅迫めいた手紙が届いたりとセスの問題も徐々にせまってくる中、家族の
団結や思いやり、愛情がここ一番という箇所で着実に発揮されるあたりが、このシリーズの醍醐味
の一つかも〜と感じました。寡黙なイーサンが主役のせいか、作品自体もどちらかと言うと、静かに
落ち着いている印象で、その流れの合間に家族間の明朗なやり取りが弾みを見せる感じかな〜。
イーサンのゆったりとした切ない心模様を厚く描き出しながら、しっとりとしたロマンスと家族愛が
相乗したストーリーは、容としてはシンプルだけれど、深く込められた情感が本当に素晴らしい
です。過去に読んだ作品みたいに何かしらの業界を背景にしたりせず、ストレートに家族の在り方
に視点が置かれているのもまた良いのかも〜と思ったりも。シリーズ二作目も優秀作品でした(^^)
次はフィリップです。間を置かずに読みたいと思っていますが、残りはあと二冊。寂しいなあ〜。
- 2007/08/04(土) 00:27:32|
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リンダの新作。ヒーローはパイロットでテキサス男みたいですね〜(笑)Amazonのレビューを見た
限りでは、評判は・・・まずまず?こき下ろしているものも幾つかありますが(^^;)この作品の翻訳
は来年あたりかな?その前に「Drop Dead Gorgeous」が待機していますね。楽しみです(^^)
- 2007/08/02(木) 22:32:38|
- 原書新刊|
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「クレオ・ノース・トリロジー」の完結編。これで終わってしまうとなると寂しい限りですね〜(><)
英国駐在の空軍パイロットが殺害され、捜査協力を依頼されたクレオは、捜査官のジャックと共に
現地へ飛んだ。早速捜査を始める中、凶器の拳銃が第二次大戦時に諜報員に支給されていたもの
だという事実や被害者が戦時中に墜落した輸送機に関心を抱いていた事が判明するが・・・。
遂に完結となりましたが、ストーリーの面白さは勿論の事、三作揃ってロマンスとサスペンスのバラ
ンスが良く、過不足無く読ませる安定性があるシリーズでしたね〜。名残惜しい気持ちで一杯です。
今まで読んだロマンス本ヒロインズの中で「アニキなヒロイン」というと、間違い無くトップに名前が
挙がるクレオですが、最後まで魅力たっぷりに輝いていましたね(^^)のっけから男前な立ち回り
で魅せてくれましたが、サバサバとした性格やフットワークの軽さは言うまでも無く、朝が苦手で
食欲は常に旺盛、ジャックをビビらせる荒っぽい運転やバーンズ准将による疫病神扱い(爆)まで
クレオにまつわる諸々がおかしいやら微笑ましいやら。頑固で気が強いという部分にマイナス要素
が見えてたりもしそうだけれど、あくまでもスカッとしていて、まさに痛快そのもの(^^)シリーズを
通して、粋でかっこいい、ありのままのキャラが鮮やかに立っていて◎。大好きなヒロインです♪
クレオとジャックのロマンスは、長期的な関係を築く可能性に目を向ける段階になり、深く触れない
状態を保っていた、ジャックの元妻ケイトの問題がついに二人の間で表面化する事になりましたが、
ケイトの問題に立ち入らせないジャックの態度に傷つきながらも、怯まずに真っ向から問題に切り
込んでいくと同時にやたらと同情を示さないのが、いかにもクレオだなあ〜と。勿論優しさも見せる
けれど、相手の気持ちや考えを尊重しつつ、自分が踏み込む領域を判断するスタンスがまた良い
んですよね。ジャックを苦しめるケイトに一発言ってやるくらいの勢いにも、クレオらしい愛情が見え
たりも(笑)火花バチバチで、先の事はさほど意識していなかった二人の関係が感情的に深みを
増して、相手への愛情を認識する下りも、さらっとした温度感でスマートに描かれていましたね(^^)
特別甘いわけでは無いけれど、逆にべたっとせず、あか抜けた感じが好感度大。そんな中ジャック
がクレオに言う「ぼくは重荷をかかえている」っていうセリフにはグッときちゃったなあ〜。それを
ジョークで和らげるクレオの思いやりや理解も含めて、二人の間に通い合うものが素敵でしたね。
前作のサイドロマンスは、遊び人マークの陥落振りが笑える(爆)内容でしたが、今回はマークの
双子の姉でMI6の諜報員のジョハンナと墜落した輸送機の引き上げ作業を請け負ったマルホランド
船長のお話。上品で優雅だけれど、情熱的でもあるジョハンナとぶっきらぼうで荒っぽい、いかにも
海の男といった風体の船長がバチバチとしつつ惹かれ合っていきますが、この船長のキャラが○。
無骨なだけでは無い、良い味が出ていました(^^)ジョハンナのキャラも変わらずチャーミング
だし。またクレオの秘書のメイや発明の天才ドリーン、義母ワンダ等他の脇役達も登場シーンが
多いわけでは無いのに、各々の明快な個性がストーリーにスパイスをきかせているあたりに配置の
上手さが窺えましたね。中でも狙った獲物は逃がさない(笑)メイはただあっぱれでした(^^;)
被害者が関心を寄せていた、第二次大戦中に海に墜落した輸送機に金塊だけで無く、毒物が積ま
れていた事が明らかになり、クレオとジャックはジョハンナと共に船の引き上げ作業に当たります
が、そんな中クレオ達が乗り込んでいた船が爆破されてしまいます。第二次大戦中の軍の内情に
基づいたサスペンス面は、三作品の中でも一番読み応えのある内容だったと思います。戦時中の
諜報員が使っていたという兵器のネタなんかは特に興味深かったなあ〜(^^)クレオとジャックが
事件を捜査する過程を堅実な筆で追っていくし、パイロットの殺害事件を皮切りに、第二次大戦中
の銃や墜落した輸送機、金塊、毒、そして替玉作戦といった軍関連のエピソードも難しさや硬さを
削ぎつつ