Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

汚れなき守護者の夏 イヴ&ローク15

3ヶ月に1冊のペースで順調に翻訳されているイヴ&ローク。本国では今年の2月に新作が発表
済みで、更に11月にはアンソロジーとまたしても新作が刊行予定との事です。凄すぎる〜(^^;)

子供を傷つけていた犯罪者達が、発狂の末に他者に襲い掛かったり、自殺したり等の不可解な死
を遂げ、イヴは事件の捜査を担当する事になった。被害者達の脳が異様に肥大していた事実が
判明し、イヴ達は被害者達が使用していたコンピューターにその原因がある事を突き止めるが・・・。

事件の場に居合わせたトゥルーハートから連絡が入り、ロークの仕事絡みのビジネス・ディナーに
行きたくなくて、署でグズグズとしていた(笑)イヴは現場へ直行し、結果事件を担当する事になり
ますが、今回もまたイヴの人間味溢れるキャラが深く描き込まれていましたね〜。真摯な姿勢
でタフに捜査を続ける一方で、トゥルーハートやマクナブに対してかける思いやりや優しさが、そう
いった感情をさらすのが苦手だったイヴの内から自然に表へと出ているのが良いし、集まっている
面々を前にして、「家族」を意識するイヴを思うと感慨深いものがあって、頑なで不器用な生き方
しか出来なかったイヴの人としての成長振りや変化の中に見える明るさが何よりも嬉しいなあ〜と。
イヴにとって大事な人が一人一人増えていく事が、イブ自身の豊かさに繋がっていくんですよね。
そして暗い背景の中、こうした温もりが存在する事に、嬉しさや安堵を覚えてほっこりとしたりも(^^)

イヴとロークのロマンス面については、相変わらずの安定振りでしたが、今回は被害者達が悪人
だった事から、そういった連中に関しては同情しかねるというロークの意見と例え悪人であっても
被害者として扱う警官としてのイヴの考えが微妙に衝突したりという事もありますが、当然この二人
の関係には、根底の部分において、相手に対する絶対的な理解や信頼があるし、今回もしっかりと
した絆が感じられて良かった(^^)私的に嬉しかったのが、ロークがイヴのスーツのボタンをお守り
として持っているシーン。一作目からのお気に入りのエピソードなだけに、ご機嫌になりました(笑)

そしてイヴとロークの「家族」ですが、今回は揃って事件に巻き込まれます。最初の被害者のユニッ
トからウィルスに感染したEDDの捜査官にマクナブが撃たれ、フィーニーを人質としてオフィスに
立てこもるシーンは、まだストーリーの序盤とは言え、緊迫感溢れる内容で、助けに行くイヴや部下
二人の身に起こった事に対するフィーニーの胸中も着実に描いて読ませましたね。そしてその後の
マクナブの件に関してはホロっとさせる部分もあったりで、ピーボディとの関係もより深まった事を
思うと、この二人の今後にも更に注目かも(笑)それから民間人コンサルタント(爆)が連れてきた
助手のジェイミーにはニンマリ(^^)とんでもない頭脳の持ち主で、生意気な事を言ったりやったり
するけれど(ロークを出し抜こうとする大胆不敵さはあっぱれ・笑)、やんちゃな子供っぽさはやっぱ
り可愛いし、将来が楽しみなキャラですね。今回は妊娠宣言をかました(爆)メイヴィスとジェイミー
のまじりっけの無い個性が、ストーリーの中でとりわけ輝きを放っていたなあ〜と思いました(^^)
あとホイットニー部長が登場すると空気が締まりますね。上に立つ者としての威厳と同時に懐の
深さを感じさせるなあ〜と。イヴと二人で街中を歩きながら、話し合うシーンは好きです(^^)
それからトゥルーハート君の今後も登場機会が増える事を期待だわ〜。可愛いんだもん(爆)

単発登場(?)の脇役達に関しては、ユニットを調査中に感染してしまったEDD捜査官の母親を筆頭
にNY市の副市長やその腰巾着、分署の巡査部長等各々に考えや感情をきっちりと注ぎ込んで描き
抜かれているので、キャラ立ちも抜群。細やかで抜かりの無い描写はさすがの一言に尽きました。

子供を食い物にしていた犯罪者達がウィルス感染の末に連続して死んでいく中、「ピュアラティ」と
いう組織から犯行声明文がマスコミに発表され、イヴは大衆に対するイメージや認識を優先させ
ようとするNY市長側の政治的な思惑に巻き込まれそうになりながらも、チームを率いて捜査に
当たりますが、サスペンス面は、法というシステムから逃れている悪人にターゲットを絞って犯行を
繰り返す事で正義を説く組織や事件を解決する為に、犯人グループの人間を取引せざるを得なく
なり葛藤するイヴの姿を通して、「正しさ」の意味を考えさせられる内容で、犯人逮捕までの過程に
社会性や政治色を巧みに織り交ぜながら、重量感を持たせつつ、読ませるなあ〜といった感じで、
最後まで興が尽きなかったですね。ストーリーの流れも安定していて、脇役達の絡ませ方や各
エピソードに(ロークはしっかりとツボを押さえた立ち位置で良いんだなあ〜)事件のオチまで、
トータルで大満足な内容でした。あっ、サマーセットがおとなしめだったのがちと残念かな(笑)

ノーラ名義を大して読んでいないにも関わらず、私にはロブのサスペンスの方がツボだなあ〜と
改めて実感。犯人像や展開の意外性よりも、警察側の動きの充実振りや捜査過程の面白みが
勝る方が断然好きなんですよね。なので、そういった面が多分に楽しめるだけで無く、ロマンスや
キャラ同士の味わい深い繋がり合いにおいても出色を極めるこのシリーズの成長力を今後も
堪能していきたいですね(^^)次回作は「Portrait in Death」。秋あたりに読めたら嬉しいなあ〜。

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  1. 2007/06/25(月) 20:37:40|
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