過去にMIRAから作品が翻訳されている、ローレン・バラッツ・ログステッドの新刊です。
著名な作家の夫の薦めで、服役中の囚人のチャンスと文通を始めたエマは、手紙のやり取りを
交わしていく内にチャンスに愛情を抱くようになり、自分の人生に物足りなさを感じ始めた。そんな
ある日女王陛下の恩赦によってチャンスが自由の身となり、出会った二人は逢瀬を重ねるが・・・。
RT誌の評や巷の声を目にした限りでは、あまり期待出来そうに無いので、無駄に寝かせてしまう
前にさっさと読んでしまおうと取り掛かりましたが・・・。まずこれは到底ロマンスとは言えない
ですね(苦笑)まあ、その当たりもほとんど期待はしていなかったのですが(^^;)良き妻、良き母親
として慎ましく生きてきたヒロインが、囚人(ヒーローとは絶対に呼べない)との文通を機に、囚人へ
愛情を抱くと同時にこれまでの自分自身の在り方や人生に疑問や不満を感じるようになりますが、
ヒロインの心情面を細々と掘り下げている一方で共感や理解となると全く別の問題で、しかもこの
ヒロイン、何だか一人で感情過多な状態に陥ってしまっているような感じなんですよね。最終的に
ヒロインが置かれた状況にしても、愛情に目がくらんだ挙句、結局相手の事を本当に知っては
おらず、また知ろうとしなかった愚かさ故の結果で、身から出たサビに過ぎないよなあ〜と同情する
気持ちは全く起こらず。お金が無いと暮らせないとか、生活を変えたくないとか言うくせに、殺人
は肯定出来る心情(例え夫の本性が最悪とは言え)には、言葉も無かったですね・・・(苦笑)
囚人やヒロイン夫の卑劣さや悪意ある実体に関しても見え見えで特に驚きは無く、読後に残る
歪んだ後味も想定内。ロマンスという観点を脇に押しやって見ると、感情面の掘り下げやじっくりと
したストーリーの流れ方に見所があると言えなくも無いけれど、キャラ、ストーリーの内容共に好感
が抱けず、ヒロインが事の真相を知る最後の下りに至っては、くだらなさすら覚えてしまったくらい
でした(^^;)私はロマンスにこだわらず、本なら基本的に何でも読む人なので、読後に残る暗さ
や苦味についても割と受け入れる事が出来るのですが、この作品については何と言うべきか・・・。
作中で描かれている事に意義を見出せないし、この作品が持つ、ネガティヴな資質とその浅慮感が
好かなかったという事に尽きるかな。私の感性や好みにそぐわない内容なので、作品の良し悪し
に関してはコメント出来ずです。ポジティヴな本を読んで、この読後感を洗い流そうっと(^^;)
- 2007/06/07(木) 00:00:00|
- 二見書房|
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