L・ガードナーのHQ時代の作品で、放蕩三昧の挙句、飛行機事故で死亡したとされたマクシミリアン
を父に持つ異母兄妹の三部作です。お友達のお薦めを受けて(感謝!)、やっとこさ着手しました。
まずは「赤い髪の伝説」から。兄妹の末っ子で結婚カウンセラーをしているマギーと恋人殺害の
濡れ衣を着せられて服役した後に脱獄したカインのお話ですが、これが文句無く面白い!カインが
マギーを人質に取って逃亡する序盤から一気に惹き込まれました。ストーリーは安定した力強さ
と勢いがあり、各々が抱える孤独や心の傷が微細に浮き彫りになる中、ちょっとしたユーモアが
盛り込まれているあたりも上手いし、相手を理解して思いやる事が出来る二人の関係性が、真っ直
ぐな目線を通して、しっかりと感情がこめられながら巧みに描き出されていたのも◎でした。優しい
カインと逃亡生活を機に、自分の殻を打ち破って強さを見せるマギーも魅力的だし、カインを陥れた
父と兄が傾倒する狂信的カルト集団絡みのネタも説得力のある使い方をされていて、切れのある
ストーリー展開に人間味溢れるキャラ、そして深い感情描写とトータルで抜群だなあ〜と感服する
事しかり。最近のLSではお目にかかれないハイレベルな内容で、申し分の無い一冊でした(^^)
続いて「月夜の復讐」。兄妹の真ん中で元海兵隊員のC・Jと両親と恋人を奪った事故の真相を突き
止める為に、身分を偽って帰郷したタマラのお話ですが、あまりの面白さにガツンとくらった一作目
の後だと、う〜ん・・・上手いんだけれど、好みからは外れるかな〜。タマラが事故で負った傷の深さ
が丁寧に映し出される一方でC・Jを受け入れまいとする頑なな態度が、ストーリーの3分の2あたり
まで長引いたのが、私的にはちと疲れました(^^;)なので、C・Jの優しさや献身振りに救われた感
が強いですね(笑)ストーリーはタマラの再生を中心に描かれていて、事故の真相に関する謎解き
は、予想がつくオチだったし、ブランドンが兄妹の父親に関する事実を追い始めたりと次回作への
布石が打たれていました。ガツンとくらった一作目ほど夢中になれなかったのが残念だったなあ〜。
最後に「探し求めたものは・・・」。兄妹の一番上でオレゴンの森林消防隊へ入隊したブランドンと
ブランドンに部屋を貸す牧場主のビクトリアのお話ですが、これがまたエモーショナルに読ませる
内容でしたね〜。妻を幸せに出来なかった為に、自分は父親と同じような人間なのだと苦悩する、
ブランドンの真面目でストイックな姿が丁寧な筆で描き込まれていて、特に長男だから強くなければ
いけないと感情を抑え込んできた部分は長男スキーのツボを直撃(^^)苦労しながらもタフで前向き
なビクトリアも好印象でした。また父親にまつわる過去のエピソードや死の真相、そして「臨場感が
ある」とお友達から聞いていた、終盤の森林火災の下りまでストーリーが弛む事無く、最後まで興が
尽きない、水準の高い内容でしたね。この面白さの後に読むLSが気の毒になるわな、マジで(汗)
三作品を通して感じたのが、土台のしっかりとしたストーリーの上手さは勿論の事、キャラ造形と
感情の描出が抜群だという事ですね〜。シングルタイトルを読んでいるので、L・ガードナーの高い
筆力はわかっていましたが、LSという枠の中で、これだけ一体感のある作品を生み出せるのが
また凄い。一番のお気に入りは一作目で、二作目は好みからは微妙に外れますが、三作揃って
面白さと上手さが冴える内容でした。作家競作から出ている作品も必読ですね、これは(^^)
文庫に着手する前にLSをもう一冊くらい読んでおこうかな〜と思いつつも、やめておきます(笑)
先月出たL・ガードナーの新刊着手前の前哨戦という事で(?)、満足満足の読後です(^^)
- 2007/05/07(月) 19:30:07|
- LS&LS読破強化中|
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