Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

翡翠の迷路

バーバラ・フリーシーの新刊。昨年刊行された「なにも言わないで」は、当たり作品だったにも
関わらず、惜しい所(?)で、昨年の私的BEST20冊入りから漏れてしまったんですよね〜(^^;)

警備会社を経営するライリーは、祖母が屋根裏で見つけたドラゴン像の鑑定を、老舗のアンティー
ク・ショップに依頼したが、店の後継者のペイジの父がドラゴン像と一緒に消えてしまった。ペイジと
ライリーは共に捜索に当たるが、何者かに襲われたペイジの父がチャイナタウンで発見されて・・・。

期待していただけに、前作みたいな切れが見られなかったのが何とも残念ですが(笑)作品的に
悪くは無いし、ストーリー運びも丁寧だけれど、う〜ん・・・(笑)とりあえずレビュー開始します(^^;)

ヒロインのペイジは老舗のアンティーク・ショップの後継者。実権を握る祖父や各部門の責任者
を務める両親と共に働きながらも、社内における自分の立場が中途半端な事に悩んでいます。
まずお嬢様ヒロインにありがちな、ツンツンとした所やキツイ言動が見られずだったのは、読んで
いて楽でした・・・が(笑)、イマイチ個性がはっきりしないんですよね〜。ライリーとの出会いを通じて
生じたペイジの心境の変化や動きも描かれているし、心を開いて向き合う関係を築く事に及び腰
になるライリーに対しても自分の気持ちのままに率直に振舞うけれど、思ったほどの成長力が
無くて・・・キャラが弾けないというか。賢さとかガッツ等何かしらのヒロイン資質(?)が一つも
見られずじまいで、良くも悪くも普通のお嬢さんキャラのままといった感じで、残念でしたね(^^;)

祖父から引き継いだ警備会社を経営するヒーローのライリーは、父親を知らず、母親は麻薬中毒
というバックグラウンドの持ち主ですが、十代の頃に引き取ってくれた祖父母以外の誰にも心を
開かずにいます。現実主義者で猜疑心が強く、かなりシニカル。このライリーが微妙でしたね(^^;)
祖母思いの優しい面を除けば、私的には好かないなあ〜(笑)母親の事を思えば、人を容易に信用
出来ない事はまあわかるし、預けたものが紛失したとなれば怒るのはもっともなんだけれど、どっち
の家族を取る取らないの選択や短気に走る言動が何だかなあ〜と。そういった言動の裏にある
人間不信と大切な祖父に失望したくないという想いが伝わってこないせいか、理解を示せずじまい
でした。複雑さを抱えていると窺わせるような深みやちょっとした可愛げも見られずだったし(^^;)
勿論、そんなに人間が出来ていなくて当然だけれど、男っぷりの悪さが引っ掛かったなあ〜。

父親がチャイナタウンで襲われた事をきっかけに、父親には愛人がいて、しかも異母妹までいる事
をペイジは知ります。ストーリーはペイジとライリーに加えて、私生児で混血であるが故に母方の
祖父母から締め出されて生きてきたアリッサの視点からも描かれますが、主役の二人よりも、
アリッサを始めとする脇役達の方が個性が立っていたかな〜。各々の胸中や背負っているものも
それなりに読めたし、中でも大らかなライリーの祖母のナンや夫の弱さとはまさに対照をなして
いた、タフなペイジの母親は印象的。あとアリッサの幼なじみもなかなかのキャラでした(^^)

消えたドラゴン像を追いかける内に、ペイジ、ライリー、アリッサの祖父達がかつては知り合いだった
という事実が浮かび上がり、ドラゴン像の行方と真相が明らかになりますが、ストーリー自体は
丁寧に進んでいくし、個々のエピソードなんかもちゃんと盛り込まれてはいます。でもトータルでは
決定力不足なんですよね〜。スイスイと読めてしまう一方で、家族愛、ロマンス、謎解き、どれを
取っても出色したものが無いというか(^^;)物語に踏み込んで読ませる深みや妙味が見られず
でした。ネタ的にはもっと盛り上がりそうなんだけれどな・・・と思うと、惜しい気もします。悪くは
無いけれど、作品として明確さに欠けているなあ〜といった感想です。前作には及ばずでしたね〜。

TS以降に読んだ新刊がどれも不発気味なのが何とも・・・(^^;)期待はタラ・ジャンセンかな(笑)

翡翠の迷路 (二見文庫 フ 12-2 ザ・ミステリ・コレクション)翡翠の迷路 (二見文庫 フ 12-2 ザ・ミステリ・コレクション)
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  1. 2007/05/03(木) 20:43:29|
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