マクラウド・ブラザーズの中で一番気になっていた存在の長男デイビーのお話。最近の私は
長男及びアニキ気質萌え傾向にあるような気がしています(笑)さーて、レビュー開始(^^)
恋人殺害の罪を着せられたマーゴットは名前を変え、エアロビのインストラクターや
ウェイトレスの仕事を掛け持ちしながらシアトルで生活していたが、身辺で不審な事が
連続し、悩んだ結果私立探偵のデイビーに相談をする。だがマーゴットが真実を明かさ
ない為に、二人は惹かれ合いながらも衝突を繰り返す。そんな中マーゴットが接触した
質屋の店主が自宅で変死し、遂にマーゴットはデイビーに全てを打ち明けるが・・・・。
「そのドアの向こうで」はセスのあのキャラにひたすらぶっ飛び(笑)、「影の中の恋人」では
コナーとエリンの切なく熟した純愛に胸がときめきましたが、「運命に〜」は前二作に比べる
と、サスペンス面は一新したし、ホットさは相変わらず・・・でも若干色合いが違う感じで、
前ニ作の特異な雰囲気にとても惹かれていた私ですが、今回の違いがこれまたツボでもあり
(でも所々で同じ空気感を感じられたのが嬉しい)、心地良い高揚感を残しつつも、安堵が
押し寄せてホロッと来たりと、感情的に揺さぶられた読後は一杯に満たされています(^^)
ヒロインのマーゴットのキャラが良かったですね。頭が良くて逞しいと同時に繊細で
女性的な面も感じさせたし、抑制の効かない言動で冷静なデイビーを煽っては、結局
締め出されて傷ついたりと、マーゴットのデイビーに対する真っ直ぐな想いや心中の葛藤が
細やかに深く断続的に描かれていましたが、終盤のマーゴットは特に光っていたなあ〜。デイビー
に愛を告白しただけで無く、デイビーを救おうと敵を出し抜く為に闘う姿は潔くて、とっても
素敵でした。レインやエリンとは表面的こそ違うタイプのキャラだけれど、芯が通っていて
優しく、傷つきやすい反面過酷な状況や土壇場で見せる強さはやっぱり共通しているかな(^^)
そしてデイビー兄さんですが、その寡黙さがやたらと存在感を感じさせていて、脇役の
頃から気になっていました(^^)普段の物事に動じない冷静沈着な態度もマーゴットの前
ではすっかりと形無し状態で、感情を乱される事に怒りを覚えるから、マーゴットに対して
酷い態度を取ったり言ったりを繰り返してしまうのですが、でもデイビーが背負ってきた
ものの重さを思うと、そんな不器用さが切ないし、愛おしくもあって、たまらないんだなあ〜(><)
母親の死のトラウマだけで無く、気がふれてしまった父親を抱えながら三人の弟を育て上げた
事や、ケヴィンの死など人生において容赦無く降りかかって来た悲劇の中で、怒る方が
怯えたり悲しみを感じたりするよりもずっと簡単だと思うデイビーの胸の内が哀しかった
ですね(><)マーゴットと愛し合いながら、デイビーがふいに涙を零すシーンはマッケナ
らしい深遠さが漂うとても印象的なシーンでしたが、デイビーの奥深い部分まで手厚く
丁寧に掘り下げられた感情面の描写が全篇を通してとにかく素晴らしく、頑固で
兄弟に対する揺ぎ無い愛情深さを見せる一方で、「兄貴は絶対にガードを下ろさない」
「おれたちのために強くならなきゃならなかった」というショーンの言葉がまたデイビー
の孤高を強烈に物語っていて(このシーンのショーン、凄く好き!)、思わずグッとこみ上げて
きた所に、デイビーがマーゴットに言った「二度とおれを一人にしないでくれ」とそれに
続くセリフで完全に涙ポロポロ。それまで断続的にジャブを食らってはいましたが、最後の
最後で兄さんに完全にノックアウト(笑)率直でありながらも難しく複雑でもあるデイビーの
魅力にとことん揺さぶられました。兄さんには絶対に幸せになって欲しいなあ〜と思います。
前二作品のキャラの再登場で、特に嬉しかったのがタマラ姉さんとマイルズですね(笑)
タマラはデイビーの嫌そうな態度もお構い無しに涼しい顔でコナーとエリンの結婚式に
出席していましたが、マーゴットとの会話等、タマラならではの独特の存在感を見せて
いたし、マイルズは相変わらずシンディに報われない片思い中だけれど、吹っ切る宣言
も飛び出したりと、成長したマイルズがいつかヒーローになる日が来るのかな〜と勝手に
夢想したり。セスは相変わらずの野獣振りでしたが(爆)、レインにベタ惚れなのがやけに
可愛くて(笑)、セスの場合はヒーローよりも脇役としての距離で見るのが私にはちょうど
良いかもとニンマリしましたが、面白く思ったのが、一緒に会社を興そうなんて言っている
セスとデイビーのやり取りがとても仲良しさんとは思えない事で、どちらも個性が強くて、
これだけ強烈な俺様ホルモンの持ち主だと、ベタに仲良く付き合うのは不可能というか
むしろ不自然と言えるだろうし、でもピンチの際には憎まれ口を叩きながらも助け合う
姿がかっこよかったですね(^^)こういう形の男の友情もアリだなあ〜って思いました。
マーゴットに異常な執着を見せるストーカーとその兄でもある科学者が、マーゴットの
元恋人が持っていた生体認証の型を狙うサスペンスは、黒幕が最初から見えていますが、
悪役そのものはヴィクターのようなインパクトに欠けたかなと思います。鍼を使った
殺人法には驚きましたね〜。昔見たジェット・リーのアクション映画の中で使われて
いたのを思わず思い出しました(笑)デイビーがストーカーと素手でやり合うシーンは
デイビーの心が解き放たれて、適度な緊張感の中で不思議な爽快感がこみ上げてくる
ような感じで、最後はちょこっとドンパチになったけれど、とても印象深く残っています。
激しくも切ないロマンスとデイビーのキャラが私的に凄くツボだったし、サスペンスもよく描か
れた内容でしたが、じっくりと進むストーリーの中において特筆したいのが、マーゴットと
デイビーの感情面のやり取り(内省部分も含めて)ですね。巧みであるだけで無く、ぐっと
響いて心に残る深遠な質感は圧倒的。全体的に充実を極めた秀逸な一冊。大満足です(^^)
- 2006/09/01(金) 19:30:26|
- シャノン・マッケナ|
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