Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

囚われの旅路

N・ライアンの新刊。始まりはロンドンで、以後米国が舞台になるロードムービー的な作品でした。

息子に財産を継がせる為に、大富豪で我儘な伯母の言いなりになって暮らすエレンは、若さと
永遠の命を求める伯母が新聞広告で見つけた「魔法の水」の広告主の元を訪ね、伯母が会いた
がっている事を告げた。広告主のミスター・コーリーは、早速伯母と交渉し、「魔法の水」が
湧き上がる場所への旅を共にする事になったが、伯母はエレンにも同行するように言い渡し・・・。

邦訳されるヒストリカル作品の中でも北米が舞台になるタイトルが少ない事から、期待して
取り掛かりましたが・・・ネタは凄く良いんですよ〜、永遠の若さを約束してくれる
「魔法の水」を求めて旅するっていうテーマが冒険心をくすぐるし、壮大な感じもして。
テンポも悪く無いし、割とサクサクと読めちゃうのに、これがなぜか盛り上がらない(^^;)

ヒーローとヒロインのラブシーンも舞台設定こそ力が(?)入っているけれど、心に響いて
こないし、ヒロインがヒーローを既婚者と思い込んで、二度と関係を持たないって誓った
にも関わらず、事実を確かめない内に再度関係を持ってしまうっていうのにも何だかなあ・・・
といった感じで。ロードムービーならではの高揚感や緊迫感がもっとあっても・・と思うし、
キャラもなあ・・・感情移入しちゃうようなインパクトが感じられずじまいでしたね〜。

それでも後半部分は流れが良い感じになったように思えたりもしたけれど、「魔法の水」を
飲んだヒロインが若々しくなったり、意地悪ばあさんだった伯母が急に優しさに目覚めたり
っていう変化についても、ある程度の納得が欲しい感じがありましたが、そのあたりは
あくまでも「魔法」としてあまり深く考えずに受け止めた方が良いのかも・・・とも思う
けれど、でもねえ・・(笑)このあたりもサクサク描かれ過ぎちゃったように感じました。

作品全体を通して、ヒストリカル作品ならではの力強さが(ストーリー、キャラ共に)欠けて
いたし、ネタそのものは捻りがきいているのに惹き付けられるような情感が足りない
せいか、読後は何とも不完全燃焼な状態。既刊の「忘れえぬ嵐」の方が良かったなあ〜
と思います。読むのにシンドイというわけでは無いし、難なく読めちゃうのに、
不思議と印象に残らない作品でした。ネタが良いだけに、つくづく勿体無いです(苦笑)

囚われの旅路囚われの旅路
ナーン ライアン Nan Ryan 米崎 邦子

ハーレクイン 2006-08
売り上げランキング : 39327

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/29(火) 19:32:20|
  2. MIRA|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

少女トリーの記憶

上下巻計800Pってやっぱり時間かかるなあ。睡眠時間を削ってやっとこさ読破しました(^^)

生まれ持った超能力のせいで、父親に虐待されながら育ったトリーは、18歳の時に家を
出て以来自立した生活を送ってきた。そして今は故郷に戻り、雑貨のお店をオープンさせて
ようと準備に励んでいたが、故郷で生活の基盤を築き、根を下ろそうと決意すると同時に、
トリーは8歳の夏に殺害された親友ホープの死の真相を探ろうともしていた・・・・。

久しぶりに読んだノーラ作品。「優しい絆をもう一度」以来だと思います。タイトル数が
あまりに多すぎて、どれから手をつければ良いのかわからないんですよね、正直(笑)今回も
「読んだなあ〜」っていうずっしりとした読後感が和らぎ、心地良い重さになるまでレビュー
せずにいましたが、正真正銘のノーラ印(笑)付きの、満腹度の高いストーリーでした。

超能力持って生まれた為に父親から虐待を受け続けてきたヒロインが、生まれ故郷に戻り、
新しい生活を始める一方で8歳の時に殺害された親友の死の真相を探ろうとしますが、人との
接触を避けようとするヒロインの傷ついた心に根差す人間不信や葛藤などの心理描写が、
ノーラらしい巧みさで深く描き出されていました。ヒロインとヒーローのロマンスも、人に
傷つけられて生きてきた為に中々心を開かないヒロインに対するヒーローの思いや意志表示
に、いかにもノーラ・ヒーローらしい度量の広さと力強さが感じられて、ストーリーの中
における癒しというか、凄く良いんですよね。温かく光る感じで。こういう安定した魅力
にホッと息を吐けるようでした。王道的ロマンスだけれど、最近読んだ本はロマンス要素が
欠落していたせいか、ロマンスの濃い香りがむしろ大歓迎で(笑)でもノーラ作品はメイン
のロマンスだけでは終わらないのが良いんですよね。今回もちゃんと脇が光っていたし^^

中でもヒーローの妹のフェイスのキャラがツボでしたね〜。初めはただの我がままお嬢様
かと思ったら、天邪鬼な性格が災いして、三人兄妹の中でもみそっかすのような立場で
育ち、寂しさのあまり無鉄砲な行動に出ては人生をダメにしてしまうような生き方を繰り返
してきたという不器用っぷりに感情移入する事しかり。他人の気持ちに対して鈍感そうに
振舞っているけれど、実際はそうでは無かったり、決して素直なタイプではないけれど、
ヒロインに対しての友情を深めていく様子などストーリーが進むにつれて、フェイスの
魅力や内面の成長や変化が徐々に際立って感じられたのには大満足でした♪

ヒロインと両親のどうにも修復しえない関係も辛いものでしたが、ヒーロー兄妹と母親の
関係もとても苦かったですね。お気に入りの娘を失った事が引き金になって、元々情緒が
薄かった母親が残された二人の子供に対して完全に心を閉ざしてしまった事も、子供を
精神的に傷つけてしまったという意味において、ずっしりと響くし、「優しい〜」の中でも
誘拐された娘を思うあまり、結果感情的に遠ざけてしまった元夫&息子とヒロインの母親
の関係の修復が描かれていましたが、この作品では二つの家族が最後まで理解し合えない
まま終わってしまいましたね(><)救いはヒロインの祖母の存在かな。明るくて素敵な
ばあ様で、出番は少ないけれど、しっかりとロマンスをしていたのも印象的でした(^^)

ロマンス、友情、家族愛が手厚く盛り込まれている中で、8歳のホープを殺害し、以後何度か
殺人を繰り返している犯人がヒロインに迫って来るサスペンス面は、警察に追われている
ヒロインの父の犯行では無いか・・・という展開に持っていこうとする流れが、明らかに別の
真犯人の存在を感じさせてしまったのが残念と言えるかな。一旦は落着したと思われた
直後に意外(?)な真犯人が登場しますが、動機もわからなくはないけれど、こうなるかな
・・・っていう予測がついていたし、何となく肩透かしを食らったような感じが残りましたね。

サスペンス面はとにかく(笑)、他の要素はノーラならではの力強い筆で読ませる作品です。
まだまだ減らないノーラ未読の山。少し時間を置いた後に、今度はお友達お薦めの
「スキャンダル」を読む予定です。でもその前に二見さんの新刊チェックだなあ(^^)

少女トリーの記憶〈上〉少女トリーの記憶〈上〉
ノーラ ロバーツ Nora Roberts 岡田 葉子

扶桑社 2002-11
売り上げランキング : 331603

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


少女トリーの記憶〈下〉少女トリーの記憶〈下〉
ノーラ ロバーツ Nora Roberts 岡田 葉子

扶桑社 2002-11
売り上げランキング : 330094

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



  1. 2006/08/28(月) 17:59:51|
  2. 扶桑社|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

恋に落ちたシンデレラ

最近てんでご無沙汰のL。C・グレイスは昔にシークのお話を読んだ切りです。「シンデレラ」
なんて私のガラに合わないなあ〜と思いつつ読んでみたら、これがヒットでした。

意地悪な義母が経営するケータリングの会社で二人の義姉にこき使われながら料理人
として腕をふるい、いつかは自分のレストランを持つ事を夢見るヒロインと冷徹な投資家
であるヒーローの心の触れ合いが、「シンデレラ」を意識した背景やエピソードの
中で優しいタッチで描かれていて、実利主義の父親に育てられたヒーローが人間らしい
温かさに目覚めていく過程が中々印象的でした。タイトルから連想してしまう、ベタな
「シンデレラ・ストーリー」では無かったのが良かったです(^^)Lらしいほのぼのと
した優しさが楽しめた作品でした♪さて、次は思い切りサスペンスを読もうっと(笑)

恋に落ちたシンデレラ恋に落ちたシンデレラ
キャロル グレイス Carol Grace 庭植 奈穂子

ハーレクイン 2006-07
売り上げランキング : 187226

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/27(日) 13:12:32|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

私の知らないあなた

未だに終わっていない(一人)L・フォスター祭り(笑)ですが、もう少し時期を遅らせて
企画(っていう程のものじゃないけど)すれば、「私の知らないあなた」から順序良く
読めたのになあ〜とタイミングの悪さを悔やむ事しかりですが、とりあえずレビューします〜。

エンジェルはやむを得ず助けを必要とする状況に陥り、手酷い別れを告げられて以来
初めて、元恋人のデリクのオフィスを訪ねた。以前とはどこか違う態度で接してくる
デリクに、エンジェルは戸惑いつつも再び心を動かされるのを感じるが・・・。

「愛は止まらない」の中で「私の〜」のネタがふんだんに描かれてしまっていたので、
デリクの死を巡る事件の真相がわかってしまっているのが何とも残念でしたが、デリクが
死んでしまった事を知らないエンジェルに対してデインがデリクになりすまして接する
っていう設定がどちらかと言うと苦手な部類に入る私は、デインの葛藤があまり感じられ
なかった前半部分については大して感情が入らなかったかな〜。ただでさえ激しくネタばれ
状態だし(笑)エンジェルの窮状を知ったデインがあれこれと世話を焼きながら、
保護欲全開な態度を見せたりするのには、ローリー作品のヒーローらしさが出ていま
したが、ヒーローのデインよりも、アルコール依存症の母親を抱えて家計を切り盛り
する若きミックやシーリアとやり合うアレックの方がはるかに存在感があって、
自然とそちらに関心が向いちゃいました。でも後半部分からはデインの感情がぐっと
高まってきたし、エンジェルも素敵なヒロインとして描かれて良かったですね(^^)

お話自体はローリーらしい風味もちゃんと感じられる、中々の内容だとは思いますが、
順序良く読んでいたら、もっと楽しめたかも知れないなあ〜というのが正直なところです。

エピローグで、デインがミックに奨学金をプレゼントするシーンがお話の中で最も
印象的で、じーんと温かい気持ちになりましたね〜。頭が良くて優しい、若きミックを
読めたのが私的に一番の収穫と言えるかな。「熱く危険な夜に」の再読熱が高まりました(^^)

私の知らないあなた私の知らないあなた
ローリー・フォスター 高山 恵

ハーレクイン 2006-08
売り上げランキング : 48318

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/25(金) 16:35:03|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

「こぼれる魂」&「揺らめく羨望」

二作品まとめてのレビューですが、来月に出る新刊のネタについても触れていますので、
ネタばれがダメな方は即バックして下さい。今回あらすじは省略しちゃいます、ゴメンなさい。

「こぼれる魂」はマギーの母親がアルコール依存症から立ち直るきっかけとなった
カルト集団を巡るサスペンスですが、マインドコントロールされた若者6人が森のキャビン
に立て篭った挙句、一人を除いて集団自殺した事件を皮切りに、交渉人として現場に居た
マギーの知り合いのFBI捜査官が撃たれ、殉職した事によって、自分自身の父親の死に
対する、癒されない痛みが浮かび上がると同時にマギーは犯人逮捕を誓いますが、カルト
集団の内情や集団の集会がある場所で起こる殺人事件がテンポ良く絡んで来て、前作同様
登場キャラの複数の視点から描かれるストーリーは切れも良く、完成度の高いプロット
に惹き込まれて、最後まで存分に楽しみながら、一気読みしてしまう面白さでした^−^

マギーと母親との苦い関係の実態など前作で抱えていた重みとはまた違った、マギーの
複雑な内面が深く掘り下げられていましたが、実は父親には生前愛人が居て、子供まで
作っていたという事にマギーの母親が苦しんでいたという事実は辛かったなあ。夫の死後
アルコールや男遊びに溺れた生活をして、結果娘を傷つけてしまったマギーの母親が凄く
哀れで。マギーに対する仕打ちは酷いものだけれど、そういった裏事情があったと思うと、
一概に母親を責めるばっかりも出来ないなあ・・・とほろ苦い思いになりました。二人の
親子関係も今後描かれていくのかな〜。少しずつでも良い方に向かうといいけれど。

サスペンス的には「こぼれる〜」の方が印象的ですが、「揺らめく〜」は作品のトーンが
若干違ってきて、良い意味で軽くになった感じでした。休暇中のマギーが友人のグウェン
から、連絡が途絶えた彼女の患者の捜索を頼まれた事がきっかけで事件に繋がっていき
ますが、マギーの相棒タリーのシングルファーザーとしての頑張りやグウェンとの微妙な
関係など脇のネタも充実していたし、少しだけ顔を見せたマギーの異母弟パトリックの存在
は今後もっと密に登場するのかな〜とマギーを取り巻く人間関係も興味深いですね。

「こぼれる〜」の中でマギーが思い切ってニックに電話した所、女性が出てシャワー中
だと言われた事を機にマギーがニックに対して更に距離を置く事になりましたが、
「揺らめく〜」ではニックに恋人が出来た為に完全に疎遠状態で、その事にマギーは
傷ついたけれど、安堵感を覚えていたりと何ともまあ・・・といった感じで(苦笑)

「揺らめく〜」で登場した大学教授のアダムの存在は良かったですね〜。明らかに
マギーに惹かれていましたが、ただマギーはと言うと、あくまでもマギーらしい
テンションで意識していた程度なんですよね(笑)ロマンス要素は無くても、優しくて
誠実そうなアダムを一回だけのキャラにして欲しくは無いなあ〜と私的に思いました。

来月に出る新作にニックも登場するみたいですが、レビューによると婚約中&結婚間近
だそうで、そうなるとマギーとニックの関係は完全に終わりなのかも・・・と思ったり。
この二作を読んでいて、二人の絡みが無かったり、時間の経過などからニックのマギー
に対する想いが実体として薄れてしまった感が否めないんですよね。ニックの想いは優しい
けれど、強さに欠ける面があったのかも知れないし、ただマギーが関係を深める意志が
無い事を考えれば、この展開も自然と言えるんでしょうね。グウェンやタリーとの関係
やハーヴィーとの生活を見ていると、マギーも幾分肩の力が抜けている時があるなあ〜
って感じるけれど、それでも一人を好むマギーの本質を思うと、相手がニックだろうと
アダムだろうとロマンス面は容易では無いかも・・でもだからこそマギーが頼れる
絶対的な唯一の存在が居て欲しいなあ〜とつくづく願わずにはいられませんね(笑)

やっと読み終えた〜!来月の新刊に間に合って何よりですが、MIRAの新刊で真っ先に
読むのはエリカ・スピンドラーですね。「さよならジェーン」のスピンなので期待です^^

こぼれる魂こぼれる魂
アレックス カーヴァ Alex Kava 新井 ひろみ

ハーレクイン 2004-09
売り上げランキング : 102760

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


揺らめく羨望揺らめく羨望
アレックス カーヴァ Alex Kava 新井 ひろみ

ハーレクイン 2005-08
売り上げランキング : 242552

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/24(木) 19:50:08|
  2. MIRA|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:4

同窓生

最近コンスタントに出ているS・ブラウンの新刊。1984年の作品です^−^

ダニーは高校を卒業して以来初めての同窓会に出席する為に帰郷し、かつての恋人で
現在は実業家として成功しているローガンと再会した。二人は高校卒業と同時に駆け落ち
結婚をしたが、裕福なダニーの両親に引き裂かれてしまった過去があった。ダニーは
勤務する障害児を支援する福祉団体の代表として、ローガンの持つ土地を譲って貰う
よう交渉する役目を担っていたが、それを知ったローガンは条件を持ち出して・・・・。

同窓会で再会した途端、押しの一手で迫るヒーローの言動が熱い熱い(笑)ヒロインに
メロメロなのが見え見えで可愛くもあるんだけれど、本当の気持ちを隠しているので
ヒロインには肝心な事が全然伝わっていないという感情面のすれ違いもお約束パターン
ですが、ロマンスを読んでいるなあ〜といった感じで微笑ましかったです^−^

総合的に見て、ヒロインよりもヒーローの愛情が抜群に光る感じだったなあ。土地を餌に
ヒロインを引き止めたは良いけれど、関係を持った後にヒロインに去られてしまうのが
怖くて、何度も自ら寸止めしては悶々と耐える姿がたまらなくいじらしかったし ( ̄m ̄*)
そう言えば、キスしたり触れたりっていう甘いやり取りがやたらと多かった気がしますね。
ヒロインの部屋のバスルームに、甘い言葉付きのカードと一緒にバラとかすみ草を置いたり、
プールの水面にたくさんのキャンドルを浮かべたりとロマンティックな演出に精を出す
ヒーローのヒロインに対する想いがストーリーのそこかしこに表現されていました(笑)

障害児の為に働く真の理由などヒロインの内面が表に出された中盤過ぎからはそれまで
ロマンス一辺倒だった雰囲気に変化が出て、自然とストーリーが締まったように思えました。
ロマンスとして王道的だけれど、全体的に手堅くまとまった作品だと思います。
しっかりとロマンスを楽しみたい時やメロメロなヒーロー好きな方には特にお薦めかな(^^)

同窓生同窓生
サンドラ ブラウン Sandra Brown 霜月 桂

ハーレクイン 2006-08
売り上げランキング : 4409

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/23(水) 19:00:59|
  2. MIRA|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

刹那の囁き

来月に新作が発売になるマギー・オデール・シリーズですが、一作目の「悪魔の眼」を読んで
から、二作目以降はお決まりパターンで、未読本の山に埋もれていました。シリーズもの
を特に溜め込んでしまっているので、こちらも読破して来月の新作に備えようと思います^−^

5ヶ月前に脱獄した殺人犯スタッキーの犯行と思われる殺人事件が連発し、被害者は
マギーが店などで接触した女性ばかりだった。マギーは捜査から外されていたが、事件の
担当になったタリーの提案で二人はコンビを組む事になる。そして新たな被害者が出て・・・。

凄く良く描けているなあ〜っていうのが読後の第一声。「悪魔〜」の面白さをほとんど忘れて
いました、正直(笑)スタッキーが護送中に脱走するシーンから始まりますが、離婚の成立
待ちで、引越しをしたマギーの私生活や心情だけで無く、マギーに家を売り、後に被害者
となるテスやティーンエイジャーの娘とのコミュニケーションに悩むマギーの同僚のタリー
など、複数の視点からなるストーリーはテンポこそスピーディーだけれど、心理面の描写
は手厚く入念だし、サスペンスとしても緊迫感が途切れる事の無い、申し分の無い内容でした。

「悪魔〜」を読んだ後に、シリーズの続きに関する情報を聞きかじった事から、何となく
手が出なくなってしまって、というのも、マギーを取り巻く状況の重さにちょっと腰が
引けてしまったんですよね(笑)「刹那〜」ではニックとのロマンス面も、少しだけ
挿入されていましたが、結婚が破綻した直後で、スタッキーが野放しになっているし、
マギーの精神面もギリギリの状態という事から二人の関係が前に進まないのも十分に
理解出来るし、その歯がゆい状況がいかにもマギーらしいので、展開的にはとても納得
がいきますが、そのストイック過ぎる生き方がどうにも物哀しく映って、読んでいて
辛くもあるんですよね。ニックはマギーに対して変わらない想いを告げるし、マギーも
ニックに惹かれてはいるものの、他人と感情的に深く付き合う事を避けるマギーの性格が
二人のロマンスにおける大きな障害になっていて、しかも続く二作品でも関係に進展は
無しと聞くと、このままニックの存在は風化してしまうのでは・・・と思ったり(苦笑)

マギーが持つへヴィな背景の中での癒しや希望的要素として、例えどんなに淡くても、
ロマンスの要素は欲しいなあ〜と思いました。「刹那〜」での二人の関係は状況的に
無理の無い描かれ方だったけれど、果たして来月発売の新刊はどうなんでしょうね?
「悪魔〜」に関連した内容という事で期待が高まりますが、ロマンス面はあまり当てに
出来ないかも(笑)これもマギーのキャラ故に仕方が無いのかなと思う一方で、ニックの
マギーに対する想いの優しさが良い感じなので、やっぱり読みたいと思うのが本音です^−^

ストーリーは犯人が見えている展開で進んでいきますが、犯人の異常な心理や壮絶な
殺人の手口などの描写から迫って来る恐怖感もお見事だし、スタッキーの昔のビジネス
パートナーの存在に、巧みに目を眩まされる感があるのもネタとしてひねりがきいていて◎。
捕らわれながらも、犯人に屈しようとしないテスのガッツは感動的でしたね〜。サスペンス
に重点を置きつつも、マギーの相棒のタリーとその娘のやり取りや雑然とした中で仕事を
するタリーのキャラが、緊張が続くストーリーを和らげていて、微笑ましく思えたりもしました。

「スタッキーの犯行を阻止するためには、私自身があの男と同じ悪魔になる必要がある」
というマギーの言葉の重さとその裏にある深い苦悩が強く印象に残りました。「刹那〜」
が凄く良かったので、「こぼれる魂」も時間を空けずに続けて読みたいと思っています^−^

刹那の囁き刹那の囁き
アレックス・カーヴァ

ハーレクイン 2003-09
売り上げランキング : 44767

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/22(火) 21:50:31|
  2. MIRA|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:7

SS 2005 真夏の恋の物語

こういう季刊本って中々読まないでいますが、夏の間にせめて一冊は読もうと思い、
手にしたのが去年のSS。三作品の内二つはT系で、D・パーマーは「テキ恋」の短編です。

まずD・パーマーの「運命を紡ぐ花嫁」から。テキ恋初期のキャラ、タイラーとシェルビーの
祖父母のお話でしたが、ヒーローが珍しくバカちんでは無いのがとにかく驚きで(笑)
そうは言っても、その内何かしらやらかすだろうと疑ってかかった挙句、気が付いたら
お話が終わったいたという・・・(汗)あまりにスムーズに展開しすぎて、良いんだか悪い
んだか判別すら出来ないまま、何も印象に残らなかったという作品でした(←おバカ?)

続く「秘めやかな時間」はV・L・トンプソンらしい軽妙なセクシャルさが全開の作品でした♪
失恋直後の男性を惹き付けてしまい、結果去られてしまう恋愛を繰り返して来たヒロインと
恋人と別れて、ずっと気になっていた隣人のヒロインにアプローチを開始するヒーローの
心情面が短いお話の中でもきちんと描かれているあたりが、さすがV・L・トンプソン
だなあ〜と。からっとしたセクシーさと勢いのあるストーリーが思い切り楽しめました。

最後の「週末は終わらない」は私的に一番の当たり作。浮気者の婚約者との結婚式を
キャンセルした直後に、友人の結婚式に出席する為にシカゴへ来たヒーローと出会い、
その場限りの情事のつもりで関係を結んだはずが、ヒロインとヒーローが共にどんどん
感情的に深まっていく様が巧みに描かれていたし、いかにもT的なストーリー展開なのに
ノリそのものは軽くないし、作品全体が極々自然に流れていく感じが凄く良かったです。
カーリー・フィリップスって今まで未チェックだったけれど、これを機に他の作品を
読んでみようと思いました^−^本の内容を総括すると、中々ヒットなSSと言えるかな〜。

真夏の恋の物語―サマー・シズラー〈2005〉真夏の恋の物語―サマー・シズラー〈2005〉
ダイアナ パーマー カーリー フィリップス ヴィッキー・L. トンプソン

ハーレクイン 2005-06
売り上げランキング : 138765

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/21(月) 23:54:34|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

珊瑚の海に抱かれて

先月発売になった「残酷な遺言」は80年代の作品でしたが、こちらは1998年発表のIMです。

民間非営利組織で働くマンディは、慈善オークションで上司の甥のサッターをやむを得ず
落札し、結果二人でオーストラリアでの休暇を共にする事になった。過去に事故に遭った
事があるマンディは飛行機と水に対する恐怖症を持っていたが、事情を知らないサッター
はマンディを臆病者と思い込む。だが二人は一緒に過ごす内に惹かれ合っていき・・・・。

ヒロインが素敵だったかな〜。浮気者の夫と飛行機に乗った際に、操縦していた夫が
突然発作を起こした為に飛行機が海へ墜落し、結果流産してしまった過去のせいで、飛行機と
水に対する恐怖症を抱えるようになってしまっても、オーストラリアの大自然を前にして、
恐怖心と向き合い、打ち勝とうと頑張る姿がじっくりと描かれていて、好感が持てました。
そんなヒロインに対する見方が徐々に変わっていっていくヒーローの心情も中々だったけれど、
今まで読んだE・ローウェルのヒーローに見られる詩的な面がこのヒーローにはそれほど
感じられなかったのがちょっとだけ残念かも(笑)作品的にはまあまあってところです^−^

珊瑚の海に抱かれて珊瑚の海に抱かれて
エリザベス・ローウェル 萩原 ちさと

ハーレクイン 2006-08
売り上げランキング : 3828

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/21(月) 21:33:57|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

危険なパラダイス

このBの他にはHQサスペンス・ロマンスから何冊か邦訳されているR・ヨーク。来月に
ランダムハウスから出る新刊はパラノーマル系だそうですね〜。二見さんの新刊の発売
とほとんど重なるし、新刊買いしてもすぐには読まないで様子を見そうな感じ(笑)

民間の会社で警備部門の責任者を務めるマディは、犯罪王に誘拐された雇い主の娘を
救出する為に何度か一緒に仕事をした事があるジャックに協力を依頼したが、恋人同士
として犯罪王の所有する島へ潜入する事になり、ジャックはマディにベッドを共にする
ように言い渡した。以前からジャックに惹かれていたマディはその条件を受け入れるが・・・。

まずストーリーが始まってすぐに「服を脱げ」状態であっという間にヒロインとヒーロー
がベッドインしてしまった事が何だかなあ〜といった感じで(笑)救出作戦で本当の
恋人同士として見せる為とか、以前からお互い惹かれ合っていたなどと説明をされても、
この展開にまず一気に引いてしまったなあ〜^−^;お約束かも知れないけれど、寸止め
した方が絶対に良かったと思う。そのせいか、その後のベッドシーンも全然盛り上がら
ないんですよね。まあこの時点でこの作品の雲行きの怪しさが十分に感じられましたが(笑)

その後犯罪王の島へ潜入してからの二人(特にヒーロー)のプロとしての動きの悪さ
にもイライラするし、でもしっかりとベッドインはアリなのは、まあBだから仕方が無いかあ
と思いつつも、ヒーローがヒロインに肝心な事を言い忘れた結果、ヒロインが薬を飲ま
されて・・っていう頃にはただ呆れるばかり。ドジでも、性格がチャーミングだったり
とキャラ的に何かしら魅力があればまだ良かったけれど、そういった部分もさっぱり
だったし、プロットが全然なっていないせいか、ストーリーもキャラも中途半端。
始終ダラダラと弛んだ展開で描かれた、何ともシンドイ作品でした(><)

やっぱり良い作品を読んで、楽しいレビューを書きたいなあ〜とつくづく思いました(笑)
20日の新刊ラッシュの中から、まずは期待のエリザベス・ローウェルを読みます^−^

危険なパラダイス危険なパラダイス
レベッカ ヨーク Rebecca York 水月 遙

ハーレクイン 2005-04
売り上げランキング : 674394

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



  1. 2006/08/20(日) 19:40:42|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

黒髪のセイレーン

今更ですがやっとこさありついた感じ(笑)不思議な重さが残る作品でした^−^

英国陸軍大尉のコールは、叔父から親戚にあたるマーサー侯爵夫人のジョネットの
息子たちの家庭教師として屋敷に潜入するように頼まれた。叔父の兄でもあるジョネット
の夫は先ごろ不審な死を遂げ、社交界ではジョネットに殺害されたという噂が流れていた為、
ジョネットの行動を監視する事が目的だった。頼みを承諾したコールは家庭教師として
雇われるが、気性の激しいジョネットと反発し合いながらも惹かれていき・・・・。

充実した内容であると同時に独特の趣がある作品でしたが、中でも圧倒的なのがキャラの
感情面における雄弁かつ細やかな描写で、特に冷静沈着なヒーローの内面で絶えずうねる
感情の波には惹き付けられるような純然としたリアルさが感じられて、読後は(良い意味で)
ずっしりとした満足度に満たされています。ヒロインの激しくも真っ正直な態度はいかにも
らしくて良かったし、パンチの強いホットなラブシーンも魅力たっぷり^−^騒々しい
子供たちの会話もとても微笑ましかったです^−^私的には物語性よりも存在感たっぷり
なヒロイン、ヒーローそれぞれのキャラクター性とあらゆる色彩を凝縮したように映る
感情面のやり取りがより印象に残っています。パワフルなスパイスと決して重すぎない
重厚な質感を感じさせる作品でした。気力体力の充実時に読むのがベストかな^−^

HTなどの新刊が何冊か待機中。とりあえず気分転換に次はTかBでも読もうかな(笑)

黒髪のセイレーン黒髪のセイレーン
リズ カーライル Liz Carlyle 新谷 寿美香

ソニーマガジンズ 2003-10
売り上げランキング : 283236

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/18(金) 20:57:31|
  2. villagebooks|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

ねらわれた女

何かとーっても渋いタイトルですよね(笑)Tから刊行された作品の再販です♪^−^

人気ロマンス小説作家のサーシャは十代で結婚し、離婚後は小さな島でひっそりと暮らし
ながら執筆に励んでいた。ある雨の日、友人宅を訪問した帰り道でバイクに乗っていた
サーシャは事故を起こし、衝突した相手はNYの売れっ子デザイナーのダグだった。サーシャ
に惹かれたダグは早速接近するが、悲惨な結婚の経験からサーシャは中々素直になれず・・。

シンプルだけれど、丁寧にしっかりと描かれているストーリーはあっという間に読めて
しまう面白さでしたが、とにかくヒーローの魅力に尽きる作品でしたね〜。

警戒心が強くて簡単に心を開かないヒロインに接するヒーローの態度は常に優しくて誠実
だし、ヒロインの身の回りで連続する不審な事が、ヒロインの小説の中に出てくるネタと
重なっている事実に関しても、ヒーローがヒロインの著作を読んでいるので、話が早いの
がとっても気持ち良かったです。ヒロインにメロメロだけれど、決してガツガツはせずに、
相手の気持ちを汲み取り、尊重して行動するヒーローの高潔さが清々しくて◎でした。

ミステリー面はすぐに展開が読めちゃうけれど、ヒーローの魅力が光るロマンス面が特に
お薦めの内容です。近年のTとは一風変わった風味のストーリーが中々のヒットでした♪

ねらわれた女ねらわれた女
バーバラ デリンスキー Barbara Delinsky 矢島 未知子

ハーレクイン 2006-02
売り上げランキング : 228277

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/17(木) 00:06:15|
  2. MIRA|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

哀しみの絆

未読本の中で一番多いのがMIRAなんですよね〜。というわけで、D・マコール作品をさくっと。

幼い頃に誘拐され、両親を殺害された過去を持つ資産家令嬢のオリヴィアは、以来祖父に
育てられ、何の不自由も無く暮らしていた。そんなある日見つかった白骨死体にオリヴィア
の家系の身体的特徴が見られ、殺害の時期がオリヴィアの誘拐事件当時と重なる事から
警察への協力を求められた。そしてやって来た担当の刑事は、昔の恋人のトレイだった・・・・。

発見された白骨遺体の左手に二本の親指があった事から、過去の誘拐事件に再び焦点が
集まり、結果ヒロインの人生が大きく変わっていくというストーリーが、ヒロインを
始めヒーロー、ヒロイン祖父、家政婦、ヒロインの元子守、元服役囚など登場人物の
様々な視点から描かれていきますが、視点が細やかに切り替わるこのスタイルが、若干
忙しすぎるかな〜といった印象は否めずで、特に妄執に取りつかれた爆弾犯がヒロインを
狙う展開は強引とまではいかないけれど、何となく無理が感じられちゃったなあ〜(><)

家柄の違いが原因で祖父に反対された事から別れてしまった二人の再会物のロマンス
はヒーローの愛情深さと献身がしっかりと見られてヨシでしたが、ヒロインそのものは
過去の事件のせいで祖父の言いなりになって生きてきたタイプのせいか、優しいんだ
けれど、その分甘いというか(笑)過酷な状況の中でも強さと勇気をもって立ち向かう、
いつものD・マコール(S・サラ)のヒロインに通じる精神が見られなかったのが残念。
勿論悪くは無いんだけれど、こちらの期待が勝手に高い分、採点もうるさくなって
しまうんですよね(笑)でも優しい性格のヒロインに合った言動ではあったと思いますが。

孫を可愛がる余り、人生に干渉してきた事を反省したヒロイン祖父がヒーローに過去の
二人の別れの事を謝罪したり、白骨死体として発見された幼児の事を思って、事件解決を
誓うヒーローの揺ぎ無い正義感など、いかにもD・マコールらしい要素がキャラの言動に
明確に表現されていて、そのあたりはいつもながらとても気持ち良く読めましたね^−^

サスペンス面はヒロイン祖父のいとこ夫妻などが登場し、発見された白骨死体と過去の
誘拐事件が一気に結びついて片付きますが、救いはDNA鑑定によって判明したヒロインの
出生の真相かな〜。犯人は特に意外というわけでは無いけれど、白骨化した幼児の
死因やヒロインと犯人の関係を思うと、それなりの苦さが残る終わり方でした。

全体的に難なく読めてしまいますが、D・マコールならではの魔法は感じられず・・・
でした。登場人物が多いなりにちゃんとまとめられているし、サスペンスのネタとしても
中々だけれど、大抵のD・マコール、S・サラの両名義作品においては、何かしら感情面に
響く要素が読後に残る事を思うと、この作品はそういった部分も私的に欠けていたし、
作品的にはまずまずってところでしょうか。でも大きくは外さないですよ〜^−^

さくっとなんて言いながら、こんなに長く書いちゃったよ・・・(汗)

哀しみの絆哀しみの絆
ダイナ・マコール

ハーレクイン 2006-07
売り上げランキング : 9949

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/15(火) 23:11:43|
  2. MIRA|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

「ぬくもりの余韻」&「微笑みの予感」

ねずみ捕りヒーローに萌えていたせいで(笑)後回しになってしまったC・コールター作品。
9月にはHTからも刊行されますが、タイトルを見た限りではヒストリカルみたいですね〜。

研修医の友人と共に病院関係者のピクニックに参加したジョージィは、放射線科医長
のエリオットと知り合った。惹かれ合った二人はデートを重ね、やがて関係が深まるが、
15歳という年齢差を気にし続けていたエリオットはジョージィに別れを告げて・・・。

とっても面白かったです^−^美人で性格が良くて快活なヒロインのジョージィが魅力
たっぷりで際立っていたし、サビッチとかにも言える事なんだけれど、下手したら出来すぎ
に映ってしまいそうになるくらい良く出来たキャラを、嫌味無く軽やかなユーモラスを
交えながら描き切れるC・コールターのキャラ描写の上手さを改めて感じましたね〜。
エリオットも良かったけれど(何せ料理上手だし)ジョージィの魅力に尽きるかな。
愛車の「エスメラルダ」と名づけていたり(サビッチの「マックス」を思い出した私・笑)、
っていうエピソードもツボですが、その場が明るくなるような雰囲気があるんですよね。
なので、エリオットが去った後のジョージィの姿には私もウルウルきちゃいました^^;
ストーリーそのものは王道的ですが、二人のロマンスが深まっていく過程を中心に終盤
近くの別れとその後のハッピーエンドまで、スマートな会話センスとテンポの良い
ストーリー運びで楽しめる甘いロマンスです。しなやかな感じが好き^−^


ロマンス小説作家のチェルシーは友人のジョージィの家で外科医のジョナサンと知り合った。
東部出身のジョナサンは外見こそ魅力的だが堅物で、生業としているロマンス小説をバカ
にされた事に反発を覚えたチェルシーは持ち前の舌鋒でジョナサンとやり合うが・・・。

ジョージィの友人でロマンス小説作家のチェルシーとエリオットの同僚のジョナサンの
のお話、「微笑みの予感」ですが、「ぬくもり〜」とはまた違った色合いの作品でこちら
も楽しく読めました^−^口の達者なチェルシーと真面目なジョナサンが、何だかんだと
言いつつも惹かれ合っていく様子が小気味良く描かれていたし、後半はジョナサンの元妻
と子供達や一風変わったチェルシーの両親、ポーカー仲間の友人達などの個性的なキャラ
の登場で、一気に賑やかさが増しますが、ほんわかとしたテイストが効いたホームドラマ
を見ているようで面白さが途切れませんでした。二人のロマンスもラストには結婚を渋る
チェルシーに対してジョナサンが強硬な手段に出るというオチ付きの優しいハッピーエンド
が良い感じで^−^あと作中で描かれたロマンス小説に関する男性の意見など、実際も
そういった見方がされる場合が少なからずあるなあ〜と妙に頷いてしまいました(笑)

どちらの作品もロマンス小説ならではの魅力が詰まった素敵な作品です。シンプルな
お話を存分に楽しみたい時に、二冊揃えて読まれる事をお薦めしたいですね^−^

ぬくもりの余韻ぬくもりの余韻
キャサリン コールター Catherine Coulter 河内 和子

ハーレクイン 2006-04
売り上げランキング : 75149

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


微笑みの予感微笑みの予感
キャサリン コールター Catherine Coulter 佐野 晶

ハーレクイン 2006-05
売り上げランキング : 97981

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



  1. 2006/08/14(月) 21:50:35|
  2. MIRA|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

舞踏会のレッスンへ

楽しみにしていた初J・アイボリー作品。期待通りの面白さで一気読みでした♪

元侯爵令嬢のエドウィーナは、父親の死後言語学者として生計を立てていたが、ある日
仕立て屋に寄った帰りにねずみ捕りを生業とするミックと出会い、田舎の訛り丸出しの
彼の言葉遣いに興味を覚えた。そんな時双子の紳士が現れ、六週間の間に、上流社会で
通用する為の教養や話し方、マナーをミックに教え込み、紳士に仕立て上げれられるか、
という話を持ちかられる。承諾した二人はエドウィーナの家でレッスンを開始するが・・・。

今まで読んだリージェンシー作品の中で確実にBEST3に入る面白さです!ひねりが効いて、
機知に富んだストーリーが伸びやかな切り口で展開していきますが、生き生きと輝く
キャラの魅力は勿論の事、感情表現に至っては細やかであると同時に巧みさも感じさせるし、
交わされる会話の面白さ他、印象に残るエピソードが尽きない秀作でした^−^

ヒロインのウィニーとヒーローのミックの「出会い」のシーンですが、まずガツンと一発
貰って(笑)その後の「髭と足」のやり取りや二人の間に張り詰める性的高ぶりを思うと、
作者のセンスの冴えに益々感心が深まりました^−^ウィニーがミックに足を見せる
シーンも、ウィニーとミックのそれぞれの胸の内を巧みに絡めながら、その場に漂う緊張
や高揚が絶妙に描き出されていて、実際の行為よりずっとセクシャルに響いて来るあたり
がとにかく上手かったなあ。お互いが相手への要求を通そうとして、しっかりと会話が
入るのに、官能的な雰囲気が流されてしまわないんですよね。深く感じ入ったシーンでした。

父親を亡くして、その従弟に財産を奪われて以来言語学者として自活してきたウィニーは、
お堅くて真面目なタイプのヒロインですが、両親に関心を持たれずに育ち、背が高くて
そばかすの多い自分の外見に自信が無いウィニーが、ミックと知り合った事によって、
徐々に感情的に自由になっていく姿がとても気持ち良く描かれていましたが、下町の
パブのテーブルの上で踊るシーンは、ウィニーが感じている解放感がダンスの躍動感と
共に伝わって来て、まさに爽快そのもの。その後ミックのベッドにやって来たときの
「ムスコ」ネタにも大笑いだし(笑)ミックのチャーミングさに目がいきがちでしたが、
ダンスシーン以降のウィニーは一皮剥けた魅力が輝いて、とっても素敵でした♪

そしてミックですが、風呂嫌いで(笑)口髭アリ(私は口髭ヒーローに萌えない・爆)
なのに、即惚れちゃいましたね〜(*^^*) 頭が良くて、勘は鋭いし、勿論マッチョだし。
でも一番ツボなのは、茶目っ気があって、自分の感情に素直なところですね〜。私には
何故か「デーリン」がツボだったのですが(笑)ウィニーの足を見て顔を赤らめたり、
ウィニーにネズミ捕りを見せて、何とか関心を引こうとしたりと挙げ出したらキリが無い
けれど^−^;とにかくウィニーが好きで好きで仕方が無いミックが、私には可愛くて
仕方が無かったです(笑)自分とウィニーの社会的落差を気にしたり、紳士として教養
を身に着けていく内に、葛藤しながらも、新しい自分を発見すると同時に生まれた安堵
や将来への可能性に対する喜びなど、ミックの感情の率直な動きがストーリーの流れと
共に丁寧に表現されていましたが、ミックというキャラの奥深い面まで見えて良かったし、
二人が惹かれ合って、相手を理解する事によって生まれた変化の軽妙な描かれ方も◎。
本質的には変わらないんだけれど、でも二人のキャラが磨かれながら、一層に明るく
輝いていく過程がとても清々しく映し出されていたし、ミックのフレディに対する愛情も
ほんわかと優しくて、とっても素敵なエピソードでしたね〜^−^激ツボです。

ミックの変身話を持ちかけた双子の紳士から貰ったお金が偽札である事に気がついた
ミックが警戒しつつ、約束の期限日に開かれる舞踏会の直前に、双子の紳士の企みが
露呈しますが、その後実はミックがウィニーと親戚関係にある、幼児の時に誘拐された
侯爵の孫である事が判明するという御伽話的なオチもご都合主義では無い、ごく自然な
流れだと思えたし、何よりも良かったのが、侯爵の孫である事がわかる前に、ミックが
ウィニーにプロポーズして、それをウィニーが受け入れた事だなあ。自分の社会的立場
を気にしつつも、ウィニーに結婚を申し込んだミックの内にある意志と愛情の揺ぎ無さに
感動しました^−^付いていこうっていう気持ちにさせるものが、ミックの中にはある
んですよね〜。承諾されて大喜びするミックを見て、私も一緒に大喜びな気分でした(爆)

活気溢れるキャラの魅力と朗らかなユーモアに素晴らしく色づけされた、しっかりと
パンチのある、秀逸な作品です。力強くて温かいんですよね。是非読んで頂きたいなあ〜。
↑でBEST3って書いたけれど、実際はBEST1かな〜って思っています(笑)楽しくて
面白くて、二人の前戯にドキドキした後に、しっかりと優しい感動も貰って。感情的に
思い切り移入して堪能した最高のストーリーでした。凄く満たされた幸せな読後です♪

舞踏会のレッスンへ舞踏会のレッスンへ
ジュディス アイボリー Judith Ivory 落合 佳子

原書房 2006-08
売り上げランキング : 1009

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/13(日) 12:42:08|
  2. ジュディス・アイボリー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:4

真夜中の瞳

とりあえず文庫だけ出版社別にカテゴリー分けしました。90冊以上レビューがあったのに、
出版社別に分けちゃうとそんなに多くもないなあ〜といった感じで。作家別に分けるのが
最も親切だとわかってはいるのですが、それはよっぽど惚れこんだ場合のみという
事で(笑)不親切なBlogですが、見捨てずにお付き合い頂ければ幸いですm(_ _)m

さて本題に。前二作がどうにも微妙だったA・ケントのSG−5シリーズ。読んでは辛口の
レビューを繰り返していますが(笑)、どうやらこの続きもすぐに出るみたいですね^^;

社交界での洗練された生活を題材にしたコラムニストのカトリナは、BFのディーコンが
逮捕されたのを機に、社会的地位が危うくなってしまった。そんなある日カトリナは
自宅のプールで襲われ、危うい所をジュリアンという諜報員に助けられるが・・・・。

まず最後まで読んだ感想として、はっきりと面白いとは言えないんだけれど(笑)、でも
前二作に比べると、幾分締まったペースでストーリーが展開していくように思えたし、
ページをめくる気持ちが萎えちゃうような、あの微妙なテンションがこの作品では
それ程感じられなかったので、そういった面では随分と読みやすかったのですが・・・。
↓からはネガティヴな意見が多くなりますので、この作品をお好きな方は即
バックするかスルーして下さい。なお、一個人の意見に過ぎない事をご理解下さいませ。

セレブなヒロインが初めは鼻につくかと思いきや(笑)、ピンチの際にもしっかりと
動けるタフなタイプだったのが意外だったし、しかも今までのヒロインと比べて存在感が
ありましたね〜。ヒーローに対する率直な態度にも中々好感が持てました^−^

ただヒーローがなあ〜。お約束とも言えるヘタレ振りで。まあそれを期待していた事は
否定出来ませんが(笑)「目立ちたくない」とか言いながら、ベンツのスポーツカーで
ヒロインの所へ行くっていう判断に突っ込みを入れたいのは私だけでしょうか?(笑)
NYにオフィスがあって、表の顔はエンジニアっていう設定のせいか、高級車に乗って、
ブランドのサングラスにスーツを着てっていうと、J・ボンドのようなイメージの諜報員が
出来上がりますが、何せ肝心の仕事面がへタレなせいか、スパイとしての実体に欠けて、
結局格好ばっかりなんじゃないかっていう見解がちっとも薄れないんですよね、SG−5は(笑)

勿論人間だし、ドジを踏む事があって当然だけれど、それにしても働きがイマイチ。
今回は付き合っていたBFのせいで殺し屋に狙われたヒロインを初めこそピンチから救って
連れ出しますが、その後は相変わらずだったなあ。ただ前二作とは違って(笑)事件は
解決します。でもそれもヒロインと急遽現われた助っ人(?)の活躍があってこその結果
だし^−^;短編とは言え、諜報員ものとしては事件面のぬるさが気になるし、緊迫感も全く
感じられない。ヒーローが諜報員であるべき理由が見えないんですよね〜。こちらが
期待してしまう「諜報員」とは明らかに違うので、やっぱりそのあたりの不明瞭な部分
が今回も晴れないまま終わってしまいました。良い面よりもすっきりしない面の方が
私の中で強く残ってしまうのは、作品の出来云々よりも好みの問題だろうなあ〜と思いますが。

読んだ本に関しては良い部分を取り上げて書こうと常々思っていますが、「諜報員」
っていう部分にどうしても着眼してしまうので、こういった感想は避けられず、いろいろ
と書き連ねてしまいました。それでも前二作よりは作品的に締まっているというか(笑)、
読みやすいペースで描かれているし、ホットなシーンも堪能出来ます。(散々書いておいて
説得力に欠けますが・汗)次回はもっと良いレビューを書ける事を祈るばかりです^−^;

真夜中の瞳真夜中の瞳
アリソン・ケント 上中 京

ランダムハウス講談社 2006-08-02
売り上げランキング : 14091

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/11(金) 19:04:06|
  2. ランダムハウス講談社|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

捧げられた花嫁

H・グレアムのLS。1987年に書かれた作品です。今回あらすじは省略しちゃいます^−^;

いやいや・・・。どうにも入っていけないお話でした(苦笑)ゴシックってわけでも
無いし、サスペンスって言えるわけでも無いような。ハネムーン最中に夫を失った
ヒロインが息子を連れてアイルランドにやって来て、ヒーローと再会してからの流れ
も、感情的な部分や背景等がそれなりに描かれてはいますが、カップルとしての引力
に欠ける感があるせいか、ロマンスそのものがピンとこないんですよね〜。事件面も
一風変わったネタと言えるかも知れないけれど、私的に良い面や興味深い点を全く
見つけられないまま読了した次第です。お話のペースがスロー過ぎたのもいけないかな〜。

先日読んだ文庫に連続して不発のH・グレアム作品ですが、今まで読んだLS作品は割と良い
作品が多かったんですよね〜。いつか発売される新刊が当たる事に期待しています(笑)

*追記

9月の二見書房さんの新刊がH・グレアム作品ですね。ロマンティック・サスペンスは一冊
のみ刊行の模様。9月はMIRAから5冊でるし、待望&大本命のTSが発売になるというだけで
私的に大騒ぎ状態なので(笑)ちょうど良いなあ。文庫も増える一方で一体どうすんだ(汗)

捧げられた花嫁捧げられた花嫁
ヘザー グレアム Heather Graham Pozzessere 柿原 日出子

ハーレクイン 2006-06
売り上げランキング : 65335

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/10(木) 16:45:19|
  2. LS&LS読破強化中|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

10000HITS!

今年初めに設置したサイトのカウンターが10000打超えとなりました。
いつもありがとうございます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します♪

新刊が凄まじく発売されていますが・・・。ライムブックスだけで無くMIRAまでしっかりと
店頭に並んでいました。まさに「買え〜( ^ー^)ハ」と言わんばかり(笑)溜め込んだ
シリーズに着手し始めているにも関わらず、ついつい買っちゃうんですよね〜。
習慣って怖い(汗)後にすればイイのに・・・っていつも思うんですけれどねヽ(ー_ー )ノ

またボチボチと読みつつ、レビューしていきたいと思っています。

  1. 2006/08/09(水) 17:39:31|
  2. お知らせ&ご挨拶|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

シークの口づけ

先日読んだLS「狙われたシーク」と似たような背景だけれど、面白さではこちらに軍配。

特殊防衛部隊に所属するダラは乗っていた飛行機が墜落し、砂漠に一人取り残された。
意識を失った彼女は部族の宝を盗み出した盗賊を探すシークのサイードに助けられ、
そのまま彼のキャンプに連れて行かれたが、何度か命を狙われているサイードはダラの
素性を明らかに疑っていた。一方のダラは自己保身の為に記憶喪失を装うが・・・。

砂漠で意識を失っていたヒロインを助けたシークのヒーローが途端に襲われた所を
逆にヒロインに救われるっていう素早い展開に一気に引っ張られましたが、ヒロインが
記憶喪失を装い出したあたりから、たちまちテンションが下降気味になったと思ったら、
軍の上司の指示でヒーローの身辺警護の任務に就く事になったヒロインが自分の素性と
任務をヒーローに話した事によって再び上昇(笑)速い流れのストーリーに合わせた
ように、男前なヒロインのフットワークの良さがとっても清々しくて、光っていました。
財宝が隠された洞窟でのラブシーンもうっとりとするような背景で描かれていて、舞台は
ベタ気味ですが、中身はそれほどこってりとしていないけれどセクシーなのが好印象で、
雰囲気作りにも上手さが見られたし、感情面においてちゃんと読めたのにも満足ですね〜。

事件の核となるヒーローの国の情勢などの背景にもしっかりと描写が及んでいたし、
ヒロインが追っていた武器商人の件が最後に手堅くまとめられていたのも○。
テンポが軽快だし、アクションとロマンスのバランスが良くて一気に読めちゃいました。
特にヒロインの活躍が良かったなあ。逞しいヒロインがあっぱれでした♪

シークの口づけシークの口づけ
デイナ マートン Dana Marton 佐藤 たかみ

ハーレクイン 2006-07
売り上げランキング : 50496

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



  1. 2006/08/08(火) 21:33:32|
  2. LS&LS読破強化中|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

蒼い闇に抱かれて

一緒に買った某諜報員シリーズものは後回しで(笑)まずはお初作家のこちらから^−^

14ヶ月前、娼婦を狙った連続殺人犯のイールズに相棒を殺害され、自らも瀕死の重傷
を負った刑事のケイは、焼死体で発見された、裁判で証言をする事になっていた目撃者の
事件の捜査を、元恋人のフィンと共に担当する事になった。イールズの模倣犯の犯行と
見て地道な捜査を続ける二人はやがて行き詰るが、そんな中新たな殺人が起こり・・・・。

初作家という事で期待半分、様子見半分でスタート。14ヶ月前の事件当時の夢を見ていた
ヒロインが、事件発生の連絡を受ける入り口は要領を得た簡潔さと臨場感があって、ストーリー
に惹き込むペース作りが上手いなあといった感じで、実際のページ数は550Pくらいですが、
気持ち的にはもっと読んだ気がするくらい、内容的に厚みのある骨太なサスペンスでした。

自らも重傷を負った事件を機に人を寄せ付けなくなってしまったヒロインと過去に子供を
亡くしてアルコール依存症になったヒーローが共に捜査を開始し、二人が事件を追う
地道な過程が、刑務所内にいる、ヒロインに重傷を負わせた殺人犯を筆頭にその婚約者
や殺人犯を支援するサイトを運営する殺人マニアなど、どこか不審な登場人物を上手く
絡めながら丁寧に進んでいきますが、サスペンスに集中した視点で描かれつつ、
過去に恋人同士だったヒロインとヒーローの率直な性格故の不器用なロマンスや心情
がさらっと織り込まれていました。行動を共にする内に自然と歩み寄ってやり直す関係は、
どちらかと言うと男女のロマンスというより、生身の人間同士のやり取りっていう印象かな・・・。
熱くは無いけれど、とても味わい深くしっとりとした様で描かれていて、良い感じでした。

刑務所にいる犯人の背後に共犯者の存在が浮かび上がったり、ヒロインが重傷を負った
事件の真相などが事実が丁寧に一つ一つ描かれる一方で、犯人が目の前にいるのに
逃げられたり、ヒロインが殺人マニアに意見を訊ねて、それが的中した結果犯人が判明
したりと捜査に関しては「もっと早く気がついても・・」っていう突っ込みポイントが
幾つか目に付きました。あと十字架を包んでいた紙から文字が読み取れちゃったって
いうのは犯人の計算ミスだったのかな〜と勝手に理解していますが。でも現場に薬品を
スプレーする鑑識のシーンに凄くゾクっときたり、視点を切り替える事によってキャラの
心情が巧みに映し出されていたり、証拠はあるのに肝心の犯人がわからない状況の焦りや
もどかしさなども上手く描かれていましたね〜。真犯人を知っている殺人犯が決して
口を割らなかった理由など、最後に全て辻褄が合った時には見事にすっきりしました。

ヒロインが犯人に捕まったラストの意外なオチも私的に上手いなあ〜と感じましたが、
捜査が行き詰った状況で犯人が野放しになっていたから、展開上そうなるのは仕方が
無いとは思いつつも、ちょっと人が殺されすぎかな・・・といった感想も残りました。
それでも全体的に読み応えのあるサスペンスが堪能出来る作品です。熱いロマンスを
求めちゃうと外すと思いますが、私は十分に楽しめました。それなりに揺さぶられたり
もするし(私だけかも・笑)最初から最後までじっくりと丹念に描かれているせいか、
読後は満腹度が高いし、読ませる力量をとても感じさせる作品でした^−^

そしてお約束とも言えるスピンですが(笑)「Blue Valor」が今年の初めに発表されて
います。いつかは邦訳されるのかな〜。あれもこれもシリーズだらけですね^−^;

蒼い闇に抱かれて蒼い闇に抱かれて
イローナ ハウス Illona Haus 見次 郁子

文藝春秋 2006-08
売り上げランキング : 64485

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/07(月) 23:56:21|
  2. 文庫その他|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:4

ひそやかな愉しみ

読書のピッチが上がらない(><)暑いせいかな〜。私の生息地は異常に暑いです(汗)

そんなわけでドナ・コーフマンのBを一つ。ヒロインが自分探しの旅に出かけた途中に
通りかかった町の保安官のヒーローとひと時のロマンスのつもりで関係を始めますが、
自分の良い様に仕切りたがるヒロインの性格を見抜いたヒーローがそうはさせまいと
上手く立ち回っては先へと手を打つ(策略とかは無しに)二人のやり取りがホットなシーン
にプラスして感情面においても細やかに描かれたとても内容のある、軽妙な作品でした。

最近ドナ・コーフマン好きだなあ〜って思います。全てが当たるわけでは無いけれど、
何となくツボにはまって良い感じ。未読本をこれからも読んでいこう〜っと♪

文春から出たI・ハウスの「蒼い闇に抱かれて」を読んでいます。明日にはレビュー
出来るかな〜と思っています。これを機にちょっとペースが上がると良いけれど^−^

ひそやかな愉しみひそやかな愉しみ
ドナ コーフマン Donna Kauffman 佐々木 真澄

ハーレクイン 2004-10
売り上げランキング : 492029

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



  1. 2006/08/06(日) 21:33:19|
  2. HQ&SIL系他読書雑記|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

十字の刻印を持つふたり

パラノーマルものなので中々手が出ずにいた作品。シリーズものをとことん溜め込んで
しまう習性を何とかしようと(笑)思い切って読んでみましたが、サクサクいけちゃいました。

死者の蘇生師として活躍する一方で凄腕のヴァンパイア・ハンターとして恐れられている
アニタは、連続しているヴァンパイア殺人の捜査を依頼され一度は断るが、親友の独身
お別れパーティーに出かけた際にヴァンパイアに捕らわれてしまった。アニタ自身も
襲われ、結果親友の安全と引き換えにやむを得ず捜査を引き受ける事になるが・・・。

ヒロインの一人称スタイルで描かれたストーリーはタイトなペースで進んでいきますが、
窮屈な感じは全くしないし、ページを追う手が止まらないくらいとても滑らかです。
人間だけで無くヴァンパイアやゾンビが共存する異世界なのに、日常の些細な事は
ノーマルに描かれていたりのアンバランスさが自然なのも興味深い一面でした。結構
グロテスクな描写が入ったりして、そのあたりが凄くリアルに想像力を刺激してゾクっと
来たりしましたが、この作品の特筆ポイントは、やっぱりヒロインのアニタの存在ですね〜。

男顔負けで活躍する一方で、アニタが恐怖をありのままに認め、受け入れる率直さと
それでも負けじと悪に立ち向かう勇敢さがとても魅力的で好感を抱きました。へんに
片意地を張ったりもしないし、常に相手や周囲に気にかける優しさも良かったです。
アニタとフィリップのやり取りは思いがけずホロっと来ました(><)お話の中で最も
印象に残ったシーンだし、同時にアニタのキャラがよくわかるエピソードでもありました。

ヒーローのジャン=クロードは今回はそれほど登場しませんでしたが、美男子でも
青白いヴァンパイアという事から、「Tall,Dark and Dangerous」好きな私の萌えを
刺激するヒーローではありませんが(笑)物柔らかなデカダンと耽美の香りを漂わせる
存在感のあるキャラなので、今後のアニタとの関係の進展に注目ですね^−^

全体的にサクサクとしているんだけれど、事件性とキャラの感情面のどちらもちゃんと
行き渡って描かれている、とても読み応えのある面白い作品です。パラノーマルが苦手
な人でも難なく読めちゃうんじゃないかな〜と思います。続きに期待ですね♪

十字の刻印を持つふたり―アニタ・ブレイク・シリーズ〈1〉十字の刻印を持つふたり―アニタ・ブレイク・シリーズ〈1〉
ローレル・K. ハミルトン Laurell K. Hamilton 小田 麻紀

ソニーマガジンズ 2006-04
売り上げランキング : 52245

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/05(土) 22:10:45|
  2. アニタ・ブレイク・シリーズ|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

炎と花

かなり前に読んだのですが、なぜかレビューしないままだったんですよね(笑)

意地悪な伯母の元から逃れる為に伯母の弟と一緒にロンドンへ出たへザーが危うく暴行
されそうになった結果、伯母弟をナイフで刺して逃亡し、街をうろついていた所を娼婦と
勘違いされて、商船の船長ブランドンの所へ連れていかれて・・・・といった感じで、
ストーリーがよどみなく進んでいきますが、厚く敷かれたドラマティックな背景に、
ヒロインの精神的成長やヒーローがヒロインを愛するようになっていく過程などキャラの
感情面が丹念に盛り込まれたロマンス面はとても充実していたし、子供が生まれて
ようやく幸せなカップルになった二人を描く一方で事件性が徐々に露呈し始める
終盤の緊迫感もがっちりと描き抜かれている、読み応えたっぷりな内容でした。

読み手をぐいぐいとストーリーに惹き込む力強さに満ちているんですよね〜。
上手さとかよりも、ストーリー全体にみなぎる率直な力強さを特筆したい感じです。
ちょっと他では見られないウッディウィスならではの魅力じゃないかな〜。

「炎と花」は新訳で読みましたが、私的に新訳の方が読みやすいと感じました。
「冬のバラ」や「シャナ」は旧訳で読んで、どちらも確かに面白かったのですが、
「シャナ」はヒロインの言葉の乱暴さが気になり始めちゃったのがマイナスかな〜。
美しくて我がままなヒロインっていう設定でしたが、ヒーローが良く出来た魅力的な
タイプだった分、余計にヒロインのキャラが鼻についちゃった感じ。口が悪かったり、
気が強かったりっていうヒロインが決して苦手では無い私にしては珍しいのですが(笑)
もし今後新訳で読む機会があれば、あの言葉を上手く訳して貰えれば良いなあと思います。
でも一番読みたいのは断然「狼と鳩」ですね。これだけは手元に無いので^−^

炎と花〈上〉炎と花〈上〉
キャスリーン・E. ウッディウィス Kathleen E. Woodiwiss 野口 百合子

ソニーマガジンズ 2005-09
売り上げランキング : 17617

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


炎と花〈下〉炎と花〈下〉
キャスリーン・E. ウッディウィス Kathleen E. Woodiwiss 野口 百合子

ソニーマガジンズ 2005-09
売り上げランキング : 17372

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/03(木) 18:40:52|
  2. villagebooks|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:5

キスは極上

読んでしまうのが勿体無いような気分で手に取った「キスは極上」。「プレイボーイ〜」
でメチャメチャ光っていたデイヴィのお話。ソフィーとフィンもちょこっと再登場です^−^

壁絵画家のティルダは、姪が勝手に売ってしまった過去に描いた偽絵を回収する為に
忍び込んだ屋敷で元詐欺師のデイヴィと鉢合わせ、結局持ち帰った絵は目当てのもの
では無く、一方のデイヴィは昔の恋人のクレアに盗まれたお金を取り返そうとクレアの
動向を探っていた。程なくしてティルダが住むビルの下宿人としてデイヴィが再び姿を
現し、二人はティルダの描いた6枚の偽絵を回収すべく協力し合う事になったが・・・。

元恋人に奪われたお金を奪い返そうとしているデイヴィと昔に描いた偽絵の回収を余儀無く
されたティルダのクローゼットの中での出会い(笑)から協力関係に至るまでが、相変わらず
のノリの良い、アップテンポなユーモアが弾けつつ描かれていきますが、デイヴィは
前作からの愛着もあるし、極々自然にキャラが入って来るんだけれど、ヒロインのティルダ
がどうにも掴み切れなかったんですよ〜。ちょっとソフィーに似ている面もあるかな〜
って印象でしたが、父親に強制されて偽絵を描いた経験や生活の為にやりたくもない
仕事に甘んじている事とかだけではやっぱりキャラの本質が見えそうで見えない感じで、
何とも焦れったい気持ちだったのですが、ストーリーが進むにつれて、ようやく
ティルダがデイヴィに父親との関係や姉の元夫への失恋など秘めた胸の内を話して、
二人の関係が頂点を極めた(笑)時には私も凄くすっきりして大満足でした^−^

うわべは飄々としながらも、切れる頭と愛情深さと併せ持つ魅力たっぷりなデイヴィ
ですが、面倒見の良さは今回も変わらず。ディリーにアドヴァイスをして良き叔父振り
を発揮したり、突如現われた父マイケルがとんでもない事をしでかさないように目を
光らせつつ、ソフィーの幸せを壊さないように、マイケルにお金を渡して上手く追い
払ったりと手際の良いスマートな気配りがとにかく心憎い!デイヴィの愛情深さは前作
同様面倒見の良さに現われているんですよね〜。「弟」としてのデイヴィも凄く好き
だけれど、ヒーローになっても前作で描かれたキャラと一貫性が見えたのも良かったし、
一風変わったキャラ達の中でもしっかりと光っていました。三作品しか読んでいませんが、
デイヴィは「ファースト〜」のライリーと並んでお気に入りの双璧キャラです♪

二つの人格を使い分けるティルダの姉のイヴやイヴの元夫でゲイのアンドリューなど脇を
固めるキャラはやっぱりおかしな面子(笑)ばかりでしたが、カネカネ女のクレアですら、
嫌な女なんだけれど、どこか憎めない印象が残るんですよね〜。イヴの娘のナディーヌ
の鋭さに感心する一方でデイヴィの父マイケルのいかにも詐欺師なチャーミング振りに
思い切りニヤリだし(笑)、それぞれが好き勝手に喋って振舞って・・とドタバタしている
ようでいて、でも度が過ぎないように手綱がちゃんと握られているあたりに、J・クルージー
の上手さが冴えるなあ〜といった感じで。前二作同様キャラ形成が抜群に上手いし、
ストーリーも個性的かつ読ませる面白さに事欠かないんですよね〜。昔の映画のネタも、
観ているタイトルが多く出て来たので、通じる面があって楽しめたのも私的に◎でした。
音楽ネタは「プレイボーイ〜」と被る面があって、思い出しちゃいました♪

絵の回収やデイヴィのお金の奪還などはあっさりと片付きますが、同時にクレアが雇った
殺し屋(?)やデイヴィの友人で元泥棒のサイモンが登場したり、ギャラリーを狙う
クレアの愛人がティルダの母親に求婚してクレアを捨てたりと、事件面はラストに一気に
まとめて解決になりますが、あくまでもノリはコミカルだし、事件性よりも、ティルダの
父親が昔に扱っていたホーマーという画家の意外な正体やサイモンとイヴの最後の
やり取りなど細かいエピソードにクルージー風の面白さが光っているように思えました。

二人のロマンスも流れは軽いんだけれど、ポイントはしっかりと押さえながら良い色合い
に締まるし、最後にティルダが部屋の壁を「オーストラリア」風にしてしまったオチも
味があって良かったですね〜^−^デイヴィがスカーレットの絵を見て、ティルダに
言うセリフもさくっとしているのに深みがあるし、デイヴィのティルダへの愛が感じられて
とても印象に残っています。イッた振りされたり(笑)といろいろあったけれど(爆)
二人のハッピーエンドが良いんだなあ〜。しっくりとしつつ、ほんわかとした感じで^−^
コミカルな雰囲気の中で、シリアスとまではいかないけれど、でもぴりっとした
センスがちゃんとが映える。やっぱり好きだなあ〜、クルージー節!あっ、そうそう
イヴとサイモンの関係も発展するかな〜と期待したけれど、そういかずに残念(笑)

作品的には「ファースト〜」や「プレイボーイ〜」の方が上かな〜とも思いますが、
一風変わった登場キャラが魅せる群集劇はやっぱり期待通りの面白さ。そしてデイヴィ
大好きの私にはとーってもオイシイお話でした^−^幸せ一杯の読後です♪

キスは極上キスは極上
ジェニファー・クルージー

二見書房 2006-07
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


  1. 2006/08/02(水) 22:06:29|
  2. ジェニファー・クルージー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

| ホーム |