Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

薔薇色の恋が私を

「薔薇の狩人(ローズ・ハンター)シリーズ」の第一弾。ライムブックスの
来月の新刊はリサ・クレイパスだそうです。ヒストリカルが続きますね〜^−^

19世紀初頭。軍人だった父親と夫を亡くしたケイトは、姉と妹と実家で暮らしながら
家計を何とか切り盛りしていたが、家財一式のほとんどは売り払われ、生活は
貧窮する一方だった。意を決したケイトは、いとこが嫁いだスコットランドの
貴族の元へ援助を申し出る為に旅に出たが、召使は途中で奔走してしまい、
最悪の状況の所へ三年前にケイトの屋敷を訪れた事のあるクリスチャンが現れ、
同行を申し出た。やむを得ない状況にケイトは承諾するが・・・。

セントブライド大修道院で共に成長した三人の青年が、三年前にフランスで処刑寸前
だった所をケイトの父親に救って貰った恩を返す為に、黄色い薔薇の苗を持って
ケイトの家を訪れ、自分たちの助けを必要とする時には、この薔薇を修道院宛
に送るようにと伝えて去っていきますが、それから三年後に黄色い薔薇が届けられて、
ケイトの旅に同行するように手紙が添えられていた事からキットは偶然を
装ってケイトに近づき、結果目的地まで旅を共にするようになります。

二人の旅路はじっくりと描かれていく感じです。スコットランドの大地の荒涼とした
雰囲気が淡々と伝わって来る中、行動を共にするケイトとキットの心の機微が
断続的に描かれていますが、二人の再会がロマンスだけでは無く、それぞれの人生観
にも大きな変化をもたらしていくように描かれているのが、とても興味深くて、ロマンスも
勿論良いけれど、「ロマンスだけでは無い」っていうポイントに凄く惹かれると同時に
思わず唸ってしまう上手さを感じつつ、キャラに共感を覚える事が出来たのが良かったです。

仲間の裏切りに合ってから、自分の心すら信じられなくなってしまったキットの
葛藤と孤独がとても切なかったし、グッとくるものがありました。キットが
三年前からケイトに惹かれていて、それからずっと想いを温めていても、態度は
あくまでもストイックなのも私的に◎でした。ドッカーンと弾けちゃうような
ロマンスでは無くて、時間を共にしながら、手探りするようなゆったりとした
ペースで高まりつつ、想いはとっても熱くて(笑)っていうバランスがしっくりくるし、
説得力があって良かったです^−^いやあ〜、良いわ〜ハイランダーは(笑)

父親が亡くなる以前のような、経済的にも精神的にも満たされた安定した生活を
取り戻したいと願っているケイトを思って、あえて身を引いたキットが、
自分自身もボロボロな状態なのに、ピンチに陥ったケイトを救いに駆けつける
シーンはとってもかっこよかったです〜(*^^*) 状況に流されないで、
自分の意志をしっかりと持ったケイトもとても魅力的でした。やっぱり私の中では、
ストーリーは勿論の事、キャラの魅力って大きいなあ〜とつくづく実感しました(笑)

セントブライド修道院で育った四人の内、仲間の誰かの裏切りによって一人が処刑され、
キットは裏切り者を突き止めようとしていましたが、近くに居たにも関わらず、
犯人は早々にトンズラしてしまったので、事件は未解決のまま次回作に持ち越し
という形で終わりました。難破船のお宝を巡る事件の諸々はその裏切り者が、
宝のありかの鍵を握っていたケイトと邪魔者のキットをおびき寄せた結果の
出来事だったのですが、そのあたりも自然に過不足無く流れていくし、終盤あたり
になるとよく見られるバタバタした感じが無いのがお見事。全体的に上手く
まとまっているし、華やかさや甘さはほとんど無いけれど、ストーリーそのものが
率直な印象で、読み手にページを追わせる力を持っているのが凄いと思います。
薔薇に関するエピソードが、お話に様々な要素を与えているのも、とても印象的でした♪

次回作の「My Pleasure」は「薔薇色〜」のケイトの姉とキットの仲間の一人が
主役になります。三部作最後の作品「My Surrender」は末の妹がヒロイン。
事件の解明も最後まで引っ張るんだろうなあ〜。何となく犯人は見えているような
気も密かにしていますが(←ホントかい・笑)。ライムさんは翻訳のペースが
良いので、続きもそんなに待たされないで読めそうな気がしています^−^

薔薇色の恋が私を薔薇色の恋が私を
コニー・ブロックウェイ 数佐 尚美

原書房 2006-05
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  1. 2006/05/15(月) 20:46:07|
  2. コニー・ブロックウェイ|
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