正直、途中何度かしんどかったのですが、何とか読み終えました(笑)
幻視能力を持つネルは、亡くなった父の遺産の整理という名目で12年振りに故郷へ
戻ってきたが、本当はFBI捜査官として、町で連続している殺人事件の捜査を極秘で
進める為だった。昔の恋人マックスと再会したネルは死んだ父親や駆け落ちした
はずの姉の幻視を見るようになったが、すぐに新たな殺人が起こり・・・。
ストーリー全体のテンポはとても良いです。犯行現場に行くと見える幻視を利用して
捜査を続けるヒロインと彼女を心配しながら行動を共にする元恋人のヒーローの
カップルと対照を為すように、事実を地道に一つ一つ追求して歩き回る、カメラマンでもある
ヒロインの旧友とヒーローの友人で、実は保安官事務所に潜入している私立探偵との
やり取りもとても丹念に描かれていたし。ただヒーローがヒロインの能力を理解しようと
あれこれと質問をぶつけるのですが、その度に答えるヒロインの口から出る超感覚に関する
専門的な事があまりに続くと、私自身は読んでいてだんだんと置いていかれるような
感じになってしまうんですよね。ヒロインが12年前にヒーローを捨てて故郷を離れた理由を
始めとする二人の関係の諸々も、再会というパターンから、こちらが期待してしまうような
感情的な盛り上がりはほとんど無かったです。サスペンスというよりは、サイキックな
内容をメインにページを取られているせいか、ロマンス面においては、ヒーローに対する
ヒロインの想いの描かれ方が明らかに足りないように思えました。いくらヒロインが
自分の感情を表に出すのが苦手なタイプとは言え、それならもっと内側での葛藤を
読みたかったです。あっさりとしたロマンスもそれはそれで勿論良いのですが、
当然ながらそれなりの納得が欲しいんですよね。ヒーローは悪くないだけに残念。
専門的な内容に遅れを取りつつも、それでも捜査の過程はよく描かれていて面白いし、
過去のヴィジョンが見えるっていうのも、地道な捜査ではあり得ない事なので、そういう要素
が捜査の役に立つっていうパターンも興味深いのですが、ヒロインが自分の内に流れている
と信じている邪悪な血の真相の解明を含めたオチは意外性はあるけれど、何だかなあ〜
と思ってしまう面もアリで。犯人もヒロインと同様に超能力者である事は、伏線が張って
あるのですぐにわかりましたが、私的にほとんど印象の無いキャラだったので、
自分の読解力を疑いつつもちょっとがっかりしてしまったり(笑)ラストで判明した
FBIの覆面捜査官の正体に全く気がつかない私ってやっぱり鈍いなあ〜と思う(汗)
キャラの超能力が事件解決の大きな鍵を握るみたいなパターンはS・サラを始めとして、
それなりに読んでいますが、S・サラの超感覚物の場合はとても入りやすいというか・・・
やっぱり作風なんでしょうね。サイキックでガチガチな感じじゃないのが、私には
読みやすくて難なく楽しめてしまうのですが、K・フーパーのこのシリーズはより専門的で
故に奥が深いので、決して面白くないわけで無いのですが、気力と体力が特に充実している
時に読むのがベストだな〜と改めて実感。サイキックものでは無い、K・フーパーの
作品を読んでみたいなあ〜と思います。きっと面白いと思うんだけれど(笑)
- 2006/05/08(月) 18:35:58|
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