養子斡旋がらみのノーラ作品ですが、ネタは同系統でもリンダの「悲しみにさようなら」
とは全く毛色が違う内容。「優しい〜」はやはりノーラらしい特色を感じさせる作品でした。
メリーランドの田舎町で新石器時代の人骨が見つかり、発掘プロジェクトのリーダー
として呼び寄せられた考古学者のコーリーは、プロジェクトに元夫で人類学者の
ジェイクが参加すると知り、心中穏やかでは無かった。そんなある時ホテル
の部屋にやって来た見知らぬ女性から、「あなたは誘拐された私の娘だ」と言われて・・・。
二十九年前に生みの親から誘拐されたヒロインが養子斡旋の真相を追求しつつ、
生みの親と育ての親の間で葛藤を繰り返しながら、自分自身の「発掘」を続けていくの
と同時に約一年前に別れた元夫のヒーローと復縁がメインで描かれていきますが、
ヒロインがいかにもノーラの描く女性といった感じの強情で勝気なタイプで、
このお話もヒーローの理解や包容力が際立って見られました^−^
愛情表現が豊かな家庭で育ったヒロインがそうでは無い家庭で育ったヒーローの
愛情を信頼出来ずに離婚に至ったのですが、過去の失敗を顧みて、今度こそ
やり直そうと頑張るヒーローの姿が真摯で素敵でした。自分の感情に対して率直で、
ヒロインの全てを理解した上で愛しているというヒーローの想いが優しく描かれていて、
すれ違ってしまったとは言え、二人の関係には愛情が基盤として根付いているせいか、
ロマンスというよりはお互いに対する理解や受容が前面に押し出されている感じ
の流れが、とても爽やかで良かったです♪ノーラ作品のヒーローって、しっかりと
ツボを刺激してくれる事が多いんですよね〜(笑)あ〜幸せだわ〜^^
サイドストーリーとして描かれているヒロインの実の両親の関係や兄と夫を亡くして
女手一つで子供を育てている弁護士のロマンスも華やかさは無いものの、それぞれが
しっとりと味わい深い感じで描かれていました。ヒロインの兄が彼女を愛する事によって、
母親に心を開いていく様もとても感動的でした^−^個性豊かなキャラの面々の中でも、
古書店を営むヒロイン祖父が私的にお気に入り。チャーミングな年寄りにやっぱり弱いです(笑)
娘との29年間という時間を失ってしまったヒロインの実の両親とその時間をまるまる
得た育ての親の両方を思うと、何とも表現しがたい気持ちになりますが、長い時間を
経てようやく娘を見つけ出した実母が、連れ去られた当時の赤ん坊としてでは無く、立派な
大人の女性に成長した現実のヒロインを受け入れる事が出来るようになったのが、とっても
辛い事とは言え、過去を乗り越える事が出来て良かった〜と感じさせてくれるエピソードでした。
事実を一つ一つ丁寧に追っていくものの、サスペンス的にはありゃりゃ(笑)的な
オチが残念でしたが^−^;それでもこちらの期待通りに、愛と絆がしっかりと描かれた
「優等生」的(勿論良い意味で)な作品と言えるかな。やはりノーラは大きく外さないです。
- 2006/05/07(日) 19:23:03|
- 扶桑社|
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