Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

晴れた日にあなたと

キャサリン・アンダーソンの「Kendrick/Coulter Series」の四作目。この翻訳の順番は一体・・・(謎)

盲目として生まれ、最近手術によって視力を取り戻したカーリーは、友人と出かけたクラブでカウボーイの
ハンクと出会った。二人は一夜限りの関係を持つが、そのせいで妊娠したカーリーは再び視力を失い始め
てしまい、責任を感じたハンクが申し出た経済的援助と便宜結婚の話をやむを得ず受ける事になり・・・。

「あなたに〜」とはまた違う色合いではあるかな〜。でも作品の根底を流れるものは共通していて、真っ直ぐ
な優しさや生真面目なひたむきさに胸を打たれつつ、何度も涙を誘われましたね。とっても良かったです(^^)

ヒロインのカーリーは生まれつき盲目でしたが、手術をして視力を取り戻し始めた矢先にハンクと知り合い、
一夜限りの関係を持った結果妊娠してしまい、再び視力を失う事になってしまいます。このカーリーですが、
基本的には純粋で前向きな感じかな。ハンディキャップに屈するばかりでは無く、可能な限り健常者と同じ
様に何でもチャレンジしてきたという事は凄いと同時にガッツや勇気だけで無く、旺盛な好奇心の持ち主で
もあるんだろうな〜とも。援助を申し出るハンクに対するカーリーの態度に関しては、意固地に映りがちかも
知れないけれど、カーリーが置かれている状況は勿論の事、内で抱える不安や無力感、そして心の傷が
じっくりと描かれているだけに、一概に否定的な見方は出来なかったですね。ハンクに対して徐々に打ち解
けて心を開いていく中で、明朗に何でも素直に受け止めて楽しむカーリーの姿が前面に出て光る一方で
視力が急速に失われていく現状の厳しさや辛さが克明に浮き彫りになる様は、心情の流れと共に着実に
読ませていくし、カーリーが持つ強さと弱さのバランスも含めて内面からよく描かれていて、キャラ自体もしっ
かりとしていましたね。でも格別に愛しちゃっているローラみたいに惚れ込む感じでは無かったです(笑)

ヒーローのハンクは牧場主。酔っ払った状態でカーリーと関係を持って妊娠させてしまい、責任を感じて
便宜上の結婚を申し込みますが、段々とカーリーに惹かれていきます。私的に今作はハンクに尽きたと
言ってもいいかな〜(笑)カーリーとの一件は確かに褒められた行為では無いけれど、本質的には優しく
て誠実だし、牧場主とは言っても、格別裕福では無いせいか普通っぽさがあって、取っ付きやすいと言う
か、親しみやすい雰囲気や茶目っ気が見えて良い感じなんですよね(^^)そして自分の行いや生き方を
悔いた後のハンクがとにかく素晴らしいんだなあ〜。カーリーの事を知ろうとしつつ、相手の気持ちを推し
量りながら、信頼を得ようとする真摯なスタンスや自分の気持ちの伝え方などハンクの行動や言葉の一つ
一つを通して、罪悪感や義務感が次第に愛情へと変化していく流れだけで無く、ハンク自身が人間的
に大きく成長していく姿が様々な感情を湛えながら描き出されていて、最後まで心を揺さぶられっぱなし
でしたね。ハンクの底知れない愛情や理解、また弱さをさらけ出せる部分が印象深い中、私的にはカー
リーでは無くて、ハンクに泣かされたのが正直な所だったりも(笑)あとジークや父ちゃんとのやり取りも、
ハンクの根の素直さが見て取れるようで結構好き。コールター家の男たちは本当に素敵ですね〜(^^)

脇役メンバーズはコールターの人々がメインでしたが、まずハーヴ&メアリーの過去に触れられたのは中々
興味深くて、財政難やベサニーの事故といった苦難が、「愛情深くて結束力の強い一家」という完成され
た構図にリアルさと言うか、また別の趣を加えたように感じました。兄弟ズに関しては、長男スキーとしては
ジェイクも勿論要チェックですが、私的に今回は穏やかながら機転の利くジークの株が急上昇しまして(笑)、
次回の翻訳はローラ&アイザイアに再会出来そうな「Sun Kissed」でなければ、「Bright Eyes」でお願
いしたいくらいだったりも(自分の好み優先で順番も何もあったもんじゃない・爆)そして結婚式とそれに続く
披露パーティー、更に独立記念日の下りにおいて、コールター家の団欒が描かれていましたが、温かな賑
わいがストーリーに彩りを添える感じで良かったし、中でも父ちゃんとハンクのやり取りはユーモアを含ませ
ながらも、父と息子の間に通うものが確かに伝わってきて◎。あと母メアリーも相変わらずで何よりかな(笑)

結婚したカーリーとハンクは牧場で暮らし始める中、カーリーの視力が失われてしまう前にいろんな経験を
させようとするハンクに対してカーリーは徐々に心を許すようになり、やがて便宜上の結婚が本物になります
が、ハンクを探して外に出たカーリーが池に落ちる事故が起こります。ストーリーはじっくりと進んでいく感じ
で、まずカーリーとハンクのロマンスは、ハンクによる所が大きいかな〜。カーリーの感情が解けていく一歩
一歩の過程が丁寧に描かれているので読み応えはありますが、ハンクの動きや心情の変化に強く惹き込
まれるものを感じた事もあり、ハンクを中心に読んだ感が強いです(笑)そして様々な事に触れ合って喜び
驚くカーリーの姿や盲目故の生活面の難しさもまたハンクの感覚で見たり、気がつかされたりしつつ、優しさ
や切なさがきめ細やかに映し出される様に考えさせられたり、深く感じ入る事しかりで、例え視力を失っても
カーリーの世界をハンクが照らし続けるという帰結に涙を誘われながら、幸福感や爽快感で満たされました
ね〜。「あなたに〜」においてもそうでしたが、障害に対して向ける現実的かつ思いやり深い目線や二人を
囲むコールター家の人々が放つ愛情や温もり溢れる空気感も○。エモーショナルな良質作品でした(^^)

後書きでは次回の翻訳について特に触れられていませんでしたが、果たしてどの作品がピックされるんでし
ょうね。キャサリン・コールターみたいに、別の単発作品やヒストリカルの翻訳を挟んでしまって、着手済み
のシリーズの翻訳が後回しになったりしないように願うばかりだな〜(キャサリン・アンダーソンの別作品も
勿論読みたいと思いますが、とりあえずはこのシリーズを優先させて欲しいのが私的な希望なのです・笑)

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  1. 2008/05/13(火) 23:49:02|
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Kendrick/Coulter Series

「晴れた日にあなたと」を読了して、このシリーズの順番を把握し切れていない事に気がつきました(^^;)
なので、覚え書き&今後の翻訳の願かけも兼ねて(笑)、ピックしてみました。「Summer Breeze」は
コールター家のヒストリカル作品ですが、「Keegan's Lady」とも繋がっているみたいです。こうして並べて
見ると長いな〜(笑)仮に全部出して貰えたとしても、現在の年一ペースじゃ気が遠くなりそうですね(^^;)

「晴れた日にあなたと」のレビューはGWの内にUPしたいと思ってはいます、ハイ(あくまでも希望です・爆)

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  1. 2008/05/02(金) 23:59:03|
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あなたに会えたから

C・アンダーソンの新刊。まだ3月末ですが、今年出た作品(既読の内)では一番ですね〜♪
以下異常愛発言多発です。ダメな方はスルーかバックして下さいませ。なおダラダラと
長文を書き連ねただけですので、暑苦しい・しつこい・鬱陶しいレビューがOKな方のみどうぞ。

双子の兄と一緒にクリニックを経営する獣医のアイザイアは、母親のたっての願いで、失語症を
患っているローラという女性を面接し、結果クリニックで雇う事になった。動物好きで優しいローラ
は、すぐにクリニック内でも受け入れられ、またアイザイア自身もローラに惹かれていくが・・・・。

優しい作品はたくさん読んできたけれど、何だか凄く新鮮な感覚で満たされているような感じかな。
情を深く豊かに語りながら、じっくりと読ませる作品。優しさに落涙しつつ、一気読みでした(^^)

まず特筆したいのがヒロインのローラ。元は環境科学者として働いていましたが、五年前に事故に
遭い、失語症を患うようになり、以後補助金の他に犬の散歩やアイロンかけのバイトをしながら、
自立した生活を送っています。このローラがとーっても魅力的で、まさに「サンシャイン」そのもの。
明るくて優しくて、雰囲気がとても柔らかなんですよね。障害を抱えながらも、前向きに生きる姿
には感動すると同時に勇気を貰えるし、きちんとプライドを持ち、芯が通っている一方で自己評価が
低かったりする部分に、ローラの傷つきやすさが見えるのが何ともやるせなくて涙が止まらず。また
傷ついた動物や人に心を砕けるあたりにローラ自身の痛みや孤独が映し出されているのですが、
そういった苦しみを持ちながらも、常に真っ直ぐで周囲を明るく照らし出すような様が生き生きと
素晴らしく描き出されていました。飼い猫を亡くした老婦人に子猫を探してきたり、車に轢かれ
そうになった犬を救ったり等ローラに関する素敵なエピソードは尽きない中、やっぱりハロウィーン
のピンクのうさぎは印象深いなあ〜。うさぎに扮して、お菓子と共に子供達を待つローラと一緒に
私までワクワク(笑)誰も訪ねてこないのかな・・・と心配になった所に、アイザイアと子供達の登場
は嬉しかったですね。そのあと子供達と一緒にはしゃいで遊ぶローラの可愛らしさもとっても微笑
ましかった。私のAll Timeベスト・ヒロインは「ロマンティック・へヴン」のグレイシーなのですが、
ローラは肩を並べるなあ〜と。そのくらいどっぷりと惚れこんじゃいました。他人の気持ちに敏感で、
心から思いやれる優しさと共にあるんですよね。勿論ガッツもあるし、ふんわりとしたお日様の
ような温度感が良いんだなあ〜。自然のままの魅力と純粋さが全篇に渡って輝くヒロインでした♪

続いてヒーローのアイザイアですが、双子の兄タッカーと共同経営するクリニックがようやく軌道
に乗ってきた所で、日々仕事に忙殺されています。結婚なんてまだまだ先と思っているものの、
独身の息子を落ち着かせようと目論む母親の策略とは知らずに(笑)ローラをクリニックで雇う事
になります。アイザイアは正統派のヒーローと言えるかな〜。クセのありそうなタッカーとはまた
全然違うキャラでしたね。職場恋愛はご法度で、言い寄ってくる看護士(こいつが・・・(ー_ーメ) )
にも紳士的な断り方をするし、ローラに対しての上司としての態度も好感が持てました(^^)動物
の死に対してもちゃんと感情が動いて、救えなかった命を思い、残された飼い主の事を思いやる。
そんな胸の内が表に出てしまう面にもまた人間的な魅力を感じたなあ〜。ローラに惹かれていて、
うっとりと見とれたりとかしているくせに、自分の気持ちに気が付いていない鈍感さにはニンマリ。
何気につまみ食い好きなのも可愛かった(^^)でも何と言っても、セクシーな下着姿のローラを
見て、ミートボールを喉に詰まらせたのは最高だったなあ〜!爆笑しました。あとはハプレスとの
愛情関係や子供みたいな涙も忘れがたいですね。アイザイアが、ローラという人間の全部を
ひっくるめて愛しているのが、言動の数々から強く真摯に伝わってくるのが感動的で、優しくて
誠実なだけで無く、大らかな個性が立っていて◎。泣く男っていうのもポイント高しです(笑)

シリーズ六作目という事で、感謝祭のシーンではアイザイアの家族が登場していましたが、人数
が多い割にはごちゃっとせずに、その場の賑やかな雰囲気が巧みに描かれていて、家族ならでは
の団欒が楽しかったし、自分の家族を愛情深く見つめるアイザイアの視線も温かくて良かった。
お料理の香りやキャラから生じる騒々しい熱気にもアメリカンなテイストが感じられてご機嫌(^^)
ローラとアイザイアのチェッカー&ポーカー対決に笑いつつ、私的に気になったのが、プレステ
好きなナタリーのじい様(笑)あれだけの大人数の中でもしっかりと目立っていましたね(^^)あとは
ローラのお祖母ちゃん。ジョークのセンスもあるし、ピリッとした個性が冴えるキャラがツボでした。

クリニックでの働きによって、新たに自分の居場所を見出し始めたローラですが、アイザイアに
惹かれながらも、障害を持つ自分は相手にされないからと気持ちを押さえ込もうとし、一方のアイ
ザイアは、ローラと一緒に過ごす事によって、自分の世界が徐々に変わっていく事に気が付き
ます。傷ついた動物を扱う仕事を通して、相手の人間性を知り、感じて、尊敬や愛情を募らせていく
各々の感情の機微が深く描き込まれていて、まじりっけの無い優しさと澄んだ感受性が伝わる二人
の愛情関係は極上そのもの。動物達が、二人の仲を盛り立てるのに大きな役を担っているのにも
心が温まりました。アイザイアが障害を気にするローラに、二人でバランスを取って一緒にやって
いこうと言う下りも普遍的な事だからこそ感動したというか。完璧な人間なんて居ないんだし、足り
ない部分を補い合ってこそパートナー。色恋の盛り上がりだけで無く、着実に感情を通い合わせな
がら、二人の間に生まれていくケミストリーに柔らかく包み込まれて、洗われるような想いでした。

あと、今回ローラが障害を患っているという事で、いろいろと考えさせられました。物語の中で、
日常生活において障害故にローラが不便を余儀なくされている事情が厳しく現実的に描写されて
いて、胸が痛くなって何度も涙を誘われましたが、障害に対する作者の視点に感服でした。現実を
見据える強さとそれと同じだけの優しさが無いと障害を真摯に描けないと思うんですよね。キャラが
障害を患っている作品と言うと浮かぶのが、S・キャンフィールドの「バラと虹とあなた」ですが、これ
もまたヒーローを通して優しさや理解がストーリー全体に滲み出ていた作品でした。私的な意見に
なりますが、最近痛み(過去、進行形問わず)を安易に扱う作品に少なからず遭遇する中、
C・アンダーソンの視点は厳しくも真面目で温かく、その温度が率直に心に響いて深く残りましたね。

クリニックでの仕事に慣れたローラの夜勤日に不祥事が続きますが、ローラは自分のミスでは無い
とアイザイアに訴え、アイザイアはローラを信じ、調べた結果何者かがローラを陥れ、クリニック
から追い出そうとしている事が判明します。犯人は見え見えだし、特に驚きや意外性もありませ
んが、暴れた挙句逃げ出そうとした犯人を殴ったヴァルがあっぱれだな〜と(^^)私が代わりに一発
見舞いたいくらい(爆)途中と最後にこんな感じで事件要素が加わりますが、クリニック内での動物
達との交流やじっくりと育まれていくローラとアイザイアの関係をメインに描かれるストーリーは、
ゆったりと穏やかな流れで、機微を細やかに丁寧に映し出しながら、涙を誘いつつ、最後まで
心を掴んで放さなかったです。ピュアな愛情と優しさに泣かされ、癒される秀逸作品でした(^^)

後書きを読んだ限りでは、今後の翻訳については触れられていませんでしたが、これこそ是が非
でも読ませて貰わなければ(笑)願わくば順番を揃えて欲しいけれど、読ませてくれるならこの際
うるさい事は言いませんとも、ええ(爆)とりあえず次はタッカーの「Sun Kissed」が良いかな〜。
ローラとアイザイアにも会えるかもという期待もあるし。二見さん、くれぐれもお願い致します(平伏)

あなたに会えたからあなたに会えたから
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  1. 2007/03/31(土) 23:59:23|
  2. キャサリン・アンダーソン|
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  4. コメント:4

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