リサ・クレイパスの新刊。「Then Came You」をすっ飛ばして(笑)、伝説のデレクが遂に登場です(^^)
田舎で暮らす小説家のサラはにロンドンを訪れて、次回作の為のリサーチを行っていたが、ある晩二人
組に襲われていた男性デレクを助けた。デレクが著名な賭博場のオーナーだと知ったサラは、頼み込んで
取材をさせてもらう事になり、二人は惹かれ合っていくが、デレクはサラを遠ざけて田舎に帰そうとして・・・。
くっきりと個性が立つキャラとよどむ事の無いストーリー展開にがっちりと惹き込まれつつ、溢れ出す様々
な感情に圧倒されて落涙するばかりでしたね〜。ただただ素晴らしいの一言に尽きる、感動の一冊です。
以下無駄に長くて鬱陶しい文章をダラダラと書き殴っております。免疫のある方のみお進み下さいね。
ヒロインのサラは小さな田舎町に住む作家。ロンドンで次回作のリサーチをしていた所、有名な賭博場
のオーナーのデレクが暴漢に襲われている場面に遭遇します。このサラですが、気持ちが優しくて純粋。
他人に自然と気を配れるし、物事を公平に判断出来る聡明さの持ち主であると同時にまさしくデレクの
為に生まれて来たと言えるかな〜。また思慮深いかと思えば、好奇心旺盛で無鉄砲な一面が見られた
りで、そういった資質がサラの中で相まりながら、表情に富んだ個性となって魅力たっぷりに魅せてくれた
りも(^^)更に自分の気持ちや考えを素直に口にする一方でデレクの胸中を穏やかに汲んでそばにいる
スタンスは揺ぎ無いものを感じさせつつ、思いやりがあってとても良かったし、サラの目線が良い所も悪い所
も全部ひっくるめた、ありのままのデレクに向けられている様が、サラが持つ優しさや温かさと共に描かれて
いて、その包容力には深く感じ入る事しかりでしたね。サラの大きな愛情と理解は格別だと思います(^^)
あと終盤のピンチ時における逞しい戦い振りも◎。素朴な大らかさと確かな強さが抜群のヒロインでした。
ヒーローのデレクはロンドンでも有名な賭博場のオーナーで、娼婦の母親によって下水道に産み落とされ、
以後貧困の中から自力で這い上がってきたというバックグランドの持ち主です。読む前からほとんど伝説と
化していた(笑)デレクですが、粗野で傲慢。皮肉屋で冷めた物腰の下に隠した寂しさやどんなに成功し
ても暗い影が消えず、飢えや虚しさが癒されない様にどん底から現在の地位を築くまでにデレクがしてきた
事を重ねながら、何ともやるせない思いに駆られたな〜。過去の行いは褒められたものでは無いけれど、
その事に関して一切言い訳はせずに自分の過去をサラに告げるデレクが心中で感じている自己嫌悪の念
や悔いを前にして、過酷な生い立ちを思わずにはいられなかったし、そうしなけば生き延びれなかったという
事が本当に辛い一方でタフなサバイバーである事実からはデレクの人生に対する強い意志や確固とした
芯が見て取れるな〜とも。そしてサラへの愛情で一杯になればなるほどデレクの弱さや脆さといった無防備
な部分が、生身の感情の数々と共に浮き彫りになっていく流れは出色もので、シニカルで冷然とした表情
の解れ方やサラに向けるひたむきな言葉と子供っぽい行動、心を完全に開く事や幸せを恐れる気持ち等
デレクというキャラの一つ一つが切なく映ると同時にとっても愛しいんですよね。鮮烈な存在感に魅了され
つつ、大きな寂寥感を抱えた暗く複雑な内面に思い切り心を揺さ振られながら、泣かされましたね〜。
脇役陣に関しては、設定や配置も無理が無くて人物描写も○。クレイパスらしい上手さと手堅さで納ま
っていたと思いますが、まずリリーはデレクとの関係は勿論の事、「おてんば」と評されるキャラやアレックス
とのロマンスも気になる所なので、「Then Came You」はやっぱり出して頂きたいですわ(笑)アレックスは
割と抑えた感じにも思えましたが、マーカス及びロス系のキャラなのかな〜とか勝手に思ったりも(^^)そして
若かりし頃のエヴィー父ちゃんことアイヴォウ・ジェナーは品の無さとか一癖ある個性に味が感じられたし、
ジョイスのデレクに対する歪んだ執着振りにはぞっとさせられる迫力がアリでしたね。あとサラの両親が話の
分かる良い人達で、すんなりとデレクを受け入れてくれた事は、嬉しいやら安堵やらの思いだったかな〜。
サラとデレクが互いに惹かれていく中、後ろ暗い過去を持つ自分はサラにはふさわしくないと思うデレクに
遠ざけられたサラは一旦田舎に帰りますが、その後リリーの計らいで再会したものの、ジョイスにそそかさ
れた貴族にサラが襲われそうになった所をデレクが助け、ゴシップを防ぐ為に二人は結婚する事になります。
サラとデレクのロマンスは、サラが自分の気持ちに対して素直な一方であまりにもサラを大事に想うが故に
デレクは突き放そうとしますが、サラの魅力が光りつつも、やっぱりデレクに尽きましたね(笑)苦しいまでに
痛々しい愛し方や結婚後の不安や怯えに襲われる心模様が胸に迫るほどだし、また自然な流れに任せ
ていくような結婚生活の中で二人の間に通い合うものが明確に描かれていて、とりわけサラの存在によって
デレク自身が良くなっていくと言うか、デレクの良い所が引き出されていくあたりも印象的。ストーリーは展開
がしっかりとしていて程よい勢いがあり、サラの眼鏡を始めとした忘れがたいエピソードや言葉が散りばめら
れていて、キャラの個性の際立ち方やホットで甘やかなやり取りも◎。そして「Then〜」を読んでいませんが、
この作品は「デレクの物語」でもあるのかな〜と感じたりも。ギュッと深くこもった情感に満たされる秀作です。
本国では、「Mine Till Midnight」に続く「The Hathaways Series」の二作目、「Seduce Me At
Sunrise」と「A Wallflower Christmas」が10月に刊行されるみたいですね。「A Wallflower〜」は
「壁の花シリーズ」のクリスマス本かな?私的に翻訳を熱望しているのはキャムとハーディのお話です(^^)
- 2008/04/21(月) 23:35:40|
- リサ・クレイパス|
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