キャサリン・オルレッドの新刊。アメジスト・エイムズの別名義なんですね。中編の二本立てという事もあり、
さくさくっと読了しました〜(^^)あらすじはスルー気味にさせて頂きまして、軽めにレビューしていきますね。
「ずっとずっと好きだった」
故郷でバーを経営しているチャーリーと10年前チャーリーにプロポーズした直後、チャーリーの伯父によって
町を追い出されたコールの再会物ロマンスですが、オーソドックスな内容であると同時に私的にはヒーロー
のコールに尽きましたね(笑)真面目かつ誠実で、優しさや思いやり深さが飾らないかっこよさと共に終始
光っているし、チャーリーに対するメロメロ振りや一途でピュアな愛し方が○。とにかく出来過ぎなくらいよく
出来たヒーローと言えるのでは。一方ヒロインのチャーリーですが、正直もう少し魅力が欲しかったかな〜。
妙に意固地になったりもせず、コールと伯父の間でちゃんとバランスを取ろうとしているあたりは中々で、
酔っぱらった姿なんかも微笑ましかったけれど、コールのキャラと比べると強く惹き込んで読ませるほどの
ものに欠けると言うか、キャラとしては普通止まりな感じだったのが残念なような。加えていくら錯乱状態と
は言え、終盤でコールに対して放ったお門違いな暴言は何だかなあ〜とも(^^;)でもストーリーのペース
は良いし、添え物のサスペンスもひっくるめて、全体的に無難にまとまっていたので、最後まで危なげ無く
楽しめましたね。コールの献身的な愛情にひたすら感動しつつ、ロマンスの王道を行く作品でした(^^)
「甘い復讐」
ダンススタジオをオープンさせるべく帰郷したジェシーと地元の保安官で、ジェシーの高校時代の片思いの
相手でもあるチェースのお話。↑のお話に続いて、こちらもHQあたりでよく見かける展開ではありますが、
根は素直で良いヤツなんだけれど、元妻に騙された過去のせいで肝心な部分でバカ丸出しになるチェース
の有様もまたお約束でしたわ(苦笑)チェースのしょーもなさはさておき、ヒロインのジェシーの強さと茶目
っ気が同居したキャラは良かったし、チェースの娘やジェシーの親友や友人のイケメン君といった脇役達を
上手く絡ませて読ませていく感じかな。肩の凝らない、からっとした軽さがナイス。息抜きにもってこいです。
「ずっとずっと〜」で登場したクリスティとサムのロマンスを密かに期待しちゃったのですが、どうやらスピン
関係は出ていないみたいなので残念(苦笑)この二人の事が気になったのは私だけでしょうか?(^^;)
- 2008/11/29(土) 22:47:34|
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ジュリア・クインの「Bridgerton Series」二作目。シリーズの中でも評価の高い作品みたいですね(^^)
放蕩者として有名なブリジャートン子爵のアンソニーは長男としての義務を果たすべく結婚する決意を
固めた。今シーズンで一番の美人で理想的な妻になりそうなエドウィーナに目をつけ、アプローチをしようと
するが、アンソニーの噂を知るエドウィーナの姉のケイトがアンソニーをエドウィーナに近づけまいとして・・・。
二作目なのに翻訳としては三冊目(笑)の今作ですが、私的にはヒットでしたね〜。魅力のあるキャラ、
確かな作りでテンポ良く読ませるストーリー揃って○。本国での高い評価も大いに納得の一冊でした(^^)
ヒロインのケイトは花婿を見つける為に社交界デビューしたものの、美人の異母妹エドウィーナの求婚者
の良し悪しを判断する役割に回っていましたが、放蕩者のアンソニーを妹から遠ざけるべく、対峙する事
になります。このケイトがナイスだったな〜。妹思いの良き姉ちゃんなだけなく、性格的にしっかりとしていて
頼れるし、歯切れの良い言動を通して何事にも真摯に向き合う真っ直ぐさや賢さが感じられたりと好感
度大でした。淑女らしく優雅にじっとしていられずに、せかせかと動き回ってしまうあたりやダンスがあまり
上手くないと言うのも微笑ましかったり(^^)美人な妹に対して自分の事を理解していながらも、寂しく思っ
ている胸中やアンソニーの花束に喜ぶ姿にキュンとさせられて、ケイトの内側にある、普通の女の子らしい
生身の部分を上手く見え隠れさせつつ読ませましたね〜(^^)また幼少時のトラウマやアンソニーへの想い
に対するケイトの心情やスタンスが、ケイトらしい率直さを前面に出しながら描かれている中、ケイトがアン
ソニーを妹の求婚者として認めるという事を本人にちゃんと告げるのが気持ち良いと言うか。自分も惹か
れているにも関わらず、公平さや正直さを大事にする様が○。内面から光って魅せるヒロインでした(^^)
ヒーローのアンソニーは放蕩者として有名な子爵。長男の務めを果たすべく結婚する事に決め、シーズン
で一番の美女と謳われるエドウィーナに接近しますが、妹を守ろうとする姉のケイトに惹かれていきます。
ダフネの結婚の際にはバカ兄貴振りを発揮していた(笑)アンソニーですが、責任や義務を果たす為に
結婚を決意する放蕩者というパターンとはまたひと味違うキャラが良かったですね。尊大で自信たっぷりな
態度はいかにも貴族らしいけれど、自分が悪い事に関しては素直に謝るし、ケイトとやり合う事によって、
アンソニーの表情が精彩に富むように映るのも良い感じだったかな〜。そして亡くなった父親への愛情や
尊敬の念には心が温まる一方で想いが強い故にアンソニーの死や愛情というものに対する考え方に大き
な影響を与えている様が、繊細さと共にしっかりと描き出されていて○。ちょっぴり切なさを誘われたりも。
うわべの傲慢さと心の奥底にある哀しみや繊細さの按配が巧みで、キャラに深いものがありましたね。
脇役陣は相変わらずブリジャートン家のご一行様が中心といった感じでしたね〜。ペル・メルのシーンで
はダフネとサイモンの幸せカップルの姿や明るいやり取りが見られましたが、やっぱり兄弟の中ではお茶目
なコリンの存在感が一番かな〜と。あと将来有望そうなのがヒヤシンス。そのあたりも前作の時の印象と
変わらずと言えるかな。更にエドウィーナも良い子だったし、メアリーとケイトの関係も○。私的にはコーギー
犬のニュートンがお気に入りで、太目のボディと短い足で駆け回る姿を想像するだけでニンマリですわ(笑)
ブリジャートン家の田舎の本邸に招かれたケイトは、アンソニーの人柄を認めた上でエドウィーナの求婚者
として受け入れる事をアンソニーに言いますが、そんな中蜂に刺されたケイトを介抱しようと胸元にアンソニ
ーが触れている所を目撃されてしまい、二人は結婚せざるをえない状況に追い込まれます。まずさくさくと
軽快に進んでいくのでとても読みやすいし、ケイトとアンソニーが交わす掛け合いもウィットやユーモアが光
って良かったです。死に対する恐怖心からケイトへの愛情を抑えようとするアンソニーの心情やそんなアンソ
ニーに対してケイトが語る、ポジティヴに本質を捉えた言葉も印象的でした。あと前作もそうですが、キャラ
が心の傷を直視して、乗り越える様の持っていき方が上手いんですよね〜。(以前から言っていますが)
ジュリア・クインの作風は私のツボを刺激する程では無いのですが、今作はくっきりと立つキャラ、はきはき
とした会話、ぶれない話運び等全体的に申し分の無い内容で純粋に楽しめました。素敵な作品です(^^)
次回作は「Romancing Mister Bridgerton」ですね。ヒーローがコリンだし、期待出来そうかな?(^^)
- 2008/07/20(日) 23:55:26|
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HQでお馴染みのスーザン・マレリーの新刊。「The Marcelli Sisters of Pleasure Road Series」
の一作目ですね〜(しっかし長いシリーズ名だ・笑)マルチェッリ家の四姉妹の長女ケイティがヒロインです。
老舗のワイナリーを営む家に生まれ、パーティー企画会社を経営しているケイティは、大手の弁護士事務
所から受けた仕事を成功の足がかりにしようと考えていたが、同時に依頼人のザックに心を惹かれていた。
そんな中妹のミアが突然婚約を発表し、家族の集まりに婚約者の父親としてザックが姿を見せて・・・。
う〜ん・・・。悪いという程でも無いけれど、特別良くも無く・・・といった感想でしょうか。ロマンスはまずまず
良い感じではあったかな〜。でも作品としてスラスラと楽しめる内容では無かったのが正直な所です(苦笑)
ヒロインのケイティは老舗ワイナリーを営むマルチェッリ家の長女で、パーティーの企画会社を経営していま
すが、慈善パーティーを企画する仕事を通じて弁護士のザックと知り合います。個性が光るとか魅力たっ
ぷりというタイプでは無いのですが(笑)、仕事面やロマンス面のどちらからもケイティの真面目さは伝わって
きました。あとあの家族(苦笑)の中では一番良識的と言えて、自分の意見をはっきりと口に出来る事は
印象が良いと同時に安心感を覚えたりも(笑)ザックとのロマンスも、ロマンティストらしい甘い夢を見つつ、
気持ちの揺れや二人の関係が築かれていく流れに窮屈さが無く、感情的に深く掴む程のものは欠くものの、
ケイティらしい普通の温度感が感じられたと言えるかな〜。お隣のお嬢さん的な雰囲気のヒロインでしたね。
ヒーローのザックは離婚訴訟専門の弁護士。ティーンエイジャーの時に父親になり、以後離婚して男手一
つで息子を育ててきたシングルファーザーでもありますが、この作品で唯一(笑)魅力を感じたのがザックと
言うべきか。成功した弁護士というパッケージの中にセクシーさや飾りの無い気さくさ、そして堂々とした率
直さがバランス良く納まっているし、そこに息子を愛する、等身大の父親像が加わる事によって、ザックの
キャラにより深みが増している感じでしたね(^^)成長した息子を前に今後の人生に思いを馳せる様にも
味わいがあるし、ケイティとの関係においても自分の気持ちを自然に表に出すだけ無く、程よい落ち着き
やマイペース振りが見られて○。茶目っ気ある、ユーモラスな言動も良いんだなあ〜。申し分無く素敵です。
脇役陣はマルチェッリ家の人々が中心でしたが、私的にこの家族の皆さんが苦手でして(^^;)頑固一徹
な家長のじい様はさておき、家族の輪において個人というものがまるで存在しない事がどうにも理解しがたい
んですよね(苦笑)ミアの結婚に関しても、特に両親は現実感が無くて、子供の現状や気持ちを全く把握
していない有様だし、ケイティの双子の妹も何となく微妙なような・・・(^^;)この家族のあり方に温度差を
感じたのは否めずですが、離婚が決まったブレナと隣のワイナリーの跡取り息子の関係は気になる所かな。
ケイティは、ミアとデイヴィッドの結婚に反対するザックが、パーティーの企画を依頼する事でケイティを味方
に引き込もうと考えている事を知りますが、反対の意見を持ちながらも共に時間を過ごす内に二人は惹か
れ合っていきます。ストーリーは、メインのロマンス以外にブレナの離婚問題や徐々にすれ違っていくミアと
デイヴィッドの関係等を盛り込みながら展開していきますが、まずケイティとザックの関係は、ドタバタとする
事も無く、極々自然に形が定まっていく感じで、穏やかに読ませる内容でしたね。シリーズの今後の伏線
を含めて、マルチェッリ家の他メンバーの視点にページが割かれているので、私的にはちょっと萎えた部分
はアリでしたが、全体的に見て、マレリーらしい温かみやユーモアが散っているし、ロマンスも中々。でも
家族物としては私の好みでは無かったです。マレリーの作品で描かれる家族像はイマイチ肌に合わない
と言うか、外す事が少なからずあるんだよな〜。「あなたに片思い」も作品はとても好きだけれど、ヒロイン
の家族は良くなかったし(笑)可も無く不可も無しですね。このシリーズも続きは出ると思っていいのかな?
シリーズは「The Sassy One」、「The Seductive One」、「The Marcelli Bride」、「The Marcelli
Princess」と続いています。あらすじを読んだ限りで言うと、私的には三作目と四作目に興味アリです(笑)
- 2008/05/29(木) 23:59:02|
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お初作家ジュリア・ロンドンに着手しました。「The Desperate Debutantes Series」の一作目です。
社交シーズンを楽しんでいたエヴァは母親の急死によって継父に財産を奪われ、妹のフィービーといとこの
グリアと共に文無し状態に追い込まれてしまった。何とか結婚して生活を安定させようとエヴァは侯爵の
ジェイリッドに目をつけるが、ちょうどジェイリッドも結婚相手を探していた事から、二人は結婚を決めて・・・。
クレイパスの後に読んだせいもあってか、イマイチな感じは否めずでしたね〜。良い部分もあるし、特に
後半あたりからは手ごたえもそこそこ出てきたけれど、私の好みからは外れるな〜といった所でした(^^;)
以下
ネタばれアリの内容になりますので、未読の方はスルーかバックされる事をお薦め致します。
ヒロインのエヴァは伯爵令嬢で、結婚を焦る事無く社交シーズンを楽しんでいましたが、母親が急死した
為に状況が一変し、妹やいとこの為にも早急に結婚相手を見つけなければならない事態に陥ります。
このエヴァですが、始めは特長の無いお嬢さん的な印象でしたが、段々と個性が前面に出てきながら、
光りを帯びていく感じかな〜。無一文になって以降の行動は賢さや逞しさを感じさせたし、ジェイリッドの心
を掴もうと奮闘したりや自分の気持ちに素直な面は好感が持てましたね。ちゃんと現実感がある事や不安
や迷いを覚えつつ、エヴァがジェイリッドに対して徐々に想いを募らせていく過程も中々良く描かれていたと
思うし、何事も前向きなスタンスを見せていただけに、終盤の傷ついた姿はちょっと切ないものを覚えたりも。
魅力溢れるタイプでは無いけれど、内面がしっかりしているのは○。ポジティヴな強さが良かったですね。
ヒーローのジェイリッドは公爵家の跡取り。不仲の父親が押し付けようとしている結婚相手から逃れる為に、
エヴァに結婚を申し込みますが、私的にはこのジェイリッドの魅力がわからずじまいでしたね(^^;)結婚前
に口していた口説き文句とかも何かわざとらしさが見えて微妙な感じがしたし、当初感じた「爵位はあれど
無個性なヒーロー」というイメージは結婚後に払拭されつつあったのですが、父親との確執や庶子の存在
といった要素が活かし切れていないと言うか、上滑りな感じで、ジェイリッドのキャラに深みや厚みが出てこ
ないんですよね。エヴァに対する気持ちを認められないバカさ加減に関しても、ジェイリッド自身に踏み込ん
で読ませるものがあれば、汲み取れる部分が見えたかな〜とも。結局ただズルズルとはっきりとしないだけ
・・・という風に映ってしまったので(^^;)領地の管理をしっかりとやっているあたりは良いんだけれどな〜(笑)
そして脇役の面々ですが、親戚を訪ねてウェールズへ旅に出たグリアが気になるかな〜。しっかりとして
そうなキャラだし、「ミスター・パーシー」の存在も含めて要チェックだわ(^^)お裁縫が得意なフィービーは
エヴァやグリアに比べると若干幼さが見て取れる感じだけれど、ドレスを作って収入を得ようとする大胆さ
は結構好きだなあ〜。どんなヒロインになるのか楽しみです。あとエヴァ達が救貧院から雇い入れた執事
の間抜けな(爆)仕事振りや元娼婦で侍女のサリーのふてぶてしいキャラには笑いを誘われたりでした(^^)
結婚したエヴァとジェイリッドはジェイリッドの領地で暮らし始めますが、エヴァに惹かれる気持ちに反して
ジェイリッドは二人の関係に距離を置こうとし、対するジェイリッドの元愛人からの手紙を読んだエヴァは
侍女のサリーの手を借りて、夫の気持ちを自分に向けさせようとします。まず内容としてはHSとかによく
ある展開と言えるかな〜(笑)二人の絡みはホットに色付けられていたし、脇役キャラ達のユーモラスな
様やエヴァのキャラの立ち具合など良さが見える一方でウィットの冴えとかも特に見られず、二人の心理
面のやり取りをメインにしているせいか、ストーリーそのものの面白さがさほど感じられずで、ジェイリッドの
キャラがOKならもっと楽しめたかもな〜とは思いました。感想としては可も無く不可も無し・・・でしょうか。
さてシリーズの続きですが、二作目の「The Perils of Pursuing a Prince」ではグリアがヒロインになり、
三作目の「The Dangers of Deceiving a Viscount」がフィービーのお話との事です。一作目は私的
にいま一つでしたが、グリアと「ミスター・パーシー」の存在が気になるので(笑)、是非読みたいと思います。
- 2008/04/21(月) 23:34:25|
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お初作家ローラ・リー・ガークの新刊。この作品は「Guilty Series」の一作目に当たるそうです〜(^^)
トレモア公爵アントニーの下で発掘された遺跡の修復師として働くダフネは、アントニーに思いを寄せて
いたが、ある日アントニーが自分の事を酷評しているのを立ち聞きしてしまった。ショックを受けたダフネは
仕事を辞める決意をするが、慌てて引き止めにかかったアントニーは、ダフネの魅力に気が付き始めて・・・。
いや〜、良かったですね〜(^^)しっかりとしたキャラの立ち方、よどまないストーリー展開、そして機知に
富んだ楽しいやり取り。作品のどこを取ってもよく出来ていて、一気に読ませる面白さでした。満足です(^^)
ヒロインのダフネは発掘された遺跡の修復師。雇い主で公爵のアントニーに恋をしていましたが、アントニー
が自分の事を酷く言うのを耳にしてしまい、仕事を辞めようとします。父親の死後、職を得ようとする踏ん
張りと勤勉さ、そしてアントニーの酷い言葉に傷つきながらも、ただ凹むだけで終わらずに、自分の事を顧み
て前に進もうとするポジティヴな姿勢は好感度大だし、相手に目線を合わせて考えや意見を言うダフネの
姿には、明確さや芯の強さが感じられると同時に応援したくなるようなひたむきさがありましたね(^^)その
くせ愛情や居場所を求める胸の内やアントニーの言葉や気持ちを信じきれない部分に寂しさや痛みが
垣間見れるようで切なくさせたりもしたかな〜。自分自身を表に出す事によって、ダフネが生き生きとして
いく様が、感情面から細やかに描き出されていく中、賢くてしっかりとしながらも、茶目っ気や純粋さが良い
感じに光りを見せて、ダフネのキャラを素晴らしく立たせていたと思います。あと祖父に関する事も、周囲の
意見に耳を傾けつつ、賢明で現実的な判断が下せて○。実はナイスバディというのにニンマリしたりも(笑)
ヒーローのアントニーは公爵で、開館予定の博物館に展示する出土品の発掘に勤しんでいますが、ダフネ
から突然の辞職を宣言されます。このアントニーですが、公爵らしく尊大&傲慢な言動をしたりするものの、
自分の責務をきちんと果たしつつ、義務や責任を重く受け止めている印象があり、とても真面目な感じだ
ったかな〜。爵位はあってもありふれた放蕩者だったり、もしくは無個性だったりするヒーローも決して少なく
ないので、アントニーに仕事熱心なスタンスやはっきりとした目的意識が見られたのはポイントが高いし、
責任や義務が最優先で、感情面が疎くなリがちだけれど、誠実さがちゃんと伝わってくるのも○。ダフネを
引き止めるべくあれこれと奮闘し始めますが、そういったやり取りを通してアントニーの表情が明るく楽しげ
に映るだけで無く、ダフネを知り、惹かれていく心模様が味わい深く読み取れるあたりは巧妙な筆致故な
んだろうなあ〜と。ストーリーの進行と共にキャラに魅力や妙味が増していくと言えるかな。素敵でした(^^)
そして脇役の面々ですが、アントニーの友人のディランは、一癖ありそうな個性的なキャラが気になる所か
な。シリーズの二作目ではヒーローになるそうですね(^^)アントニーの妹のヴァイオラも顔を見せていました
が、別居中の夫はアントニーの怒りを買ったりで何だかなあ〜と(^^;)この二人の復縁物が三作目との
事です。あと他は基本的に良い人達ばかりでしたね。ダフネにもとても好意的なので、安心しました(^^)
引き止めようとするアントニーに対してダフネは条件を出し、期間限定で仕事を続ける事を承諾しますが、
惹かれ合っていた二人はある晩関係を持ちますが、責任を感じたアントニーのプロポーズをダフネは断り
ます。まずダフネの生い立ちや職業、領地内での遺跡の発掘といった背景に興を覚えたし、活かし方も
申し分無し。更にウィットやユーモアが冴えたダフネとアントニーのやり取りが抜群で、雨やダンスの練習、
ピクニック、そして花言葉といったエピソードの数々や小道具の使い方に優れたセンスを感じつつ、二人の
心の触れ合いをセンシティヴに読ませる内容でしたね。アントニーが心を開くラストも印象深くて良かった。
キャラ形成、ストーリーの展開他作品全体が充実していたと思います。満足度の高い良質の一冊です。
さてシリーズの続きですが、ディランがヒーローになる二作目は「His Every Kiss」。そして三作目が
「The Marriage Bed」で、四作目が「She's No Princess」。おそらく順々に翻訳してくれるのでは
・・・と勝手に思ったりしています(笑)とりわけヒーローに興味津々な二作目は読んでみたいかな〜。
- 2008/03/30(日) 23:54:00|
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ジャッキー・ダレサンドロの新刊。ヒストリカル以外ではTからも作品が刊行されている模様です(^^)
グレンフィールド侯爵のスティーブンは、ある日森の中で何者かに命を襲われたが、倒れている所を
通りかかったヘイリーに助けられた。傷の手当を受けたスティーブンは、養生を兼ねて暗殺者を欺く為
に素性を家庭教師と偽り、ヘイリーの家に滞在する事にしたが、段々とヘイリーに惹かれていき・・・。
ストーリーは割りと王道的な感じですが、温かな笑いやユーモアで明朗な彩りを加えつつ、ほっこりと
楽しませてくれましたね〜。個性様々な上に魅力が輝くキャラ達も◎。とっても素敵な一冊でした(^^)
ヒロインのヘイリーは両親の亡き後、一家の大黒柱として妹二人と弟二人を養っていますが、家族には
内緒で、船長だった父親の思い出話を男性誌に連載して収入を得ています。情に厚くて心が優しい
ヘイリーのキャラが抜群でしたね〜(^^)自分の幸せよりも家族優先の人生を送り、苦労をしながらも
愛情や優しさに満ち溢れている様が極々自然に感じられたし、責任感が強くて長女らしい気質の持ち
主でありながらも、堅苦しい面が無くて、物事に対してゆったりと大らかに構えつつ、でも言うべき事は
しっかりと言えるあたりも◎。頑張っているのに窮屈だったり無理をしている所が無くて、おのずと周囲を
和ませる雰囲気があるんですよね。スティーブンに惹かれていく過程からは、真っ直ぐな目線や自分の
気持ちに素直なスタンスが感じられると同時に決して世間知らずでは無いけれど、初々しさが見て取れ
るのも良かったかな。また美人で性格が良くて学識があるものの、ピカピカに光っているという風でも無く、
穏やかさや柔らかさの中に飾りの無い、地に足が着いた感じがしっくりと納まっていて、とってもチャーミング
で好感度高しなヒロインでした(^^)スティーブンの家族が魅了されてしまったのも当然と言えるのでは(笑)
ヒーローのスティーブンは侯爵で、狩猟小屋に向かう途中で何者かに狙撃され、傷を負って倒れている
所をヘイリーに助けられますが、以前にロンドンでも襲われた事から、素性を隠してヘイリーの家に滞在
し、犯人の動きを探る事にします。このスティーブンのおバカ振りの何とも愛すべき事!(爆笑)シニカル
な面があり、いかにも貴族らしい傲慢さも持ち合わせていて、財産には恵まれてはいるものの無自覚な
まま寂しい生き方をしていますが、賑々しくて愛情豊かなオルブライト家で過ごす内に、その混沌さに
驚きながらも、遠慮の無い、ありのままの触れあいを通して笑ったり喜んだりしつつ、新たな発見や解放
感に浸るスティーブンの表情が心情の動きと共に鮮やかに描かれていて、とっても微笑ましく、また印象
的だったな〜(^^)暗殺者に関する諸々のセッティングは親友のジャスティンにほぼ丸投げ状態で(笑)、
ヘイリーを忘れようとひたすらアルコールに走るトホホな有様なんかも憎めなかったし(爆)、何事にも率直
なヘイリーに対してスティーブンの不器用なヘタレ振りが際立つ感じも○。そしてパプルモア君に対する
勝手に命名癖には大いに笑わせて貰いましたね〜(爆)私的にはパプルボンボンがツボ直撃だったり(^^)
脇役陣もまた個性的な面々が集まっていましたが、可愛さではやっぱりお茶会大好きのキャリーに尽き
ましたね(^^)お茶会やジョセフィーヌ嬢の手当て(笑)、そして手紙等スティーブンとのやり取りで見せる
子供らしい屈託の無さには目を細める思いでした。姉思いのパミラやシェイクスピア引用癖のある(笑)
アンドルーとネイサンも良かった。そしてウィンストン、グリムスリー、ピエールの三人衆も味があってナイス
だったな〜。のっけの口喧嘩を始めとして終始ニンマリとさせられたし、ピエールの英語訳には笑いが止
まらず(爆)ウィンストンがつく悪態をキャリーが何の気無しに口にするのにもおかしかったです(^^)キャラ
達の個性の立ち方が伸び伸びとしていて、二人を囲みながら、支えて応援しつつ、心を通い合わせた
温かなやり取りも申し分無し。ストーリーを明るく盛り立ててくれる、なくてはならない存在でしたね〜(^^)
傷が癒えたスティーブンはロンドンに戻る決心をしますが、ヘイリーにその事を伝えられないまま、ある晩
二人は関係を持ち、翌朝スティーブンは置き手紙を残して去ります。その後スティーブンの妹の計らいで
再会するものの、何も知らされていなかったスティーブンはとっさに自分の素性を知ったヘイリーが財産目
当てに接近してきたと勘違いをしてしまいますが、そんな中暗殺者がスティーブンに迫ります。ストーリー
は、流れとしてはゆったりとしている感じかな〜。ヘイリーとスティーブンのロマンスは機微を丁寧に映し出
しながら読ませていく内容で、個々の快活なエピソードもよく出来ていましたね(^^)展開こそオーソドックス
ですが、個性の立つキャラ達や温もりあるやり取りがストーリー上で自然に調和していたし、ヘイリーの趣
味でもある名前の語源や花言葉がエッセンス的なニュアンスを出しているのも○。上手さだけで無く、安定
感のある筆致で終始雰囲気良く展開しつつ、途中で弛む事も無く、全体的にまとまりも良かったです。
幸せが充満したエピローグも愉快で、やっぱりお茶会にはニンマリ(笑)心和やかな優良作品でした(^^)
今後の翻訳については不明ですが、是非出して頂きたいですね〜(^^)これまでのラズベリーさんはもう
一つといった感がありましたが、ツボをつく作品が段々と増えてきているので何より。期待しています(笑)
- 2008/03/03(月) 23:39:30|
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エリザベス・ソーントンの「トラップ・シリーズ」の完結編。パラノーマル風味の作品でした〜(^^)
侯爵の跡取りのアッシュは、新聞に掲載された小説が、実在の事件を元にして描かれた内容だと
いう話をかつての上官から聞かされ、作家の正体を突き止めて欲しいと依頼された。そんな中作家
の集まりに顔を出したアッシュは、イヴという女流作家に惹かれ、やがて夢にイヴが現れるようになり・・・。
新刊買いを見合わせたこの作品ですが、パラノーマル系という事で、平均レベルだった前作、前々作
とは違う面白みがあるかな〜と期待したものの、全体的に物足りないという印象は変わらずでした(笑)
ヒロインのイヴはマダム・バリモアというペンネームを持つ作家。母親の家系から受け継いだ超能力の
持ち主でもあり、作家の交流談話会への参加と社交界を舞台にした次回作のリサーチの為にロンドン
へ出かけます。気が強くて独立心旺盛なタイプといった風のイヴですが、困っている人を助けようと
する優しさや母親の死で受けた傷、自分の能力を抑え込み、他人と距離を置くスタンスといったイヴに
関する諸々が心情面の動きと共に確かに描かれていますが、印象としては平淡な感じが否めないん
ですよね(苦笑)父親や継母との不仲の要因になっている超能力という要素も特別なスパイスになって
いるとまでは言えずで、アッシュとの関係については思い切りの良さが見られたりしつつも、普通レベル
から抜けていかない。勿論良い面もあるのですが、その割りにキャラがいま一つ輝いてこないと言うか。
苦も無く読めてしまうのは何よりだけれど、魅力を語るとなるとちょっと困ってしまうヒロインでしたね(笑)
社交界の人気者で侯爵家の跡取りでもあるヒーローのアッシュは、楽しくも無為な日々を送っていま
したが、実在の出来事をネタに小説を発表している「アンジェロ」という作家の正体を突き止めようとし、
女流作家のイヴに出会います。この作品の一番の着眼点は、脇役時の陽気な伊達男キャラがチャー
ミングだったアッシュのヒーロー振りかな〜と私的に思っていましたが、これが期待した程キャラが弾けず
でしたね(^^;)一見した所ではお気楽な遊び人そのものなアッシュが、胸の内では弟の死によって受け
た傷や情の薄い父親に対する侮蔑の気持ちといった苦いものを抱えているという事なのですが、そうい
った要素がキャラの中で大して実を結んでいない感じで、読ませていくという程の掴みも無く、ヒーロー
にしては微妙に平凡な印象すらあったような。 ロマンスもジタバタ無しにストンと落ち着くし。前二作
時の光り具合は、脇役という立ち位置故なのかも知れないですね(笑)にこやかで愛想の良い物腰は
相変わらずで○ですが、背景からキャラに深みが増すかな〜と思いきや、そうでも無く・・・でした(^^;)
イヴが滞在している友人の自宅で、「アンジェロ」である事をほのめかしていた作家仲間の一人が何者
かに襲われた為、アッシュが警護も兼ねて屋敷に滞在する事になり、二人は関係を持ちますが、調査
を続ける内に「アンジェロ」の小説の舞台となった幾つかの庭園から昔の造園家の名前が浮かび上が
ります。まずイヴの超能力に関しては、展開にしっかりと絡んできますが、相手の思念を読んだりや夢
の共有といった内容なので、パラノーマル系が苦手な人でも問題無しなのでは・・・と思います。そして
ストーリーは脇役を多数登場させつつ、どちらかと言うとロマンスよりも謎解きの方をメインに据えた感が
強いかな〜。薄味気味なロマンス面はさておき(笑)、謎解きの方はイヴの超能力や過去の事件が
きちんと繋がっていくので、まとまりも良くてさくさくと読みやすいものの、面白さという点になると特筆する
程のものは無く、月並みなレベルで納まってしまうなあ〜と。脇役の面々についても個性様々に描か
れてはいましたが、特に印象には残らないんですよね(^^;)作風自体には安定感や堅実さは見受け
られるし、決して悪くは無いのですが、作品に強く惹き込むだけのパンチや魅力は私的に感じられず。
アッシュのキャラが思った程冴えなかったのも残念だったし、感想としては一読のみといった所かな〜。
今後もラズベリーブックスからエリザベス・ソーントンの作品が刊行されていくそうですが、巷の評判が
すこぶる上々で・・・という事でもない限り、新刊買い作家のリストからは除外となりそうですね(^^;)
- 2008/02/10(日) 21:34:57|
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