Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

恋人たちのゲレンデ

ケイ・フーパーの新刊。昨年出た「ラプンツェルの秘密」に続いて、「Bantam Loveswept」の作品ですね。

学術研究員のCJは恋愛に全く興味を持てず、仕事に打ち込む日々を送っていた。そんなある時仲良しグル
ープのメンバーの一人が結婚する事になり、結婚式が行われるスキー場へやってきたが、CJにも相手を
見つけようとする友人達をかわそうとしたCJは、偶然出会ったフェイトを恋人に仕立て上げてしまい・・・。

「ラプンツェルの秘密」よりも今作の方が好きですね〜。息抜きにもってこいな軽さも良いけれど、キャラが
好印象だし、難しい事は一切無しで、ただただシンプルにロマンスを楽しませてくれる作品でした(^^)

ヒロインのCJは図書館に勤務する学術研究員。友人の結婚式に参列すべく、仲良しグループのメンバーと
一緒にスキー場を訪れますが、ひょんな事からそこで知り合ったフェイトを恋人に仕立て上げてしまいます。
学問一筋で洒落っ気もほとんど無い上に(でも本当はかなりの美人)、異性に興味も無いという設定のCJ
ですが、自分のスタンスをちゃんと持っていて、しっかりとした性格でもきつかったり尖ったりはしていないし、
マイペースなタイプのせいか、友人達がついお世話を焼いたり、その夫達が保護欲満々になってしまうのも
何だかわかるような感じがしたと言うか(^^)そんな中フェイトとの出会いによってCJ自身が変化していく様
や恋する事で戸惑ったり、考えたりするCJの気持ちの動きを手堅く読ませるあたりや短いページ数の中で
も、CJのキャラ描写がきちんと行き届いているのが良かったと思います。中々良い感じのヒロインでしたね。

ヒーローのフェイトはロッジに滞在している弁護士ですが、自分の事を恋人だと偽ったCJに惹かれ、お芝居
に付き合う事にします。このフェイトですが、一目惚れのメロメロなヒーローそのものといった感じでしたね。
馬鹿げた作り話やニンマリとさせられつつ、状況を利用して楽しむ姿からは大らかさや温かみが感じられて
良いし、CJの事をちゃんと見て理解している事や凄く率直だけれど、自分の気持ちを押し付けない姿勢も○。
知性やユーモアのセンスがきらっと光る、雰囲気の良いヒーロと言えるかな〜。素敵だったと思います(^^)

友人達にフェイトを恋人と偽ってしまったCJは、そのまま芝居を続ける事になりますが、フェイトと一緒に過ご
す内に段々と惹かれていきます。ストーリー自体はあって無いようなものと言うか(笑)、とにかくややこしか
ったり、細かい事は抜きで、気張らずに甘くて可愛いロマンスを堪能出来る内容でしたね。でも良い意味で
軽いストーリーの中にキャラがしっかりと立っているし、脇役達の存在も良い具合に盛り立てていたかな(^^)
文庫と文庫の合間に一息つく感じで読んでいたHQからすっかりと脱落している身には、この軽量感や穏や
かな愛らしさが息抜きになると同時にほっこりと和ませてもらいました。こういう本も必要だな〜と実感です。

ケイ・フーパーと言うと、やっぱり「The Bishop/Special Crimes Unit Series」が気になる所だと思いま
すが、ちなみに12月にはシリーズの新作「Blood Sins」が発表予定との事です。翻訳の方はどうなって
いるんでしょうね〜(扶桑社さんじゃ無いけれど・笑)前作がいつ出たのかが思い出せないくらいだわ(^^;)

恋人たちのゲレンデ (扶桑社ロマンス フ 34-2) (扶桑社ロマンス フ 34-2)恋人たちのゲレンデ (扶桑社ロマンス フ 34-2) (扶桑社ロマンス フ 34-2)
ケイ・フーパー

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  1. 2008/09/26(金) 01:16:58|
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闇を駆けぬけて

リサ・マリー・ライスの新刊。「Ellora's Cave」から2003年に刊行された作品です。早速着手しました♪

殺人事件を目撃してしまったジュリアは、証人保護プログラムに従って名前を変え、アイダホの田舎町で
教師として暮らす事になった。現状を嘆く日々の中、ジュリアは元SEAL隊員で現在は牧場主をしている
サムと知り合い、身分を偽ったまま関係を持つが、ジュリアの居場所を突き止めた殺人者が迫っていて・・・。

「真夜中シリーズ」と同じカラーが見られつつも、今作は展開的には緩やかな感じで、よりストーリー性が
増していたのが良かったですね。ページ数に見合ったしっかりとした内容で楽しませてくれた一冊です(^^)

ヒロインのジュリアはボストンに住む編集者。マフィア絡みの殺人事件を目撃してしまい、証人保護プログ
ラムによってサリーと名前を変え、アイダホのうらぶれた田舎町に身を潜める事になります。華やかでお洒
落な事を好む都会のキャリアウーマンという感じのジュリアですが、始めから強さを発揮しないあたりが自
然と言えて、自分の境遇や現在の生活環境に対するあって然るべき不満や恐れを表に出す事によって
キャラにより現実味が加わったように思えたかな。ちゃんと自立心を持っているけれど、そこに固執して頑な
になったりしない賢明さや根の素直さもナイスでしたね(^^)前向きにやっていこうと決めてからの順応性や
肝っ玉の据わり方には元来の逞しさが窺えるし、クーパーとのロマンスも率直で○。またクーパーとの関係
や町の人々との繋がりを通してジュリア自身が思いがけず充足を得ていく様がほっこりと温かく描き出され
ていると同時にシンプソンの町に馴染んだジュリアの表情がとっても良い感じだったな〜とも。素敵でした♪

ヒーローのクーパーは元SEAL隊員で、現在は何代も続く家業の牧場を経営していますが、部下の子供
の担任教師のジュリアに一目で惹かれます。このクーパーはまさしくリサ・マリー・ライスのヒーローそのもの
でしたね〜(^^)心優しくて面倒見が良い性格故に町での人望も厚くて、仕事一筋でストイックな生活を
送っているというのも良いし、飾らない雰囲気から男臭さやセクシーさが感じられつつ、無口でコミュニケー
ション能力にちと問題がある所やジュリアにベタ惚れで常に臨戦態勢(笑)に入っちゃう姿が可愛いの何の
って。ジュリアの素性を知った後の問答無用(笑)の仕切り具合と過保護モード全開な姿なんかも期待
通りでニンマリとしたりも。中でも悶々と高ぶる一方でジュリアを傷つけないように、優しくしなきゃと胸中で
あれこれと気にしながら、クーパーがジュリアの人格を知る事で想いを深めていく流れを細やかかつキュンと
する色合いで読ませてくれるのが◎。「真夜中シリーズ」でもそうでしたが、一気に高まる性的テンションに
対してクーパーがジュリアを大事に思いやったり、心を砕いたりといった優しさや甘さを絡めた感情の動きが
丁寧に描き込まれている事でキャラに機微が見て取れるだけで無く、何とも格別の微笑ましさがあるんで
すよね。リサ・マリー・ライスのヒーローでは私的一番のコワルスキと並んでお気に入りと言えるなあ〜(^^)

今作ではジュリアとクーパーを囲んだ脇役キャラ達の絡みが多かったですが、時代から取り残されたような
シンプソンの町とアリスを筆頭にそこで暮らす人々の気風が良い味わいを出していましたね。こういう田舎
町って割と一癖あったりするパターンが多いのですが、シンプソンの町の場合は徹底した素朴さや時代遅れ
な感じがまた一興と言えるかな。アリスの食堂のリニューアルやジュリアを守ろうとする住民達の自警団振り
といったやり取りがストーリーに温かな色や妙味を添えていて、作品に欠かせない要素だったと思います。

クーパーと関係を持ったジュリアはじきに友人も出来て、シンプソンでの暮らしに馴染み始めた中、懸賞金
のかかったジュリアを追う殺し屋に居場所を突き止められた事を連邦保安官から知らされますが、ジュリア
の事情を知ったクーパーはジュリアを守る決意をします。スピーディーで密室感の濃かった「真夜中シリー
ズ」に比べると、話の運び方はじっくりとしている感じかな〜。ジュリアとクーパーの直球ロマンスは、セクシャ
ルな空気に相手を思う気持ちを着実に織り交ぜた内容で、細かい部分まで筆が行き届いていましたね(^^)
更に僻地とも言える田舎町で、都会っ子のジュリアがクーパーとの愛情や住民達との友情を育んで本当の
幸せを見つける下りは印象的で、密室感の濃かった「真夜中シリーズ」では見られなかった風通しの良さ
と言うか、開放感みたいなものを感じたりも。事件面は政府の間抜けさに尽きた感がありますが、きちんと
オチがついたのでヨシ。すっかりと復興したその後のシンプソンの様子や双子の娘達にメロメロで饒舌な(笑)
クーパーの姿が拝めたエピローグも幸福感に満ちているだけで無く、ジュリアの最後の言葉も含めて上手さ
が光っていましたね。キャラ、ストーリー共に過不足無く出来ていて、安定感のある筆致も○。「真夜中シリ
ーズ」とはまた一風違う風合いが楽しめる満足度の高い作品でした。次回の翻訳に期待が高まります(^^)

次に何が来るのか気になる所ですが、未翻訳分と言うと、「Port of Paradise」と「Dangerous Lover」
が挙がるので、そのどちらかな?ちなみに新作の「Dangerous Secrets」が7月に刊行予定との事です(^^)

闇を駆けぬけて (扶桑社ロマンス ラ 9-4)闇を駆けぬけて (扶桑社ロマンス ラ 9-4)
リサ・マリー・ライス

扶桑社 2008-05-29
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  1. 2008/06/20(金) 23:59:54|
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真夜中の天使

リサ・マリー・ライスの「Midnight Series」の完結編。コワルスキとアレグラのお話ですね〜(^^)

事故で視力を失った歌手のアレグラは、友人の依頼で演奏を披露したパーティーで、警備会社を
経営するコワルスキと出会った。すぐに惹かれ合った二人はその晩の内に関係を持ち、父親を殺害
され、記憶と視力を失う事になった事件の悪夢に苦しめられているアレグラをコワルスキは支えるが・・・。

一作目、二作目と続く内に段々と厚みや味わいが増しているように思えますね〜。速い展開の中
にもじっくりと読ませるような感じがあって、シリーズの中では一番のお気に入り作品となりました(^^)

ヒロインのアレグラはハープを演奏する歌手。かつてのマネージャーに父親を殺害され、アレグラ自身
も頭に怪我を負い、事件当時の記憶を失った挙句失明してしまいます。女性らしい美しさや優しさ
を持つアレグラですが、ふわっとした印象とアイルランド人らしい頑固さが上手く相乗しつつ、失明と
いう要素がキャラにより重みを加えているように思えたかな〜。コワルスキに対して見せる愛情や理解、
そして失明という事実を受け入れられなかったり、無力感を覚えたりといったアレグラの様々な感情
が素直に表現されているし、人好きがして、茶目っ気が窺える言動もとても可愛かったです(^^)
また強さを見せつつも、根が柔順な様や保護欲をかき立てるような雰囲気が自然に出ているのも○。
三作品を通して、ヒーローズだけで無くヒロイン像にも類似性が見られる中、キャラの立ち方と言うか、
内にあるものの光り具合も、私的にはアレグラが一番に映ったかな。好ましい印象に尽きましたね(^^)

ヒーローのコワルスキは、ジョンと警備会社を共同経営している元SEAL隊員。異性関係はひたすら
身体だけの付き合いに限るというスタンスは前二作のヒーローズと一緒ですが、こまめに気を配りながら、
せっせとアレグラのお世話をする姿は、愛情や思いやりが溢れるメロメロ君そのもの(^^)この尽くしっ
ぷりは、まさしく特筆に値しますね(笑)傷があっていかつい(本人曰く醜い)容貌で重厚な低音ボイス
の持ち主という要素以上に心理描写により妙味が感じられて、荒っぽさやごつさに対して内面からは
豊かな愛情や深い思慮が着実に見て取れるのは大きなプラスポイントと言えるな〜と。軍人的な
思考回路や車に積んだ武器の数々(コンドーム4箱はさすがとしか言いようが無い・爆)は、いかにも
らしくてニンマリだし、顔の事を気にしながらも、自分らしくありのままでいるあたりも好きだなあ〜(^^)
勿論下半身関連ネタもいろいろと(爆)ぶっ飛びつつ(笑)、アレグラに対する想いや理解、保護欲
丸出しな愛し方が微笑ましいと同時にコワルスキのキャラ自体もとても良く描かれていたと思います。

脇役陣に関しては、前二作のヒロインズ&ヒーローズに警備会社のメンバー達といった所ですが、
愛妻スザンヌの後を付いて回るだけで無く、コワルスキにのろけまくるジョンは、レンガぼろぼろの(爆)
ヒーロー時よりも、脇役でいる方が楽しませてくれるような(笑)そして私的には断然ジャッコが気に
なるなあ〜。柄が悪すぎの風体とアレグラの音楽に涙するギャップが最高(爆)こういう得たいの
知れないキャラって興味をそそられるんですよね(笑)是非ヒーローとして再登場して貰いたいわ(^^)

アレグラとコワルスキは一緒に週末を過ごし、相手への愛情や理解を急速に深めていきますが、一方
アレグラの父親を殺害し、現在は矯正施設に入所している元マネージャーが、施設の人間を使って
アレグラを殺害しようと目論見ます。二人が出会ってすぐに関係持つ、電光石火なロマンスではあり
ますが、ホットなシーンとはまた別の触れあい(アレグラがコワルスキの顔に触れるシーンはセクシャル
かつグッとくるものがありました)やちょっとした仕草なんかが、その場の空気や二人の間に通い合う
ものを如実に伝えつつ、全体的に優しさが散りながら、前々作、前作に比べると感情面の描写を
含めて内容に厚みが増している印象でしたね(^^)サスペンス面は添え物程度でOKだけれど、
あまりに極端だったり、ずっこけだったりするのも難なので、穏当に(?)納まったのが何より。あと
コワルスキがアレグラに物の位置を教えるエピソードも○。私的にこのシリーズは、尻上がりに良く
なっていくと言えるかな(笑)終始手ごたえも良好で、しっかりと楽しめる作品でした。面白かったです♪

さて次回の翻訳は「Woman on the Run」で、ヒーローは元SEALの牧場主との事で楽しみです(^^)
扶桑社さんの力の入れ具合を見ると、今年発表された「Dangerous Lover」や来年刊行予定の
「Dangerous Secrets」(この二作はシリーズかな?)の翻訳も当てに出来るかも知れませんね(笑)

真夜中の天使 (扶桑社ロマンス ラ 9-3)真夜中の天使 (扶桑社ロマンス ラ 9-3)
リサ・マリー・ライス 上中 京

扶桑社 2007-11
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  1. 2007/12/04(火) 00:00:00|
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真夜中の誘惑

リサ・マリー・ライスの新刊。巷での評判がすこぶる良いので、早速着手してみました〜(^^)

良家の令嬢のクレアは、友人と出かけたナイトクラブで男に絡まれた所を助けてくれたバドと一夜を
共にした。そのまま二人は週末を一緒に過ごすが、クレアの父親が来訪し、バドがかつて誘拐され
たクレアを救出した警官だと知らされる。そんな中父親の承諾を得た二人は婚約するが・・・。

ホットなシーンが満載で、軽快に読ませていく内容は前作と同様ですが、私的には今回の作品の方
が好きだなあ〜。シリーズの続きの翻訳も決まっているそうで何より(^^)レビュー開始します♪

ヒロインのクレアは、資産家の一人娘。十代の頃に白血病になったものの、長い闘病生活を経て
健康になった現在では、過保護な父親の元から離れて、自立した生活を送ろうとしていますが、
人生を謳歌しようとする姿からは前向きさや自分の心に従う素直さが感じられて、基本的に癖の無い、
可愛らしいタイプといった所かな〜。ただ、バドの態度に腹を立てた挙句に一方的に婚約破棄したの
はちょっと残念でしたね。過去の事もあるし、腫れ物に触れるようなバドの態度に苛立つのもわかり
ますが、バドに自分の言い分や考えを理解させようとぶつかっていく強さを見せて欲しかった〜と思い
つつも、許容範囲でした。バドに押され気味の感がありますが、バランスが取れていると言えるかな。

ヒーローのバドですが、アルコール依存症の継父と母親の元で育ち、海兵隊を経て刑事となった
経歴の持ち主。種馬指数(爆)や行為に対する考えは前作のヒーローのジョンと通じるものがあり、
そんなバドがヴァージンのクレアと出会いますが、自分の気持ちに正直だし、あれこれと世話を
焼きながら、クレアに料理の腕を自慢したいから〜とフライパンを振るう姿とかも好感が持てて○。
「プリンセスと騎士」の構図を思い浮かべているあたりにロマンチストの資質が見えたりも(笑)
苦労しながら、自分の腕一本でやってきたブルーカラー気質がバドの雰囲気から立ち上ってくる
感じで、卑下したり飾ったりせずに、ありのままの自分をさらけ出せるのが好印象でしたね(^^)
クレアの病気の事を知って以降の過剰とも言える過保護振り(笑)や手を出したいのに、我慢を
重ねて悶々と悩む様も単細胞らしいおかしさと真っ直ぐな愛情が見えて微笑ましかったです(^^)
前作のヒーローのジョンと比べると、私的にはバドの方がより可愛げや親しみが感じられました。

老い先短いクレアの父親にクレアの面倒を見て欲しいと頼まれたバドはクレアに結婚を申し込み
ますが、クレアがバドの過保護な態度に徐々に不満を募らせていく中、友人のスザンヌが何者かに
命を狙われた為、スザンヌと友人関係にあるクレアも隠れ家に身を隠す事になります。ストーリー
は、前半から中盤にかけてはクレアとバドの絡み(笑)を中心に展開していきますが、二人の関係に
ついては、終始バドの魅力による所が大きいかな〜といった感じかな。中盤過ぎあたりから前作で
描かれたサスペンスが軽く盛り込まれますが、前作を読んだ時と同様に、トッドという存在に個性が
与えられているだけに、使い捨てのように思える扱いが気になりましたね(言っても仕方が無いけれ
ど)でもトータルでペースも良いし、感情的に深く入り込むような内容では無いにしても、400Pを切る
軽量感が程良くて、小難しかったり、ややこしい事は無しで、気を抜いて楽しめる作品でした(^^)

次回作は「Midnight Angel」。コワルスキとアレグラのお話ですね〜。最近の扶桑社さんを見る
限りでは、この作品もさほど待たされずに刊行されそうですが、他のシリーズ物は一体・・・(^^;)

真夜中の誘惑 (扶桑社ロマンス (ラ9-2))真夜中の誘惑 (扶桑社ロマンス (ラ9-2))
リサ・マリー・ライス

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  1. 2007/09/02(日) 23:30:15|
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恋人たちの航路

「シーサイド・トリロジー」の番外編。画家として成功したセスと花屋を経営するドルーのお話です。

ヨーロッパで画家として成功したセスは帰郷し、セントクリストファーの町に落ち着こうとしていた。
そんなある日町で花屋を営むドルーと知り合い、店舗の二階をアトリエとして借りる事になった。
ドルーに惹かれたセスは絵のモデルを依頼するが、生みの母親のグロリアが姿を現して・・・。

トリロジーから18年後の設定という事なので、間を開けようかとも思ったのですが、我慢出来ずに
着手してしまいました(笑)やっぱりクイン一家の家族愛に尽きるなあ〜とホクホク。大満足です(^^)

画家として成功したセスが、セントクリストファーに帰郷するシーンから物語は始まりますが、11歳
だったセスの立派な姿には思わず目を細めてしまいましたよ〜。雰囲気としては自由で気楽そうな
感じかな〜。内には情熱的とも激しさとも言える要素を秘めつつ、三人の兄達各々の資質が自然と
見て取れたり。でもセスにはセスの空気がちゃんとあるんですよね(^^)あとグロリアの件で悩んで
はいても、セス自身は自分の居場所をわかっているし、本質的に揺るがないと言うか、強いものを
持っているせいか、安心感みたいなものも感じたかな〜。少年時代の様々なエピソードを思い返し
つつ、セスの成長振りはひとえにクイン一家の大きな愛情による所なんだなあ〜と改めて感じ入っ
たりも(笑)故郷に戻って伸び伸びとした表情を見せるセスの姿から、心地良さや幸福感が伝わって
きて、高揚するようでもあり、また優しいような気持ちになりましたね。とっても嬉しい再会でした♪

ヒロインのドルーは、ワシントンDCの名家の出身で、婚約者の裏切りを機にセントクリストファーに
引越して花屋を営んでいます。しっかりとした自分を持ち、礼儀正しくてきちんとしたお嬢様タイプ
ですが、元婚約者の裏切りのせいで不信感を持っているせいで、オーブリーとセスの仲を邪推した
りするけれど、打ち解けて以降は良い感じだったかな〜。愛してはいても、理解が通わない両親に
対する微妙な気持ちなんかもドルーのキャラの側面の一つとなっていましたね。ノーラのヒロイン
らしく強さも見せますが、ちゃんと加減がきいていたのも○。私的にはオーブリーのパンチある
個性に関心が向いちゃいましたが(笑)、ヒロインとしてのキャラ立ちは申し分無かったですね。

とっても楽しみにしていた18年後のクイン一家ですが、子供達も増えて益々賑やかになっていま
したね〜(^^)ちょい悪オヤジなキャメロンやアンナの肝っ玉母ちゃん振りが痛快!あんなに可愛
かったオーブリーのアニキな態度には驚いたり笑ったり(笑)シリーズを通してお気に入りのシーン
や印象的なエピソードは尽きないけれど、帰ってきたセスを兄三人が抱え上げて海に放り込む
「お帰り」の儀式はやっぱり好きだなあ〜。怒ったキャメロンがセスを殴らずに海に突き落とすのも
ね(笑)アンナVS男連中のやり取りもお約束のお楽しみだし、家族の団欒や日常生活の音色が快活
に歯切れ良く描き出されている様は、ノーラならではの巧拙を改めて実感させてまさに格別(^^)
家族だけで無く、セスと幼友達の再会も甘酸っぱいような眩さや温かみを感じさせて良かったし、
ステラとセスの交流(笑)も素敵でしたね〜。オーブリーとのキスの下りは読んでいて、何ともまあ
微笑ましいけれど、居心地の悪さに苦笑したりも。スピンの醍醐味を存分に堪能出来て幸せでした。

ドルーにモデルの依頼をしてOKを貰ったセスは、早速絵に取り掛かりますが、共に過ごす内に相手
を知るようになった二人が惹かれ合っていく中、生みの母親のグロリアがセントクリストファーに
現れて、セスを脅迫します。セスは兄達には言わずに自分で解決しようとしますが、想いの流れが
自然なロマンスと家族愛でがっちりと組まれたストーリーは、内容の充実振りは勿論の事、大船に
乗ったような安泰感で読ませますね(笑)14歳の時から自分なりに家族を守ってきたセスの想いに
泣かされると同時に明るい団欒とはまた別の怒ったり、諭したりの家族会議の場でも瞭然となる
クイン一家の愛情の強さと献身の深さにはただただ感服。凝ったものは一切無く、率直な視点で
感情を浮き彫りにしながら、しっかりと物語るんですよね。とっても素敵な番外編でした(^^)

これは余談になりますが、ノーラの既読のシングルタイトルを思い返して見ると、「優しい絆をもう
一度」や「「スキャンダル」はお気に入り作品で、あと「十七年後の真実」も割と良かったので本棚に
残っています(^^)「少女トリーの記憶」は悪くは無いけれど、手元に残す程では無かったし、
「心ひらく故郷」は設定負けもあってか、大して楽しめなかったなあ〜。「ぶどう畑の秘密」は当時
土の香りがするヒーローのポイントが高かったけれど、今読み直すとどんな感じかな(笑)ノーラの
山からお宝を4冊ピック出来て何よりですが(お薦めありがとうございます♪)、次は何かな〜。
「失われた鍵トリロジー」が揃っているので、それでもいいかな〜とも。その内読みたいですね(^^)

恋人たちの航路―シーサイド・トリロジー・スペシャル (扶桑社ロマンス)恋人たちの航路―シーサイド・トリロジー・スペシャル (扶桑社ロマンス)
Nora Roberts 竹生 淑子

扶桑社 2004-07
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  1. 2007/08/20(月) 22:36:14|
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明日への船出

「シーサイド・トリロジー」の三作目。フィリップとセスの叔母シビルのお話です(^^)このシリーズが
あまりに良すぎるので、ノーラの他作品は、また暫く寝かせたままになりそうな感じです(笑)

広告会社で働くフィリップは、週末になると実家へ帰省し、兄のキャメロンやイーサンと共に始めた
造船業に勤しんでいた。そんなある日心理学者のシビルと出会い、フィリップは惹かれるものを感じ
るが、シビルがセスの母親の妹で、姉に頼まれてセスの様子を探る為に近づいてきた事を知り・・・。

ハズレは無しと確信して取り掛かりましたが、今回もまたガツンと来ましたね〜。前ニ作とは違う
カラーや流れを楽しみつつ、しっかりと感動を貰える、トリロジーの最終話に相応しい作品でした♪

ヒーローのフィリップは、広告会社の重役で、ワインや美食を好む都会型人間。動と静をそのまま
体現しているようなキャメロンとイーサンに比べると、バランスが取れているとも言えるかな〜。洗練
された、如才無いの顔の裏に鋭さを秘めているあたりは、ノーラのヒーローらしさが窺えましたね。
イーサンみたいに過去を重く引きずっているわけでは無いけれど、レイとステラに引き取られて以降
懸命に努力を重ねて、現在のライフスタイルを築いたという経緯が、不良少年だった過去を乗り越え
ると同時にフィリップのキャラを安定させていったんだなあ〜と納得したりも。兄弟の輪を離れた
フィリップ個人と言うと、兄弟の中では最も現実的で実際家という程度の印象しか無かったのです
が、保険会社への対応や造船業の雑務処理担当、そしてセスの宿題係(笑)という役割を通して、
縁の下の力持ちとでも言うか、フィリップならではの資質がちゃんと見えてくるんですよね(^^)
そういえば買い物も担当していたな(爆)セスはレイの子供なのではないかという疑念を乗り越えて、
セスとの間に本物の愛情や理解が通じ合う様も温かくてじんわりとさせたし、特に印象深かったの
が、兄弟達の名前が入った看板のエピソード。これはフィリップ無くしてありえないと大いに感心
しつつ、フィリップの存在がクイン兄弟にバランス感を与えていているんだな〜と実感しました(^^)

ヒロインのシビルは著名な心理学者。息子を奪われたので助けて欲しいと姉のグロリアの頼まれた
為、まずはセスの様子を探ろうと、正体を隠したままクイン兄弟に近づきます。このシビルですが、
感情を抑制した、冷静沈着なタイプですが、人間を観察する事を仕事にしながらも、常に外側に
立っているせいか、人付き合いとなると上手くなさそうな、どこか不器用で寂しそうな印象があった
かな〜。グロリアにいいように利用されてしまう姿も、裏には罪悪感やセスへの愛情があるだけに
切なかったです。そんなシビルの内に秘めたものが徐々に浮き彫りになっていきますが、その過程
の細やかな描写やキャラ形成の奥深さが秀逸で、シビルの孤独やセスへの愛情には思いがけず
泣かされましたね。フィリップとのロマンスやセスとの交流の中で、シビルの心の動きや変化、
そして成長をがっつりと読ませつつ、シリーズを通して、一番興味深く感じたヒロインだったかな〜。

セスは益々兄達に似てきたというか(笑)野球を見ながら、キャメロンを真似て悪態をつく所や仕草
なんかもそっくり(^^)セスの中に三人の兄達の資質が見て取れるのも微笑ましかったなあ〜。
そしてレイが自分のお祖父ちゃんだという事を町の皆に知ってほしいという涙にはしっかりと貰い
泣き(><)兄達やアンナをからかったり、憎まれ口を叩きながらも、せっせとお使いに走る表情に
子供らしい丸さがあって、やっぱりセスの幸せそうな姿は格別に嬉しく感じますね(笑)

クイン兄弟(一家)の騒々しい(笑)やり取りは、シリーズを通してのお楽しみですが、喧嘩したと
思ったら、次の瞬間にはからかい合ったりという空気の変化が相変わらず自然で上手いなあ〜と
感服。「クイン・ブラザーズ・ボート」の最初の船の最後の仕上げのエピソードやセスのお誕生日
プレゼントに兄三人がヨットを作ってあげたりのシーンに感動し、パーティーの後片付けは男連中に
やらせると息巻くアンナに笑ったりと生き生きとした感情と共にその場の音や温度が伝わってくる
ような感じで、何気ないながらも率直に愛情や献身を物語るやり取りやシーンには事欠かないし、
またこうした個々のエピソードが、このシリーズの揺ぎ無い核となっているんだなあ〜とも。

セスを利用した姉のグロリアの脅迫の一件を知ったシビルが、セスの養育権がクイン一家に渡る
ようにする為に全面的な協力を約束する中、シビルの立場を理解したフィリップはキャメロンの反対
をよそにシビルとの関係を深めようとします。二人のロマンスは、駆け引き的なニュアンスを含んだ
スタートから、シビルの素性が明らかになったのを機に徐々に密度が高くなっていく感じでしたね。
フィリップとシビルの関係に口を出す、長男坊キャメロンのアニキ振りには思わずニンマリ(笑)
ストーリーの軸でもある、クイン一家の断固とした家族愛は言うまでも無く、何事にも距離を置いて
生きてきたシビルが、自分自身と向き合っていく姿が印象的。全体を通して、力強い筆で丹念に描き
込まれていて、最終話として申し分無いですね。優しくて温かな色彩に満ちている作品でした(^^)

大人になったセスのお話もとーっても楽しみです(^^)こちらも近々読みたいと思っています♪

明日への船出―シーサイド・トリロジー〈3〉 (扶桑社ロマンス)明日への船出―シーサイド・トリロジー〈3〉 (扶桑社ロマンス)
Nora Roberts 竹生 淑子

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  1. 2007/08/15(水) 23:59:07|
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愛きらめく渚

「シーサイド・トリロジー」第二弾に着手しました。クイン兄弟の二番目、イーサンのお話です(^^)

漁師のイーサンは、パブでウェイトレスとして働くシングルマザーのグレースに長い間ずっと惹かれ
ていたが、自分の気持ちを伝えず、友人としての付き合いに留めていた。そんなある晩、パブの客
に襲われそうになったグレースをイーサンが助け出した事を機に二人の関係が変わり始めて・・・。

前作同様に良かった〜。今回のストーリーは、終始しっとりとした趣を漂わせていましたが、ロマン
ス、家族愛共に調和の取れた内容は期待通りの充実振り。涙腺が緩みっぱなしでした(><)

ヒーローのイーサンは漁師で、クイン兄弟の二番目。兄弟の中でも一番口数が少なく、熟考を
重ねるタイプで、普段も質素で静かな生活を送っています。兄弟の中で私的に一番興味を引かれ
たのが、寡黙で堅実なイーサンなのですが、雰囲気としては凪いでいるような静けさを感じさせる
と言えるかな。時間をかけて、物事をじっくりと考え抜く辛抱強さや落ち着きといったイーサンの資質
が、ストーリーの流れに沿うように緩やかに際立っていって、ゆったりとした構えの中に見て取れる
力強さや奥深さには惹き付けられたました。キャメロンのキャラは動そのものといった感じで、ある
程度予測がついたけれど、イーサンはそういうタイプでは無いんですよね。イーサンの内に残る、
少年時代に受けた性的虐待による傷や強すぎるくらい強い抑制力が痛々しいと同時に抑えていた
激しさが浮き彫りになるにつれて、ホロホロと落涙しつつ、グレースへの想いも誠実で確固としている
だけに、前に進めないイーサンが何とも切なかった。地元を離れず、安定しながらも孤独な生活を
送る事で、内にこもって生きているイーサンが、一皮向けていく過程も、いかにもイーサンらしい
足取りというか、思慮深さが滲んでいましたね。思いがけず、泣かされちゃいましたよ〜(><)

ヒロインのグレースは、二歳の娘を抱えるシングルマザー。かつてはバレリーナになる夢を持って
いたものの、現在では昼間は家政婦、夜はパブでウェイトレスとして働いています。二十代前半に
しては、子供が居て苦労をしているせいか、凄く大人で、しっかり者の頑張り屋さんといった感じ。
日々の生活に追われていても、きつい面が無いし、まだ夢を見れる部分が、グレースの中に垣間
見れるあたりも良かったですね。アンナの後押しを受けて、イーサンにぶつかっていく勇敢さも○。
傷つきながらも、自分の胸の内を整理して、イーサンと父親に思い切り吐き出す姿はあっぱれだし、
自分に出来る事を一生懸命こなして、地道に生きている様は応援したくなりましたね〜(^^)そんな
グレースが前向きに向かっていく姿勢が気持ち良かった。アンナに続いて、素敵なヒロインでした♪

そしてセスは前作時に比べると、リラックスしてきたなあ〜といった印象でしたね(^^)仕草まで兄達
に似てきたし、やんちゃな言動から、楽しげに伸び伸びとした面持ちが感じられるのが、何とも嬉し
かったり。船造りを手伝ったり、キャメロンとアンナがハネムーンから帰ってくるのを外で待っている
姿も可愛かったなあ〜(^^)セスがイーサンから学び取る姿やイーサンがセスと同じ目線に立って
物事を見ながら、正しい事を説くやり取りも、二人が共有しているものがあるからこそ、印象深い
重みをたたえているなあ〜と。クイン兄弟のやり取りは、お客から注文を取ろうとする下りの、フィリ
ップを中心とした兄弟のチームワークやセスの利口振りが楽しく光っていましたが、花壇荒らしの
一件やパーティーの準備で、アンナに容赦無くこき使われて、不満たらたらなキャメロンとイーサン
の姿は特におかしかった。アンナは男連中はどうしようもないと怒り、言いたい邦題に言われている
男連中は、女の頭の中は理解出来ないとお手上げ状態(笑)こういった何気ないやり取りが本当に
上手いんだなあ〜(^^)愛情と心で結ばれた家族ならでは明るいエピソードは前作同様に爽やか
で心が温まりますね。イーサンとオーブリーのキスのやり取りもあまりに可愛くてほんわかとした
し、神出鬼没な(笑)レイ父さんとの会話には和みつつ、ジーンとしたりも。次はフィリップだな(^^)

一夜を共にしたイーサンとグレースは、自分の想いを相手に伝え、関係が徐々に深まっていきます
が、結婚を望むグレースに対して自分の生まれを気に病むイーサンはその意志が無い事を伝え
ます。セスの母親から脅迫めいた手紙が届いたりとセスの問題も徐々にせまってくる中、家族の
団結や思いやり、愛情がここ一番という箇所で着実に発揮されるあたりが、このシリーズの醍醐味
の一つかも〜と感じました。寡黙なイーサンが主役のせいか、作品自体もどちらかと言うと、静かに
落ち着いている印象で、その流れの合間に家族間の明朗なやり取りが弾みを見せる感じかな〜。
イーサンのゆったりとした切ない心模様を厚く描き出しながら、しっとりとしたロマンスと家族愛が
相乗したストーリーは、容としてはシンプルだけれど、深く込められた情感が本当に素晴らしい
です。過去に読んだ作品みたいに何かしらの業界を背景にしたりせず、ストレートに家族の在り方
に視点が置かれているのもまた良いのかも〜と思ったりも。シリーズ二作目も優秀作品でした(^^)

次はフィリップです。間を置かずに読みたいと思っていますが、残りはあと二冊。寂しいなあ〜。

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  1. 2007/08/04(土) 00:27:32|
  2. 扶桑社|
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