11月の新刊の私的本命本その1。以前から気になっていた作家さんの作品が続々と翻訳されていくのは
嬉しい限りですが、お財布は結構厳しいよなあ〜(^^;)来月も出来るだけ厳選して購入しなきゃね(笑)
- 2008/10/06(月) 22:12:56|
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リンダ・ハワードの新刊。400ページ足らず(!)の薄さだったので、あっという間に読めてしまいました〜。
資産家の夫を亡くした未亡人のベイリーは、遺言に従って二人の継子達の遺産管理をしていたが、当人達
からは辛く当られていた。そんなある時休暇に出かけようとしたベイリーが乗った小型飛行機が墜落する
事故が起こり、パイロットのキャムと共に一命を取り留めたものの、雪山の中に閉ざされる事になって・・・。
最近はイマイチな作品が続いている(笑)リンダですが、とりあえず読むのに難儀したというわけでは無い
ものの、過去作品で見られた力強さとか吸引力が感じられず、全体的に物足りなさは否めずでしたね〜。
ヒロインのベイリーは資産家だった亡夫の継子二人の為に遺産管理をしている未亡人ですが、ある日休暇
に出かける為に乗った小型飛行機が墜落し、危うい所で一命を取りとめます。このベイリーですが、キャラと
して悪くは無いものの、抜けてはいかないかな。理性的で感情を表に出さないタイプで、難局を乗り切るべく、
賢く逞しく立ち回れる様は文句無くあっぱれだし、結婚離婚を繰り返した親の影響で、他人と親密になれず
どこか寂しさが漂う感じも出ているのですが、何とも薄味と言うか。状況的に大活躍とも言える動きを見せて
いて、リンダのヒロインらしい芯の通った強さも感じられましたが、思ったほど惹き込まれないんですよね〜。
キャムとのやり取りを絡めつつの、ベイリーがキャムへの愛情に目覚める下りとかもそこそこな手ごたえで
納まってしまい、感情描写も過去作品なんかに比べると淡白な感じがしました。タフで優しいし、それなりに
魅力はあると思うんだけれどな〜。リンダのヒロインにしては、存在感がいま一つ薄めではありましたね。
ヒーローのキャムは元空軍の軍人で、現在はチャーター機運行業の経営者兼パイロット。病気になった相棒
の代わりにベイリーをデンバーまで乗せていく事になりますが、クールなベイリーに好感を持てずにいます。
さらっとしているようで男気があり、ユーモラスで茶目っ気が窺えるキャムのキャラは中々良かったですね。
ベイリーの本質をちゃんと見抜くし、ベイリーに惚れたと自覚して以降の揺ぎの無さや穏やかさの中にも
どっしりとした自信や落ち着きが見られるあたりも○。過去作品のヒーローズのように濃かったり、強いインパ
クトがあるタイプでは無くて、ベイリー同様に深く掴む程のものは無い感じですが、魅力は光っていたかな。
続いて脇役陣ですが、これがまた微妙でして(^^;)ベイリー継子のバカ兄妹に関しては、妹はともかく兄の
セスが性根を入れ替えて、会社の下働きから始めたのが唐突的で、何ともすっきりとしない曖昧さが感じ
られたと言うか。これなら最後までろくでなし路線を突っ走って貰った方が良かったかな(笑)そして真犯人
についても犯行背景や動機に取ってつけたような感じがあり、もっと明確なものが欲しかったと思います。
ベイリーの介抱によって怪我を負ったキャムの意識が戻り、雪山の中で生き延びるべく協力し合う中、二人
は相手に惹かれていきますが、墜落現場に行ったキャムは燃料タンクに細工が仕掛けられていた事を発見
します。ストーリーは、雪山でのサバイバルシーンにページの大半が割かれていて、手厚い描写で細々と
読ませつつ、ベイリーが様々な物を持ち込んでいるあたりは「炎のコスタリカ」のジェーンをちょっと思い出さ
せたし(笑)、手元にある物を創意工夫しながら活用していく様は興味深く思えたりも。話のペースは割と一
定していて、ベイリーとキャムのロマンスは、決して悪くは無いけれど、キャラの感情描写等リンダにしては
薄味な感じでした。そして事件面はプロットの緩さが顕著で、脇役の配置もイマイチ。サバイバルシーンは、
しっかりと描写が行き届いていましたが、作品全体を見るとパンチに欠ける内容だったな〜と。残念でした。
次回の翻訳は「Death Angel」。悪女ヒロインとの事でして、興味深々です。私にとってリンダは、このジャ
ンルに誘ってくれた作家さんだし、やっぱり特別ではあるですよね。近年の作品は外したりもしていますが、
何だかんだ言いつつ、今後も新刊買いして読むんだよな〜と思います(笑)とりあえず次回作に期待です(^^)
- 2008/09/05(金) 23:30:21|
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キャサリン・コールターの4月刊。地味に数か月前の新刊を救済中。「FBIシリーズ」の一作目ですね(^^)
サリーは、父親殺害の容疑から逃れる為に伯母を頼ってコーブという田舎町へ身を寄せた。だが死んだ
はずの父親からの電話や姿に悩まされるようになる中、実は自分を追ってきたFBI捜査官だとは知らない
まま私立探偵を名乗るクインランと知り合うが、程無くしてコーブの町で殺人事件が連続して起こり・・・。
いや〜、文句無しに面白かったですね〜。コールターらしいキャラも良かったけれど、とにかくストーリーが
上手い!先の読めない展開に惹き込まれての一気読みでした。やっぱりこのシリーズは外さないな〜(^^)
ヒロインのサリーは父親殺害の疑惑から逃れる為に伯母の家があるコーブにやってきますが、不可解な
出来事に遭遇し、そんな中私立探偵を名乗るクインランと知り合います。このサリーですが、とてもコール
ターらしいキャラでしたね〜。かなり痛い目に合ってはいるものの、くじけずに踏ん張って見せるガッツや
精神面のタフさが○。しっかりとした強さを持っているし、でも無駄に片意地を張ったりせず、状況に応じて
柔軟に対処出来る現実的な判断力があるんですよね。あとガッツや強さの中にもどこか守ってあげたく
なるような雰囲気が感じられると言うか。サリーのような状況に置かれた場合、人間不信になっても当然
だと思うけれど、クインランに信頼を寄せて心を開く事が出来るポジティヴさやロマンスにおける率直な
スタンスが見られるのも良かったです(^^)自分自身で逞しく立ち向かっていく一方で他人の助けを受け
入れられる素直さ等トータルで好感度大。ロマサスにはこれが容易で無いタイプが多いんだよな〜(苦笑)
ヒーローのクインランはFBI特別捜査官。父親が殺害された現場から逃げ出したサリーを追ってコーブの町
に辿り着き、私立探偵と身分を偽って接近します。さて。クインランですが、えーっと・・・。「迷路」での登場
を拝んだのは一体いつだったっけ・・・?といった感じですが(笑)、ヒーローとしても勿論申し分が無くて、
穏やかで気さくな物腰と鋭い頭脳の組み合わせがとっても魅力的。魚嫌いで植物愛好家&サックスプレイ
ヤーな一面もナイスでしたね。サリーに対してもこまめな優しさや思いやりを見せつつ、気持ちに迷いが無
いのが良いし、どっしりとしていて愛情深い、人間がよく出来た様には安心感覚えたりも。サビッチの飄々
とした温度感に比べると正統派な印象かな〜。でも確かに個性が立つヒーロー振りが素敵でしたわ(^^)
続いて脇役メンバーズですが、とにかくサビッチの存在感は抜群!あの一風変わった個性の立ち方は
正直主役以上のものがありましたね(笑)その場をさらってしまうような魅力だけで無く、サリー曰く「筋肉
がつきすぎ」(爆)のマッチョさと相棒マックスも健在だし、クインランとの息の合った掛け合いも最高でした♪
そしてサリーの父親を筆頭とした悪役連中に関しても、各々の異常さや気味の悪さがストーリー上で色濃
く描出されていて、その独特かつ不気味な風合いもまたコールターの高い筆力故だなあ〜と感服でした。
クインランと行動を共にするサリーは母親の元を訪ね、夫や自分を監禁し、今でも付きまとう精神科医と
対峙した結果父親の殺害に関する意外な真相を知らされ、更に二人はコーブの町へ戻る事になります。
まずペースとしては速さを感じたかな〜。作品全体を通してコーブの町と住民達が醸し出す薄気味悪さ
が漂う中、複数の事件を巧みに絡ませながら、二転三転して読ませるプロットはまさしく秀逸で、小さな
田舎町に息づくどろどろとした悪感やキャラそれぞれの個性の描写、事件面とロマンスのバランス感も◎。
細部に渡ってよく練られているけれど、展開として細かすぎる事も無く、力強さと上手さが一体となって、
絶妙な面白さを生みだしていましたね。あちこちから刊行されているコールターのヒストリカル作品は、
私的に合わないものが多いのですが(笑)、今作は久し振りの当たり作品でしたね〜。上質の一冊です(^^)
後書きによると次回の翻訳は「Point Blank」だそうですが、これがシリーズの10作目という事でして(笑)
私的には飛ばされているシリーズの前の方を出して頂きたくはあるものの、既にバラバラな翻訳状況を
思うと、まあ、とりあえずは読めるだけありがたいと言うべきか。しっかし・・・てんで方向性が見えてこない
んですよね〜(^^;)このままだとキャサリン・アンダーソンが同じ轍を踏みそう予感が大だったりも(笑)
- 2008/08/10(日) 21:58:15|
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アイリス・ジョハンセンの新刊。前作が出たのが確か・・・一昨年の夏だっけ?間開けすぎでしょう〜(^^;)
考古学者のエルスペスは、かつてメキシコに存在した古代都市カンタランに行くべく、カンタランの場所を
知っているというドミニクの元を訪れて案内を頼んだ。お尋ね者のドミニクは断るが、ある事情からエルス
ペスを連れて故郷のキララに戻る事になり、やがて二人は結ばれるが、ドミニクの身に危険が迫って・・・。
昨年出た単発作品が不発だったせいか、やや低めのテンションで読み始めたのですが(笑)、新鮮味を
感じつつ、ジョハンセンならではのカラーが出ていて、このシリーズは外さないな〜と実感。面白かったです。
ヒロインのエルスペスは身寄りの無い考古学者。伝説の古代都市カンタランの場所を知っているパトリック
の元を訪ね、カンタランへの案内を頼みます。このエルスペスですが、ジョハンセンのヒロインにしては珍しい
と言えるかな〜。性格的には穏やかで控えめな感じだけれど、他人の痛みに敏感で繊細な一面に対して
自分が正しいと信じる事を主張出来る頑固さがあるのが良いし、ドミニクの気持ちに気がつかない鈍感
振りが可愛かったりも。内心では自信が無くて不安を抱えながらも、そんな自分を何とか奮い立たせて強
く出ようとする姿に(過去のジョハンセン作品のヒロインズに見られる)他人を拒むようなそっけなさでは無く、
純粋に自力で頑張ろうとするひたむきさが感じられるのも○。またシルヴァーに見せる優しさやドミニクに対
する率直でどっしりとした愛情を交えつつ、エルスペスが精神的に逞しくなっていく様も手堅く描かれていた
と思います。最後の肝っ玉の据わった行動も好感触で、終始無理が無く、素直に描かれたヒロインでした。
ヒーローのドミニクは赦免されたお訊ね者ですが、未だに殺し屋に狙われている為、故郷を離れてギャンブ
ラーとして生活しています。冷笑的で粗野に振舞う一方で心の中では孤独感やキララへの思いを秘めて
いて、ジョハンセンのヒーローらしい傲慢さもアリだったな〜。大切な人達を傷つけないようにとあえて距離
を置こうとするスタンス自体は切ないのですが、自分から遠ざけようとする一方でどんな時でもエルスペス
を守ろうとする強い意志や思いやりがあるんですよね。でも悶々とするドミニクの胸の内には思わずニンマリ
とさせられたり(笑)故郷へ戻って以降はドミニクのキャラがこう・・・生きてくると言うか、存在感が増してくる
感じで、葛藤を乗り越えた後のエルスペスへのメロメロな愛情や崇拝の注ぎっぷりはとりわけ好印象かな。
既刊に多い、押せ押せ一辺倒のヒーローとはまた違う、ドミニクにはドミニクの良さがちゃんとありましたね。
そして脇役陣ですが、シルヴァーは勝気なキャラで目立っていましたが、生い立ち故にディレイニィ家から
受け入れてもらえず、わざと突っ張った態度を取る姿は痛々しくもあり、正反対なエルスペスのキャラとの
対照も○。続いてパトリックは若くてお茶目なキャラや悪戯っ子的な言動からは窺えない部分があったり
で、ライジング・スターとの関係を通して、中々興味深く映りました。あと白人の世界で生きようとしても
結局は受け入れて貰えず、最終的には自分の存在意義を失ってしまったライジング・スターにはとっても
やるせなくなったな〜。中盤過ぎあたりからメインのロマンスと並行しながら、苦く切なく読ませましたね。
キララに滞在する事になったエルスペスとドミニクは、ある晩ドミニクを狙う殺し屋の策略によって関係を
持ってしまった結果結婚する事になり、式の最中にドミニクが襲われながらも二人はカンタランへ向けて
旅に出ます。前半はどちらかと言うとスローに流れていく感じでしょうか。大きなエピソードを挟みつつも、
ヒーローがガンガンと攻めるタイプでは無いせいか(笑)、展開的にはゆったりとしているように思えたかな。
アドベンチャー要素は後半過ぎになって一気に盛り上がってきますが、ページ的に不足する事も無く、
キャラ達の配置も確か。しっかりと中身が詰まった内容にまとまっていましたね。(私的には)キャラが強
烈に立つとか強い魅力で引っ張る程では無いけれど、細やかに行き届いた筆致とエルスペスやドミニク、
そして脇役達も含めた各々の心模様の明確な描出は特筆ものだなあ〜とも。良く出来た一冊でした。
今後の翻訳の予定は不明ですが、また忘れた頃にやってくるのかな〜(笑)ジョハンセン名義の作品が
あと2作あって、ケイ・フーパーとフェイリン・プレストンの作品が合計8作。完訳するのはいつでしょう(^^;)
- 2008/07/15(火) 23:43:02|
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ルーシー・モンローの「Mercenary Trilogy」の完結編。ホットワイヤーとクレアのお話ですね〜(^^)
介護施設でアルバイトをしているクレアは、施設で親しくしていた老人が亡くなった事を悲しんでいたが、
その晩自宅で何者かに襲われた。そんな中クレアの元に駆けつけた元傭兵のホットワイヤーは、事件の
真相を探りながら、クレアの身辺警護をする事になるが、以前から微妙だった二人の関係が変化して・・・。
さて、遂に完結編となる今作ですが、シリーズに共通するホットで軽めなストーリーはキャラ達も良いし、
細かい事や小難しい事は一切抜きで気張らずに楽しめる内容と言えますね。さくさくと一気読みでした。
ヒロインのクレアは老人介護施設でアルバイトをしながら生計を立てている大学生ですが、突然何者かに
襲われ、身の安全を図る為にホットワイヤーと一緒に行動する事になります。ダメな親のせいで苦労続き
だった事もあり、物の見方や考え方がしっかりとしている現実的なタイプかな〜。目標に向かって地道に
努力を続ける姿は好ましいし、人付き合いをあまりしない一匹狼的な面もあるものの、自分の考えを主
張しながらも周囲の意見に耳を傾けて好意を受け入れる事が出来る判断力や素直さが○。落ち着いた
雰囲気からは穏やかな優しさが感じられるので、老人とうまが合うんだろうな〜と。クレアの素朴さや堅実
さには安心感があるように思えたりも。そしてホットワイヤーと率直に向き合う一方で慎重に構えるスタンス
についても、クレアの個性や心情を読ませつつ、きちんと伝わってきましたね。ナイスなヒロインです(^^)
ヒーローのホットワイヤーは元傭兵で、以前から惹かれていたクレアの身辺警護をする事になりますが、
過去に婚約者を亡くした事があり、二度と真面目な付き合いはしないと決めています。むっつりなニトロ
(笑)とは対照的と言える、人当たりの良さやチャーミングな物腰はヒーローになっても健在でしたね(^^)
保護欲&独占欲全開でクレアに接する姿はどう見てもメロメロ君そのものなのに、自分の気持ちを直視
するのを避けていると言うか、自覚していなかったりというあたりはオーソドックスではあるけれど、せっせと
クレアの面倒を見る優しさや責任感の強さ、茶目っ気といったホットワイヤーの魅力を絡めながら、微笑
ましく映ったな〜。こういう鈍感さを愛すべき風合いで上手く読ませてくれたと思います。亡き婚約者への
思いからは誠実さが見て取れるし、クレアに対して向ける思いやり溢れる、真っ直ぐな目線も好感度大。
実は南部の名家のお坊ちゃんだったという事実にニンマリしつつ、ホットワイヤーらしい温度感が○でした。
脇役キャラですが、まず翻訳が決まっている次回作のヒーロー、イーサンの顔見せがありましたね。こちら
も楽しみだな〜。後半過ぎからはホットワイヤーの家族が加わって賑やかなやり取りが交わされましたが、
遂にお目見えした「うちのお袋」(笑)こと「ホットワイヤーのママさんを筆頭に、良い人揃いな家族で何よ
り(^^)でもただ人が良いだけでは無くて、各々の個性がちゃんと光っているのが良かった。リズ&ウルフ
にジョシー&ニトロのカップルズも幸せオーラを出しまくりだし、スピンならではのお楽しみも十分でしたね。
亡くなった老人がかつて殺し屋をしていて、請け負った仕事に関する詳細を記した手帳を所持していた事
でクレアが事件に巻き込まれた可能性が強まる中、共に行動するクレアとホットワイヤーは関係を持ちます。
まずクレアとホットワイヤーのロマンスは、割とスローな感じかな〜。性的に悶々とした空気と一緒に、二人
の心情の流れを盛り込んだ一つ一つのシーンや会話がじっくりと描かれていて、サスペンスが添え物な分、
メインは確かな手ごたえで読ませましたね。私的にホットワイヤーがウルフとニトロにクレアの事を相談する
下りがツボでして(^^)、あの(爆)ニトロに道理を説かれるとは・・・(笑)ホットワイヤーの可愛い間抜け振
りがおかしかったわ。物語の展開の特別な面白さや妙は無くとも、終始感じ良く楽しませてくれたし、キャラ
の安定した魅力やロマンスの色合い、更に今作においては、ホットワイヤーの家族が温かみを添えていた
事もポイントが高いかな。肩の凝らない良作でした。余談ですが、このシリーズの好みを言うと、2>3>1
といった感じでしょうか(^^)1はイマイチ印象が薄めという事で。私的ご贔屓はやっぱりニトロなんです(笑)
次回の翻訳作品は「Satisfaction Guaranteed」。「The Goddard Project Series」の一作目です
ね〜。シリーズは二作目の「Deal With This」が刊行済みで、三作目の「The Spy Who Wants Me」
が来年の1月に発表予定との事です。こちらも年一ペースでシリーズ完訳して貰える事を願います(^^)
- 2008/06/12(木) 23:31:18|
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ジェイン・アン・クレンツの3月刊。昨年に続いて今年は何冊クレンツの作品が出るのか。楽しみですね。
新聞記者のアイリーンは、昔の親友パメラから意味深なメールを受け取り、17年振りに故郷に戻った。
連絡が取れないパメラに会いに出かけたものの、親友の死体を発見し、その死に17年前の両親の変死
事件との繋がりを感じたアイリーンは、ロッジのオーナーのルークと共に事件の真相を追う事になるが・・・。
昨年から翻訳が相次いでいるクレンツ作品ですが、相変わらずレベルの高さを感じさせるだけで無く、今作
はキャラ、ストーリー共によく出来ていて、クレンツならではのカラーと興が冴え渡った一冊と言えるかな(^^)
ヒロインのアイリーンは新聞記者で、メールを送ってきたかつての親友のパメラに会う為に両親が変死して
以降離れていた故郷の町を訪れます。過去に苦しんでいる事もあり、これまでのクレンツのヒロインとは
一風違う暗さや重さが漂う感じでしたが、雰囲気だけで無く、内で抱えている苦しみも着実に描出され
ていましたね。そんな中ルークとの間に理解や愛情が通い始めると、温かな落ち着きとファニーな魅力が
光り始めて、手料理を振る舞ったりやティーバッグを携帯していたりにはお馴染みの微笑ましさが見られ
たかな(^^)そしてルークとの関係も良いんですよね〜。トラウマに関する諸々が似ていて、他者には理解
出来ない部分で心が通じ合う様を顕著に表しつつ、クレンツ作品のカップルらしい息の合ったコンビ振りが
ホクホクと楽しいし、キャラの魅力は勿論の事、安心出来るような、親しみが持てる感じが好きだなあ〜と。
ヒーローのルークは元海兵隊員で、現在はロッジのオーナー。謎めいたアイリーンに「点」を感じて興味を
引かれ、共に事件の真相を追いかける事になります。このルークのへんてこオーナー振りが笑えるの何の
って(^^)儲ける気全く無しの運営スタイルに始まり、お客の方が下手に出てしまう(爆)、軍隊丸出しの
偉そうな接客態度や「ハネムーン・スイート」の下りでのズレまくった発言の数々が爆笑もので、ツボを直
撃でしたね〜(笑)更にアイリーンにメロメロで、「点」を繋げる為にストーカーの如く後を付いていく姿は
哲学者な言動と揃っておかしいやら可愛いやらだし、そんな中トラウマを持つルークがアイリーンに見せる
表情や心の開き方も自然で○。二人の間に何一つ無理が無いんですよね。あと私的には家族一同に
心配される長男という構図にニンマリしたりも。真面目でとぼけていて(笑)、愛すべき魅力が全開でした♪
クレンツ作品は大抵脇役が個性派揃いですが、今回は全体的に軽く色を添える程度で、中でもいかにも
末っ子的なジェイソンの屈託の無い明るいキャラが一番立っていましたね。自分達と違うルークを理解出来
ずに、お節介を焼いて心配する家族達の存在もそこそこな感じでしたが、過不足は無かったと思います(^^)
アイリーンとルークはパメラ殺害の真相を探り始めますが、パメラと関係を持っていたパメラの父親の秘書が
殺害され、パメラが隠していた鍵の出所を調べていたアイリーンは徐々に事件の核心へと迫っていきます。
ストーリーそのものは、クレンツの過去作品と比べてみると専門的なネタが使われていない事もあり、とても
シンプルな感じかな〜。でも作りはしっかりとしていて、捻りがありましたね。流れはスムーズで、ユーモラス
かつウィットに富んだ二人のやり取りが小気味良いロマンス面と脇役キャラ達を巧みに使いながらのサスペ
ンス面の絡み具合が抜群。安定感かつ円熟味を感じさせる筆致とクレンツならではの持ち味が、抜けて
いく面白さを生み出しつつ、最後までぶれる事無く読ませる内容でした。朝食が大切な(笑)アイリーンと
ルークのカップルは好感度大だし、ストーリーの手ごたえもヨシの上質作品。クレンツ節健在ですね(^^)
さて次回の翻訳はどうなるんでしょうね。クレンツも出版社が割れているしな〜(笑)ちなみに最新作は今年
の1月に刊行された「Sizzle and Burn」で、更に12月には「Running Hot」が発表されるとの事です。
- 2008/04/30(水) 23:59:50|
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ジル・マリー・ランディスの1月刊に着手しました。トワイライト・コーヴを舞台にした三部作の完結編です。
トレイシーは夫に突然先立たれ、息子への遺産として遺された廃屋状態の「ハートブレイク・ホテル」を
改装して、生計を立てようとしていた。ある晩当ても無く国中をバイクで移動しているウェイドがホテルを
訪れ、そのまま長逗留する事になり、二人は段々と惹かれ合っていくが、ウェイドには秘密があって・・・。
いや〜、やっぱりこのシリーズは良いなあ〜。堅実な筆致で静かに描き出されるストーリーは、しっとりと心
に響きながら読ませる事しかり。作品としては地味な部類に入りますが、質の高さはピカイチでしたね(^^)
ヒロインのトレイシーは夫を亡くし、財政的に厳しい状況の中、遺産の「ハートブレイク・ホテル」を再建して
生活を立て直そうとしています。前作、前々作のヒロインズに比べると大らかで温厚な印象のトレイシー
ですが、現状をきちんと見据えた上の前向きで楽観的なスタンスは無理が無いし、落ち着きある雰囲気
や内に秘めた気丈な面にも好感を覚えましたね〜。亡夫との結婚生活や息子、継娘との関係やウェイド
への想いを内省させながら細やかに読ませていくと同時にトレイシーの人生に対する向き合い方を通して
地に足の着いた確かさやしっかりとした意志が見て取れて、マイペースに頑張る姿にリアルさを感じつつ、
共感を抱いたりもしました。あと過去二作のヒロイズは過去の傷故の頑なさがありましたが、 自分の事
だけで無く、相手の立場や気持ちを顧みれる優しさや苦難や悲哀の中でも自分の感情に臆する事無く
従えるトレイシーの強さや率直さは素敵だったな〜とも。穏やかながらも芯の通った個性が良かったです。
ヒーローのウェイドは作家。著書を模倣した連続殺人事件が起こり、裁判沙汰に巻き込まれて以降は
仕事を辞め、あてもなく旅をしています。トレイシーのポジティヴさに対してウェイドは絶望や苦しみに縛り
付けられているだけで無く自殺願望を抱いてもいましたが、静かな言動を通して孤独感が浮き彫りになる
様は何とも寂しかったな〜。トレイシーとの出会いや「ハートブレイク・ホテル」での不可思議な体験によっ
てウェイドが罪悪感の殻から抜け出して、生きる力を得ていく流れも一歩一歩着実なだけで無く、とても
自然な感じがしましたね。トレイシーとの関係においても、素性を偽ってはいても相手に対して可能な限り
誠実であろうとするし、派手さは無いけれど、思いやりのある実直なキャラが味わい深く映ってナイスでした。
続いて脇役達に関してですが、トレイシーの息子のマットと継娘のチェルシーの存在は内面がきちんと盛り
込まれていて、中でも父親を失って哀しむマットと十代らしく反抗的なチェルシーにトレイシーとウェイドを
絡ませたやり取りは各々の感情がこもった内容で○。他カーリー&ジェイク、ちらっと登場したカートを始めと
したトワイライト・コーヴの人々も健在で、トレイシーへのサポート振りには心が温まる思いでしたね(^^)
トレイシーとウェイドが惹かれ合っていく中、ある時「ハートブレイク・ホテル」にまつわる二十世紀初頭の船
乗りの逸話をウェイドが語り始めた事がきっかけとなり、トレイシーはウェイドに不信感を抱きますが、更に
ホテルがオープンした晩、トレイシーはジェイクから夫が生前に友人との間に子供を作っていた事を知らさ
れます。ストーリーは過去二作品と同じようにゆっくりと時間が流れていく感じかな〜。丁寧に掘り下げた
心理描写によってそれぞれの苦悩や喪失感を浮かび上がらせながら、トレイシーとウェイドをメインに据えた
キャラ達の関係性も機微を出して綴られつつ、人生を見つめる視点には厳しさと同じだけの温かさが感じ
られたりも。またキャラ、ストーリー揃って等身大の温度感があり、愛情や友情、癒し、そして再生が情感
豊かに映し出される様に静穏な感動を貰うと同時にトレイシーとの出会いによって、日常のささやかな事に
幸せを見出したウェイドの言葉がしみじみと心地良い余韻を残してくれたと思います。上質の一冊です。
ようやく三部作が完結となりましたが、ジル・マリー・ランディス作品の今後の翻訳はどうなるんでしょうね〜。
ヒストリカル作品は定評があるとの事だし、出して頂ければ嬉しいのですが・・・当てに出来ないかな?(^^;)
- 2008/04/14(月) 23:59:59|
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