お初作家キャロライン・リンデンの新刊。本命本に取っ掛かって放置してしまう前に着手してみました(^^)
父親に勘当されて貧窮しているスチュアートは、裕福な女性と結婚すべくスーザンという令嬢に目をつけ、
指輪を渡して求婚を済ませた。だがスーザンの叔母で後見人を務めるシャーロットが現れ、大反対の姿勢
を見せた事から諦めたスチュアートは、ある晩指輪を取り戻すべくシャーロットの家に忍び込んだが・・・。
ライムさんの本は私的に当たり作が多いのですが、今作はパッとせずだなあ〜(^^;)ストーリーも割とあり
がちだし、それは別にしても他に売りポイントが見当たらない内容と言うか。一読のみといった所ですね。
以下
ネタばれアリで書いていますので、未読の方はスルーもしくはバックされる事をお薦め致します〜。
ヒロインのシャーロットは伯爵夫人。イタリア人の夫を亡くし、英国に戻って姪のスーザンと一緒に暮らして
いますが、スーザンに財産目当ての男が求婚している事を知ります。このシャーロットですが、どうにも苦手
なタイプでしたね(^^;)恋愛経験豊富で世慣れしている面はさておき、スチュアートを追い払おうと噂を脚色
して広めるように謀ったり(いくらスチュアートがどうしようもないとは言え)、銃を持ち出してのヒステリックな
行動や家の警備を怠り、泥棒の好き放題にさせていた危機感の無さには、呆れるばかりと言いますか(苦笑)
感情が先走って冷静に判断が出来ないし、物事に対する見方が狭くて一面的なので、正直賢さは感じられ
ずでした(^^;)また父親に家を追い出された事や妻が別の男とベッドに入っているのを覗き見する事が好き
な夫との生活といったイタイ過去も上滑りしている感じで(いくら感謝しているとは言え、そんな事をさせる夫
との生活を最高の三年間だったと言う気持ちも私的に解せない)、キャラが浅いまま心に響いてこないん
ですよね。スチュアートとの関係も特別印象に残らず。魅力や美点がわからずじまいのヒロインでした(^^;)
ヒーローのスチュアートは子爵の孫ですが、不仲の父親から金銭的手当を断たれてしまった為、借金を返済
すべく、裕福な花嫁を探しています。シャーロットに続いて、このスチュアートも何だかなあ〜といった感じで
したね(^^;)自分の土地を持つ事を夢見ていたとは言っても、父親からの手当を当てにして農場を購入した
というスタンスには甘っちょろいものが見えるし、挙句の果てには財産持ちの花嫁を見つけて借金をチャラ
にしようと考えるのも、ある意味他力本願と言えるのでは(苦笑)自力で財を成したり、家の財産に頼らず、
抜け目なく自分の資産を増やすヒーローが少なからずいる事を思うと、楽なやり方を好んでいる安直な印象
は否めずだし、更にこそ泥をする下りのお粗末さとかも何とも・・・(^^;)父親との不和や出生に関する事実も
キャラに深みを持たせるという程でも無かったしな〜。それでも性格的には優しいんだろうし、シャーロットに
対しても自分の気持ちを隠さずにぶつかる率直さが見られましたが、ヒーローとしては何とも微妙でしたね。
脇役に関してもまた魅力が乏しいキャラばかりでして(苦笑)、中でもスーザンの愚かさや頭の悪さにはいさ
さかウンザリとしたりも(^^;)そんな中唯一ウェア公爵は割と良さそうな感じでしたが、今の所スピンは出て
いないみたいですね。あとシャーロットの友人のオペラ歌手やスチュアートの両親も各々個性が光る感じでも
無いし、主役の二人を囲んでのやり取りで盛り上がるわけでも無く、何か物足りない感じだったと思います。
家出したスーザンの行方を追うシャーロットにスチュアートは協力する事になりますが、シャーロットの家に
入った泥棒がスーザンを連れ去った可能性が見えてくる中、シャーロットの元にスーザンと一緒にいる男か
ら手紙が届き、男がスーザンと引き換えに、シャーロットの持つ何かを欲しがっている事を知らされます。
まずシャーロットとスチュアートのロマンスですが、性的緊張感を絡ませながらホットに描かれていましたが、
二人が交わす会話にウィットやユーモアのセンスといった特筆ポイントが無く、背景が人物造形に生かし
切れていない感じに思えたかな。ホットではあるけれど、それ以上では無かったです。そしてシャーロット
の夫の遺産が絡んだ事件面も特に興が乗ってこないし、展開的にもズルズルとまではいかないにしても、
キュッと締まったものが終始欠けていて、キャラ、ストーリー揃って魅力の薄い、力不足な作品でした(^^;)
次回作は「What A Gentleman Wants」。この作品にはスピンもあるみたいですね〜。今回がイマイチだっ
たので、新刊買いするか否かは、巷の評判や他の作品の刊行状況を見ながら・・・といった所でしょうか(笑)
- 2008/09/15(月) 23:21:31|
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エリン・マッカーシーの新刊。オンラインがテーマのアンソロジー集ですが、こういう短編は大歓迎だわ(^^)
三作品揃って良かったですね〜。「オンライン」というテーマを使ったお話はHQなどでもよく見かけますが、
どうも使い方がいま一つな感じで、ストーリーとのバランスが取れずにバラバラとした感じのものが多いよ
うに思っていました。でも今作はそういった事も無く、終始しっかりと面白みが締まっていて、小難しい事は
一切無しの軽さや素直さ、そして明快さが光る内容でしたね〜。短編らしい魅力が溢れる一冊です(^^)
「ホット・メール」
現実の恋愛は上手くいかない為、サイバーセックスをしているキンドラと以前からキンドラに惹かれていて、
ヴァーチャルよりも現実の方が良いと証明しようとする同僚マックのお話。「チョコレートが溶けるほど」では
結婚間近だったこのカップルですが、キンドラのキャラは素直だし、セクシーで率直さが光るマックもキンドラ
にメロメロでナイスだったな〜(^^)ストーリーの流れもスムーズで、アシュリーを筆頭とした女友達ならでは
のトークの気の置けなさや笑い、そして微笑ましさが散りばめられつつ、ホットなだけで無く歯切れ良く快活
に読ませるものがありましたね。そんな中私的には、ピンクのリボン付きプードルを背負って(笑)登場した
マックの可愛さにノックアウトされましたわ(^^)ホットかつほっこりと温まれる、とってもキュートな作品です。
「素直になって」
広告のプランを練る為に相互理解を深めるべきという上司の命令で、一緒にオンライン・カウンセリングを
受ける事になったキャンディと同僚のジャレッドのお話。内容的にはこのお話が一番良く出来ていたかな(^^)
スマートで色っぽいキャンディがはつらつとした魅力を放つ様とひたすら悶々と耐えまくるジャレッドの余裕の
無さ(爆)の按配が絶妙だし、性的な緊張と二人の心情面の動きを細やかに絡めながらのストーリー展開が
◎。またキャンディとジャレッドが恋愛面で似たり寄ったりの経験をしてきた事を背景に、二人の間で理解や
信頼が通い合っていく流れも上手く描かれていたと思います(^^)キャラの際立ち方、感情描写、話運びの
どこを取っても過不足の無い内容で楽しませてくれましたね。可愛くてキュンとさせるご機嫌な作品でした♪
「チャンスをもう一度」
お店のHPがハッカーの被害に合ったハリーとHPの作成者でハリーの親友でもあるエヴァンのお話。以前か
ら惹かれ合っているものの、親友という関係を壊したくない為に気持ちを隠していた二人ですが、親友という
位置から恋人へと変化していく過程において、一歩を踏み出すか否かの微妙さやそれぞれの心模様が手堅
くまとまっていたし、割と強気なハリーと優しくてチャーミングなエヴァンの個性の立ち方も中々。しっかりと
ホットだけれど、親友同士のロマンスらしくほんのりとした甘酸っぱさが漂う感じの作品と言えるかな〜(^^)
「ホット・メール」のスピンの残り二つですが、ヴァイオレットとトリッシュがヒロインになる「Lady of the Lake」
と「It's About Time」。それぞれBravaのアンソロジー集に収録されているので、いつか陽の目を見る事を
願うばかりですね。あと私的に気になっているのが、「Las Vegas Vampires Series」かな〜、やっぱり(^^)
- 2008/09/01(月) 00:00:17|
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9月の新刊ラインナップの内ヒストリカルが10冊超え・・・(笑)巷のヒストリカル人気を意識した刊行状況
と言えるのかな〜。↓はライムさんから出るキャロライン・リンデンの原書。こちらもやっぱりリージェンシー
なんですよね。しっかし・・・お初作家さんがあまりに多くて、把握し切れていないのが正直な所です(笑)
- 2008/08/09(土) 23:57:26|
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クリスティーナ・ドットの「「Lost Texas Hearts Series」完結編。末っ子ケイトリンのお話ですね(^^)
新人ニュースレポーターのケイトは、ハリケーンの取材を機にオースティンの州議会議事堂の担当に大抜
擢された。同僚達からやっかみを受けながらも、仕事に取り組む中、身の回りで連続して不審な出来事
が起こり、身の危険を感じたケイトを議事堂の警備を担当しているティーグが警護に当たる事になり・・・。
二作目でややトーンダウンした感がありましたが、完結編となる今作で難なくリカバリーしてくれましたね(笑)
ロマサス王道の展開に事件解決と家族の再会を巧みに絡めた筋立てが○。さくさくと楽しめた一冊です。
ヒロインのケイトは新米レポーター。ハリケーンの取材がきっかけとなり、州議会記事堂の担当者に大抜擢
される事になりますが、周辺で不可解な出来事が続いた為、ティーグの警護を受ける事になります。気立
ての良いお嬢さんといった印象で、勝気さや賢明さが程良く納まっている感じかな。ホープやペッパーと違っ
て特に目立つような部分や癖は無いけれど、身近にいるような可愛さや普通っぽさが好ましかったですね。
積極的な頑張り屋さんで、野心はあってもきつさは無くて、何事に対しても素のままに振る舞うように思え
たりも。またティーグとの関係においても、ティーグの中の暗さや難しさに目を向けつつ、前向きな構え方に
は根の素直さが感じられると同時にティーグに惹かれていく心情も無理の無い温度感で描かれていたな〜
と。ロマサスのヒロインと言うと、危機感が欠けていたり、無駄に意地を張ったりするタイプが少なからずいま
すが、ケイトの場合は従順なだけで無い逞しさがあるので、バランスが取れているように映りましたね(^^)
ヒーローのティーグは州議会議事堂の警備を請け負っている警備会社の社長で、何者かに狙われている
ケイトの身を守る為、表向きは取材と称して行動を共にする事になります。男臭くてセクシーな雰囲気に
傲慢さやシニカルな一面が窺えるのは、ドットのヒーローらしいと言えるのかな〜。悲惨な生い立ちや従妹
を巡る一件といった過去に縛られている部分を始めとして、ティーグが内面で根深く抱えているものにケイト
への想いを絡ませながら過不足無く描出されていて、自分は人を愛せないと思い込むあまり、ケイトへの愛
情に中々気がつかないあたりもよくあるパターンとは言え、ティーグの個性を着実に出しながら読ませたと
思います。ケイトと従妹を引き合わせる下りで見せる弱さや脆さがむき出しになった表情にはやっぱり切なく
もなったし、それなりに過保護なのも良かったかな(^^)既刊レビューでも触れていますが、私的にはドットの
「天然入りお間抜けガキ大将ヒーロー」がツボ直撃なので、ティーグのようなどちらかと言うとオーソドックス
(?)なタイプに萌える程では無いのですが、ロマサスのヒーローらしく総じて良い感じではありました(^^)
期待の脇役陣ですが(笑)、ホープとザックを筆頭にペッパー&ダン、そしてガブリエルの家族一致団結
が痛快そのもので、このチームワークの良さは特筆したいポイントですね〜(^^)ザックの愛妻家振りも
相変わらずだし、ちょこっと盛り込まれていたガブリエルのエピソードも○。スピンらしい楽しい賑わいだけで
無く、事件解決に向かって、ホープ達が策を張り巡らせながら動きを見せている事に興が感じられて良か
ったかな。あと忘れてはならないのが御年90オーバーになるグリズワルドのスパイ大作戦でしょう〜(爆)
真面目に心配しているホープをよそに(気にしているのはホープだけなのがまたらしいと言うか・笑)、本人
は任務をエンジョイしまくっているようでしたが(爆)、ジェイソンと揃ってお疲れ様と言いたかったりも(笑)
ケイトに付きまとっていたストーカーの犯人が上院議員夫人と判明した直後に夫人が不審な死を遂げ、
ケイトとティーグは上院議員に疑いの目を向けますが、一方両親を殺害して一家を離散させた上院議員
に罠を仕掛けたホープ達はテキサスに飛びます。ストーリーはすらすらと流れが良くて、ロマンス面と事件面
の配分もちょうど良かったかな〜。二人のロマンスはケイトの率直さとティーグの不器用さが各々際立つ感
じで、感情のやり取りも相応でした。サスペンスの方は、上院議員のキャラが徐々に自滅(?)していく様
や事件に関する背景もしっかりとしていて、策を弄したホープ達の存在がストーリーに面白みを加えて盛
り上げつつ、事件の解決と家族の再会までを手際良くまとめ上げた内容だったと思います。ホープ達の
立ち位置は、どことなく非現実感があるかも知れないけれど、それがまたスパイスとなっているかな〜とも。
当時赤ちゃんだったケイトとホープ達の再会も自然体に落ち着いていたし、温かで気持ちの良い大団円を
迎えて何よりで、シリーズの完結編として満足の良作です(^^)そしてガブリエルはどうなるのかな〜?(笑)
後書きでも触れられていた、ガブリエルが登場する「The Fortune Hunter Series」は、「Trouble in
High Heels」、「Tongue In Chic」、「Thigh High」と三作刊行済みです。ガブリエルが主役になる
作品をいつか読めると良いけれど、とりあえずこのシリーズを次回の翻訳にして貰えると嬉しいのですが(笑)
- 2008/07/06(日) 23:59:59|
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ローリ・ワイルドの5月刊。フローラさんからも出たりと翻訳が続いていますが、まずはこちらから着手です。
スポーツジムを経営しているマディーは、FBI捜査官のデイヴィッドから双子の妹のキャシーと間違われた。
更にキャシーが美術品窃盗犯を逮捕すべくFBIに協力している事を知らされる中、美術館からセザンヌの
絵が盗まれ、マディーは窃盗犯と共に姿を消したキャシーを追ってデイヴィッドと行動を共にするが・・・。
当たりだった前作に続いて、今作もまたとっても元気が良かったですね〜(^^)舞台をあちこちに移動しな
がら、明るく軽やかなテンションで読ませつつ、笑いには事欠かないユーモアたっぷりの一冊と言えるかな♪
ヒロインのマディーは元オリンピック選手で現在はスポーツジムの経営者ですが、FBI捜査官のデイヴィッドと
一緒に、美術品窃盗犯と共に行方をくらました双子の妹のキャシーの後を追う事になります。キャラとして
は真面目で良識的。いかにも長女気質なしっかり者なタイプですが、とてもキュートな感じでしたね〜(^^)
「私が助けなきゃ」というキャシーへの強迫観念にも似た強い思い込みは、下手すると鬱陶しく映ったりも
しそうだけれど、キャシーの事故に対する罪悪感やその後の両親の離婚等がマディーの人格に影響を与
えたという事実を背景に、コミカルな風味を加えながら上手く納めて読ませるし、根っから面倒見が良くて、
一見突っ走っているようでちゃんと機転を利かせる事が出来る賢さも○。またマディーがキャシーの保護者
をする事で自分の存在意義を見出している様が、表向きの強気な態度の陰にある、胸中に秘めた願望
や心許なさと共に描かれていたのもナイス。逞しい一方でいじらしさや可愛さが光るヒロインだと思います。
ヒーローのデイヴィッドはFBI捜査官。かつておばを騙した窃盗犯のシュライバーを十年に渡って追いかけて
います。このデイヴィッドですが、雰囲気こそ厳しくて有能なFBI捜査官といった感じなものの、実際はへな
ちょこ丸出しで(爆)、これには大笑いでしたわ(笑)とはいえ、自分の言動を顧みれる素直さや優しさの
持ち主だし、正直捜査官としての能力に疑問を感じる所はあるけれど(笑)、一生懸命さやおドジ振りに
どこか母性本能をくすぐるものがあって、やられキャラ好きのツボをつくなあ〜とも。ロマンス面ではマディー
の本質面をきちんと捉えているのが良かったかな(^^)べろべろに酔わされるわ、ボコボコにされてレンタカー
を奪われるわととにかく情けない印象に尽きるのですが(笑)、何とも微笑ましい間抜け君でしたね〜(^^)
ストーリーの中で、主役二人のやり取りの比重が大きい事もあり、脇役キャラ達ではマディーの助け無しに
自力で何とかしようと奮闘するキャシーが一番目立っている感じでしたが、全く緊張感に欠ける悪役達の
アホさ加減にはクスクスと笑いを誘われました。私的にはもう少し姉妹のやり取りがあれば良かったかな。
マディーとデイヴィッドはシュライバーとキャシーを追ってグランドケイマンからパリへ行き、更にマドリードに
向かいますが、プラド美術館から絵画を盗み出した二人がベニスへ飛んだ事を知り、後を追いかけます。
ストーリーはドタバタとおかしいエピソード(コント?・笑)を盛り込みつつ、マディーとデイヴィッドの珍道中
をメインに展開していきますが、まず小難しい事は一切抜きで、それぞれが真摯に現状に向き合っている
にも関わらず、ちょいちょい頓珍漢な事をやらかしたり、巻き込まれたりするマディーとデイヴィッドの行状を
明朗なロマンスと一緒にからっと笑いながら楽しめる内容でしたね。ただ全体的に良く出来ていた前作に
比べると、ストーリーの構成がちょっと粗めかな〜とは思いました。でもどことなく感じられるような非現実感
がスパイスとなっていて、終始快いムードが一貫した楽しい作品です(^^)今後も翻訳が続きますように・・・。
シングルタイトルに関しては、ライムさんやフローラさんを当てに出来そうな感じですが、最近購買意欲が
底辺にまで落ち込んでいる(苦笑)HQからも出して貰えないかな〜。あまり期待しないで待っています(^^;)
- 2008/06/23(月) 23:59:50|
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お初作家レイチェル・ギブソンの新刊。以前から気になっていた作家さんなので、発売直後に着手した
のですが、再読したりや他の新刊を読んだりしていた事もあり、レビューは今頃になってしまいました(笑)
タブロイド紙のライターのホープはスランプに陥り、リフレッシュする為にゴスペルというアイダホの田舎町
にやって来た。ある晩立ち寄ったバーで男に絡まれたホープはその場に賭け付けた保安官のディランに
惹かれるが、一方男手一つで息子を育てているディランは、息子の母親に関する秘密を抱えていて・・・。
ライムさんから出る作家さんは私的に当たりが多いのですが、今回もばっちりでしたね。セクシーかつ軽や
かなテンションに風変わりなスパイスが効いた明快な作風が楽しい事しかり。満足度の高い一冊です(^^)
ヒロインのホープはタブロイド紙のライター。スランプ気味な所へ記事にしたプロレスラーからストーカー行為
をされた事も重なり、上司の勧めで取った休暇を過ごすべく、アイダホの田舎町にやってきます。このホープ
ですが、おしゃれで颯爽とした物腰や気取りの無いフレンドリーな性格が素敵でしたね(^^)タブロイド紙
のライターと言っても、エイリアンやビックフットをネタにしたフィクション専門(笑)というのが面白いし、仕事を
寄り所にしていても、がつがつとしたりせずに、自分のスタンスが定着しているように思えるのもまた良い感じ
かな〜。そしてホープが自分自身の心や生き方を直視する様に妙味が感じられたと言うか。子宮内膜症
や離婚といった過去の出来事、更に現在の自分のあり方に向ける淡々と静かな視線を通して、ホープの
内にある痛みや孤独が顕著に浮かび上がるんですよね。またディランとの関係においても、迷ったり傷つい
たりしながらも自分の気持ちや相手に対して率直であろうとするし、更にそういったホープの姿にピンと一本
筋が通っていると同時に一人の女性として実直な温度感が感じられて良かったな〜と(^^)ホープの強さ
や弱さを感情の揺れと共にしっかりと読ませましたね。くっきりとした、ありのままの魅力が好感度大でした。
ヒーローのディランは町の保安官ですが、シングルファーザーとして七歳の息子を育てつつ、息子の母親に
関して秘密を抱えています。このディランが良いんだなあ〜(^^)基本的に真面目だけれど、決して真面目
過ぎないし、すっきりと垢抜けた感じと程よく砕けた自然体の雰囲気が上手くミックスされている印象かな〜。
町の理想の花婿候補ナンバー1でモテモテな立場にありながらも、自分の職務をとても真剣に考えていて、
かつ子育て優先の生活を送っている事や昔はそれなりに奔放だったけれど、人生経験や年齢を重ねる事
によって人間的に成長して今に至るという経緯がディランのキャラに奥行きをもたらしていましたね。悩みを
持つ愛情豊かな父親の表情やアダムを送り出すシーンにホロリとさせられる中、父親であり、また一人の
男性でもあるディランの心情が明瞭に描出されていたし、ホープへの想いを深めていく流れで見せるワイルド
でセクシーな一面や不器用さ、そして真摯さも○。飾らないかっこよさと内面の深みが光っていましたね(^^)
続いて脇役キャラ達ですが、まずディランの息子のアダムは、賢さを感じさせる一方で母親に対して夢を抱
いているあたりに子供らしさが窺えたりとキャラが立っていましたね〜。現実を理解してちょっぴり成長した姿
やホープとのたどたどしくも微笑ましいやり取りもハートフルでした。アホなマイロンは笑えたし、ざっくばらん
としたシェリーとポールの夫妻も中々。ホープじゃないけれど、オイスターには驚かされたましたよ(笑)そして
ストーリー上で奇天烈な色彩を放っていたゴスペルの町民達も欠かせませんね。「便器投げコンテスト」を
筆頭に変人スキーのツボをつく奇怪かつ愉快なへんてこ振りがおかしいの何のって。笑わせて貰いました♪
ゴスペルの町民を記事のネタにしつつ徐々に町に馴染み始めたホープは、遂に以前から惹かれ合っていた
ディランと関係を持ちますが、アダムを連れて突然姿を現したジュリーが、ホープが以前にゴシップ紙に情報
を提供していた事実を言い出した為、アダムのプライバシーを守ろうとするディランに誤解されてしまいます。
ストーリーはホープとディランのユーモラスでセクシーなやり取りを始めとして、父子関係や女同士の友情、
ゴスペルの住民達の妙ちきりんな言動をテンポ良く絡ませて展開していきますが、ホープとディランのロマン
スは、性的な引き合いに切れの良い会話を交えながら、酸いも甘いも噛み分けた、人生経験のある大人
二人の不器用さが可愛かったり切なかったりでしたね。潔白の証拠が出る前に、愛しているから無条件
にホープを信じるという思いにディランが行き着いた事も◎。シンプルだけれど、結構大事な事だったりする
と私的に思うのです(^^)個性的な脇役達の配置も上手くて、バーベキューや独立記念日のお祭りのエピ
ソードはいかにもアメリカ的な賑やかさが感じられてナイス。各章の題名にニヤリとしつつ、ネタには事欠かな
い風変わりなゴスペルを背景に、軽妙な筆致で明るく生き生きと楽しませてくれるご機嫌な作品でした(^^)
ライムさんから今後も作品が翻訳される事を熱望しますが、ホッケー選手をヒーローにした「Simply Irresi
stible」と「See Jane Score」、そして「Sex、Lies and Online Dating」あたりが気になっています(^^)
- 2008/06/03(火) 23:36:45|
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クリスティーナ・ドットの「Lost Texas Hearts Series」の二作目。次女のペッパーと昔の恋人ダン
のお話ですが、登場人物欄にしっかりとザックの名前を見つけた際には思わずニンマリとしたりも(笑)
殺人事件を目撃したペッパーは、身を隠すべく里親の家を訪れたが、そこでかつての恋人ダンと再会し、
里親が自分に牧場を遺して亡くなった事を知らされた。事情を隠したままペッパーは牧場で暮らし始める
が、軍の特殊部隊員のダンは、ペッパーの帰郷を疑いつつ、自分を囮に使った任務を実行していて・・・。
素直なホープとボケリストなザックがおいしかった(笑)前作に比べると、キャラ、ストーリー共に見劣りする
感は否めずですが、最後までさくさくと読ませる内容ではあったかな〜。さてレビュー開始しますね(^^)
ヒロインのペッパーは里親の元を転々とした後に造園家として生計を立てていますが、ある日陸軍将軍の
著作のサイン会の後、将軍が部下を殺害する所を目撃してしまい、身を隠すべくかつての里親の家へ向
かいます。素直で真面目なホープに対してペッパーは意地っ張りで反抗的といった印象ですが、両親亡き
後の境遇がペッパーの性格をより頑なにしてしまった事は大きいな〜と。過去を振り返らずに一匹狼的に
生きている姿を通して、ペッパーの強さと弱さが見て取れますが、自分の殻に閉じこもって強がる様は痛々
しく映ると同時にダンに対して心を開く事の難しさを感じさせたりしつつ、キャラとしては個性を表に出しな
がら描かれていましたね。ただ私的に感情移入する程までは無かったと言うか。特に何が悪いというわけ
では無いものの、何となくそんな感じだったかな(笑)あえて言えば、ダンの気持ちを汲み取ってあげて欲し
かったのは否めずで、ペッパーの精神的成長が見られただけに、そのあたりは残念でした。でもペッパー
が遺された土地を大事に思い、徐々に「家」というものを意識していく流れは優しくて良かったですね〜。
ヒーローのダンは特殊部隊員。故郷に戻り、自分を囮に仕立てた任務を遂行中にペッパーと再会します。
このダンですが、責任感が強くて落ち着きがあり、そこに茶目っ気や尊大さが加わってもいたかな〜。突然
現れたペッパーに疑いを抱きつつ、ペッパーの事を九年間ずっと想っていたという一途さが良い感じに映った
りも。ペッパーへの想いも真っ直ぐな分、不器用さを感じさせながら読ませるものがありましたね。もう少し
パンチのある存在感が欲しい気もしますが(笑)、ペッパーに言うセリフの甘さや誠実さは印象に残るもの
があったりと中々素敵でした。とりわけカウボーイハットのネタは好きだな〜。お気に入りのエピソードです。
脇役陣については、まず愛しの(笑)ザックとホープ、そしてガブリエルの再登場は期待通りでしたね(^^)
ホープはペッパーの捜索と出産を控えた状態でカリカリとしていましたが(笑)、対するザックの愛妻家振
りにホクホクとしたりも♪ガブリエルの穏やかでお茶目なキャラも素敵だったし、あちこちに飛んでは調査を
続けているグリズワルドにはお疲れ様と言ってあげたかったり(笑)あとダンのお父さんは何とも憎めない
タイプだったなあ〜。ちゃっかりと(笑)元サヤに納まっていた事にもニンマリ。前作に比べると、展開の違い
もあって、キャラの数が少ないし、絡み方も薄めですが、前作のキャラ達が拝めたのでヨシかな〜と(^^)
二人がペッパーの里親の家で一緒に暮らし始める中、あれこれと探りを入れてくるダンに対してペッパー
は中々本当の事を打ち明けられず、またダンも自分の任務について口を閉ざしますが、一方ボストンでは、
殺人事件の容疑者として報道されているペッパーの行方を追うホープやザックが、ペッパーを助けようと
ネイピア将軍にコンタクトを取ろうとします。ストーリーは、高校時代のエピソードを挟みつつ、二人の間の
空気には、十代の頃の名残と成長して大人になった現在を入り込ませながら、ロマンスをメインに展開し
ていきますが、家族の再会とかエピソードが光るものの、吸引力を欠いたのは事実かな〜。サスペンスは
添え物程度に理解するとして(笑)、決して悪くは無いし、良い面もあったりで難なく読めてしまいますが、
キャラ立ちや話運び等全体的に物足りなさを感じてしまいましたね。そんな中ペッパーが自分で「家」に
戻る最後のシーンは○。やっぱりカウボーイハットに尽きたと言えるかも(笑)まずまずといった感想です。
シリーズの完結編は「Close to You」。このペースだと、そんなに待たされずに読めそうな感じかな?(笑)
- 2008/03/24(月) 23:59:17|
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