Sweet 'n Lowdown Style-Zakki

海外のロマンス小説をメインとした感想雑記です。

願いごとをひとつだけ

ローリ・フォスターの新刊。「The Law Books」の一冊目ですね。「ヴィジテーション・シリーズ」は一体?(笑)

元格闘家でハリウッド俳優のジュードはある事件に巻き込まれて以降、田舎町で隠遁生活を送っていた。
そんな中画廊のオーナーのメイに惹かれているジュードは日々アプローチを続けていたが、ある時メイの弟
が、ギャンブルで作った借金を返す代わりにジュードを殺害するように命じられた事をメイに知らされて・・・。

う〜ん・・・。イマイチのれずです(^^;)勿論良い面もあるし、ロマンスのカラーにもローリらしさが感じられる
ものの、私的に設定が苦手だったりや微妙な要素があり、それが要因となってツボを外してしまいました。

ヒロインのメイは小さな田舎町の画廊のオーナー。顧客であるジュードに惹かれていますが、相手の誘いを
本気と取らずに断り続けています。このメイですが、責任感の強いしっかり者タイプでしたね〜。優しい性格
で、時に頑固に構えつつも相手を思いやっての事だし、ジュードの本質面や内面に秘めた傷にちゃんと目を
向けるあたりは好感を覚えました。また迷ったり考えたりしながらも、相手に真っ直ぐ向き合うスタンスも○。
ローリのヒロインらしく温かみがあって、キャラ的に申し分無いと思うのですが、弟のティムに関する態度が
何とも微妙だったなあ〜と。メイがティムのダメさ加減に怒ったり、うんざりしているのはわかるし、何だかん
だ言っても弟なんだから放っておけないというのも当然なんだろうけど、ティムの言動に対して言い訳をする
のが頂けないと言うか。何か読んでいて、ちょっと疲れたな〜。あとこのお話に限った事では無いのですが、
「ろくでもない家族に振り回される良い子のヒロイン」という構図が私的にどうも苦手でして(^^;)そういった
部分から引き気味になってしまい(特に前半部分は)、メイの魅力に惹き込まれて・・とまではいかずでした。

ヒーローのジュードは元格闘家のハリウッド俳優ですが、とある事件に巻き込まれ、裁判沙汰にまで発展
した過去があり、以後田舎町で隠遁生活を送っています。ジュードのキャラもまたローリらしいヒーローでは
あったかな〜。洗練されているようでいて、荒っぽさやセクシーさが言葉や行動からしっかりと主張されて
いるし、時折窺える愛情豊かな家庭で育った男の子らしい表情やメイに洋服やランジェリーをあれこれと買う
のを楽しむ姿とかもナイス。またジュードが胸中に抱え込んだ怒りや痛みがメイへの想いと絡めながら手堅く
描出されていて、過不足無く読ませましたね。ただローリ作品ヒーローのマイ双璧(笑)でもある「秘めやか
な約束」のノアと「さざ波に寄せた願い」のジョーに比べちゃうと、存在感が薄めに思えたりも。メイとのロマ
ンスが「秘めやかな〜」を思い出させるせいもあるかもだし、私的にはクィントンやデニーの方により惹かれて
しまったのが正直な所です(笑)キャラとして魅力的ではあるのですが、印象的という程では無かったな〜。

続いて脇役メンバーですが、自立心旺盛で溌剌としたアシュリーとクィントンのカップルには大いに興味を
そそられましたね〜(^^)メインのロマンスよりも印象的だったり(笑)この二人のロマンスが気になります。
あとデニーのキャラも○。ローリはおっさんを描いても上手いんだなあ〜。アシュリーとのやり取りにもニン
マリだし、味のある個性と立ち位置で光っていました。そしてこのお気に入りキャラ三人に対してメイの家族
ですが、これがまた何だかなあ〜と(苦笑)デニーに鍛えられたティムは最後には改心した感じでしたが、
自分勝手極まりない言動をさんざん繰り返しまくった最悪の印象を覆すまではいかず。更に救いようのない
メイの両親については、これが事件の犯人といった悪人なら最後には片がつきますが、そうじゃないから、
どうにも嫌な感じのまますっきりとせずでした。この家族がネックになったのは間違い無しと言えます(苦笑)

ティムが襲われた事件の裏に、過去の事件絡みで自分に恨みを抱くパスカルの存在を確信したジュードは
メイを自宅に置いて守る事に決め、程無くして二人が関係を持ちますが、ジュードが自らパスカルと対峙す
べく動く中、ティムはパスカルと取引しようと隠れて連絡を取ります。ストーリーは、特に前半部分は何となく
締まらないと言うか、テンポが良くない感じで、メイとジュードの会話も歯切れがイマイチ。ロマンスとして悪く
無いけれど、手ごたえはまずまずだったかな。そしてメイの家族がやっぱりマイナス要素なんですよね〜。
ティムは立ち直ったみたいですが、あの両親の救い難さやネガティヴさはローリの作品の中では馴染まず、
浮いているような気がしました。人それぞれだと思いますが、私的にローリ作品における友人や家族達には
明朗で温かな温度感を求めている事もあって、違和感や居心地の悪さを払拭し切れずでしたね。そんな中
アシュリーとクィントン、デニーの存在は文句無く○。メインより脇役達に魅力を感じてしまった次第です(笑)
まあ、でも中盤からは展開も動きが出てきて徐々に上向きましたが、ローリの作品にしてはいま一つかな〜。

後書きでは触れられていませんでしたが、スピンは「Murphy's Law」。アシュリーとクィントンのお話ですね。
こちらは是非出して頂きたいな〜(^^)そしてジュードが格闘家時代に所属していた「SBC」の格闘家や友人
をヒーローにした作品が三作刊行されていまして、来年の二月には四作目に当たる「My Man, Michael」
が発表予定との事です。この先翻訳されていくのかな?私的にはヴィジテーションをお願いしたいわ(笑)

願いごとをひとつだけ (ヴィレッジブックス F フ 6-7)願いごとをひとつだけ (ヴィレッジブックス F フ 6-7)
ローリ フォスター

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  1. 2008/09/11(木) 18:31:30|
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あの頃を思い出して 第一部

ノーラ・ロバーツ&J・D・ロブ共作の新刊。遂に刊行となりました〜。まずはノーラ名義の第一部から(^^)

レインはメリーランドの小さな町でアンティーク・ショップを経営していたが、ある時一人の男が店に現れ、
謎の言葉を残した後に交通事故死してしまった。その直後、男が縁を切った父親の親友である事に気が
ついたレインの元に保険会社の調査員マックスが現れ、更にレインの自宅が何者かに押し入られて・・・。

ロバーツ×ロブというわくわくする企画本ですが、通常の作品よりもコンパクトな容の中にロマンスと盗難
ダイヤを巡る事件面を過不足無く絡ませた手際の良さはさすが。期待を裏切らない、充実した一冊です。

ヒロインのレインは小さな田舎町のアンティーク・ショップのオーナー。父親の親友が店に現れ、その直後に
事故死した事を機に、NYで盗まれたダイヤを巡る事件に巻き込まれます。ノーラのヒロインと言うと、強くて
しっかりとしたタイプが多くて、それが良い一方で悪く出たりする事もあるのですが、今作のレインは強さや
賢さだけで無く、冷静な判断力やポジティヴな率直さといった資質がしっくりと納まっていて好印象。品が
良いけれど親しみやすさが滲む感じで、とてもきっちりとした性格な一方で生まれつきの大胆さや冒険好き
な一面が窺えるので、キャラが硬くなりすぎないんですよね(^^)また言動に一本芯が通ったものがある中、
マックスに騙されていた事を知って怒りを覚えつつも、やたらと感情を振り回したりせず、自分の現状を顧み
てきちんと向き合おうとする前向きさはとりわけ気持ちが良かったし、スタンドプレイに走らずに足並みを揃え
て何でも一緒にやっていこうと思うレインのスタンスを通して、二人の関係の着実に形作られていくのが見て
取れるのも○。ピンチ時に発揮する逞しさもあっぱれ(^^)聡明で温かみのある、素敵なヒロインでしたね。

ヒーローのマックスは元警官の私立探偵ですが、保険会社の依頼を受けて盗難にあったダイヤモンドの行方
を追った結果メリーランド州の田舎町に辿り着き、レインに接近します。レインに続いてマックスもまた申し分
の無いヒーローと言えるのでは(^^)頭の回転が速く、探偵としての動きも確かだし、程良く肩の力が抜けた、
自然体な雰囲気に対してレインに惹かれる心情や仕事を疎かにしない姿勢のどちらにも、マックスの明確な
意思が感じられるあたりが凄く良いんですよね。そしてマックスがヘンリーに見せる態度には間違い無く惚れ
ちゃうよなあ〜と(笑)レインの立場や気持ちを尊重しながらも、頼りに出来る安心感があるのもまたナイス
でした。スマートかつチャーミングなキャラは、ノーラのヒーローらしい特質が顕著に感じられましたね〜(^^)

脇役陣についてもレインの親友のジェニー&ヴィンス夫妻を筆頭にそれぞれの個性がしっかりと立っていま
したが、根っからの詐欺師体質で(笑)、性に従って生きるジャックのキャラの光り具合はピカイチ。調子の
良いおっさんなんだけれど、どこか憎めないし、マックスとのやり取りは痛快そのものでしたね(^^)あと犯人
に関しても、人物の内面や本質的な部分から描かれていて、第二部の犯人と重ねつつ、上手いなあ〜とも。

NYで起こったダイヤモンドの盗難事件に、父親のジャックが関わっている事を知らされたレインは、事件解決
の為マックスに協力する事に決め、更に事故死したウィリーが隠したダイヤを求めてジャックが姿を現す中、
レインは店にある犬の置物の中からダイヤを見つけますが、ダイヤのひとりじめを目論む犯人が迫ります。
ストーリーはレインとマックスのロマンスを中心に据えつつ、スムーズな流れで展開していきますが、二人の
目線が同じ高さにあり、穏やかに居心地良く読ませる感じでしたね〜。そして事件面の絡ませ方も巧みで、
レインとマックスが下す最後の決断にも納得性が感じられると同時に第二部への繋がり方も無理が無く、
興も十分(^^)レインとジェニーの友情やレインとジャックの親子関係も含めて、全体的にポイントを確実に
押さえた内容と言えるかな。キャラ、ストーリー揃ってノーラらしいカラーとタッチが冴える一冊です(^^)

ロバーツ名義の新作ですが、7月に「Tribute」が発表済みでして、更に11月には「The Pagen Stone」
が刊行予定との事。こちらは「Sign of Seven Trilogy」の三作目。このバイタリティーには感服です(^^)

あの頃を思い出して 第一部 (ヴィレッジブックス F ロ 5-1)あの頃を思い出して 第一部 (ヴィレッジブックス F ロ 5-1)
青木 悦子

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  1. 2008/08/18(月) 23:59:31|
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夜明けが来るまで見られてる

今年の初めや春に出た新刊を救済中という事で、スーザン・ブロックマンの3月刊に着手しました〜(^^)

かつてハリウッドで大成功を納めたものの、アルコールとドラッグに溺れて地位を失った俳優のジェリコは、
望んでいた新作映画の主役を得て、復活の足がかりにしようとしていた。だがその映画のプロデューサー
のケイトは、更生したジェリコの事を信用せず、24時間体制で監視をつける事を決めて実行するが・・・。

ブロックマンはやっぱり上手いですね〜。TSシリーズのような派手さは無くても、じわじわと深みを増しな
がら読ませていくし、骨格がしっかりとしたキャラ達、そしてサイドストーリーの優秀さ。充実した一冊でした。

ヒロインのケイトは映画プロデューサー。密かに脚本も手がけた作品の主役にジェリコが起用される事に
なり、実力は認めるものの信用出来ずに反対します。映画に対して情熱を持っているやり手で、ジェリコ
に対する態度もケイトの立場からすれば仕方が無いとは思うものの、時折見られる上からの目線は正直
ちょっと気になったりもしたかな〜。まあ、ケイトに徹底したプロ意識を持たせているあたりもまたブロックマン
らしい流儀と言えるような(笑)辛い過去を抱えつつも、しっかりと前向きに生きていて、地に足が着いてい
る様もよく表現されていましたが、ジェリコに惹かれながらもジェリコの本当の姿が掴めないケイトの心情
にはグッと手ごたえがありましたね〜。相手に対して真っ直ぐに目線を据えているのに見通せない事への
葛藤や苦悩の描出が巧みだし、自分自身の過去を晒してまでしっかりと向き合おうとするスタンスからは
ケイトの真摯な愛情や強さが感じられて○。段々とキャラに魅力や味が出てくる感じのヒロインだったかな。

ヒーローのジェリコはアルコールとドラッグに依存してキャリアを失墜させた俳優で、主役を得る為にケイトが
出した24時間体制の監視を受け入れる羽目になります。このジェリコのキャラが◎でした。基本的に気さく
で仕事に対してはとても真面目だし、自分の間違いを認められる率直な姿勢も気持ちが良かったかな〜。
ケイトに仕返しをしようと考えたりするけれど、そういった部分からジェリコの傷ついた表情が窺えつつ、実際
は故意に人を傷つけたり出来ないのもよく分かると言うか。とても優しくて繊細なのが見て取れるな〜と。
またジェリコの感受性が丹念に描き出される中、演じる事で生身の自分自身を隠し、傷つかないように
無感覚でいようとする姿に切なさが募りつつ、ジェリコがケイトに心を開く下りで見せる、痛々しいまでの
不器用さをエモーショナルに読ませるんですよね。そしてやっぱり感情の解放と共に流れる涙にはホロっと
させられたりも。痛みや苦悩を奥深く心に抱え込んだ、ブロックマンらしい人間臭いヒーローでしたね〜。

若手俳優のジャマールとスージーのロマンスがサイドストーリーとして描かれていましたが、二人の人種の
違いやスージーがまだ15歳である事実を絡めながら、大人と少女の中間点にいるようなスージーと賢くて
真っ直ぐで懐が深いジャマールのそれぞれのキャラ立ちもくっきりとして申し分無し。若さや優しさが光り
つつ、とってもピュアで素敵でしたね〜。ろくでなしかと思われたスージーの父親の真情の吐露や今後の
関係も含めて、丸く納まったのが何より。ブロックマンは本当にキャパが広いと言うか(笑)老若関係無く、
個性や人間味を与えながらキャラそのものを鮮やかに描き出しますよね〜。改めて感心した次第です(^^)

ケイト自身がジェリコの24時間体制の監視を行わなければいけなくなり、一緒に過ごす時間が増えた
二人は惹かれ合い、関係を持ちますが、常に演技をして自分の本心を見せないジェリコにケイトは翻弄
され、思い悩みます。ストーリーは切り口がさくさくとしていて、TSシリーズのようなテンションの高さは無い
けれど、導入から割と入りやすい感じかな〜。ケイトとジェリコのロマンスは、男女間の恋愛であると同時
に二人の関係性において、人間らしさが顕著に出た深みのある内容でした。ジェリコのアルコール依存
症や同性愛、家庭内暴力を背景に盛り込んだストーリーは筆致も安定していて、キャラ達もナイス(^^)
トータルで過不足無くよく出来ていたと思います。ただ最後の、ドラッグがジェリコの部屋に置かれていたと
いうエピソードは突発的で、二人の心が完全に通い合った後だけに蛇足な感じは否めずでしたが、シン
プルながらも一歩一歩の大切さを物語るようなエピローグは印象的で○。しっかりとした良質作品です。

さてTSシリーズですが、13作目の「Into the Fire」がこの7月に刊行されて、更に14作目の「Dark
of Night」が来年の2月に発表予定との事です。翻訳の方も早く続きが読める事を願うばかりだわ(^^)

夜明けが来るまで見られてる (ヴィレッジブックス F フ 5-8)夜明けが来るまで見られてる (ヴィレッジブックス F フ 5-8)
北沢 あかね

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  1. 2008/07/12(土) 23:59:26|
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ほほえみを戦士の指輪に

ジュリー・ガーウッドの新刊。AARのTOP100の28位にランクインされている、1992年の作品ですね(^^)

ジュディスは、ハイランドに嫁いだ親友フランシス・キャサリンの出産が迫り、子供が産まれる時には側に
いてほしいという約束を果たす為、迎えにやってきた親友の義兄イアンと共に旅に出た。二人は互いに
惹かれ合うが、イアンと敵対するクランの氏族長が父親であるという事をジュディスは秘密にしていて・・・。

どこを取ってもガーウッドらしさが全開の内容でしたね〜。ストーリーの中で気になる箇所はあるものの、
キャラの魅力とカラッとした風通しの良い明るさに引っ張られつつ、危なげ無く楽しめました。良かったです♪

ヒロインのジュディスは母親に顧みられず、酷い飲酒癖を持つおじの元で暮らしていますが、幼い頃からの
親友フランシス・キャサリンの出産に付き添うため、ハイランドに旅立つ決意をします。美人で天真爛漫な
性格で周囲を魅了するジュディスは、まさにガーウッドお得意のヒロインだなあ〜。何でも素直に受け止め
る純真さやちょっとおとぼけが入った、ひたむきでマイペースな言動が微笑ましくて、度胸があって頑固な一
面も何ともキュート(笑)外見だけで無く中身も良いと言う、ある意味出来すぎなタイプではあるのですが、
大らかな温度感や表情の多様さが(パターン化しているとはいえ・笑)、ジュディスのキャラをチャーミングに
彩っているので、自然と惹き込まれてしまうんですよね(^^)しっかりしているかと思えば不安や怯えを思い
切り吐き出すし、喜んだり傷ついたりするジュディスの素直な感情表現が伸びやかに描き出されていて、
イアンに対する想いもジュディスらしい真っ直ぐさに尽きたと言えるかな〜。クランの人々に受け入れられて
いく様も優しくユーモラスに見せてくれて○。既刊のヒロインズと比べてキャラに大して差は無いけれど、
愛すべき明朗な個性や雰囲気にほんわかと和まされるようで、好感を抱かずにはいられないですね(笑)

ヒーローのイアンはメイトランドの氏族長でもあるハイランダー。もうじき子供が産まれる弟夫妻の頼みを
聞き入れ、ジュディスを迎えにイングランドへ向かいます。ジュディスに続いてイアンも良かったですね〜。
若い頃から責任や義務を背負ってきた長男という背景だけでもしっかりオイシイのですが、無骨なハイラ
ンダーらしく、厳しくてぶっきらぼうな物腰も好きだな(^^)勿論ジュディスにメロメロで、でも内心では恋に
夢中になる事に対して微妙に構えているあたりが、いかにもらしくてニンマリしたりも。そして閉鎖的なクラン
の現状に対するジュディスの意見に耳を傾けるだけで無く、変革を促すイアンのスタンスは新鮮であると同
時に興味深く思えましたね。頑固ではあるけれど、進歩的とでも言うか(笑)ジュディスの素性を知っても
何も言わずに受け入れる度量の広さや決断力も気持ちが良くて、言葉は少なくともジュディスへの愛情
が十分伝わってくるのも良い感じだし、安心出来る信頼感や強さがあって○。素敵なヒーローでした(^^)

脇役キャラ達はフランシス・キャサリンとパトリック夫妻を筆頭にメイトランドのクランの人々が中心でしたが、
まずジュディスとフランシス・キャサリンの友情も優しくてほっこりと楽しませてくれたし、クランの人々とジュデ
ィスの関係も温かったですね。ブロディックやアレックスといったハイランダーズの面々も個性が立っていまし
たが、やっぱりブロディックのキャラが一番印象深かったな〜。スピンがあるのは嬉しいですね(^^)ただジュ
ディスの母親やおじ、おば夫妻の存在が作中で生かされていない事が残念かな〜と。脇役の立ち位置
や背景的な部分が曖昧なまま、さらっと流されてしまう事が既刊の作品でもあったので(笑)、まあガーウ
ッドらしいとは言えるのですが(^^;)でもトータルで見て、善良なキャラ達ばかりだったのが何よりでしたね。

フランシス・キャサリンと再会を果たしたジュディスは、助産婦として村の女性達から頼られるようになります
が、一方ジュディスの父親の正体を知ったイアンはクラン同士の争いからジュディスを守ろうと考え、二人
は結婚します。ジュディスとイアンのロマンスは、お互いに一目惚れみたいなものなので、ユーモアを交えた
やり取りを絡めつつ、駆け引きとかは一切無しの直球な内容らしく、終始甘いムードで読ませましたね〜。
自分の気持ちを率直に出すジュディスに対して口ではそっけない事を言っても、心中ではしっかりと思い
やっているベタ惚れなイアンが良いんだなあ〜(^^)ジュディスとフランシス・キャサリンやクランの女性陣、
そしてイアンとブロディック達との関係性も味わいを出しながら描かれていたし、長老たちの存在もナイス。
終盤のジュディスの父親との再会やクラン同士もさくさくとまとめた感じで、ストーリー展開の妙とかよりは
キャラの魅力が勝るように思えますが、細かい事や小難しい事は抜きにして(笑)、ガーウッドらしい快活さ
や温良さが楽しい良質の一冊です。さて、お次はブロディックのお話ですね〜。これまた楽しみだわ(^^)

スピンは「Ransom」。あまり待たずに読める事を期待かな。ちなみに新刊は「Fire and Ice」だそうです。

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ジュリー・ガーウッド

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  1. 2008/07/09(水) 23:59:56|
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この身を悪魔に捧げて

ステファニー・ローレンスの「The Cynster Series」一作目。遂に長いシリーズが始まりましたね〜(笑)

名家の令嬢でありながら、自立して家庭教師として働いているホノーリアは、帰宅途中に銃で撃たれて
倒れている若者を発見した。程無くして若者の従兄だと言うセント・アイヴス公爵、通称デヴィルが現れ、
二人は若者を連れて近くの小屋へ移動するが、嵐が襲ってきた為に一晩足止めをくらう事になって・・・。

いや〜、前評判にたがわずと言うか。力強さの中にも細やかさがしっかりと活きている、安定した調子を
刻むストーリーに対して主役二人の存在感ががっつりと抜けていましたね〜。難なく一気読みでした(^^)

ヒロインのホノーリアは名家出身の令嬢ですが、あえて自立する道を選び、家庭教師として働きながら、
いつかはアフリカへ旅に出ようと考えています。私は元々独立心旺盛なヒロインが好きなのですが、この
ホノーリアのキャラの何ともあっぱれな事!上流階級のお嬢様らしい品の良い印象に頭の良さや旺盛
な独立心、責任感の強さ、そして肝っ玉のすわり具合等がくっきりとした彩りを加えつつ、どこを取って見
ても良く出来ている万能型のヒロインと言えるかな(^^)その一方で家族を亡くした過去と向き合い切れ
ていない部分にセンシティヴな一面が見て取れたりや自分の意見をきっぱりと主張しながらもデヴィルのペ
ースに乗せられちゃうのも好ましくて、何かわかるなあ〜と(笑)またデヴィルやシンスター家の人々との触れ
合いによってホノーリアの気持ちが変わっていく様を堅実に読ませていくし、ホノーリアが持つ特質の一つ一
つの立ち方も◎。あと命を狙われているデヴィルを守ろうとするホノーリアのスタンスが印象的であると同時
にリンダの作品のヒロインズに通じるような、断固としたものが感じられたりもしました。しっかりと一本芯が
通っていて、とにかく気持ちが良いんですよね〜。パンチのあるキャラで終始魅せてくれて何よりでした(^^)

ヒーローのシルヴェスターはデヴィルと呼ばれる公爵。何者かに従弟を殺害されてしまいますが、その従弟
を発見して手当てをしたホノーリアに惹かれ、自分の妻にしようと決心します。ホノーリア同様にデヴィルも
またインパクト大でしたね〜(笑)尊大で堂々とした物腰は、いかにも上に立つ者としてのカリスマ性が感
じられますが、切れる頭脳と優れた洞察力の持ち主でありながらも、トリィ殺害犯にちっとも気がつかない
あたりはご愛嬌と言うべきかな(^^;)そして自分の感情を完全に把握しておらず、ホノーリアを知っていく事
によって愛情や尊敬が深まっていく過程で見せるデヴィルの表情や心情が機微に富んでいるのがとても良
かった。似た者同士なホノーリアとやり取りをする事でデヴィルのパワフルな個性に茶目っ気や微笑ましさ
が窺えるんですよね(^^)また出会った直後に結婚を決めた事やホノーリアに対する想いも圧倒的で、意志
や信念、そしてデヴィル自身に迷いが無く、揺ぎの無い強さがキャラを強烈に印象付けていたと思います。

脇役メンバーズはバー・シンスターの面子がメインでしたが、これが曲者揃いでございました(^^)私的には
ヴェーンとスキャンダルが気になる所かな。まさにこの母にしてこの息子ありなデヴィル母はスキャンダルに
まつわるエピソードも含めて興味深い人物だったし、更に召使い達がしっかりと仕込まれているのもさすが
だわ(笑)ホノーリアとデヴィルを中心に各々が脇役らしい配置で個性様々に振る舞いつつ、シンスター家
の結束力の固さが光っていたのが○。バー・シンスターの面々がすっかりとホノーリアの言いなり状態なの
にもニンマリでした(^^)何でも一族の全員の作品があるみたいなので(凄っ)、今後が楽しみですね〜。

デヴィルの家で過ごす内に段々とデヴィルに惹かれていったホノーリアは、デヴィルのプロポーズを受ける
事に決め、程無くして二人は結婚しますが、一方トリィを殺害した犯人を探すデヴィルの身に危険が迫り
ます。ストーリーは展開的にはさほど大きく動いたり変化したりせず、一定感があって割とスローでしたね。
ホノーリアとデヴィルの関係は、キスシーンの多さとラブシーンを長くじっくりと描き込む事で官能性を高め
る感じで、その合間に交わされるスマートで歯切れの良いやり取りの数々が、ロマンスを引き締めている
ように思えたかな。自分の主張を下げずにぶつかり合って理解を通わせながら、何事にも率直に向き合う
姿勢がナイスだし、丁々発止とした掛け合いを通して、ホノーリアとデヴィルのキャラが生き生きと輝くのも
○。事件面はストーリーに色を添える程度でしたが、強健なキャラ達や細やかに盛り込まれた心理描写、
ぶれない話運び等申し分が無くて、全体を通して水準の高い内容で楽しませてくれる優秀作品でした。

シリーズの続きの翻訳が確定しているとの事ですが、二作目は「A Rake's Vow」でヴェーンのお話です。
現在計14冊が刊行されていまして、もしシリーズが完訳されるとなると・・・一体いつになるんでしょう(笑)

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  1. 2008/07/04(金) 22:54:48|
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A Kiss of Shadows

アニタ・ブレイク・シリーズの新刊を読了しましたが、後書きによると、次回の翻訳はメリー・ジェントリー・
シリーズになるとの事でしたね〜。こちらは現在7作刊行されている模様。新しいシリーズにも興味津々
だけれど、アニタ優先で翻訳して頂きたいのが正直な所かな(笑)あっ、レビューは後日UPします(^^)

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  1. 2008/06/06(金) 23:59:52|
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Ravished

新刊リストを見た時には、凄い大盤振る舞い(笑)だと思いましたが、villageさんのHPによると6月は
ガバルドンとガーウッドを刊行するとの事でしたね。クイックに関して言及されていなかったので、延期と
見なしていいのかな?そんな「Ravished」ですが、AARの「Top 100 Romances」にランクインされ
ているタイトルなんですよね〜。とってもクイックらしい作品と聞けば、期待も増します。楽しみだな〜(^^)

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  1. 2008/05/13(火) 23:46:42|
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